サーバーエンジニアに必要なスキル
サーバーエンジニアには、サーバー機器やネットワーク、OSなどに関する幅広いスキルが求められます。サーバーを設計し、動かし、管理するための総合的なスキルが問われるのです。
サーバーOSを扱うスキル
サーバーを動かすためにはOSが欠かせません。このOSを扱うスキルはもちろんのこと、OSの元で活用するソフトウェア、アプリケーションのインストール・設定を行うスキルも重要です。なおこのOSはWindows serverをはじめMac OS、Linux、UNIXなどさまざまな種類があり、クライアントの要望や社内の利用環境に合わせて選ぶことになるのでそれぞれに対応できるスキルが求められます。
もちろんすべてのOSに関してスペシャリストになるのは難しいですから、就職した職場で使用されているOS、または今挙げたシェアの高いLinux、UNIXなど優先順位を決めたうえで知識を身に付けていくことになるでしょう。逆に言えば求人探しでは自分が得意とするOSを導入している企業を優先して選んでいくことになります。
シェルをはじめとした言語のスキル
シェルをはじめとしたプログラミング言語はエンジニアとして仕事を行ううえで必要となるスキルです。サーバーエンジニアの仕事に必須というわけではありませんが、プログラミングに関連した知識・スキルを持っていると先ほど触れたサーバー環境の構築・開発の際に役立ちますし、プログラマーとの話し合いもスムーズに進みやすくなります。
サーバー運用・保守のスキル
そしてサーバー運用・保守のスキル。重要なのは状況・環境の変化に合わせながら運用・保守ができるか。サーバーやネットワークを常に動かし続けることは常に同じ状態を維持することではありません。新しいソフト・アプリケーションのインストールやOSのアップデート、さらにはデータの容量が増大することによるサーバーへの不可への対応…こうした状況も踏まえつつ正常に動く環境を維持し続ける必要があるのです。
サーバー設計のスキル
システムを運用するためにはサーバー設計に関連したスキルももちろん重要です。キャリアを重ねていくにつれてゼロの段階から環境を設計・構築する役割を担当する機会が増えていきます。逆に言えばこうしたスキルを身に付けているかどうかが責任ある立場へとキャリアアップしていけるかを決めるポイントにもなるのです。
サーバーエンジニアに必要な知識
この職種の場合、スキルと知識が一体化している面もあり、サーバーの設計や保守・運用に必要な知識を持っていないとスキルを発揮することができないケースが多く見られます。またこうした知識は経験を積みながら身につけていく面もあるため、求人探しでは「働きながらどんな知識を身に付けていくことができるか」も大事になって来るでしょう。
コンピューターアーキテクトの知識
コンピューターアーキテクト、つまりコンピューターやサーバーの基本設計に関連する知識は基本中の基本といってもよいでしょう。設計・構築に携われる作業だけでなく、保守・運用の仕事においてもそのサーバーやネットワークがどのような仕組みで動いているのか把握することは欠かせません。
クラウドサーバーの知識
そして現代のサーバーエンジニアにもっとも求められているといっても過言ではないのがクラウドサーバーの知識です。従来の自社サーバーに代わってクラウドサーバーによるクラウドシステムを導入する企業が増えており、この知識を持っているかで就職・転職の選択肢も大きく変わってきます。クラウドサーバーは汎用性・拡張性に優れている一方、アップデートの機会が多いなどつねに最新の情報・知識を踏まえた上での運用が求められます。
ネットワークの知識
ネットワークに関する知識も基本中の基本ですが、クラウドシステムの普及にも見られるように日進月歩、つねに変化し、進歩し続けているので新しい知識を常に仕入れ、クライアントからの幅広い要望に応えられる幅広い知識とそれを柔軟に活用できる対応力も欲しいところです。
セキュリティの知識
今後重要性が高まっていくと言えば、セキュリティ関連の知識も忘れてはならないでしょう。ネットワーク環境やデータベースが大規模になればなるほど、不正侵入によるデータの流出やサーバーダウンといったセキュリティの問題に晒されやすくなります。ネットワークに攻撃を加える側と守る側の関係は、いたちごっこの面もあるだけにここでも常に最新の知識が必要です。
サーバーエンジニアの将来性
この職種の将来は明るいのか?暗いのか?求人としての需要はプラスアルファでどんな仕事を担当できるかどうかにかかっているでしょう。とくにクラウドシステム化への対応ができるかどうかが将来のキャリアに深く関わってきます。
サーバーエンジニアの現状
サーバーエンジニアの現状は一般的には厳しいと言われています。これまで何度も触れてきたようにクラウドシステムへの移行に伴い自社サーバーを設置する企業が減少しているからです。簡単に言えば仕事先そのものが減っているわけで、その状況が求人にも影響をもたらします。
またこれまで正社員としてサーバーエンジニアのキャリアを積んできた人は、クラウド化をはじめとした環境の変化への対応を求められることになります。企業によってはこれまで勤務してきたサーバーエンジニアに他のエンジニア業務を担当してもらうケースも出てくるでしょうから、それに対応できるかどうかで就業環境に影響が及ぶことになります。
サーバーエンジニアの将来像
これまでメインで行ってきたサーバーエンジニアの業務が減っていくという点では将来には暗い面があるわけですが、クラウドシステムにしろ、ネットワークエンジニアの業務にしろ、サーバーエンジニアとして培ってきたキャリアや知識・スキルが役立つ分野です。またこれまでとは違う業務といってもクラウドサーバーの運用・管理などの新たな役割も登場しています。
ですからサーバーエンジニアの将来像としては少しずつ従来の業務から新しい業務へとシフトしながらクラウド環境に対応していくビジョンが考えられます。従来のサーバーエンジニアとしての知識・スキルをいかにうまく活かしつつ新しい環境に適応できるか、ますます多様化が進んでいくクライアントの要望に応えられる柔軟性と多様性が問われるようになるでしょう。ネットワークのインフラに関連する幅広い知識を身につけられるかどうかも問われそうです。
また先ほども触れたようにセキュリティ面の重要性が増していきます。万一トラブルが起こったときに被害を最小限に抑えつつ早急に復旧していくうえで、サーバーエンジニアの役割は非常に大きなものがあります。今後この方面での比重を高めながらサーバーエンジニアとしての職種が生き残っていくことも予想できるでしょう。