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AIエンジニアとは?仕事内容、給料年収、就職・転職の方法を大公開

AIエンジニアとは?なるには?仕事内容、給料年収、就職・転職の方法を大公開

機械学習・深層学習などAI技術についての話題をよく聞くようになりました。しかしその割には、AI開発を行っているエンジニアの実態はあまり知られていません。

この記事では、AIエンジニアの仕事内容、求人・採用のニーズはあるのか、どうすればなれるのかをお話ししながら、「自分もAI開発に携わってみたい」と思ったときの判断材料になるように情報をまとめています。

AIエンジニアとは

AIエンジニアとは、最先端技術である人工知能(AI)の開発に携わる技術者です。要素技術の研究・開発に取り組むエンジニアを指すこともあれば、AIを使ったデータの解析やシステムの開発・実装を仕事とするエンジニアを、ソフトウェアエンジニアのなかでも特に「AIエンジニア」と呼ぶこともあり、仕事や職業としての定義には幅があります。

以下に、AIエンジニアが行う仕事の例を記載します。

  • AI技術の研究、海外論文などのリサーチ
  • 学習モデル、アルゴリズムの開発
  • AIを使用したデータ解析・システム開発
  • 精度向上のためのチューニング
  • 学習用データの構造化・整理

AIエンジニアに関連した職業として、データサイエンティストや機械学習エンジニアという名前の職種を聞くことがあります。いずれも機械学習やデータサイエンスに関わる職業です。それらの肩書や職種の多くは企業が求人の都合上決めたものも含まれます。そのため、名前は違えども実際には同じ仕事内容を指すことも多いです。

求人票などで使用される傾向として、データサイエンティストはビッグデータ分析やコンサルティングなどのアナリティクス分野の求人に使用される傾向にあります。機械学習はAI技術のひとつの分野であることから、AIエンジニアは機械学習エンジニアを含む概念です。両方ともエンジニアという名前がつくため、データサイエンティストよりもエンジニア寄りの業務に就く傾向にあります。

AIエンジニアの役割

次に、仕事上でAIエンジニアに期待される役割についてみていきましょう。AIエンジニアは、AI技術のプロフェッショナルであることが期待されます。AI技術は日々進歩しているため、絶えず新たな知識をブラッシュアップする必要があるでしょう。

AI開発においては、従来のIT開発のような要件通りの内容を実装するというスタイルではなく、ビジネス上でAIを適用する箇所を見出し、モデルを作って小規模でまわしてみる。精度が担保できないようであれば、データをAIが処理できるように適切な形で整理する。といった開発をすすめながら試行錯誤を繰り返す役割が求められています。

受託開発やベンダー企業に勤務する場合は、クライアントがAIを活用して、ビジネス上の課題をどう解決するのか、現時点で実現可能な企画内容なのか、開発することで目標を達成できるかなど様々な視点からプロジェクトを推進する技術的参謀でなくてはなりません。そのためには、AIに関する専門的な知識や技術のほか、ビジネスへの理解が必要です。

その他に、他エンジニアとの円滑なコミュニケーション能力が求められます。Webサービスや業務用アプリケーションなど、ほとんどの開発プロジェクトでは、モデルを作るAIエンジニアのほかに、データエンジニアやIT/Web系のソフトウェアエンジニアと協業することになります。

Webサービスの場合には、エンジニア以外のカスタマーサクセスやカスタマーサポート職、マーケターなどのビジネス職種と協業することも大切です。ユーザーに直接相対する部署からフィードバックを受けたり、要望をモデルに適用することで、よりユーザーにとって使いやすいサービス開発を行うことができます。

ITエンジニアやWeb系エンジニアとの違い

プログラマやシステムエンジニアなどのITエンジニアとAIエンジニアとが混同されることもあります。実際には、ITエンジニアとAIエンジニアで、仕事内容、必要となる知識は異なります。両者で共通するのは、プログラミングやコンピュータサイエンスのスキル、知識です。 プログラマはコードを書きプログラムを構築することがメインの仕事ですが、AIエンジニアは、コンピュータがどのような仕組みのうえに成り立つかを理解したうえで、AIに学習させ課題を解決することが仕事です。

AIエンジニアが必要とされる背景

現在、多くの企業がAIを利用した事業開発を行っており、AI開発経験のあるエンジニアや必要な技術を持っている技術者の需要が非常に高くなっています。

しかし、日本ではエンジニア不足が深刻化しており、通常のシステム開発を行う一般的なITエンジニアすら不足している状況です。一般的なITエンジニア以上に高度な技術・知識が求められるAIエンジニアの数は全く足りていません。自社開発のポストでも、受託開発のポストにおいても、AIエンジニアの需要が非常に高くなっています。そのため、一般的なエンジニア以上の高待遇の職種になっています。

