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データエンジニアの転職事情は?転職成功のポイントを解説

データエンジニアの転職事情は?転職成功のポイントを解説

昨今DXエンジニアの中でも、特に求人が増えているデータエンジニア。データエンジニアは、DX推進には欠かすことのできない、データ分析やデータ活用に関わる専門職です。

専門性が問われるので、未経験からの転職は一見難しそうに感じられますが、需要に対して経験者の数が足りないこともあり、異分野のITエンジニアからの転職というケースも増えています。

この記事では、データエンジニアへの転職を検討される方に向けて、仕事内容や必要とされるスキル及び、市場動向や年収相場などについて解説いたします。 データエンジニアへの転職に少しでも興味がありましたら、単純に「未経験だから」と諦めずに、フラットに検討してみるのも良いのではないでしょうか。

データエンジニアの転職の市場動向や年収相場

厚生労働省が公開している職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると、データエンジニアの令和5年度の有効求人倍率は、全国で1.95倍、東京都の場合4.09倍となっております。この数字は1名の求職者に対し、求人が約2~4倍あるという意味で、正に売り手市場と言えます。

DXの推進により高いニーズがある

昨今、企業が競争力を保ちつつ、事業を継続する為には、DX(デジタルトランスフォーメーション)が欠かせません。

DXはデータやデジタル技術を活用して推し進める業務改革ですので、データから知見を引き出してビジネスに役立てるデータサイエンスは、必要不可欠な要素となっています。

さらに、ビッグデータと呼ばれる大量のデータを扱うには、データ活用基盤が欠かせません。 そのような背景から、データの活用や分析に関する高い専門性を持つデータエンジニアへの需要も高まっていると言われています。

職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると、データエンジニアの令和5年度の年収は、全国で558.3万円、東京都の場合では、616.7万円となっております。

引用元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)

なお、スキルレベル別給与データで見ると、420.0万円~950.0万円という広がりがあります。

引用元:職業情報提供サイト(日本版O-NET)

データエンジニアの単価相場

データエンジニアの単価は、スキルセットや経験年数、勤務地、プロジェクトの難易度、雇用携帯(正社員、契約社員、フリーランス)などによって大きく異なります。

単価(月収)相場で言うと、ハローワーク求人統計データとして、全国では、30.3万円、東京都の場合では、25.4万円~41.5万です。

データエンジニアの主な仕事内容

データエンジニアの仕事内容を大枠で説明すると、以下の2つです。

  • 膨大なデータを分析するためにデータの整理や管理
  • 複雑で大規模なデータが活用できるよう情報基盤の構築や運用

そして具体的には、以下のような業務を行います。

  • データを整理・活用するための基盤を企画し、作成すること
  • データ活用基盤のためのインフラを構築すること
  • 必要データを流し込み、整理・加工すること
    (保管形式の統一・重複データの整理・不要データの削除など)
  • 適宜、データの可視化ができるようにすること
    (グラフ化・ダッシュボード作成など)
  • 機械学習やAIなどを運用していく場合は、そのデータマネジメント を行うこと

扱うデータ及び、必要とされる分析結果に応じて違いは出ますが、上記のような業務を行うことで、「企業にとって活用すべきデータの分析や利活用できる状態に整える」という役割を果たすことになります。

未経験からデータエンジニアに転職することは可能?

データエンジニアは、専門性が高く、スキルが求められる職種です。 そのため、完全に未経験からの転職については正直簡単ではないでしょう。

しかし、現在の市場では「人手不足」という状況がありますので、以下のような親和性の高い異分野のエンジニアからの転換であれば、多くの成功事例があります。

  • サーバーサイドエンジニア
  • クラウドエンジニア
  • データベースエンジニア

IT分野の完全未経験からでは難しいですが、データ利活用のための基盤の構築や運用に生かせるようなスキルセットが少しでもあれば、可能性はあると言えます。

データエンジニアの転職成功のポイント

ここでは、データエンジニアへの転職を成功させるために、確認すべきポイントを紹介します。

市場状況をリサーチし把握する

どんな転職活動においても共通ですが、市場状況をリサーチしておくことが大事です。

先に述べた通り、データエンジニア職は売り手市場と言えますが、個々の求人の業種や各企業での業務内容によって、求められるスキルは異なります。

そして興味を感じた求人があったときには、その業種の市場状況やその企業においてどのような役割を求められるのかをしっかりリサーチし、理解しておくことが大事です。

「事前にデータを集めて分析しておく力」は、データエンジニア職にとって重要なスキルでありマインドセットとも言えますので、抜けや漏れがないように、丁寧に準備することをおすすめいたします。

自身のスキルや成果を整理する

求人に応募する際には、自身の持つスキルや経験及び成果のどの部分がアピールできるかを検討することになります。事前に使えそうな内容を、棚卸ししておくことをおすすめします。

