データサイエンティスト協会って?概要や活動内容、入会するメリットを解説
昨今、データサイエンティストという職種が注目を集めていますが、「データサイエンティストってどんな仕事?」「どうすればデータサイエンティストになれるのか?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。
データサイエンティストの定義やスキル要件はまだ明確になっていません、そんな中、データサイエンティストの育成や業界の発展に貢献する団体として、一般社団法人データサイエンティスト協会が2013年に発足しました。
本記事ではデータサイエンティスト協会の概要や活動内容、さらにデータサイエンティストを目指すのであれば協会に入会するべきなのかどうかについて解説していきます。
目次
データサイエンティスト協会の概要
データサイエンティスト協会とは、データサイエンティストの定義の明確化や人材育成を通じて、業界の発展を目指す団体です。 本章ではデータサイエンティスト協会がどのような組織で、どのような目的を掲げて活動しているかを解説します。
データサイエンティスト協会とはどのような組織なのか
データサイエンティスト協会は、2013年5月にデータサイエンティストの定義の明確化や人材育成を目的に設立された団体です。
協会は個人や企業、大学、研究機関で構成されています。 以下のように、さまざまな業界の有名企業が協会の会員となっており、データサイエンティストに対する注目度の高さが伺えます。
- IMBやNRIなど大手IT企業
- ヤマト運輸や日産自動車など非IT系企業
データサイエンティスト協会が設立した背景
データサイエンティスト協会は、業界の発展を妨げる状況が続いた状況を受け、改善の意識から設立されました。
そもそもデータサイエンティストが多くの企業から関心を集めるようになったのは、テクノロジーの進化がきっかけです。 テクノロジーの進化に伴い、ビッグデータの活用に注目が集まった結果、データとビジネスを紐づけるデータサイエンティストにも関心が集まるようになりました。
一方でデータサイエンティストは新しく登場した職種であるが故に、明確なスキルセットの定義がないことから、現場で以下のような問題が起きました。
- データサイエンティストに求める企業側のレベルと人材のスキルに乖離が見られる
- データサイエンティストを募集/採用をする場合、どのようなスキルを比較すればよいのかわからない
- データサイエンティストになる/育てるためには、何をすればよいのかわからない
業界の発展に悪影響を及ぼす状況が続いたことから、解決のために有志が集まり、データサイエンティスト協会が設立されました。
データサイエンティスト協会の活動目的
データサイエンティスト協会の活動目的は、設立背景のとおり、データサイエンティストのスキルセットの定義を決めて、業界の発展に貢献することです。 また業界発展のためには人材の育成が欠かせないため、育成カリキュラムの作成や評価制度の構築も目標に掲げています。
データサイエンティスト協会の主な活動内容
データサイエンティスト協会は、業界発展のためにデータサイエンティストの定義や人材育成を取り組みに掲げています。 本章ではデータサイエンティスト協会の具体的な取り組み・活動内容を解説します。
データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル DS検定®
データサイエンティスト協会では、データサイエンティストに必要な実務能力と知識があることを証明する試験を開催しております。
その証明試験がデータサイエンティスト検定™ リテラシーレベル DS検定®です。 現在の出題範囲は以下のとおりです。
- スキルチェックリストの3カテゴリの★1(見習いレベル)相当
- 数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)
試験は年に2回実施されており、受験資格はないため、誰でも受験が可能です。
※試験に関する情報は2024年10月時点の内容です。更新される可能性があるため、随時データサイエンティスト協会のHPをご確認ください。
セミナーやシンポジウムの主催
データサイエンティスト協会はセミナーやシンポジウムを主催しており、データサイエンティストの意見交換や講演の場を用意しています。 シンポジウムは年1回のペースで毎年10〜11月頃に主催しており、有名なエンジニアを招き、最新のトレンドやテクノロジーを紹介しています。 セミナーは人材育成やデータ活用事例の紹介など、さまざまな切り口のテーマで毎月1〜2回のペースで開催中です。
コミュニティや人材交流
データサイエンティスト協会は、セミナーやシンポジウムと同様にコミュニティや人材交流の場を用意しており、企業と人材が共に高め合う機会を提供しています。 各シンポジウムやセミナーでは懇親の機会を設けており、業界や企業の枠を超えて、お互いの見識を深めることが可能です。 協会では会員企業の採用情報を発信しており、新たにデータサイエンティストを目指す方や新たなキャリアに進む方の後押しをしています。
データサイエンティスト協会が主催するイベントの例
データサイエンティスト協会では、人材育成・交流の目的からイベントを主催しています。
具体的な主催イベントは以下のとおりで、内容は多岐にわたっています。
- 11thシンポジウム〜データサイエンスの最前線〜
- スポーツアナリティクス×データ活用事例』セミナー
- Di-Lite デジタル人材育成セミナー #5
- Di-Lite ランチタイムトーク #2
- 九州支部 設立5周年記念セミナー 〜DS・DX・生成AIについて語る〜
データサイエンティスト協会は入会するべき?
