DevOpsのツール
DevOpsエンジニアの仕事には基本となるツールがいくつかあります。それらを複数担当することもあれば、ひとつだけを担当し、他のエンジニアと連携したうえで全体を統括しながら業務を行っていくこともあります。いずれにしろひとつのツールだけの知識・スキルを持ち合わせているだけでは不十分で、幅広いツールにおいてひと通りの知識が求められます。
タスク管理ツール
まずタスク管理ツール。企業の規模が大きければ大きいほど、複数のプロジェクトを同時進行させていればいるほどタスク管理が重要な意味を持っています。プロジェクト全体のタスク管理はもちろん、従業員一人ひとりがタスクツールを利用することで進行状況を把握し効率よく業務を進めるようになります。
複数の部署が連携してプロジェクトを進行させていく場合、できる限りリアルタイムに近いタスク管理が求められます。どの分野が未着手なのか、どの分野をどの部署の誰が担当しているのかを逐一把握できる環境なら連絡の不備による業務の停滞やトラブルを避けることができるわけです。
またタスク管理ツールを活用したスタッフ同士のやりとりを行うことでマネージャーなど管轄する立場だけでなく、スタッフ一人ひとりが状況の進行状況を意識しながら業務を進めていくことができるようになります。
インフラ自動化ツール
自動化は現在のエンジニアに求められているもっとも重要な分野といってもよいでしょう。システムにしろソフトウェアにしろ開発においてはいかに自動化できるか、それによるコストや時間の削減ができるかが重要になっています。その基本となるのがインフラの自動構築です。
すべての基盤になるといってもよいインフラを手動で整えると膨大な時間と手間がかかりますし、保守管理にもコストがかかってしまいます。また万一トラブルが起こってしまった場合やアップデートを行う場合などでも手動だとすべてを根本のレベルからやり直さなければならないケースも出てきます。
しかし自動構築ツールを利用することでこうした手間を大幅に削減し、効率よく業務を進めていくことができるようになります。手動に比べてミスもなく精度も高くなるため、これからのビジネスでとくに需要が高まることが予想されているツールでもあるでしょう。
仮想環境・仮想化
仮想環境とは実際に導入されている環境に同一の環境を仮想の状態で用意し、不備が出ないかどうかなどをテストするためのツールです。新たに開発したシステムをいきなり本番に導入してしまうと思わぬ不備が発覚した際に業務全体が滞ってしまうといったトラブルが起こりかねません。
ですから仮想環境を構築したうえでさまざまなテストを行い、負荷や攻撃などに耐えられることを確認したうえで導入する必要が出てきます。現在では実際の状況に限らなく近い環境を構築できる仮想環境の生成ツールもあり、導入することで専門的な知識がなくてもテストを行うことができます。
この仮想環境ツールがうまく機能すれば本番への導入もスピーディーになるでしょう。
バージョン管理
情報通信の分野では頻繁にアップデートが行われます。最新の状態を維持するためには欠かせない行為なのですが、そのアップデートの際にデータが失われてしまうリスクも出てきます。例えば自動アップデートを採用していたらいつのまにかこれまで行っていたデータが上書きされる形で消えてしまった、といったトラブルも起こりうるのです。
こうしたトラブルを防ぐために役立つのがバージョン管理ツールです。万一アップデートでデータが消えてしまったり、動作に不具合が生じてしまった場合に以前のバージョンに戻すことができます。変更・上書きされてしまった部分を戻すことができるのでダメージを最小限に抑えることができるのです。
上書きされてしまったままだとそれまでの作業が無駄になるうえにゼロから再スタートしなければなりません。頻繁なアップデートを行う環境であればあるほどこのバージョン管理ツールが大きな威力を発揮します。
CI/CDツール
これは「Continuous Integration(継続的インテグレーション)/Continuous Delivery(継続的デリバリー)」の頭文字をとったもので、開発したソフトウェアがきちんと動作するかどうか自動で確認できるツールのことです。従来では人間が自分で確認するため、どうしてもバグなどの問題点をスルーしてしまう問題がありました。この自動化ツールなら人間の目ではカバーするのが難しい非常に細かなバグも逃さないのでより確実な開発が可能になります。
確実性はもちろん、スピード・効率化の点でも非常にメリットの大きなツールです。
DevOpsエンジニアの年収・フリーランス単価相場
DevOpsエンジニアの年収やフリーランスの単価を見ていきましょう。ただし、DevOpsエンジニアはまだ新しい職種のため、正確な年収データは少ないです。これから紹介する金額はあくまで参考値として考えてください。
正社員で働くDevOpsエンジニアの平均年収
DevOpsには最新の知識・スキルが求められること、大手企業などで需要が高いこともあって他のエンジニアと比較しても高収入が期待できます。まだ新しい職種なので全体の平均年収の数字は出揃っていない段階ですが、この業務を専門的に扱うエンジニアとして活躍するなら700~800万円程度の年収は期待できるでしょう。
ただ、年収に関しては、職種というよりも所属する企業によって大きな差が生まれます。ベンチャー・スタートアップ企業でもDevOpsエンジニアを募集していますが、企業の規模によっては、年収500万円以下など一般的な平均年収より低くなることもあります。
フリーランスのDevOpsエンジニアの単価相場
フリーランスに関しては、ITエンジニア全体で月単価がおよそ60万円です。DevOpsエンジニアに限るとこれより高くなると言えるでしょう。ただし、個々のエンジニアのスキルにも左右されますし、東京などの大都市圏と地方では単価の水準も違うため、実際の相場はかなり変わります。
フルスタックエンジニアに近い経験を持ち活躍する場合には、保有するスキル次第で年収1000万円を超えることも少なくありません。年収・将来性の面からも非常に魅力のある職業といえるでしょう。
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