フリーランスのテストエンジニアは稼げる?年収やおすすめ資格、案件獲得情報を解説
テストエンジニアとして企業に勤めている人の中には、フリーランスとして独立してみたいと考えている人もいるのではないでしょうか。今回は、気になるテストエンジニアのフリーランス事情について見ていきたいと思います。おすすめ資格や案件獲得法なども解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
テストエンジニアとは
テストエンジニアとは、ハードウェアやソフトウェアなどの製品を開発する際に、製品が仕様書通りに問題なく作られているかをテストする職種です。テストエンジニアは不具合のない高品質な製品を世に送り出すために何度もテストを実施し、仕様通りに作られているか、プログラムにエラーはないか、データベースの設計にミスはないかなどをチェックするのが主な仕事です。
これまで製品のテストは開発を行ったプログラマーがそのまま行うケースや、テスターの経験が浅い社員が行うケースが一般的でした。しかし、高品質かつセキュリティ要件の高い製品が求められるようになったこともあり、知識や経験が豊富なテストエンジニアにレベルの高い製品テストを任せる企業が増えています。
フリーランスのテストエンジニアの仕事内容
テストエンジニアの仕事は、主に以下の4つとなります。
- テスト計画の策定
- テスト設計
- テスト実行
- テスト結果の確認と資料作成
テスト計画の策定では、実施期間や人員配置、テストの実施方法や優先順位、テストの範囲を検討したうえで、計画書を策定していきます。ここで作成したテスト計画書を基にテストの作業を進めていくことになるため、詳細に検討しておかなければなりません。
テスト計画書を作成したら、テスト設計を行います。どういった技法を使いテストを行うのか、どの部分を重点的にテストすればよいのかなどを吟味していく作業です。
テスト設計を行った後は、実際にテストを実行していきます。この作業で重要になるのは、想定通りにプログラムが動作しているかを細かくチェックすることです。企業によっては、テスト実行を自動化しているケースや、プログラマーやシステムエンジニアが兼務する場合もありますが、基本的にはテストエンジニアの業務になります。なお、テスト結果はエビデンスとして残します。
最後にテスト結果を確認して、開発者やチームリーダーに報告するための資料を作成します。テストに問題があった場合や、追加で要望があった場合には、再テストを行うこともあります。また、テストの結果から発見された問題点に対する改善提案をすることもあるため、単なるテスター以上のスキルや知識が必要になってきます。
フリーランスのテストエンジニアの年収・単価目安
フリーランスのテストエンジニアの年収は、400万円~500万円程度です。単価目安としては50万円~80万円程度です。例えば、70万円の案件を毎月1つこなすことができれば、単純計算で年間860万円の収入となります。テストエンジニアの中には、テストだけではなく、設計や開発など他の業務をこなす人もいます。幅広い業務を行えるようになれば、受注できる仕事の幅が広がり、高単価の案件を見つけやすくなるでしょう。
フリーランスのテストエンジニアに必要な知識・スキル
フリーランスのテストエンジニアには、様々な分野の知識やスキルが求められます。では、実際どのような知識やスキルが必要になるのか、詳しく見ていきましょう。
テスト工程や技法に関する知識、スキル
テストエンジニアは、ハードウェアやソフトウェアのテスト工程を担当するのが主な業務になるため、テスト工程に関する知識やスキルが必要不可欠です。テストといっても、システム全体の動作確認を行うシステムテストや、プログラミングを1行ごと確認してテストする単体テストなどがあります。こういったさまざまなテスト工程を行えるように、知識やスキルを身につけておかなければなりません。また、デシジョンテーブルテストや状態遷移テストなど、テスト技法に関する知識やスキルがあれば、より高レベルなテストを行えるようになるので、しっかり学んでおきましょう。
ソフトウェア開発に関する知識、スキル
テストエンジニアが直接ソフトウェア開発を行うわけではありませんが、ソフトウェア開発に関する知識やスキルがあれば、実装方法なども把握でき、テストケースの判断もしやすくなります。また、何か問題が見つかった時、どのような改善が必要なのか、プログラマーに具体的に提案することができます。開発分野の知識やスキルを持ったテストエンジニアは重宝されるため、案件の獲得もしやすくなるでしょう。
テスト自動化ツールを扱うスキル
「Selenium」や「Appium」、「Ranorex」といったテスト自動化ツールを扱うスキルも、テストエンジニアには必要です。これらのテスト自動化ツールを利用することで、テストの作業時間を短縮でき、テストの品質向上も実現できます。単純な作業の繰り返しなどの場合は、こうしたツールを活用したほうがテスト効率も上がるでしょう。このようにテスト自動化ツールを扱うスキルも、テストエンジニアには求められてきます。
品質管理の知識
