iOSエンジニアの仕事内容
iOSエンジニアが「iOS向けアプリケーションの開発」を仕事としていることは先述したとおりです。では、具体的にどのような仕事を手掛けるのでしょうか。以下ではiOSエンジニアの仕事内容について、より詳しく見ていきましょう。
iOSアプリ開発
iOSアプリは大きく分けて、Webブラウザ上で動作する「Webアプリ」とiOS上で直接動作する「ネイティブアプリ」の2種類に分けられます。iOSエンジニアは、この両方の開発を手掛けることが仕事の一つです。
Webアプリとネイティブアプリはそれぞれ作り方や動きが異なりますが、場合によってはWebアプリとネイティブアプリが連動して動くような仕組みを求められることもあるため、両方について知識を備えていることが望ましいでしょう。
要件定義と設計、テスト
iOSのアプリ開発は、通常の開発案件と同様に「要件定義」「設計」「開発(実装)」「テスト」の4つの工程が存在します。
顧客の要望を汲み取って必要な仕様をまとめる要件定義、要件をもとに具体的なアプリの動作を決めていく設計、そして設計をもとに開発されたアプリがきちんと動作するかどうかを確認するテストが一連の流れとなります。
iOSエンジニアとして、開発だけでなく要件定義や設計、テストといった工程に携わることも多くあります。どの工程に携わるかは案件の内容にもよりますが、どの工程でも対応できるだけの複合的な知識やスキルが求められてきます。
フロントエンドやサーバーサイドの開発
iOSアプリのフロントエンドやサーバーサイドの開発についても、iOSエンジニアが携わります。フロントエンド開発では、インストールするアプリ本体や、Webブラウザ上で実際にユーザーが動作を行う部分の開発を行います。この部分の開発はユーザーの満足度やユーザー体験を大きく左右する重要な要素でもあります。
一方、サーバーサイド開発はサーバー内部の動作処理を実装していく作業となります。サーバーサイドは、フロントエンドとの対比で「バックエンド」と呼ばれることもあります。Webアプリもネイティブアプリも、インターネットを介してサーバーと接続し、何らかの処理をすることが少なくありません。このため、サーバーサイド開発もiOSエンジニアの作業に含まれることがあります。
不具合の改修、メンテナンス
新規にアプリを生み出すだけではなく、リリースしたアプリに対する不具合の修正や定期的なメンテナンス作業も、iOSエンジニアの仕事です。リリース後に発見された不具合の修正はもちろんのこと、定期的にメンテナンスを行い、想定外の不具合が起きていないか、不正な方法で使用しているユーザーがいないかどうかを逐次チェックし、対処していく必要もあります。
他にも、ユーザー側から出された改善要望などをもとに、改修を行ってユーザーがより快適にアプリを利用できるようにすることもiOSエンジニアの役目と言えるでしょう。アプリの完成・リリースは決してアプリ開発における「ゴール」ではなく、その後のメンテナンスやアップデートも欠かさず行うことが重要なのです。
Apple社の最新情報のキャッチアップ
iOSアプリ開発において、Apple社の最新情報をキャッチアップすることは重要な仕事の一つです。Apple社では公式カンファレンスなどで、iOSに関する新製品や新機能の情報、バージョンアップの告知といった最新情報を提供しています。iPhoneやiPadなどにはiOSが搭載されているため、OSのバージョンアップなどを含むApple社の動向によるアプリへの影響は非常に大きくなります。これらの最新情報は開発にも素早く反映させる必要があるため、やはりApple社の最新情報のキャッチアップはiOSエンジニアとして欠かせない業務とも言えるでしょう。
なお、Apple社からの情報発信は基本的に英語で行われます。日本語に翻訳されるには時間がかかったり、翻訳に間違いがあるケースも少なくはありません。そのため英語の読解力もiOSエンジニアに求められるスキルのひとつとなります。