SNSマーケティング案件の単価相場は?フリーランスになる前に
SNSの普及に伴い多くの企業がプロモーションにSNSマーケティングを取り入れています。最近ではSNSマーケティングスキルを活かして副業を始めたいという人も増えているようですが、実際に副業案件を獲得することはできるのでしょうか。
今回はSNSマーケティングの案件の種類や必要なスキル、単価相場について解説致します。
目次
SNSマーケティングとは?
SNSマーケティングは、FacebookやX(元Twitter)、Instagram、LINE、YouTube、TikTokといったソーシャルネットワーウサービス(SNS)を活用して、企業やブランドが広告やコンテンツを展開し、ブランドの認知や商品・サービスの販売促進を行うマーケティング戦略のことです。広告出稿や利用者とのコミュニケーションを主に行います。SNSの利用者はネットユーザーの約8割にのぼるともいわれており、その拡散力の高さから多くの企業が積極的にSNSマーケティングに取り組んでいます。
SNSマーケティングの手法はさまざまです。主なものとしては、SNS広告のほかにインフルエンサーマーケティングやSNSアカウント運用、SNSを活用したキャンペーン、SNS上の会話を収集・分析するソーシャルリスニングなどがあります。
フリーランスのSNSマーケターという働き方
それでは、SNSマーケターとして働くとは具体的にどのようなことなのでしょうか。インフルエンサーとの違いや働き方について詳しく解説します。
インフルエンサーとの違い
SNSマーケターとインフルエンサーとの大きな違いは、その立場にあります。SNSマーケターはクライアントとなる企業やブランド側の立場としてSNSプラットフォームを活用し、広告やプロモーションを展開します。また、マーケティング戦略の立案や広告キャンペーンの運営・分析もSNSマーケターの仕事です。
一方、インフルエンサーはあくまでも個人として活動している、SNS上で特定のテーマや分野において影響力を持つ人々のことです。インフルエンサーが企業やブランドと提携してPR投稿などをすることも多いですが、企業やブランドの立場でマーケティング戦略を運営するSNSマーケターに対し、インフルエンサーの役割は個人の影響力を通じて広告やプロモーションを行うことです。
在宅・リモートワークの案件はある?
フリーランスのSNSマーケターの多くは在宅やリモートワークの案件に対応しています。なぜなら、SNSマーケティングはSNSというオンライン上のプラットフォームを利用するためです。たとえば、コンテンツ作成や広告キャンペーン運用、ユーザーとのコミュニケーションといった仕事をするために場所に依存する必要はありません。ただし、在宅やリモートワークでクライアントとのコミュニケーションやタスク管理を円滑に行うためには、優れたプロジェクト管理スキルとコミュニケーション能力が必要となるでしょう。
SNSマーケティングの副業需要が増えている理由
SNSマーケティングの副業需要が増えている理由としては、SNSを利用する企業が増えていることと、インフルエンサーの需要が高まっていることが挙げられます。以下、それぞれ詳しく解説します。
SNSを利用する企業が増えている
2018年に総務省が行った調査によると、全体のおよそ3割の企業が自社のアカウントを運用して広告活動を行っています。その背景にあるのは、先述したSNSユーザーの多さです。 多くの人がSNSを活用して情報を収集し、商品やサービスに関する意見や評価を共有しています。そういったターゲットとなる顧客にアプローチするための方法として、SNSマーケティングが活用されているのです。とはいうものの、社内でSNSアカウントを運用するリソースのある企業ばかりではありません。そこで、多くの企業がアカウントの運営を外部に委託しているのです。
インフルエンサーの需要が高まっている
インフルエンサーの需要が高まっていることも大きな理由のひとつです。なぜなら、インフルエンサーは特定のテーマや興味を持つフォロワーにリーチする能力を持っているからです。ある調査によると、20代〜50代の男女1000人のうち約2割の人がインフルエンサー経由で商品を購入したことがある、と述べています。その理由として挙げられるのは、インフルエンサーの説明が分かりやすいこと、コメントが信頼できることなどです。こうしたインフルエンサーの需要の高まりにともない、企業は彼らと提携することでSNSマーケティングの成果を最大化しようとする動きがあります。
SNSマーケティング案件の種類
それでは、SNSマーケティングとは具体的にどのような業務を行うのでしょうか。代表的な案件の内容について詳しく解説します。
