フリーランスSEの求人動向
システムエンジニア(SE)の求人は長期安定の状況にあり、その中においてフリーランスの働き方を選ぶ人が増えています。企業の側でも人手不足を解消する選択肢として、また「働き方改革」の一環として業務委託や請負での人的リソース調達を積極的に採用する動きが出ています。そうした傾向や求人の数などの面からフリーランスSEの求人動向は恵まれた状況にあると判断してよいでしょう。
情報システムやIT開発などの案件で需要の高い職業に「システムエンジニア(SE)」があります。正社員や派遣社員として数年働いた後に独立して活躍するフリーランスも多く、案件の報酬単価や求人情報、仕事内容について興味のある方も多いのではないでしょうか。
この特集では、フリーランスSEの求人動向から始めて、仕事の種類、案件で求められるスキル、需要や年収、さらにその将来性まで詳しく見ていきます。
システムエンジニア(SE)の求人は長期安定の状況にあり、その中においてフリーランスの働き方を選ぶ人が増えています。企業の側でも人手不足を解消する選択肢として、また「働き方改革」の一環として業務委託や請負での人的リソース調達を積極的に採用する動きが出ています。そうした傾向や求人の数などの面からフリーランスSEの求人動向は恵まれた状況にあると判断してよいでしょう。
フリーランスといっても企業に出勤する形で勤務する「出向型・常駐型」のワークスタイルが多いのも事実です。「フリーランス=在宅勤務」というイメージを持っていると思うような求人案件を探すのが難しくなってしまう面もあるので注意したいところです。
契約期間中は原則として出向型、場合によっては正社員とほとんど変わらない環境で働くことになるケースもあるので案件内容を細かく確認し、不明な点は直接確認したうえで判断することも必要でしょう。
現在フリーランスで活躍しているSEの大半は会社勤めを経てから独立するケースがほとんどとなっています。やはり実務経験が大きくモノを言う職種ということもあり、まずは正社員や派遣社員として2、3年は実績を積んで、業務に必要なシステム開発のスキルやIT知識などの足固めをするというキャリアプランが一般的です。
フリーランスを採用する側としても実務経験を重視することが多く、職務経歴書・スキルシートの内容でアピールする内容がなければ、商談へ進むことが難しい点を考えても十分な実績を持つまでは会社員として就職することを選択するべきでしょう。
こうした事情からも現在のところ在宅で働くフリーランスSEは少数派となっています。Web系のフリーランス案件では、リモートワークが可能な仕事もふえてきましたが、一般的なITプロジェクトでは、企業に常駐して働くエンジニアへの需要が高いのです。また、フリーランスSEが在宅ワークで働く場合でもコンスタントに職場に訪れて打ち合わせやその場での作業を行うケースが多く、一般的に思い浮かべる在宅勤務とは少々距離があるのが現実です。
在宅勤務の形でのフリーランスSEへの転向を検討している場合にはこの点に注意したうえで独立の準備を進めるとよいでしょう。
システムエンジニアとはその名前の通り「システムのエンジニアリング」つまり設計図を作る役割のことです。システム開発においてはまず土台となる要件の整理・設計書の作成が不可欠であり、それを作る役割となります。
ですからこのシステムエンジニアの仕事がしっかりできていないとシステムの構築ができないのはもちろん、社内ネットワークやサーバー、データベースといった現代ビジネスには欠かせない環境も機能しなくなってしまうのです。それだけに業種を問わずますます重要性が高まっている仕事ともいえるでしょう。
基本的にはシステムの設計ですが、職場によってはより幅広い役割が求められることもあります。黙々と設計作業に携わるだけでなく、プロジェクト管理や検証・評価作業などより積極的な役割を担うことも多く、在宅勤務が少ない理由の一つともなっています。
とくに現在ではシステム開発の工程を管理する仕事や人材の管理、予算の見積もりなどマネジメントの役割が求められる機会も増えています。
システムの設計や開発となるとプログラマーと似た印象もありますが、その違いはプログラミングに専念しているかどうかです。プログラマーがプログラミングに専念する傾向が強いのに対してSEは設計や企画段階から携われることが多く、また先述のようにマネジメントの役割を担う機会も増えています。SEの方がカバーする範囲が広いともいえるでしょう。