実案件に応募する段階において、効果的な職務経歴書のカスタマイズや面接での想定問答の準備などに、役立つことになるでしょう。

転職サイトやエージェントの活用

転職の求人情報は、サイトによって扱っているものが異なるので、様々なサイトで検索してみましょう。

また、転職エージェントの活用も、転職成功率を上げる効果が期待できます。転職エージェントは、企業側がどのような人材を求めているのかを把握し、あなたの持つ強みなどを客観的に分析した上で、戦略を考えてくれます。

ちなみに、一般的に転職エージェントの利用料は採用企業側が支払うものなので、求職者側の負担はありません。 転職を考えているものの、まだ一度も相談したことがないのであれば、一度相談してみることをおすすめします。

データエンジニアの求人が多い業界・企業

ここでは、データエンジニアの求人が多い業界・企業について、3つのパターンを紹介します。

テック企業

テック企業とは、ITテクノロジーを駆使したビジネスを展開している企業の事で、有名なところでは、アメリカのGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)や、中国のBATH(Baidu、Alibaba、Tencent、Huawei)などが挙げられます。

このような大手テック企業は、常にユーザーのデータを収集/分析/利活用を行っており、データエンジニアを多く採用しています。

事業会社

事業会社とは、営利目的の一般企業のことです。 (一般的には、金融業やコンサルティング業、士業を除く会社全般を指します)

事業会社においても業務改善や新規事業創出を目指してDXが進められており、これを担うデータエンジニアが必要とされています。

SIerやITコンサルティングファーム

SIerやITコンサルティングファームは、自前でDXを推進することが難しい事業会社などからの依頼を受け、DX支援を行っております。

こちらも需要増により、データエンジニアの採用が増えています。

データエンジニアの転職に求められる経験やスキル

当然ですが、経験者採用の際に一番に挙げられるのは、データエンジニアとしての業務経歴やプロジェクト成功体験でしょう。

しかし前述してるとおり「なり手不足」であるデータエンジニア職は、未経験からの転職も実績があります。 未経験であっても、データ利活用のための基盤の構築や運用に生かせるような以下のようなスキルセットがあるとアピールしやすいでしょう。

  • プログラミング言語
    (Python/R言語/Java/Scalaなど)
  • ビッグデータ処理に強い、DWH・ETLなどのフレームワークやツール
    (Hadoop/Spark/Snowflake/troccoなど)
  • BIツールの知識(Tableauなど)
  • クラウド上でのシステム構築経験(AWS/GCP/Azureなど)
  • データウェアハウス構築・運用経験
    (Amazon Redshift/BigQueryなど)

データエンジニアの転職に有利な資格

データエンジニアの転職に有利な資格としては、以下のような資格が挙げられます。

  • CCPデータエンジニア認定試験
    Clouderaが運営しているデータエンジニアの認定試験です。
    難易度が高めであり、すべて英語で出題されるので英語のスキルも必要です。
  • Professional Data Engineer
    Googleが運営しているデータエンジニアの資格です。
    日本語で受験することもできます。
  • OSS-DB技術者認定試験
    PostgreSQLに関する技術力と知識を、公平かつ厳正に、中立的な立場で認定するIT技術者認定資格です。

資格取得は必須ではありませんが、あると有利でしょう。

データエンジニアへ転職した後のキャリアパス

データエンジニアのキャリアパスは、データ分野の成長に伴い、多様化しています。データエンジニアリングでの経験を積むことで、スキルをさらに高めたり、他の専門分野へと移行したりすることが可能です。

データエンジニアとして就業後のキャリアパスとしては、志向に応じて以下のようなケースがあります。

  • スペシャリスト志向の場合
    :アーキテクト(データ全体の構成を検討するポジション)
  • マネジメント志向の場合
    :プロジェクトマネジャー/エンジニアリングマネジャー/CDOなど)
  • 別のデータ系エンジニアへの移行
    :データサイエンティスト/データアナリストなど

まとめ

いかがでしょうか?
この記事では、データエンジニアへの転職を検討される方に向けて、仕事内容や必要とされるスキル及び、市場動向や年収相場などについて、様々な角度からご紹介してきました。 最後に、要点をまとめます。

  • データエンジニアの転職市場は売り手市場で、有効求人倍率が2~4倍と高いため、未経験から転職できる可能性もあると言えます。
  • データエンジニアの年収相場(令和5年度)は、全国で558.3万円、東京都の場合では、616.7万円であり、比較的高めです。
  • データエンジニアの転職成功のポイントは、市場状況をリサーチした上で、自らの強みを棚卸ししてアピールすることです。 また、転職エージェントを活用するという方法もおすすめします。

この記事が、データエンジニアの役割や求められるスキルについての理解を深める一助となり、キャリアの選択肢や目標設定にお役立てていただければ幸いと存じます。

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