AI・データ分析のフリーランス向け案件が業界最大級
ウェブ広告やオウンドメディアの運用、MAの導入支援などの案件で注目の職業に「デジタルマーケター」があります。正社員や派遣社員として数年働いた後に独立して活躍するフリーランスも多く、案件の報酬単価や求人情報、仕事内容について興味のある方も多いのではないでしょうか。
この特集では、デジタルマーケティングの求人動向から始めて、仕事の種類、案件で求められるスキル、需要や年収、さらにその将来性まで詳しく見ていきます。
WebだけでなくSP（セールスプロモーション）やCRM（顧客管理）などリアルの施策を含めたデジタルマーケティングの需要が高まっており、それらを実行するマーケティング人材の求人需要が増加しています。新しい分野ということもありデジタルの知見を持つ人材が不足しているため、フリーランスで働くマーケターを求める企業も多いです。
就職して正社員として働くほかにフリーランスという選択肢も選べるため、デジタルマーケティング担当者は将来性の面においても非常に有望な状況にあります。現段階でデジタルマーケターとして活躍している人はもちろん、これからこの分野で活躍したい、フリーランスでキャリアを重ねていきたいと考えている人にとってもチャンスを得やすい環境です。
求人需要が拡大している最大の原因は、インターネット広告やSNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）、MA（マーケティング・オートメーション）などデジタルマーケティングの市場そのものが急拡大しており、それに合わせて求人・需要も増加しているからです。次々とあらたな手法やサービスが生まれるため、人の供給が採用の需要に追い付かない状況といってもよいでしょう。
顧客情報の管理はもちろん、データの蓄積や分析、ターゲティングなどITを活用することで、ユーザーとの接点を一元化した環境で行うことができる状況が生まれつつあります。大企業でなくても膨大なデータを扱うことができるため、業種を問わずデジタルマーケティングの重要性が高まっているのです。
いくらサイトを運営しても、多くの媒体に広告を掲載しても顧客に適切なメッセージとして届かなくては意味がありません。いかに効果的にマーケティングができるか、対費用効果を確保することができるか。マーケティングにおける最大のテーマともいえる部分においてデジタルマーケティングが非常に大きな比重を占めるようになっているわけです。
インターネットを活用したマーケティングといえばWebマーケティングが思い浮かびます。Webを活用するという点において、両者で共通する部分も多くよく混同されるポイントといえるでしょう。しかしながら、タッチポイントやデータソースにリアル接点を含むデジタルマーケティングの方がより幅広く、総合的な視野のもとでマーケティングを手掛けていく点に大きな違いが見られます。
Webマーケティングの対象とする領域はあくまでインターネットが中心でした。一方で、デジタルマーケティングでは、リアル店舗も含めたオムニチャネルや対面重視のBtoBマーケティングなどさまざまなマーケティング手法と融合した活用が問われるようになっています。活用できるデータのバリエーションやツールが増えたことで、Webマーケティングだけでは十分にカバーしきれない状況になりつつあるのです。
そのため、これまでWebマーケティングをメインに手掛けていた企業がデジタルマーケティングに進出することもありますし、Webマーケティングを手掛けていた人がキャリアアップの選択肢としてデジタルマーケティングも行うようになるといったケースも増加しています。
Webマーケティングの段階でも特徴として見られましたが、事務所に出勤して業務をおこなう常駐勤務だけでなくリモートワークや副業案件が多くみられます。デジタルマーケターは、とくに出勤して会社で一日勤務する形態にこだわる職種ではないため、フリーランスはもちろん、副業としても活躍する機会があるわけです。
そのためいきなりフリーランスマーケターの世界に飛び込むは不安な人も、正社員として働く本業をメインに行いつつ、単発案件や副業の仕事としてマーケティングの業務を請け負いながらキャリアを積んでいくといった選択肢も可能です。
フリーランスの立場で活躍できる場所は幅広く、大手企業や広告代理店などのデジタル部門に常駐して広告運用やマーケティングツールの業務を請け負う形態から、中小企業や個人経営のショップなど中小規模のクライアントに対してのコンサルティング業務を受注する形で働くチャンスも得られます。