AIエンジニアの経歴・人物像

AIエンジニアの経歴・人物像

AIエンジニアはどんな人がなる職業なのでしょうか。ここでは、どのような経歴、人物がAIエンジニアになっているのかを説明していきます。

自然言語処理などの人工知能研究に従事

大学や研究機関で人工知能の研究を経験した後、AIエンジニアになっていくというケースがあります。研究分野としては、たとえば自然言語処理があります。自然言語処理とは、人間が普段使っている言語をコンピュータが処理できるようにする技術のことです。 大学や研究機関出身者は、情報工学に関する理論や数学を把握していることからAIエンジニアに移っていきやすく、こういった研究者のうちの一定数が、開発者になっていきます。

データマイニング・レコメンドなどWeb開発でのAI経験者

大規模なWebサービスや検索エンジンでは、データマイニングやレコメンドなど統計モデルや機械学習の技術を自社サービスの改善に利用しています。そのような大規模Web開発の現場で経験を積んだのち、AI開発に転身するケースもあります。データマイニングとは、膨大な情報の中から有益な情報を発掘する技術のことで、具体的な手法としては、

  • データの関係性を分析する「マーケット・バスケット分析」
  • データの分類を行う「クラスター分析」
  • データから未来の予測を行う「ロジスティック回帰分析」

などがあります。

レコメンド機能は、AmazonなどのECサイトでもよく見る「オススメ商品」を表示する機能です。「この商品をみている人は、こちらの商品も閲覧しています」といったレコメンドもあります。他にも、キュレーションサイトのグノシーでは、当初ユーザーのSNS上の活動からその人の興味を分析して、その人が好むであろうニュースをレコメンドしていました。 このようなレコメンド機能は、AIを活用しています。

こういったAI開発に通じる技術を活かして、AIエンジニアに進んでいくことがあります。

金融などのアルゴリズム開発、自動入札の経験者

株式投資などの金融分野や、インターネット広告などの自動入札のアルゴリズム開発に従事し、その知見を活かしてAI分野に進出していくエンジニアも存在します。最近では「FinTech」と呼ばれる金融とITの融合が進んできており、このFinTechの中にAIの技術を用いたサービスも含まれています。たとえば、市場予測や、運用資産の組み合わせ提案、税務相談などが可能なシステムです。

こういった元々人間が行っていたことを、アルゴリズムを組むことで自動化することは、AI開発に通じる技術を使って行っているため、その技術を活かしてAI開発分野に進んでいくことができるのです。

コンピュータサイエンス専攻で新卒入社

大学等でコンピュータサイエンスを専攻し、新卒でAI関連企業に入社する人もいます。コンピュータサイエンスとは、コンピュータ活用全般を扱う学問のことです。コンピュータサイエンス自体は非常に広義の定義で、もう少し具体的にいうと、工学や理学、数学などの学問をコンピュータを活用して行い、AI 、ソフトウェア、アルゴリズム、コンピュータグラフィックなどに活かしていきます。

こういった学習、研究を学生時代に行っている人は、そのときに得た知識・技術・経験を活かして、AIエンジニアとして社会人生活をスタートすることができます。

AIエンジニアの将来性

先ほども少し書いたように、現在非常に需要が高まっているAIエンジニアですが、将来の求人需要はどうでしょうか。今後もAIエンジニアの需要はあるのでしょうか。

先端人材は人材不足

まず現状ですが、「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」という資料よると、2016年の時点でAI、IoT、ビッグデータ等の分野を専門とする先進IT人材は約1.5万人も不足しています。

AI、IoT、ビッグデータは互いに関連がある分野です。この約1.5万人という数字を単純にAIエンジニアの不足数と捉えることはできないでしょうが。人材不足への懸念は伝わるかと思います。IoTはInternet of Thingsの略で、様々な物がインターネットにつながっていくという考え方のことです。このIoT分野でセンサデバイスから取得したデータ利用は、AIに関連する分野です。

冷蔵庫などの家電や、家自体もインターネットにつながる時代になりました。今後、より多くの物がインターネットにつなげられるようになっていくことを考えると、まだまだAIエンジニアの人材不足は続きそうです。

AIの活用事例

AIの活用事例としては、

  • 自動車の自動運転
  • Pepperなどの店舗での接客、
  • シェフ・ワトソンによる料理レシピ考案

などがあります。

もっと身近なところで、スマホアプリにもAIは利用されています。カメラでの画像認識、検索エンジン、チャットボット、商品や記事のレコメンドなどがあり、AI関連技術は意識しないところにも沢山あります。このようなAIの活用方法は主に3種類に分けられるといわれています。

  1. 識別(音声認識、画像認識、動画認識、言語解析)
  2. 予測(数値予測、マッチング、意図予測、ニーズ予測)
  3. 実行(表現生成、デザイン、行動最適化、作業の自動化)

たとえば車の自動運転であれば、音声・画像認識によって得た情報を元に、数値予測を行って安全・危険を判断しながらニーズ予測で車を走らせる道を選択し、行動最適化・作業の自動化によって車を実際に走らせる、などというように、実際はこれらの活用方法を組み合わせて実用化されます。

