データ解析設計事務所 代表 森谷 和弘氏

フリーランスのデータサイエンティスト(機械学習エンジニア)として働く森谷氏のキャリア、働き方、エージェントとの関係

Profile
  • Name / データ解析設計事務所 代表 森谷 和弘
  • Age / 43
  • Job / データサイエンティスト

今回は、正社員として2社に勤務後、フリーランスのデータサイエンティストとしてのキャリアを歩む森谷 和弘氏に、
フリーランスとしての働き方、機械学習に至るまでの道のり、
未経験から機械学習を仕事にする際のポイント、弊社のエージェントサービスについて伺いました。

フリーランスとしての働き方と正社員から独立の経緯

森谷 和弘氏

現在ご参画中の案件についてお聞かせいただけますか

フリーランスのデータサイエンティスト(機械学習エンジニア)として、複数のクライアントと取引しています。

メインとなる案件では、機械学習エンジニアとしての観点から技術的な支援を行う業務に参画しています。クライアント側の意図を実現するための技術選定や機械学習に関するプロジェクトの企画検討から、実際に機械学習のプログラムを組み実装していくところまで全ての工程に携わっています。

その他の案件では、今後AIを取り込んで業務を高度化していきたいと考えているお客様へのアドバイザリー業務も行っています。具体的には、AIの利用検討に際してのコンサルティングや、機械学習で利用するデータの企画など、週1、2回お客様先にお伺いしてご支援しています。

個人事業主のコンセプトとしては、データサイエンスとデータアーキテクトの2つを軸に企業のご支援を行っていく予定です。そのほかデータサイエンスの領域で教育や研究にも取り組んでいます。

正社員からフリーランスとして独立した経緯はどのようなものだったのでしょうか

独立前の会社では、執行役員という立場ではありながらプレイヤーとしての働き方も認めてもらっていました。そのことは自分の性にもあっていたのですが、今の時代であれば、もっと柔軟な働き方もできると考え独立することに決めました。

私自身が元々プレイヤー志向なこともあり、マネジメントよりもより実務に携わるような働き方にシフトしたいという思いが強かったのです。それに加え、ITの持つ価値が世の中に広く認知されてきており、いわゆる人月商売ではなく、その価値を認めてくれて対価を払ってもらえるよう変化してきたようにも感じていました。

現在では、フリーランス向けのエージェントやインターネット上のアウトソースなど仕事を請ける面でさまざまなチャネルがありますし、情報発信についても格段にやりやすくなっていますよね。私が得意としているデータベースの設計や機械学習についても、以前であれば管理職でしか得られなかったような報酬をプレイヤーとして働きながら得られる時代になってきたと強く感じました。

そのように世の中で独立しやすい環境が整ってきており、かつプレイヤーとして高い価値を提供しやすい環境にもなっているので、独立して好きなことを好きなようにやっていこうという思いで個人の事務所を立ち上げたのがフリーランスになった経緯ですね。

機械学習に至るまでの道のりについて

森谷 和弘氏

機械学習の業務は独立する前から取り組まれていたのですか

そうですね。独立前に勤務していたデータ・フォアビジョンという会社では、大規模な金融系のデータベース開発と、データサイエンスを行う2つの事業について、私自身が両方の管理職だったり執行役員としての管理職業務に携わっており、そういった経験のなかでデータ分析や機械学習の調査研究を進めてきたという経緯があります。

データサイエンスが特に強い会社ということもあり、今ほどニューラルネットワークなどが騒がれる以前の段階から「データから統計モデルを作る」というような機械学習寄りの案件に取り組んだり、「ディープラーニングのような新しい技術を研究する」といった取り組みが行いやすい会社でした。

私は転職してその会社に入ったのですが、データベースエンジニアとして若いころからの経験があり、データから何か知見を得るというのは得意分野でもあったので、そのような流れでデータサイエンス関連の部署を任せていただけるようになり猛勉強しながら技術をみにつけていきました。

もともとデータサイエンスや機械学習の道に進まれたかったのでしょうか

いいえ。当初から機械学習がやりたくてということではなく、初期のキャリアとしてはどちらかというと金融+ITという分野を志向していました。

経歴についてお話させていただくと、大学院で金融工学を専攻していたこともあり、卒業後は、富士通金融システムズという金融専門のIT企業に入社しました。ところが、入社直後にその会社が富士通ソーシアルシステムエンジニアリングという官公庁系の会社と合併して富士通アドバンストソリューションズという会社になりました。

私は金融理論や金融工学の仕事がしたかったのですが、配属された部署は金融工学ではなく新しい技術を扱う部署でデータベースの仕事に取り組みました。その後、やはりもう少し金融工学に特化した会社に行きたいと思って入ったのが前職のデータ・フォアビジョンです。

転職後は、金融パッケージソフトウェアを開発したり、データベース担当者としての業務を行っていたのですが、段々とデータサイエンスにも取り組むようになり、統計解析や機械学習というものがキャリアの広がりとして見えてきました。

手ごたえを感じる部分や機械学習への思い入れのようなものはありますか

データサイエンスはIT技術のなかでも数学的な理論が詰まっていて、理論が好きな人にはとても面白い分野だと思います。私自身、理論が好きというのもありますし、次々と新しいものがでてくる領域なので、やっていて楽しいですね。

また、仕事上の手応えという意味では、もともとデータベースエンジニアでデータを扱うのが得意という点が大きいです。というのも、機械学習のアルゴリズムや、それを実装したライブラリは世の中に溢れているわけなのですが、データを機械学習アルゴリズムに読み込ませることができる形にもっていく過程での、データの加工がすごく大変なんですね。

機械学習で何か学習させてモデルを作る場合、作業の90%はデータの加工になってきます。ここがうまくいかないと、アルゴリズムを走らせるところまでいかないのです。

私の場合は、そういったデータ処理が得意だったので、データがどのような形でどのような場所にあっても、そこにアクセスする許可さえ貰えれば、必要なデータを引っ張ってこれますし、自分のもっていきたい形にデータを加工し、自分で作った機械学習の理論に入力させることができるという強みがありました。

この一連の流れを全部自分でやれることに凄く手応えを感じていますね。

機械学習やデータサイエンスを仕事にしたい方へ

機械学習の仕事に就きたいというエンジニアの方も多いですが、
未経験からキャリアチェンジを考えている方へアドバイスはありますか?

