フロントエンド開発に使用するフレームワーク
実際に開発・実装に使用するフレームワークにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や長所を持っています。ですから単に使いこなせるだけでなく、長所をうまく引き出し、短所をフォローできるような使い方が求められます。
jQuery
jQueryはJavaScriptのライブラリとしてもっとも広く使用されているもので、JavaScriptを使用する際に適しています。拡張が容易な点、構文が完結で済む点などが優れている一方、速度が低下しやすいなどの注意点もあります。
React.js
React.jsはJavaScriptのライブラリでユーザーインターフェースを構築する際に利用されます。ページの更新を効率的に行うのに適しているほか、速度と柔軟性に優れているのが魅力です。ただ少々扱う難易度が高いこと、他のライブラリと共存できないケースがあるなどの注意点があります。
AngularJS
AngularJSは大企業でよく採用されているフレームワークです。そのためキャリアアップの過程で覚える執拗が出てくるでしょう。非常に現代的なWebアプリケーションを作るのに適しているのが特徴です。ただその一方で学習コストが高いなど導入そのものが難しい面もあります。
Vue.js
軽量で快適な点が高く評価されているのがVue.jsです。ユーザーインターフェースを作る際に活用されるフレームワークで導入も用意なことから今後人気が高まっていくことも予想されています。これから身に着けたいフレームワークの一つでしょう。
フロントエンドエンジニアに必要な知識
フロントエンドエンジニアとして身につけておきたい専門的な知識はほかにもあります。プログラミングやフレームワーク以外でもより基本的とも言える知識が問われる案件もあるからです。
UI・UX
まず「UI(ユーザーインターフェース)」と「UX(ユーザーエクスペリエンス)」です。前者はユーザーが直接操作する部分に関連する知識、後者はユーザーの体験に関することを言います。つまりフロントエンドエンジニアの視点からすれば「ユーザーにとって使いやすいインターフェイスを作り、実際に使ったユーザーから高い評価を得るための知識」となります。
いくらデザインが優れていても、管理・運営する側によって快適な環境であっても、ユーザーにとって魅力的なWebサイト、アプリケーションでなければ意味がありません。ユーザー視点からよいサイトを作るための知識とも言えるでしょう。
CMS(WordPress)
ネットビジネスにおいて不可欠とも言えるのがCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。このCMSを導入することでシステムやWebに関する専門的な知識がなくても更新や管理がしやすい環境を整えることができます。
とくに現在ではWordPress(ワードプレス)を活用したCMSが主流となっているため、これを活用したうえでのCMS環境を構築していく知識が求められています。
企業のWebサイトでは画像・テキストはもちろん、動画やSNSなどさまざまなコンテンツが盛り込まれることになります。CMSを導入することで全体を統一した環境でサイト作りができるようになるため、例えば運用・維持を担当する社員が人事異動で交代した場合でも引き継ぎやすくなるといったメリットが得られます。フロントエンドエンジニアはこうした環境をWebサイト構築の段階で用意するわけです。
SEO
そしてWebサイトを活用したビジネスでは必須となっているSEO。専門的な知識だけでなく確実に検索エンジンに上位表示されるためのテクニックやノウハウも問われます。
ただし現在のビジネスシーンではSEOよりもリスティング広告などより手軽で継続的な集客効果が見込める手法を導入する企業も増えており、必ずしもフロントエンドエンジニアに必須の知識ではなくなりつつあります。
高単価なフロントエンドエンジニア案件を獲得するために
高単価なフロントエンド案件を獲得するためにはより高度な知識が問われ、専任ある立場を任せられるだけの知識・キャリアが欠かせません。
開発マネジメントやレビュー経験
開発全体を統括するマネジメントの体験は重要なキャリアへのステップとなるでしょう。これまでも触れたようにWebサイトの構築や開発において特定の役割を担うだけでなく、ユーザーの視点に立ったうえで魅力的なサイトづくりを目指した構築・開発ができるかが大切です。
こうしたスキルに優れ、豊富なキャリアを備えているフロントエンドエンジニアは高単価な案件を獲得しやすいだけではなく、さまざまな企業から引っ張りだこになるでしょう。継続的に仕事を続ける機会に恵まれ、しかも高単価な案件や有名企業の仕事を担当すればするほど評判も高まっていく。好循環を生み出すことができます。
そしてコードレビューの体験は客観的な視点で開発・構築ができることを証明するうえで役立ちます。この点はメンバーを育成しながらWeb開発をリードする能力を備えていることを証明する手段にもなるでしょう。
要件定義や基本設計などの設計スキル
要件定義や基本設計などサイトやアプリケーション、システムを設計するうえでのスキルと経験も欠かせません。どれだけ評判の高いフリーランスのフロントエンドエンジニアでもすべて自分の自由にデザインや構築を行っていけるわけではありません。当然クライアントの要望に応えながらその期待を上回る仕事の提供を目指すことになります。
そのためには要望に合った、または予算などの制約があるなかで基本の設計ができるスキルと柔軟性が欠かせないのです。逆に言えばキャリアを積んでいく段階でこの分野でスキルを磨き、評判を高めていくことで高単価な案件を獲得していく機会を得ていくことができます。「あのエンジニアは幅広いニーズに対応した仕事ができる」という評判を得ることができるわけです。
デザインスキル
そしてやはり欠かせないのがデザインスキル。見た目でユーザーを引き付けられるWebサイトを作ることができるか。いくらSEO対策で検索エンジンの上位に表示されるようになっても、またはリスティング広告などを活用してもデザインに魅力がないサイトは効果がすぐに薄れてしまいます。見た目でユーザーに関心を持たれ、何度も訪れたくなる環境へと導くことができるか。フロントエンドエンジニアの役割の中でももっともクリエイティブな面が問われる部分とも言えるでしょう。
この点に優れたエンジニアはとくにフリーランスとしての活躍の場が開けやすく、大手企業からの高単価案件を獲得するチャンスに恵まれます。この点はスキルや知識よりもセンスや才能が問われる印象もありますが、実際には経験を積んでいくことで「見栄えの良い」「パっと見ただけで興味を持ってもらえる」デザインの「コツ」を身に着けていくこともできます。
またターゲティングを明確にしたうえで「20代の女性にアピールするデザイン」「40代の男性の興味を引き付けるデザイン」などニーズに合わせて対応できるデザイン力も必須です。こちらも経験でカバーできる部分が大きいといえるでしょう。