SNSアカウントの運用代行
SNSアカウントの運用代行は、SNSマーケターがブランドや企業のアカウントを代行して運用する仕事です。業務内容は案件によって異なります。主なものとして挙げられるのは、コンテンツ制作や投稿、スケジュール管理、コミュニティマネジメント、広告キャンペーンの管理、成果分析とレポートの提供などです。また、新規アカウントの立ち上げを行うこともあれば、既存のアカウントを引き継ぐこともあります。SNSは結果が閲覧数やフォロワー数といった目に見える数字で表されます。そのため、アカウントの運用代行は比較的モチベーションを維持しやすいタスクだといえるでしょう。一方で、そのことがプレッシャーになってしまうこともあります。
SNS広告の運用代行
SNS広告の運用代行は、ブランドや企業が所有するSNSアカウント上で行う広告キャンペーンの設計、運用、最適化を行います。主な仕事内容としては、広告戦略の立案や広告コンテンツの制作、ターゲティングと設定、広告キャンペーンの管理、成果分析と最適化等が挙げられます。SNS広告を運用する際には、それぞれのSNSに合わせた広告を打つことが大切です。そのため、それぞれのSNSの特徴や違いについてしっかりと把握している必要があります。
個人運用での副業
副業として個人でSNSアカウントを運用するケースもあります。たとえば、インフルエンサーが企業からPR投稿の仕事を請け負うのはそのひとつです。また、自身のSNSアカウントでアフィリエイトによる広告収入を得ることも、個人で行うSNSマーケターとしての副業だといえるでしょう。その際には自身のアカウントをフォローしているユーザーの性別や年齢などをよく理解していなければなりません。
SNSマーケティング案件の単価相場・収入目安
ここからは、SNSマーケティングでは実際どの程度稼げるのか、フリーランスで請け負った場合と会社員としてSNSマーケターになった場合それぞれのケースで解説します。
SNSマーケティングの単価相場(フリーランス)
フリーランスの場合、SNSマーケティングの単価相場は案件によってさまざまです。一般的には、アカウント代行の場合で月5000〜1万円程度が相場価格だといわれています。広告運用の場合、固定報酬であれば広告1本につき1万〜5万円、変動報酬であれば広告費の2割が相場です。それらに加え、成果報酬が支払われるケースもあります。そのほか、インフルエンサーがPR投稿を行う場合の相場価格は1フォロワーにつき3円です。フォロワーが10万人いるインフルエンサーであれば、PR投稿の報酬は1件につき30万円というわけです。
SNSマーケターの平均年収(会社員)
就職してSNSマーケターになった場合、平均年収は300万〜400万円程度だといわれています。これは、SNSマーケターという職種がまだ比較的新しく、20代や30代の若い層が多いことが理由として挙げられます。しかし、今後市場や需要が拡大していけば、平均年収は今よりも更に高くなるでしょう。また、この額はあくまでも平均額にすぎません。現在でも、実績や能力によっては相場より多い収入を得ている人が多くいます。
フリーランスSNSマーケターに必要なスキル
SNSマーケターとして収入を伸ばすためには、いくつかのスキルを習得している必要があります。ここからは、どのようなスキルを身に着けておくべきか、詳しく解説します。
目標達成のためのSNS設計スキル
まず重要なのは、目標達成のためのSNS設計スキルです。SNSマーケティングにはいいねの数や再生数、フォロワー数といった明確な目標があります。そのため、どのようにしてこれらの目標を達成するのかというロードマップを設計しなければなりません。さらに、作成した設計が絵に描いた餅にならないよう、確実に実現させる能力も大切です。そのためには、仮説検証を繰り返し、状況によっては運用方針を変えるような柔軟さも求められるでしょう。
データ分析スキル
SNSマーケティングではターゲットに向けてどのような内容の広告や投稿をするとより効果的なのかを常に集計・分析します。そのため、データを読み解き活用するスキルが必要です。データの検証を繰り返し行うことが目標達成には欠かせないからです。具体的には、インプレッションやエンゲージメント数、いいねの数の意味を理解し、分析できるようにならなければなりません。また、自身の分析だけでなく、競合の分析ができるようになっておくことも必要です。
コンプライアンスや炎上対策の知識