同じく似た印象があるのが社内SEです。業務内容がほとんど同じケースも少なくありませんが、違いは活躍する場所にあります。社内SEはその名称の通り事業会社やユーザー企業などで自社内におけるシステムに携わります。それに対してSEは、SIerやIT企業に在籍して広くクライアントからの依頼を受けて業務に携わるのが一般的です。その分柔軟性や対応力、豊富な知識がSEには求められます。逆に社内SEの場合は従来のSEとしての役割に加えて社内インフラの整備やITに関連する幅広いサポート業務を担当することもあります。
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システム開発には複数の段階があり、その工程のほぼすべてにおいてSEは関与することになります。当然それぞれの工程において確かな知識とスキルを備えていることが大前提、そのうえで状況に応じた柔軟な対応や判断が必要になります。
まず最初の土台づくりとなるのが要件定義。クライアントの要望・条件に合わせて構築するシステムの全体像を構築・提案していきます。要望に応えるためにはどういった機能が必要か、どれだけ使いやすいか、また予算の範囲内でどれだけのシステムを築き上げることができるか。クライアントと交渉しながら決定していくことになります。採用するハードウェアやOSなどの選択もこの段階で行うため、もしこの段階で決定や選択を間違えると後々大きな問題を引き起こしてしまいかねない重要な部分でもあります。
方向性と全体像が決まったら基本設定です。データベース設計や外部システムとの連携も含めて細かな点を決定していくことになります。デザインもこの時点で決まることが多いので知識やスキルだけでなくセンスも問われる部分です。
そして最終的な詰めとなるのが詳細設定。内部の処理方式など実際の制作過程で必要な設計をこの段階で行っていくことになります。この時点で決定した設計・プランを元にプログラマが作業を行うことになるため、最終決定・ゴーサインと言ってもよいでしょう。
設計が決まったらいよいよプログラミング。SE本人がプログラマーを担当する場合と、専門のプログラマーが担当する場合があります。現在では分業が進んでおり、SEはプログラミングには関与せずに作業工程や人員の管理やテストの準備などに携わる奇怪が増えています。
そのテストもSEの重要な役割です。システムの大規模化や機能の向上もあり、制作工程ではいくつかのパーツに分割されたうえで作成が行われていきます。ですからそれらひとつひとつのパーツが問題なく動作するかどうかを判断するのはもちろん、最終的にシステム全体がうまく機能するかどうかもテストしなければなりません。
各パーツのテストについては制作を担当したプログラマーが担当することが多いのですが、もしここで問題が発生した場合には修正を依頼することになります。そして各パーツを連結させたうえでシステム全体をテストする場合にはSEが自らの責任のもとで行う形になります。
そして最終的に問題ないかどうかを判断し、責任を負うのもSEの大事な役割です。
テストの結果問題なくシステムが動いたらいよいよ実際に運用が行われます。システムは問題なく動き続けることが絶対条件、現代ビジネスではシステムの故障やダウンなどが業務に支障をきたしたり、場合によっては多額の被害をもたらしてしまうリスクを秘めています。それだけに日常の業務において問題なくシステムが動作するよう、運用・保守を担当します。
この点もSEの勤務環境に常駐型・出向型が多い理由の一つです。実際にシステムの現場にいて、問題なく動いているかどうかを確認する、定期的なメンテナンスはもちろん、データベースの操作など、現場にいなければできない仕事がたくさんあるのです。
万一問題が発生した場合にはそれが深刻な影響を及ぼしてしまう前に対応するのも大事な役割です。微調整・修正で済む段階でカバーできればほとんど被害を出さずに修正することができるでしょう。
この仕事は正社員のSEや社内SEが担当することが多く、フリーランスの求人が少ないのも特徴として挙げられます。また状況に応じてプログラミングの修正を担うこともあるのでこの分野のスキル・知識が重視される傾向も見られます。
システムやプログラミングに関する専門的な知識・スキルが求められるのは当然ですが、それ以外にもシステムエンジニアとして活躍していくためにはさまざまなスキルが求められます。すべてを最初から備えていなければならないというわけではなく、実務経験を積みながら身に着けていき、より幅広い分野・役割で活躍できるようになっていく、というキャリアプランも重要になってくるでしょう。
システムエンジニアの工程のほぼすべての段階において重要になるのがコミュニケーション能力です。在宅型の案件が少ない理由のひとつもここにあります。例えば要件定義の段階ではクライアントの要望に耳を傾け、話し合いながら計画を提案し、交渉しながら全体像を決定していく必要があります。クライアントの言いなりではなく、かといって自分のビジョンを押し付けるわけでもない、コミュニケーションを通した全体像の構築が必須になるわけです。