この業界に限らず、ITエンジニアが未経験の仕事にチャレンジするには、自分から飛び込む勇気がすごく大切だと考えています。職場とか環境が与えてくれて経験させてもらえるのを待っていると、新しい分野に挑戦することってなかなかできないと思います。なのでそこに飛び込む勇気は持っていたいですよね。

また、勇気を持つためには実力があったほうがいいわけで、勉強も重要です。最近は、機械学習やAIに関する理論を体系的に学ぶための書籍がかなり充実しています。論文も多く発表されています。実践する際のプログラミングコードについても、QiitaやGitHubなどで公開もされているものが沢山あり、仕事として経験しなくても勉強できる環境がとても充実していますよね。

「それでも理系の勉強は辛い」といった方は、ちょっと向いていないかもしれません。機械学習とかデータサイエンティストというとなんとなく格好いいんですけど、勉強そのものが楽しくないと、その業界に飛び込んでしまった後にかなり苦労してしまうと思います。

機械学習エンジニアやデータサイエンティストになったあとに求められるものは?

数学の知識とコンピュータの知識に加えて、「勘と経験と度胸」が必要ということはデータサイエンスの世界でよく言われています。加えて、私はデータサイエンティストに必要なのはド根性だと考えています。

データサイエンスや機械学習というのは、やってみても成果がでるかどうかはわからない世界です。会社で未知のことを任させる機会も増えてきます。仮に勉強が苦にならずスキルをみにつけ就職できたとしても、それでもやっぱり上手くいかないことって多いんですよ。

通常のITプロジェクトでも仕様に基づいて品質よくプログラムを作るというのは、それはそれで大変な仕事なんですが、仕様を果たすというゴールがあるわけです。

一方で、機械学習のプロジェクトは終わりのない世界です。プログラムを作ってみてダメだったら違う手法で試す、あるいは、データを集めなおすところからやり直すというように成果がでるまで、新しい挑戦や勉強を続けることが求められます。

AI効果という話あります。いざ実現すると、「それはAIではない」というように見られ、単なるシステム機能の一部とみなされてしまうんです。何度も成功したことがあるような、自信がもてる成果は、「機械学習」や「AI」とは認められにくくなるんです。

そうすると機械学習エンジニアとしてバリューを出すためには、また新たな知見発掘のために新しい取り組みにチャレンジしないといけない。そのように、未経験のことに取り組むことが常に伴うので、本当に成果を出せるのだろうかといったような怖さは常につきまといます。

データという世界で常に冒険やチャレンジをしつづけなければならないのが機械学習エンジニア・データサイエンティストという職業です。そのため、やりとげるド根性が一番大事なのではないかと思う次第です。

エッジコンサルティングについて

弊社にご相談いただいた経緯についてお聞かせください

お会いしてみようと思った理由は、データサイエンスやデータ利活用の高度化という私の得意としている分野に強い専門性を感じたためです。

サイトに掲載している機械学習エンジニアやデータサイエンティストの求人案件もそうですが、AIジョブカレの教育講座など機械学習・AIといった分野での専門性を強く感じたため、連絡をとらせていただきました。

そうして、面談で担当の方にお会いしてみると、データ分析や機械学習の分野にすごく詳しい方だったので驚きました。本当に私のことをしっかりと正しく理解していただき、正しく案件を紹介していただけたという印象です。ぜひお願いしたいと思いましたね。

参画後の弊社スタッフの対応はいかがですか

よく気にかけていただいてますし、まったく問題なく、ストレスなく進められています。契約についてもすべてクラウドサインでやらせていただいているんで、紙のやりとりもなくとっても楽ですね。

細かい点ですが、紙の場合は基本契約を結ぶだけで4,000円の収入印紙が必要となったり、積み重なると個人事業主にとっては結構バカにならない負担なんですよね(笑)。

クラウドサインでは収入印紙が必要ないため資金繰りといった面でも非常に助かっています。

これから登録を検討中の方に伝えたい点はございますか

人材に対しての目利き力であったり、その目利き結果を踏まえた案件を提案してもらえるということはお伝えしたいですね。フリーランスやスタートアップ企業のもっている力を世の中に最大限還元できる力をもった会社だと思います。

というのも他の会社さんはどちらかというと人材派遣の登録会社に近いような感じで、常駐派遣となにが違うんだろうなという印象を持つこともありました。

私のような個人事業主の場合は、口座開設などの関係で、クライアントから直接依頼できない場合もあるため商流で間に入っていただくこともあるのです。ただそれはその形がどうしても必要だから商流にはいっていただくだけで、エージェント会社の下請けとして契約しているわけではないですし、あくまでエージェントの方々には営業としてのファンクションを期待しています。

その点において、エッジコンサルティングさんの場合は、週1日の稼働で打ち合わせに参加するアドバイザリー業務のような案件のご紹介もありましたし、本当の意味でフリーランスの営業部分をお任せできるするエージェントだと感じています。

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