Webディレクターのスキル
作業の品質をチェックしながら全体の進行を管理する立場ということもあり、Webディレクターにはさまざまなスキルが求められます。
企画提案力
これはWebプロデューサーに求められるスキルでもありますが、クライアントに対する企画提案力。魅力あるプロジェクトにするため、クライアントの要望に応えるためにも欠かせないスキルです。要望に答えるだけでなく、プラスアルファの提案ができれば良いWebディレクターとして評価されますし、大規模なプロジェクトでWebプロデューサーと兼任するチャンスも得られるでしょう。
課題抽出
企画提案の際には必ず課題抽出をセットに行います。課題をしっかり見据えたうえで企画提案をしないと、いざプロジェクトをはじめた段階でさまざまな問題を抱えてしまいかねないからです。逆に課題抽出がしっかりできていればスケジュール通りに進めやすく、現場を混乱させずに済みます。
ドキュメント作成
どのような手順で、どのようなスケジュールで行っていくのか。クライアントはもちろん、現場のプログラマーやデザイナーなどにしっかり伝えるためにドキュメント作成のスキルも欠かせません。現場では口頭で陣頭指揮を執るイメージもありますが、専門的な内容ともなると文章でなければ伝えられない面もありますし、記録に残しておくことで後にトラブルが起こるのを防ぐこともできます。
プレゼンテーション
プレゼンテーション。自分の計画やビジョンをクライアントだけでなく現場のスタッフに納得させたうえで進めていくことができるか。現場のモチベーションを維持しつつ作業を進めていくうえでも大事なスキルです。
ディレクションスキル
そしてもちろん、全体を統括・指揮して作業を管理するためのディレクションスキル。リーダーシップに加えて、専門的な知識やコミュニケーション能力などが問われる面もあり、経験によって身につけていける部分でもあります。
コミュニケーション力
現場の統括者であっても一方的にスタッフに指示するだけではダメですし、クライアントに対して一方的に自分の提案を押し通そうとするだけでもダメです。やる気を引き出し、説得力を伴った説明ができるコミュニケーション能力が欠かせません。
プロジェクト管理
ディレクションスキルともかかわってきますが、プロジェクト管理のスキルもWebディレクターの基本です。複数の部署が作業を分担しながら進めていくことも多いため、それぞれの進捗状況を把握したうえでの管理が必要です。もしひとつの部署で問題が生じたら、その影響が現場全体に広がることのないよううまく処理していく、そんな対応力もここに含まれるでしょう。
情報収集
ときには情報収集も必要になります。スタッフの選定などプロジェクトの準備の際にいろいろな情報を集めておく、スケジュールに支障をきたすような問題がないかどうか、常に一歩先を見据えた管理を行うため、作業中にも情報収集を怠らない。情報をうまく活用するスキルも大事なのです。
テクニカルスキル
すべてにおいて専門的なスキルを持っている必要はありませんが、作業を担当する専門職からの問い合わせやトラブル発生時の対応などの際に、Web・ITに関するテクニカルスキルも必要になります。問い合わせの時に、それが何を言っているのかすぐに把握できる程度のスキルは持ち合わせておきたいところです。
Web広告・SEO
Webサイトは集客・マーケティングの手段ですから、インターネット広告やSEOを活用したアプローチが必要になることもあります。
編集・ライティングスキル
必要に応じて、編集やライティングをWebディレクターが担当することもあります。直接担当することはなくても、最終的なチェックや修正を行う機会はたくさんありますから、この点のスキルも欲しいところです。
アクセス解析
そして作成したWebがどれだけ成果を上げているか、クライアントの要望に応えられるものになったかを確認するためのアクセス解析のスキルも重要です。Google AnalyticsやAdobe Analyticsなどのツールを利用します。
Webディレクターの知識
スキルに加えて知識についても幅広い範囲が求められます。
Webデザイン、フロントエンド知識
Webデザイナーに作業を指示するためには、HTML・CSSなどWebデザインに関する知識が必要です。レイアウトや配色など画面上の印象を左右するWebデザインは、知識だけでなくセンスが問われる部分でもあります。また、動的なWebサイトや大規模な開発案件では、JavaScriptなどフロントエンドに関する知識も必要になってくるでしょう。
知的財産権(著作権)などの法律知識
Web上で公開するコンテンツや画像などの取り扱いについても注意が必要です。個人情報の保護も重要になってきています。関連する法律などの知識に詳しいと重宝されるでしょう。よいWebサイトを作ったと思ったら著作権や肖像権の違反を指摘されてしまった…そんなことがないよう、知的財産権に関する法律知識もある程度は必要です。