プロジェクトリーダーの年収
プロジェクトや担当領域の責任者の立場となるわけですから、収入もかなり高い水準になります。キャリアや年齢、担当するプロジェクトによって具体的な収入額には差が出てきますが、30代の段階で年収600万円を超えることも多く、キャリア豊富な40代ともなれば1000万円を超える水準に達することも珍しくありません。
正社員の平均年収
正社員の場合、順調にキャリアを積んだうえでプロジェクトマネージャーの地位に就くことが多いため、フリーランスに比べて収入が低めになる傾向が見られます。先ほど挙げた平均年収と同程度、あるいは多少高めの水準になるでしょう。ただ一方で少しずつ昇給していく傾向があるため、高い評判を得ているフリーランスのプロジェクトマネージャーに比べてひとつのプロジェクトで高額の報酬が得られるといったことは少なくなります。
フリーランス案件の単価相場
フリーランスの単価はプロジェクトの規模によって大きく変わってきます。大規模なプロジェクトの方が報酬金額が高くなる傾向がある一方、規模が大きいとプロジェクトマネージャーの下について働くことになるので全体のリーダーとして活躍する場合に比べてかえって低くなることもあります。そのため相場を出すのは難しいのですが、平均的には月の単価報酬で80から100万円程度が相場になります。特殊なスキルを保有しているなど事情があれば200万円にまで達することもあります。
キャリアをはじめたばかりのころは数十万円の案件で経験を積みつつ、100万円を超える単価を目指していくのが一般的なルートとなりそうです。
プロジェクトリーダーに役立つ資格
プロジェクトリーダーは資格よりも経験が問われます。そもそもこの職種はリーダーシップやマネジメント能力、トラブルを解決する能力など知識では計ることができないスキルが問われるため、資格で能力を証明しにくい面があります。ですから「この資格を持っていないとプロジェクトリーダーにはなれない」といったものはありません。ただ、正社員としてキャリアを積んでいく過程で「プロジェクトマネージャーになるためにこの資格を取得しておきなさい」と言われることもあるほか、フリーランスで活躍する際に取得しておくと有利になるものがいくつかあります。
応用情報技術者試験
中堅のプログラマーやシステムエンジニアが受験することが多いのがこの資格です。「情報処理推進機構(IPA)」が運営している国家資格で、その名前の通り情報システムに関連した専門的な知識を問う内容となっています。ITに関する高度なスキルを取得したうえで現場を統括し、必要に応じてスタッフに指示を飛ばす、または他の部署・領域と協議をする。そんなときに役立つ資格です。
高度情報処理技術者試験
その名前の通りIT技術に関する高度な技術と知識を問う資格です。情報処理技術者資格の分野ではもっとも難易度が高い資格でもあるので取得していくと「箔をつける」ことができるでしょう。スタッフに指示をしたり、クライアントに提案するときにもこの資格を持っていれば説得力を伴ったうえで耳を傾けてもらえるといった面もあります。
なおこの試験には9つのカテゴリが用意されており、「ITサービスマネージャー試験」「ITストラテジスト」などの種類があります。その中から自分のキャリアに向いている者を選んで取得を目指していくことになるわけです。本格的にプロジェクトマネージャーとしてキャリアを積んでいくつもりになったときにはぜひと取得しておきたい資格となるでしょう。
システムアーキテクト試験
これはシステム開発の上流工程に関連した資格で上級エンジニアの登竜門ともいわれる資格です。上流工程を統括したうえでリーダーシップを発揮するための適切な分析や開発を主導するための知識が問われます。情報システム、組み込みシステム、IoTなどの知識がとくに問われます。ITの専門知識とマネジメント能力の両方を身に着けることができる資格です。
プロジェクトマネージャ試験
こちらはプロジェクトマネージャーを目指すための資格です。システム開発の責任者として、またプロジェクト全体を統括する立場として求められる高度な専門知識が問われるほか、マネジメントに関する知識を問う点も大きな特徴です。非常に難易度が高い視覚でもあるため、取得しておくことで就職・昇給の際に評価されることも多く、正社員・フリーランスともに将来的に取得を目指したい資格と言えるでしょう。
正社員の場合はこの資格を取得することでプロジェクトリーダー、マネージャーを任される機会も多くキャリアを浮上させるきっかけにもなるでしょう。
プロジェクトリーダーの将来性
IT方面に限らずプロジェクトの大規模化、専門化、細分化が進んでいます。そのためこうしたリーダーシップやマネジメント能力に長けたリーダー職、マネージャー職の役割がますます高まっています。活躍する場が広くなっていくという点では将来性に恵まれた職種といえるでしょう。
ただ一方こうした専門化や大規模化に適応するためのスキル・知識を磨き続ける必要があるため、自己研鑽への意識や向上心を維持し続けることが求められます。
プロジェクトリーダーのキャリアパス
基本的にはエンジニアやプログラマーなどプロジェクトに参加するスタッフからキャリアをスタートさせ、実績や信頼を獲得しながら少しずつリーダーシップが求められる立場を任させていく。そして最終的にプロジェクトの運営や計画にも携わる地位を目指していくことになるでしょう。ですからキャリアの最初からプロジェクトリーダーを目指すというよりも、まずはプログラマーやSEなど自分の仕事で実績を積んだうえで着実にステップアップしていく志向が求められます。
リーダー要素が求められる
高度な専門知識やマネジメント力が求められるのは確かですが、何よりもリーダー要素が求められる仕事です。これは性格的な面があるためどれだけ豊富なキャリアや膨大な知識を身に着けても発揮できない面も出てきます。その意味ではキャリアや知識、資格以上に本人の適正が問われる資格と言えるかもしれません。自分がリーダーシップを発揮できるような性格かどうかも確認し、またキャリアの過程でリーダーシップについていろいろと学ぶ機会も欲しいところです。