SQLにおすすめの資格って?試験内容や資格難易度をチェック
SQLは、データベースを操作するためのデータベース言語として、最も広く使われている言語の一つです。そのため、データベースの設計・開発・運用管理に関わるエンジニアはもちろん、業務アプリケーション開発に携わるエンジニアや、近年ニーズの高まっているデータサイエンティストやデータ分析に関わるエンジニアなどにおいても、習得は必須といえる言語です。
既に業務でSQLを利用しているものの知識をさらに深めたいという方や、初心者からSQLの習得を目指したいという方などは、SQLに関する資格の取得を検討されている方も多いでしょう。 SQLのスキルを効率よく習得し、仕事で活用するためには、SQLに関する資格の取得がおすすめです。
この記事では、SQLにおすすめの資格の試験内容や難易度、資格を取得するメリットなどについて解説します。
目次
SQLにおすすめの資格(1)Oracle Master
Oracle Masterとは、日本オラクル社が実施する資格の1つで、Oracle Databaseに関する技術を認定する公式ベンダー資格です。
Oracle Databaseは、数多く存在するデータベース製品の中でも、世界で高いシェアを維持している製品です。SQLやデータベースに関連する資格としては最初に名前が挙がることも多く、日本のみならず国外においても認知度の高い資格となります。
試験内容
Oracle Masterの試験は、Oracle Databaseの知識を広く問うデータベース管理者(DBA)の試験と、SQLに関する知識を問うSQLの試験に分かれています。
DBAの試験は、Bronze DBA、Silver DBA、Gold DBA、Platinum DBA(Platinumのみ2023年1月時点で詳細未定)の4つのグレードに分かれており、SQLの試験は現在Silver SQLというグレードの試験のみ実施されています。
ここでは、SQLにおすすめという観点で、SQLを出題範囲に含み、かつ比較的チャレンジしやすいBronze DBA、Silver DBA及びSilver SQLの3つについて、試験内容をご紹介します。
Bronze DBA
Bronze DBAはSQLとデータベースの基本的な知識が問われる試験です。取得することでSQLだけでなく、データベースに関する知識やスキルを有していることを証明できます。 全体としてはOracle Databaseに関する知識を広く問われる内容となっているため、今後SQLを深く理解していくための基礎となる試験であると考えておくとよいでしょう。
Silver DBA
Silver DBAはBronze DBA の上位資格で、実務レベルの運用管理のスキルや知識が問われる試験です。オラクルの機能を利用したデータベースの運用管理や、SQLを使ったデータへのアクセスなどが出題範囲となります。
SQLに関しては、知識だけではなく、実践的なコードが記述できるレベルのスキルが問われますので、SQLに関するスキルを身につけることを目的とするのであれば、Silverの取得を目指すことが望ましいでしょう。
Silver SQL
Silver SQLは、データサイエンティストやデータアナリストなどデータ分析に関わるエンジニアに必要な知識を想定し、出題範囲がSQLに関する内容に絞られている試験です。試験内容としては、Silver DBAのSQLに関する出題範囲と概ね同じであるため、SQLの知識を身につけることを目的とするのであれば、どちらかを取得すれば十分です。
データベース運用管理に関するスキルも合わせて証明したいのであればSilver DBA、SQLに特化したスキルを証明したいのであればSilver SQL、というように、目的に沿ってどちらの資格の取得を目指すべきか考えてみると良いでしょう。
試験難易度
Oracle Masterのレベルごとの難易度と合格ライン、合格率は以下のようになっています。
レベル | 難易度・合格率 |
---|---|
Oracle Master Bronze DBA | 難易度:★★☆☆☆(基礎レベル) 合格ライン:65% 合格率:非公開 |
Oracle Master Silver DBA | 難易度:★★★☆☆(中級レベル) 合格ライン:60% 合格率:非公開 |
Oracle Master Silver SQL | 難易度:★★★☆☆(中級レベル) 合格ライン:63% 合格率:非公開 |
SQLにおすすめの資格(2)OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験とは、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが認定する資格です。オープンソースのデータベースであるPostgreSQLに関する内容を中心に、SQLとデータベースに関する知識とスキルを問う内容となります。
試験内容
OSS-DB技術者認定試験はSilverとGoldの2つのレベルに分かれており、それぞれの試験内容は以下のようになっています。
OSS-DB Silver
