リスティング広告の副業、始め方や必要スキル、案件獲得方法と注意点
リスティング広告を副業にするには、高い知識やスキルが必要だと思われがちです。しかしリスティング広告の運用代行は経験次第で誰でもできる可能性があります。ここではリスティング広告の副業における仕事内容や、報酬相場、仕事の始め方・獲得方法などを解説していきます。
目次
リスティング広告とは
まずは、そもそもリスティング広告とはどういうものなのか、改めて確認しておきましょう。副業においてはどのような業務内容を行うのかも、あわせてご紹介していきます。
そもそもリスティング広告とは
リスティング広告とは、検索連動型広告とも呼ばれていて、検索エンジンにおいてユーザーが検索したキーワードと連動して検索結果に表示されるテキスト広告のことを指します。広告がクリックされると費用が発生するクリック課金形式となっており、テキストのみで商品やサービスについてアピールする必要があります。国内においてはGoogle広告とYahoo!広告が代表的なリスティング広告となっています。リスティング広告は、他の広告媒体と比較して、見込み確度の高いユーザーにアプローチできるため、費用対効果の高い広告であると言われています。
副業における仕事内容
リスティング広告の副業としては、運用代行が主とした業務となります。具体的には以下のような内容に取り組むことになります。
【主な業務内容】
- アカウントの開設作業
- キーワード選定と広告作成作業
- 広告結果の分析と改善作業
- レポーティング作業
- 競合調査
リスティング広告の代行を副業にしていく場合は、クライアントの広告作成・対象アカウントの分析と改善・マーケットの調査などの業務を請け負うことになります。クライアントが広告アカウントを持っていないという場合は、開設作業を代行することもあります。広告作成時はクライアントへのヒアリングを行い、出稿するキーワードの選定や広告のクリエイティブの作成を行います。実際に広告を出稿したのちは、クリック率やコンバージョン率などを含めた広告結果の分析と改善の提案を実施します。クライアントに結果を報告するため、状況をわかりやすくまとめるレポーティング作業も必要となります、また、競合調査として競合他社のリスティング広告の状況を調査することもあります。
リスティング広告 副業の報酬、単価の相場
リスティング広告を副業にした場合の報酬は一般的に、月5万円から10万円程度です。仕事を複数受け持った場合や、単価の高い副業を得た場合は更に収入が増える可能性もあるでしょう。また、場合によっては月の広告予算の10%~20%を報酬価格とすることもあります。予算は企業ごとに変わってくるため平均値は算出しづらくなりますが、このようなケースもあるというのは覚えておくとよいでしょう。
リスティング広告 副業に必要なスキル
リスティング広告を副業にするためには、広告運用スキルだけでなく、マーケティングのスキルやアクセス解析・分析のスキルなど、複数のスキルが必要になります。ここでは必要となるスキルについてそれぞれ解説を行います。
各広告媒体への知識
基本的なことではありますが、各広告媒体への知識は求められます。現在の国内におけるリスティング広告の媒体は、GoogleとYahoo!の二つになります。それぞれの特徴などをしっかり理解しておきましょう。また、広告アカウントの操作方法なども異なりますので、どちらでも対応できるようにしておきましょう。
アクセス解析・分析スキル
アクセス解析や分析スキルは実際に広告を出稿した後に必要になるスキルです。リスティング広告はWeb上で完結する広告なので、離脱など含めて数値で状況を把握することができます。単純に広告を配信するだけでなく、アクセス解析を行い、広告の効果を分析していくスキルは改善提案のためにも必要となってきます。
マーケティングスキル
リスティング広告を運用するうえで、基本的なマーケティングスキルも必要となってきます。ターゲティングなどを考慮し、クリックしたくなる広告テキストを配信するためにもマーケティングの基礎知識程度はおさえておいたほうが賢明です。
レポーティングスキル
リスティング広告運用代行をするにあたり、結果報告としてのレポーティングは必要となってきます。クライアントのすべてが広告運用に精通しているわけではないので、運用結果を正しく理解してもらうため、状況をわかりやすく伝えられるスキルも重要なポイントとなります。ExcelやPowerPoint 、Googleスプレッドシートなどを使って、広告データをまとめる練習をしておくとよいでしょう。
クリエイティブ制作のスキル