データサイエンティスト協会がどのような組織かを理解できたところで、気になるのはデータサイエンティスト協会に入会するべきか否かでしょう。
結論から申し上げますと、一般会員は年会費等の費用がかからないため、入会をして損はありません。 データサイエンティスト協会が発信する情報や研究結果などを先行で入手できることは、大きなメリットです。
本章では入会のメリットや入会方法を解説していますので、データサイエンティスト協会に入会するべきなのかの判断材料にしていただければと思います。
入会するメリット
データサイエンティスト協会の会員は一般会員と法人会員に分かれており、各々でメリットが異なります。 一般会員・法人会員における具体的なメリットは以下のとおりです。
一般会員のメリット
- データサイエンティスト協会が発信する情報を先行で入手できる
- 協会が実施した調査・研究などの活動状況に関する情報をいち早く入手できる
- データサイエンティスト協会が主催するイベントに参加できる
- 年会費は無料
法人会員のメリット
- データサイエンティスト協会のロゴの使用許諾をもらえる
- 協会が実施した調査・研究などの活動状況に関する情報をいち早く入手できる
- データサイエンティスト協会が主催するイベントに参加できる
- 会員への情報発信や会員との交流ができる
入会方法
入会方法は、データサイエンティスト協会HPからの申し込みになります。 一般会員と法人会員では入会方法のプロセスが異なっているため、注意が必要です。
一般会員の場合
- データサイエンティスト協会のHPから個人情報の登録
- データサイエンティスト協会が内容を確認
- 入会可否を1週間程度通知
法人会員の場合
- データサイエンティスト協会のHPから入会申込書をプリントアウト
- 申込書の記入と捺印後、原本をデータサイエンティスト協会まで郵送
- データサイエンティスト協会が内容を確認
- 入会可否を通知
個人会員
一般会員は、個人向けの会員種別になります。 入会後の会員期間は無期限であるため、一度会員になれば、データサイエンティスト協会の会員が続きます。 また年会費がかからないため、負担なく会員を続けることが可能です。 一方で議決権はないため、データサイエンティスト協会の意思決定に関わることはできません。
法人会員
法人会員は企業・団体向けの会員種別です。 法人会員には、法人会員(幹事)・法人会員(賛助)・法人会員(大学・研究機関)の3種類があり、法人会員(幹事)になると議決権が与えられます。 どの種類の法人会員も入会後の会員期間は1年間で、どの法人会員にも会費は発生します。
まとめ
今回はデータサイエンティスト協会の概要や活動内容、入会するメリットを解説しました。 今回解説した内容をまとめると以下のとおりです。
- データサイエンティスト協会は定義の明確化や人材育成を目指して設立された
- データサイエンティスト協会の主な活動は検定の実施とイベントの主催
- 個人の方はデータサイエンティスト協会への入会がおすすめ
データサイエンティスト協会に入会すれば、協会が発信する情報や研究結果を知れるため、スキルや知識向上に役立ちます。 データサイエンティストを目指す方や現役のデータサイエンティストは、本記事を参考に協会へ入会するべきなのかの判断材料にしていただければと思います。
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