データベースとSQLの基礎知識や、データベースシステムの構築及び運用管理のスキルを有しているかが問われます。内容としては基礎的なレベルであるため、SQL初心者でも比較的取得しやすい試験であるといえます。
OSS-DB Silverを取得することで、データベースシステムの設計、開発、導入、運用ができるエンジニアであることを証明できます。
OSS-DB Gold
Silverの内容に加えて、大規模なデータベースシステムの構築・運用管理のスキルを有していることや、パフォーマンスチューニング、トラブルシューティング等ができるレベルであることを問われます。
OSS-DB Goldを取得することで、データベースの構築・運用について、高度な知識を有し、改善やコンサルティングができる人材であることを証明できます。
試験難易度
OSS-DB技術者認定試験のレベルごとの難易度と合格ライン、合格率は以下のようになっています。
レベル | 難易度・合格率 |
---|---|
OSS-DB Silver | 難易度:★★☆☆☆(基礎レベル) 合格ライン:64% 合格率:非公開 |
OSS-DB Gold | 難易度:★★★★☆(上級レベル) 合格ライン:70% 合格率:非公開 |
SQLにおすすめの資格(3)データベーススペシャリスト
データベーススペシャリストは、情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験であり、情報処理技術者試験の1つです。SQLおよびデータベースに関する知識と技術を持つスペシャリストであることを問われる試験となります。
試験内容
これまで紹介した2つの試験(Oracle Master、OSS-DB技術者認定試験)は特定のデータベースに関する試験内容であるのに対し、データベーススペシャリスト試験は対象となる製品を限定しておらず、一般的なデータベースに関する知識やSQLのスキルを認定する試験となっています。
試験内容は、情報システム戦略やプロジェクト管理などデータベースシステムの企画・開発に関する業務知識から、データモデルの作成や正規化、SQLによるデータベースの操作など、データベースの構築・運用管理者として身につけておくべき知識を広く問われる内容となります。
試験難易度
データベーススペシャリストの難易度と合格ライン、合格率は以下のようになっています。
レベル | 難易度・合格率 |
---|---|
データベーススペシャリスト | 難易度:★★★★★(難関レベル) 合格ライン:60% 合格率:17% |
SQLの資格を取得するメリット
SQLの資格を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは3つの観点からメリットをご説明します。
SQLの知識を体系的に理解できる
資格取得を目指して学習することで、SQLに関する知識のみならず、データベースの知識を体系的に理解することができます。SQLは、構文の記述方法だけでなく、SQLが動作するデータベースの仕組みや動作原理などを理解して初めて十分に使いこなせるものです。そのため、SQLを学ぶ際には、データベース全般の知識を同時に身につけておくことが望ましいといえます。
SQLに関する資格取得を目指すことで、データベースの知識を含めて体系的に学習することができ、SQLについてもより一層深く理解することができるでしょう。
就職や転職の際にスキルを証明できる
SQLはデータベース関連のエンジニアや、データ分析に関わる職種では必須のスキルとなるケースが多いため、資格を保持していれば、就職や転職の際にSQLのスキルがあることを証明することができます。
また、未経験から就職や転職をしようとしている場合でも、資格を取得していれば実務経験がなくとも一定以上の知識とスキルを有していることをアピールでき、有利になることもあります。
使用するデータベースの知識やスキルを深められる
SQLに関する資格の多くは、特定のベンダーが提供するデータベース製品、またはオープンソースのデータベースに関する知識やスキルを問うものとなっています。
そのため、それぞれの資格取得を目指して学習することで、業務で使用するデータベースに特化した知識やスキルを身につけることができます。どの資格を取得すべきか迷う際には、まずは関わっている案件や業務で使われているデータベース製品の資格取得を目指すのがよいでしょう。
SQLの資格は自分のレベルや目的にあったものを取得しよう
SQLの資格は、自らのレベルや目的にあったものを取得するのがおすすめです。
初心者にも関わらずレベルの高い資格を最初から目指してしまうと、難易度の高さが挫折の要因になってしまいます。最終的な目標を高く持つのはよいことですが、焦らず着実にステップアップしていくことが大事です。
また、目的が明確ではないのに資格の取得を目指しても、勉強のモチベーションが上がらないばかりか、せっかく取得した資格も使い道がない、ということになってしまいます。
資格で証明したいスキルや、資格を取得することで身につくスキルの活用法を最初に考えた上で、目的にあった資格を取得するようにしましょう。
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