コンプライアンスや炎上対策の知識は、特にアカウントの運用代行をする際に重要です。SNSによる情報の拡散は、良い情報だけでなく悪い情報にもあてはまります。悪い情報の方がむしろより広まりやすい、ともいえるでしょう。炎上は企業イメージに大きなダメージを与えてしまう可能性があります。そのため、SNSマーケターは炎上を予防するためにコンプライアンスをしっかり意識すること、炎上してしまった場合にダメージを最小限に抑える方法を身に着けておくことが大切です。
コミュニケーション能力
SNSマーケターにとって、コミュニケーション能力は必要不可欠です。なぜなら、SNSマーケティングとは、SNSというコミュニケーションツールを活用して商品やサービスを宣伝することだからです。顧客や将来顧客になり得るフォロワーとのコミュニケーションは欠かすことができません。ここで重要なポイントは、SNSマーケターのコミュニケーションはオンライン上で行われるということです。そのため、オンライン上で信頼や説得力を高められるようなコミュニケーション能力を身に着けておく必要があります。
フリーランス案件を獲得するために
フリーランスのSNSマーケターとして稼ぐためには、何よりもまず案件を獲得しなければなりません。ここからは、どのようにして案件を獲得すればよいのか、主な方法を4つ紹介します。
フリーランスエージェント
まず挙げられるのは、フリーランスエージェントの活用です。フリーランスエージェントに登録すれば、自身のスキルや実績に合わせた案件の紹介を受けられます。SNSマーケティングの案件の全てが一般に公開されているわけではありません。案件によっては非公開となっており、エージェントに登録しなければ受注できないものも多いです。また、事務作業や確定申告などをサポートしてくれるエージェントもあります。フリーランスのSNSマーケターとして活動する際はぜひ利用してみてください。に登録しておいて損はないでしょう。
クラウドソーシング
クラウドソーシングは、仕事を受注したい個人と発注したい企業とを結びつけるサービスです。有名なものとしては「クラウドワークス」や「ランサーズ」があります。クラウドソーシングで受注できる案件は報酬の低いものが多いものの、案件数が多いので初心者や未経験者でも挑戦しやすいという特徴があります。そのため、実績を作りたい人やSNSマーケティングの仕事に早く慣れたいという人は、クラウドソーシングを上手に活用しましょう。
友人・知人の紹介
SNSマーケティングの案件を友人や知人の紹介で請け負うこともあります。どのような仕事であれ、外部に委託する際には相手の素性を知っていることが円滑に仕事を進めるための重要な要素だからです。比較的好条件の仕事をまわしてもらえることもあるので、フリーランスとして活動したい人は友人や知人と誠実に接しておくことが大切です。ただし、友人や知人から紹介された仕事の場合、単価交渉しづらいというデメリットもあります。
SNSで営業
自身のSNSアカウントを運用している人は、外部に頼らず自身のSNSアカウントで営業活動を行うことも可能です。とりわけ自身のSNSアカウントが多数のフォロワーを抱えているような場合には、そのこと自体がひとつの実績となるでしょう。営業活動としてSNSアカウントを運用するのであれば、投稿内容に仕事に取り組む姿勢や自身が大切にしている理念などを盛り込んでおきましょう。そうしておけば、事前にミスマッチを予防できます。
SNSマーケティングの将来性
SNSプラットフォームの利用者数が増加傾向にあること、インターネット広告費が右肩上がりで増大し続けていることから、SNSマーケティングは今後も重要性が高まると考えられています。ターゲット層へのリーチが非常に広汎であるSNSは、多くの企業にとって有効なマーケティング手段であり続けるでしょう。今後は進化するテクノロジーやアルゴリズムを活用しつつ、適切なコンテンツと戦略を通じて顧客とのエンゲージメントを高めることが重要なポイントとなります。たとえば、AR技術や仮想現実を活用したコンテンツはマーケティング戦略を刷新することになるかもしれません。
ただし、SNSマーケティングにはいくつかの課題もあります。まず挙げられるのは、競争の激化です。ただ正しい情報や有益な情報を発信しているだけでは他のアカウントと差別化できません。そのため、SNSマーケティングにおいては情報の質よりも発信者の質が重視される傾向が高まるでしょう。また、SNSマーケティングはSNSプラットフォームに依存したマーケティング活動のため、プラットフォームのアルゴリズム変更に即座に対応しなければならないという問題もあります。将来のSNSマーケティングの成功には、新たなトレンドを適切に捉えることだけでなく、継続的な戦略の最適化が必要です。
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