基本的には会社員で数年間勤務したのちにフリーランスとして独立する方法が一般的ですが、未経験からでもデジタルマーケターを目指すことは可能です。クラウドソーシングやマッチングサイトに掲載のあるフリーランス案件を地道に積み重ねて少しずつステップアップ・キャリアアップを目指していくのもキャリアプランの一つの選択肢となるでしょう。
具体的な案件や仕事内容も多岐にわたっており、どの分野で活躍したいのか、どれだけ幅広く手掛けるつもりなのかをあらかじめ決めておいた方がキャリアプランを練りやすいかもしれません。ビジネスのデジタル化が進んでいくことで今後ますます多様化していくことも予想されており、自分なりに手掛ける範囲を意識しておきたいところです。
デジタルマーケターを募集する求人案件で、もっとも基本となるのがオウンドメディアやサイト運営などの仕事です。Webマーケティングともかなり重なる部分ですから、これをきっかけにデジタルマーケターへの転身を図るのもよいでしょう。とくに会社が自社で展開しているメディアを運用するオウンドメディアはWebマーケターの知識・スキルを活かしつつデジタルマーケターの経験を積んでいくことができる選択肢として注目されています。
デジタル広告の運用は実務経験が問われる傾向が強いです。インターネット広告代理店などでの運用経歴があれば、仕事を受注しやすいでしょう。リスティング広告、リターゲティング広告、さらにディスプレイ広告など現在のデジタル広告にはさまざまな選択肢があります。広告の出稿のほかに、アクセス解析や分析ができると付加価値になります。
よい広告が注目を集めるとは限らず、まして売り上げに直結するとも限らないのが現在のビジネスシーンです。広告が多くの人たちの目に届くだけでなく、売上を増やすことができるか、広告戦略の立案から担当することもありますし、指示された予算をどこに展開していくのかを計画することもあります。いずれにしろデジタルマーケティングの成果を左右する非常に重要な仕事です。
SNSは情報の拡散性に優れている一方、一歩間違えると炎上のリスクを抱えるなど匙加減が難しい面もあります。Facebook、Instagram、Twitter、LINEなど主要なソーシャルメディアでのアカウント運用経験があると、案件獲得に有利に働きます。またSNSの種類ごとに特徴や傾向、ユーザーの年齢層に違いが見られますから、すべてに同じアプローチをするのではなく、それぞれに効果的なマーケティングを仕掛けていくことが求められます。このあたりの施策もデジタルマーケティングの大事な役割なのです。
マーケティングオートメーションツール（MAツール）をはじめとしたツールの導入や推進の案件も増えています。SFAやCRMなどのプラットフォームにユーザーのデータを蓄積するエンジニア寄りの案件のほか、最適なコミュニケーションを実現できるようMAツールを運用します。ターゲティングを効果的に行う環境づくりをおこなううえでは、入手した情報に含まれているユーザーが自社のサービスに興味を持つかどうか、潜在的な顧客層として見込むことができるかなどを検討します。そのため、カスタマージャーニーマップやペルソナの作成をおこない、チームメンバーの理解をうながします。実際のプロジェクトは、メール配信やレコメンドなどの単発的な施策を担当する案件から、全体的なコミュニケーション戦略策定を担当する案件まで様々です。
さらにこれらの案件とあわせてコンテンツ制作やWebサイトのディレクションをおこなうこともあります。興味のあるコンテンツなどの閲覧データとユーザー情報を紐づけることで、潜在的な顧客層と見込んだユーザーを相手にピンポイントにメールでアプローチしていくことも可能になるのです。
そして忘れてはならないのが、デジタルマーケターといえどもイベントの開催をはじめとしたリアル施策を手掛けることもある点です。多くの人の目に触れる、情報を提供するという点でデジタル広告は非常に有効な選択肢ですが、実体験を通したリアル施策にはどうしても及ばない面もあります。イベントを通してサービスや商品の魅力に接してもらう、さらには自社のファンになってもらう。商品・サービスの知名度アップだけでなく企業の好感度・ブランドイメージのアップにも役立つ部分です。