リスティング広告は基本的にテキスト広告となりますが、ディスプレイ広告といったテキスト以外のクリエイティブが必要となる広告の運用を任される場合もあります。そうした際に、自身でバナーなどのクリエイティブを制作できると、クライアントからの評価も高まりやすくなります。IllustratorやPhotoshopといったソフトを使用することになるので、取り扱えるようになるとよいでしょう。ものを実際に作ることになるので、デザインの基礎知識や、語彙力、ひらめきなども必要となってきます。
リスティング広告 副業の始め方
リスティング広告の副業を始める場合は、ある程度の知識やスキルを取得してから副業案件を見つけていくのがいいでしょう。ここでは具体的な流れに沿って各ステップの解説をしていきます。
広告運用の知識・スキルを習得する
未経験の場合は、まずは広告運用の知識やスキルを習得しましょう。広告運用のスキルを習得するには、主に2通りの方法が存在します。1つ目の方法は独学で学ぶことです。独学で知識を得る場合は費用がかかりませんが、その代わりモチベーションの維持が難しく継続できないリスクも出てきます。2つ目の方法は、広告のスキルを学べるスクールに通うことです。スクールで学ぶ場合はお金がかかってしまいますが、わからないところをすぐに教えてもらえるという利点があります。
実践経験を積む
広告運用のスキルを身に着けた後は、実践経験を積むようにします。未経験でもできる広告運用のアシスタントなどの副業案件に応募してみて、まずは実務に携わってみるとよいでしょう。また、自分自身でリスティング広告を行って運用実績づくりを試みてもよいでしょう。広告予算は少額でも問題ないので、まずは実績づくりが大切です。広告運用の実務経験を積んでいくことは知識を定着させる効果だけでなく、次の段階であるポートフォリオの作成の材料づくりという意味も含まれています。
ポートフォリオを作成する
ポートフォリオの作成は制作スキルと実務スキルを企業側に伝えるために、欠かせないアイテムになります。特にクリエイティブ性を重視している企業は、ポートフォリオの提出を求める傾向があるので早めに準備しておきましょう。ポートフォリオは今までの実績を一つにまとめたものになりますが、構成に工夫を施さないと担当者にうまく伝わらないので注意してください。履歴書だけでは伝わらない部分をポートフォリオは補うことになります。
副業案件へ応募する
ポートフォリオまで作成したら、副業案件に応募してみましょう。最初のうちは高額報酬の案件はなかなか獲得しづらいので、報酬にとらわれずに柔軟に応募してみることが大切です。副業での経験や実績を重ねることで、高額報酬案件の獲得も現実的になってきます。
リスティング広告 副業案件の獲得方法
リスティング広告の副業案件の獲得方法としては、クラウドソーシングを利用する・フリーランスエージェントを活用する・知人の紹介・直接営業をかけることが挙げられます。それぞれ詳しく解説していきますので、自分に合ったものをしっかりと見極めましょう。
クラウドソーシングサービスを利用する
クラウドソーシングとは、仕事を発注したいクライアントと受注したいワーカーをマッチングさせるためのサービスです。クラウドソーシングの特徴は経験の浅いワーカーでも仕事を見つけやすいことが挙げられます。副業をはじめたての頃は、まずはクラウドソーシングを使って案件を獲得し、実績を積んでいくのがおすすめです。ただし、クラウドソーシングを利用する際は自分でクライアントと交渉する必要がある、単価が安いなどのデメリットもあります。
フリーランスエージェントを利用する
フリーランスエージェントは、フリーランスとクライアントを仲介するエージェントサービスのことを指します。週1~3日稼働の副業向けの案件も多数あるので、副業の場合でも登録しておくとよいでしょう。エージェントが案件を紹介してくれるだけでなく、契約の交渉なども仲介して行ってくれます。また、比較的高単価の案件も多いので、副業で稼ぎたい人にはぴったりです。ただし、実務経験が少なすぎる場合は、仕事を紹介してもらえない場合もあります。
知人から紹介してもらう
リスティング広告の案件を知人から紹介してもらえる場合もあります。過去の取引先や前職の同僚など、自分の人脈から案件を獲得するというケースも副業においては少なくはありません。場合によっては、平均以上の単価で仕事を受注することも可能です。
直接営業をかける
SNS内で副業人材を募集している企業もあるので、そういった企業に直接営業をかけることもできます。もし募集をかけていない場合でも問い合わせフォームを通じて自分から売り込みをかけることも可能です。直接営業には契約条件を交渉できるというメリットがありますが、契約を得るためには根気や高い交渉能力が求められます。自分に適性があるのなら交渉してみるといいでしょう。