また現場の作業においてもプログラマーとの連携、作業工程が問題なく進んでいるかどうかの確認、パーツごとのテストの進捗状況などコミュニケーションが問われる場面が多数あります。
当然と言えば当然ですが論理的思考能力も必須です。プログラミングなど専門的な知識だけでなく、それを論理的に活用し工程の発案や計画などを行っていく思考能力です。クライアントやプログラマーに計画をわかりやすく説明できるかどうかもこの能力が大きく左右するでしょう。
コミュニケーション能力・論理的思考能力の両方とかかわってくる部分ですが文書作成スキルも欠かせません。専門的な言葉も多く口頭で説明するには限界があります。文章で、または図解なども取り入れたうえで文書で説明できるか、プログラマーをはじめとしたスタッフに工程やシステムの設計をしっかり伝えることができるか。文書作成スキルが次に触れるプロジェクト管理能力ともかかわってきます。
工程や人員の管理などマネジメントとしての面を担う機会が増えているシステムエンジニア。予算内・納期内に完成させることも含め、プロジェクトを管理しつつ作業を進めていくスキルが問われます。この能力を磨いていけばプロジェクトマネージャーとの兼任や転身の機会も出てくるのでキャリアアップの視点からも大事な部分でしょう。
現代のビジネスではITの活用が不可欠、システムにおいてもITスキルは必須です。ネットワーク、セキュリティ、クラウド化など現代ビジネスに求められている分野に関する専門的な知識を積極的に吸収していく向学心や柔軟性も欲しいところです。
国内企業で働く場合にはそれほど必要ありませんが、外資をクライアントとする場合や海外のアウトソーシングを担当する場合には英語力もある程度は必要です。逆に言えば英語力を持っていればより幅広い範囲で活躍できる機会が増えます。必須ではありませんが、身に着けるとキャリアアップに非常に役立つスキルとなるでしょう。
システムエンジニアの年収はやはり高い水準にあり、600万~900万円が全体の相場です。さらに高い評価を得ているフリーランスのシステムエンジニアなら年収1000万円を超えることも決して珍しくなく、キャリアの足がかりをつかむことができれが高収入を得ることもできるでしょう。
正社員はとびぬけた高収入を得る機会は少ないものの安定した水準と昇給の機会に恵まれます。30代で500万円台、十分なキャリアを経た40代以上にもなれば600万円、700万円台に達することも珍しくありません。
フリーランスSEの単価相場は一か月程度の案件で数60万円程度です。しかし高い案件なら100万円をこえることもあります。一般的なシステムエンジニアとして実績をこなすだけでなく、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーといったSEのなかでもマネジメント業務の経験をやしなうとよいでしょう。
年収アップのためには現代のビジネスシーンおいてシステムエンジニアが求められているスキルや経験も欲しいところです。
できるだけ上流工程のスキル、とくにマネジメントのスキルを身に着けることでより責任ある立場を任させる機会が増え、収入も増えます。
幅広いプログラミング言語に対応できるなど独自の技術や強みを持つことで「この人に任せよう」と思わせるアピール力を持つのも大事です。
フリーランスとして活躍したいなら営業力・交渉力も欠かせません。いい意味で「自分を高く売れる」コツを身に着けたいところ。
今後ビジネスのIT化、データベースの大規模化がさらに加速していくことでSEの需要が高まることが確実視されており、求人の面も含めて将来は有望といえるでしょう。
IT需要の高まりとともに技術者も増加しています。システムの保守運用は一定の需要がありますが、今後の先行きは不透明な印象もあります。その一方で時代のニーズに合わせて最新の動向に対応できる「先端IT人材」になることが求められます。AIやビッグデータ、IoTへの対応が必須となるでしょう。
個人情報保護や情報漏洩への対策強化のニーズからセキュアなプログラミングの需要が増すでしょう。そしてとくにクラウドへの移行が急速に進んでいるため、この業務にSEとして対応できれば仕事も多くなり、単価アップも期待できます。
もうひとつの特徴として挙げられるのがIT化の進行によってIT業界以外でITを導入している企業からシステムエンジニアが求められ始めている点です。事業会社内で働くSEとして、これまでなかった分野で活躍の場を見出す機会も得られるでしょう。