ポイントなのはリアル施策を成功させるためにデジタル媒体をうまく活用する点です。イベントを告知し、多くの人に興味を持ってもらう。そして多くの人にイベントに参加してもらい魅力を知ってもらう。この二段階のアプローチを成功させることができるか。デジタルマーケターの腕が問われる部分です。
ビッグデータナビは、人工知能（AI）・機械学習・深層学習など先端IT人材向けの求人情報が集まるサイトです。案件の紹介を希望する場合、まずは無料登録をお願します。フリーランス（個人事業主）の方以外に、独立・起業をお考えの方や、正社員の副業についてもサポートします。
AI、IoTなど最先端分野に特化したエージェントだから紹介できるエンジニア求人案件で高単価や柔軟な働き方を支援します。
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デジタルの分野で活躍するわけですから、当然ITをはじめとしたスキルが求められるわけですが、それだけに留まらず時代のニーズを敏感に察知したうえで多くの人の興味を引き付けることができるスキルも必要です。
やはり基本中の基本はITスキル。広告運用やアクセス解析、メール配信など基本的なツール利用やデータ活用はデジタルマーケターに必須のスキルです。また、いかにいいアイデアがあってもそれをデジタル市場で活用できなければ意味がありません。またWebや動画配信、スマホなど媒体に合わせて適切なアプローチを行っていく面でもITスキルは必須になるでしょう。
クライアントが何を求めているのか、どういったマーケティングをしたいのか。あくまで要望に応じたアプローチを提案し、実行に移しながら成果を上げていくのがデジタルマーケターの役割です。ですから当然コミュニケーション力は必須、クライアントから要望をしっかり聞き、予算の範囲内で実現可能な提案を行い、それがどれだけ成果が見込めるかを説明する。マーケティング関連の職種の中でもとくに短期間での成果が求められる面があるだけに企画段階からしっかりと説明できることが重要です。
また場合によってはクライアントの獲得など営業にかかわる業務に担うこともあるため、交渉力という意味でのコミュニケーション力も欲しいところです。
そして次に挙げる数字管理能力と並んでデジタルマーケターのもっとも重要なスキルともいえるのが情報リサーチ力です。ニーズや流行りが目まぐるしく変化していくデジタルの分野においてつねに何が求められているのか、何が注目されているのかをリサーチし把握したうえで計画を練る。一年前にもてはやされていた手法が現在も有効である保証はどこにもありません。むしろこれまでになかったアプローチが求められます。そのためにも日ごろから情報をしっかりリサーチし、その情報を有効に活用できるようなスキルが欠かせないのです。
数字管理能力、つまり成果がどれだけ出ているのかを客観的に判断し、その数字に基づいて企画や修正などを柔軟に行うことができるか。現在行っているデジタル広告が実際にどれだけ成果を上げているのか、ユーザーの年齢層はどうなっているのか、他の媒体に切り替える余地はどれぐらいあるのか。これらを売上やアクセス数など客観的な数字をもとに厳密に分析し判断していくのがデジタルマーケティングです。
そのためクリエイティブな感性が求められる一方で現実的な視点も欠かせません。数字管理能力と現状把握能力、状況に合わせて対応できる柔軟性などもないと務まらないといってもよいでしょう。
比較的新しい職種なうえにこれから需要が増加していくため、平均年収を出すのは難しい面もあります。また需要が多いため、高い成果を上げられるデジタルマーケターはフリーランスとして引く手もあまたな状況になることもあり、高収入を得られるチャンスにも恵まれます。そうなると実績や成果によって年収に大きな個人差が出てくるので平均年収があまり参考にならない面もあるのです。
全体的な相場としては500万円～800万円程度と言えます。1000万円を超える人が全体の平均を上げている面もあるため、この水準よりも低いケースも当然あり得ます。
正社員の場合は勤続年数が4～5年ころになると年収が増加する傾向が見られます。大きな仕事を任されるようになり、責任が重くなる一方で収入もどんどん増加していくのです。30代前半の段階で年収500万～600万円程度でしょう。一方まだキャリアが浅い20代では300万円～400万円程度が一般的です。