リスティング広告 副業案件探しに活用できるサービス
副業プラットフォームやフリーランスエージェントに登録しておけば、案件探しをスムーズに進めていくことができます。ここでは副業探しにおすすめのプラットフォームなどを5つ紹介していきます。
シューマツワーカー
シューマツワーカーは、副業向けの案件をメインに取り扱っているサービスです。リモートワークの案件も多いので、出社の必要がなく副業としても取り組みやすいでしょう。副業コミュニティがあったり、確定申告セミナーなども開催されているので、情報交換などにも役立ちます。
ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは週2~3日稼働の案件を多く持つフリーランスエージェントです。専門のコンサルタントがついてくれるので、案件探しや条件の交渉など手間のかかる部分を代行してくれます。
KAIKOKU(カイコク)
KAIKOKU(カイコク)は、マーケターやデザイナー向けの副業・転職マッチングサービスです。登録すると、自分の条件に合ったおすすめ案件が届くシステムになっています。また、副業に限らず相性がよいと感じる企業へは転職もできる点も特徴です。
Workship
Workshipではベンチャーから大手まで幅広い案件を取り扱っているので、自分に合った仕事を見つけやすいサービスです。またサポート体制も充実しており、報酬の先払いなどにも応じてもらえるので安心して働くことができます。
BIGDATA NAVI
BIGDATA NAVI(ビッグデータナビ)は機械学習・AI・データサイエンス案件に特化したフリーランスエージェントですが、リスティング広告の運用やWebマーケティング、デジタル運用のコンサルタントといった案件も取り扱っています。サポート体制も豊富なので、登録しておけば安心して働くことができます。
リスティング広告の副業で稼ぐ方法
リスティング広告の副業で高収入を得るためには、戦略的に取り組んでいく必要があります。ここでは、リスティング広告の副業で稼ぐための大切なポイントを見ていきます。
週に10時間以上の作業時間を確保する
リスティング広告の副業で稼いでいくためには、ある程度の作業時間が必要です。週に10時間程度の作業時間は確保しておけば、運用作業をしっかり行い成果を上げたり、他の案件を探したりと、単価アップの可能性が出てきます。なお、週10時間の確保は厳しいといった場合でも、クライアントからの連絡への返答はすぐに行うようにしましょう。レスポンスの速さは、クライアントとの信頼関係にもつながります。チャットやメールなどの確認を忘れないように注意してください。
大手の広告媒体での運用経験を積む
リスティング広告でいえば、GoogleとYahoo!が大手の広告媒体となります。どちらも経験があるワーカーは、信頼感もあるのでクライアントから仕事を任されやすい傾向にあります。それぞれでの運用経験を積んでおくと、副業でも稼ぎやすくなるでしょう。ただしリスティング広告の運用環境の変化は激しいので、こまめに変更点を確認して行かなければなりません。
クロスメディアに対応する
リスティング広告以外の、Web広告メディアに対応できると仕事の幅が広がっていきます。たとえばFacebookやInstagramへの広告出稿の経験があると、クライアントからリスティング以外の経験もある点を評価される可能性も高くなるでしょう。リスティング広告の運用だけでなく、SNS広告の運用も任されるといったケースも考えられます。クライアントが希望するすべての広告媒体に対応できるようになっておけば、案件獲得の可能性も広がるでしょう。
大口案件・大口クライアントを獲得する
大口案件や大口クライアントを獲得すると、副業であっても大きく稼げる可能性が高まります。大口クライアントの案件は広告運用にかかる予算も多い傾向となり、その分運用代行にかける報酬も多くなりやすいと言われています。初めから大口案件、大口クライアントを獲得するのは難しいかもしれませんが、地道に実績を積んでいけば契約成立も夢ではありません。
リスティング広告の副業をするメリット
ここではリスティング広告の副業を行うメリットについて解説していきます。
Web広告運用の需要が高まっている
リスティング広告は他の広告と比較して、確度の高いユーザーにアピールできるので購入や申込みに繋がりやすいというメリットを持っています。そのため、リスティング広告を効果的に使いたいと考えている企業も多いのですが、専任の運用担当者の雇用まで追い付いていないというケースもよく見られます。こうした背景から、Web広告運用を代行してくれるアウトソーシングの需要は高まっているのです。そのためワーカーは案件探しに苦労することも少なく、副業をする上で大きなメリットとなっています。