テストエンジニアは、品質管理の知識も求められる職種です。顧客が製品に対して求める基本的な機能を動作させる「当たり前品質」、性能のような顧客の評価に関わる「魅力的品質」など、様々な品質管理の考え方があります。こういった品質管理に関する知識を活用して、製品の品質を高めることもテストエンジニアの重要な仕事です。
コスト、リスクに関する管理スキル
テストを行う際には様々なコストがかかるため、テストエンジニアにはコスト管理スキルが必要不可欠です。限られたコストの中で、効率的かつレベルの高いテスト工程を行えるようにしなければなりません。また、テストを行う際にどの部分に不具合が発生しやすいのかといったリスクを想定しておくことも大切です。テストエンジニアがあらかじめリスクを把握しておくことで、重点的なテストを行い品質向上を図ることもできます。このようにコストやリスクに関する管理スキルも、大切なスキルなのです。
プレゼンテーションスキル
フリーランスのテストエンジニアになるために必要になるのが、プレゼンテーションスキルです。製品のテストを行う際は、工程ごとにテスト結果や改善案などをクライアントやプログラマーにプレゼンテーションしなければなりません。場合によっては、資料をまとめて分かりやすく説明したり、専門知識がないクライアントに対して伝わりやすい言葉を選んだりする必要が出てきます。そういう時のために、プレゼンテーションスキルをしっかり身につけておくことが大切です。
フリーランスのテストエンジニアにおすすめの資格
特別な資格がなくても、フリーランスのテストエンジニアになることはできます。しかし、持っておくことで有利になる資格も多くあります。ここからは、フリーランスのテストエンジニアにおすすめの資格をいくつか紹介していきます。
情報処理技術者試験
ITやプログラミングに関する基礎知識が身についていることを証明するための資格が、情報処理技術者試験です。IPAという情報処理推進機構が主宰している国家資格試験で、IT業界で働く多くの人達が資格取得を目指しています。IT系の求人では基本情報処理技術者の資格を保有していることが条件になっているものも多くあります。情報処理技術者の資格を取得しておけば、仕事の幅が広がり案件の獲得がしやすくなるでしょう。
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB認定テスト技術者資格は、JSTQB(Japan Software Testing Qualifications)が実施している資格試験です。ソフトウェアテストに関する資格試験で、システムやソフトウェアの評価や検証、テストなどさまざまな問題が出題されます。資格取得を目指して勉強することで、テストエンジニアに必要なスキルや知識を身につけられます。JSTQBはISTQBに加盟しているため、海外でも通用する資格です。
JCSQE ソフトウェア品質技術者資格認定
JCSQE ソフトウェア品質技術者資格認定は、ソフトウェア品質向上のために作られた資格制度です。初級、中級に分かれているため、自分のレベルに合わせて選ぶことができます。ソフトウェア品質の基礎知識やレビュー技法、テスト技法を身につけたいと考えている人におすすめの資格試験です。
IT検証技術者認定試験(IVEC)
IT検証技術者認定試験(IVEC)は、IT検証産業協会(IVIA)が主宰している、テストエンジニア向けの資格試験です。レベル1からレベル7まで分かれており、テスト実行者から研究者・上級コンサルタントまで、幅広いレベルに対応しています。テスト現場で必要になる、実務知識を学びたい人は資格取得を目指してみるとよいでしょう。
フリーランスのテストエンジニア 案件獲得方法
最後に、フリーランスのテストエンジニアが案件を獲得する方法を紹介していきます。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングは、仕事を発注する人と受注する人を結びつけてくれるプラットフォームサービスです。クラウドソーシングにはさまざまな案件が掲載されており、テストエンジニア向けの案件も数多く見つかります。サービスに登録するだけで、手軽に案件を探せるのが大きなメリットです。案件への応募やクライアントとのやり取りなど、すべてオンライン上で完結できます。仕事を受注する側は基本的に無料で利用できるようになっているため、案件探しに困った時はとりあえず登録しておいて損はないでしょう。
フリーランスエージェントを利用する
案件を獲得するために、フリーランスエージェントを利用するのも1つの方法です。フリーランスエージェントを利用すれば、専門のスタッフが自分の条件に合った案件を紹介してくれます。案件探しはフリーランスエージェントに任せて、テストエンジニアとしての業務に専念できるというのは大きなメリットです。サービスによって取り扱っている案件の種類が変わるため、テストエンジニア向けの案件を多く取り扱う、IT業界に特化したフリーランスエージェントを利用するとよいでしょう。
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