先述したようにキャリアや評判によってフリーランスの単価には大きな差が出てきます。そのマーケティングにかける予算によっても違いが出てきます。数十万円程度の案件もありますし、100万円を超えるものもあります。150万円程度くらいまでが一般的な相場と言えるかもしれません。ただ実績のあるフリーランスなら1回の案件で数百万円クラスの報酬が用意されることもあります。
デジタルマーケティングの成果は戦略の立案でほぼ決まるといっても過言ではありません。だからこそ先述したようにコミュニケーション力や情報リサーチ力が必須になるわけです。そのうえで立案の段階でどういった点を検討すればよいのか、基本的な部分を踏まえておくことが大事です。
まず既存のWebサイトやSEO、インターネット広告などで行ってきた施策の整理をおこないます。つまりこれまでやってきたマーケティングでどれだけ成果が挙げられたのか、どんな点に問題や限界があったのかを洗い出したうえで、課題や改善点を抽出します。そのうえで、デジタルとリアルの区別なくデータの蓄積とマーケティング施策を検討していくことになります。簡単に言えば「同じ失敗を二度繰り返さない」ための対策です。
どのコンテンツでマーケティングを仕掛けていくのか？方向性を決定する大事な部分です。既存の施策の整理の結果を踏まえたうえで全体のマーケティング設計を行っていきます。当然これまでとは違う新しいアプローチが求められるわけですが、新しいことを手掛ければよいというわけではありませんから、入念な情報リサーチと検討を行ったうえでの設計が必要です。
CRMに蓄積するデータは、デジタルまーティングを推進するうえで鍵となるデータです。そのため、過去に取得したデータを含め有効活用できるように、基盤の整理に時間を使います。加えてMAツールなどを活用したターゲティングの設定も含めたうえでメールマーケティングを行っていきます。メールの配信先を新規で獲得するには、コンテンツマーケティングなどのほか、ウェブ広告を有効活用します。既存の顧客を確保しつつ新規顧客の開拓も併せて行っていくわけです。
新たなユーザー・顧客を獲得しつつリピーターを確保する。そのためにデジタルマーケティング担当者にはさまざまな役割を担う必要が出てきます。
成果を上げるためにもKPIへのこだわりは欠かせませんが、あくまで結果ありきではなくその目的に達するためにはどうすればよいのか、指標として扱うのが基本です。そのためにも状況に合わせて変化させるなど柔軟な対応も求められます。デジタルマーケティングはWebマーケティングよりも広い範囲を扱う概念です。そのため、PV、UU、CPA、ROASといった指標のほか、ブランドリフトやNPSなどの指標をKPIとして採用するケースもでてきています。
情報リサーチ力とも関わってきますが新たなツール、テクノロジーの積極的な活用、それを使いこなせる柔軟性もデジタルマーケターには必須の能力です。デジタル手法を駆使した課題解決にテクノロジーは欠かせません。スペシャリストとしてのキャリアを描く場合は、SQLやプログラミングなどエンジニアリングの手法も学んでいく必要があるでしょう。
巻き込む力、つまり一緒になって目標を達成するために積極的に協力し合う雰囲気を作り出す力。これは現場の責任者としてリーダーシップが求められる環境で問われる能力です。デジタルマーケターは、事業部門の営業担当者や企画者、経営者といったスタッフやWebディレクターやWebデザイナー、ITエンジニアなど様々なスタッフの利害を調整しプロジェクトを成功に導きます。
これまで触れてきたようにこの分野は将来性があり、これからさらに拡大していくことが確実視されています。
インターネットと接続する家電やスマートスピーカーなどのデジタルチャンネルは今後ますますふえていくでしょう。そして、動画など視覚情報の重要性が高まっていくことでビジュアル面を通していかにアプローチしていくことができるかが問われるようになるでしょう。従来のマス広告、リアル施策との融合が進むことでデジタルの重要性も高まるのです。
そしてAIがデジタルマーケティングを変える可能性も秘めています。かといって人間の役割や仕事を奪うわけではなく、人間がAIをいかにうまく活用して効率よくマーケティングしていくことができるか、ここにもデジタルマーケターの手腕が求められています。
視覚情報の中でもとくにインパクトが大きいのが動画です。短い時間の中でいかに印象的な広告を作れるか、マーケティングに役立てられるか。活況を呈している一方でデジタルマーケターのセンスが問われる部分でもあります。この分野をうまく扱えるかで将来のキャリアに差がつくといっても過言ではないでしょう。