報酬体系が豊富
リスティング広告の運用では、時給制の報酬・月額固定の報酬・月額広告費の10~20%の報酬と、報酬体系が豊富です。時給制の場合は作業時間に応じて報酬が変わりますし、月額固定の場合、月々の報酬に変動がない点がワーカーにとっては魅力的ともいえます。また、月額広告費に応じた報酬の場合は、広告予算が大きくなるほどワーカーの報酬も増えますので、やりがいにもつながるでしょう。自分にフィットした報酬体系を選べることも、他の副業案件にはないメリットだと言えます。
スキマ時間で作業できる
リスティング広告運用の仕事は時間や場所にとらわれないで仕事ができるという特徴を持っています。ネット環境が整っているだけで始められるので、平日の仕事終わりのスキマ時間や、土日に作業をするといったことも可能になります。
低コストでスタートできる
リスティング広告運用の仕事は、パソコンとネット環境さえあればすぐにスタートできます。初期費用がかからず、知識や経験があれば誰でも副業にすることができます。この参入障壁の低さこそがリスティング広告のメリットの1つです。
リモートワークで稼働できる
リスティング広告の運用はパソコンとネット環境があればできるので、リモート勤務に向いています。案件の中にもリモート可能なものが多いので、自由な働き方をしたいなら広告の運用を副業に選ぶといいでしょう。
本業に活かせるスキルアップができる
リスティング広告運用を副業にすることによって、スキルアップできるというメリットがあります。特に本業でも広告の運用の経験をしているという人であれば、本業以外で運用業務に携わることで、新しい知見や経験を得ることができるでしょう。そうした副業の経験は、自身のスキルアップにも大きく貢献しますし、本業へフィードバックすることもできるでしょう。
リスティング広告の副業をするデメリット
リスティング広告のメリットについては見てきました。ここではデメリットの部分について確認していきます。
結果へのプレッシャーがある
広告運用の副業のデメリットとしては、結果が出なかった際にプレッシャーが大きくなる点が挙げられます。費用対効果は数字としてはっきりと出てしまうため、結果が出ない場合クライアントとの契約が切られる可能性もあるのです。ただ作業をするだけではなく、結果を求められる業務ということへの心構えが必要となります。
スキル・経験が必要になる
広告運用のスキルを身につけるためには多くの時間がかかるので、副業は軌道に乗せるまでに時間がかかってしまいます。すぐに高収入を得たいという方は、他の副業を探したほうがいいかも知れません。
リスティング広告の副業における注意点
リスティング広告に限らず、副業を行っていく際には注意しなければならない点が数多くあります。注意点を明確化することで、失敗を未然に防ぎましょう。
就業規則を確認する
企業によっては副業がNGのところもあります。また副業自体は問題なくとも、事前に許可を取らなければならないところもあります。ルールを破った場合、罰せられることも出てくるでしょう。そういったことがないように、就業規則はあらかじめ確認しておいてください。
時間管理を徹底する
副業に時間を取られることによって本業やプライベートに悪影響が出てくるようになったら元も子もありません。時間管理を徹底して、本業に支障が出ないように配慮しつつ副業を行うようにしましょう。また、副業で働きすぎて体調を崩すといったことは避けなければなりませんので、休養を意識的にとることも忘れないようにしましょう。
確定申告をおこなう
たとえ副業であっても、収入が一定額を超えた場合は確定申告を行う必要があります。確定申告は給与所得以外の所得が20万円を超えた場合に行う義務が出てきますので、副業収入からの所得を把握する、帳簿を作成するなどはしておきましょう。なお、確定申告が必要ない場合でも住民税の申告は別途必要になるので注意してください。
直接契約の場合、契約内容を明確にする
企業との直接契約の場合は、事前に契約内容を明確にしておきましょう。フリーランスエージェントで契約している場合は、エージェントが代わりに交渉してくれますが、クラウドソーシングなどの場合は自分で契約をしなければならないので注意が必要です。トラブルを避けるためには、業務範囲や報酬などを明確にし、書面として契約書を交わしておくといいでしょう。
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