今後の展望

いまや農業や医療などにもAIが導入され始めており、今後は現在より幅広い分野でAIが活用されるようになっていくことが予想されます。ある調査では、今後は金融業、製造業、情報通信、輸送業などの業種でAIの活用が増えてくるという主張がされています。

AI市場における金融業の割合は、2016年の段階で30%もあります。現在は投資案件の調整、財務分析、クレジット管理、リスクアセスメントといった業務にAIが利用されており、今後は窓口業務、口座開設、融資などにも応用されていく見込みです。

製造業に関しては、製品の組み立て工程でAIと機械を用いた自動化が進められています。運送業は自動運転の発展によって、人や物の移動が大きく変わっていくことが予想できます。このようにAI技術がより一般的に広く用いられるようになっていくことに伴って、AIエンジニアの市場ニーズも今後も引き続き高まっていくと考えられます。

AIエンジニアの仕事内容

次に、AIエンジニアはどのような業務を行っているのか、仕事内容についてまとめていきます。

主な仕事

AIエンジニアの主な仕事は、

  • 研究・論文のリサーチ
  • アルゴリズム・モデル開発
  • PoC、実証実験
  • 開発業務

の4つに分けられます。以下、順にもう少し詳しく見ていきましょう。

研究・論文のリサーチ

最先端の分野であるAI分野は、日々技術革新が起こり続けています。そのため、論文を読むことで最新技術をキャッチアップし、最新情報を踏まえた研究をしていくことが必要です。

AI開発の現場にはリサーチエンジニアという職種があります。リサーチエンジニアは、問題の発見から問題を解くためのアルゴリズムの調査・考案・改良、実証コードの作成までをリサーチに基づいて行う職種です。こういった役割が設けられるほど、AI開発ではリサーチが重要視されています。

アルゴリズム・モデル開発

AIが正しく学習していくための数学的な手順であるアルゴリズムやモデルを開発することは、AIエンジニアの主な仕事の一つです。モデルとは、未知のデータが入力されたときに結果を予測できるようなロジックのことです。モデルを作るためには、まず予測したい事象に関する大量のデータが必要になります。 このデータをアルゴリズムにかけることによって、モデルが構築されます。

PoC、実証実験

開発したアルゴリズムは、その動作が正しいかどうかを検証する必要があります。PoC(Proof of Concept)とは、本番開発に着手する前に試行的に機械学習を行うことです。PoCを行うことで、想定通りの精度であるか、想定外の動きがないかなどを検証することができます。開発者は、PoCの結果を踏まえて、開発段階に進んでも問題ないか、システムの見直しが必要かを検討します。

開発業務

実証実験によって有効性が確認されたアルゴリズムを元に、リリースを目指してAI開発を進めていきます。

AIエンジニアのやりがい・魅力

次に、AIエンジニアのやりがいや魅力について紹介していきます。

先端技術を実践できる

AI分野は最先端の技術分野です。日々技術革新が起こるダイナミックな現場に身を置くことができる、新しい技術を使ってこれまで世界になかったものを自分で創り出すことができるということが、AIエンジニアのやりがいのひとつです。

また、最先端の技術を扱えることで、社会から求められる人材になることができます。

プロジェクトの規模が大きい

AIの開発は、

  • 機械学習エンジニア
  • データサイエンティスト
  • 分散システムエンジニア
  • クラウドエンジニア

などの専門技術者が関わって進められる大きなプロジェクトです。こういった大きなプロジェクトで大きな仕事を達成できることもAIエンジニアのやりがいのひとつです。また、AIに関連する業界は成長産業で、市場規模自体が巨大です。AI市場をどのように定義するかによりますが、EY総合研究所は2030年には87兆円規模の産業になると予想しています。 こうした大きな産業、成長産業に身を置いて働くことができるというのも、AIエンジニアとして働くメリットのひとつであると言えます。

高い給与水準

ビッグデータを保有する多くの企業がAIの導入に力を入れています。そのため、AIエンジニアの数が圧倒的に足りていません。その結果、すでにAIエンジニアとしてスキルを持っている人材の争奪戦となっており、給与水準が高くなっています。

海外では、優秀なAIエンジニアの年収は3000万円~5000万円と言われています。日本では、「ZOZO TOWN」の関連会社である「スタートトゥデイテクノロジーズ」が最大1億円の年俸で人材を募集しました。注目度が高く、今後の展望が明るいために、このような年棒でも人材確保をしたいということでしょう。そのためAIエンジニアは一般的に高い給与基準になっています。

AIエンジニアの苦労

やりがいもあり、給与も高いAIエンジニアは、なにも悩むことがないくらい恵まれているように感じますが、仕事をする以上、大変苦労することもあります。では一体、どのような苦労があるのでしょうか。

AIエンジニアの苦労

変化が激しいため常にブラッシュアップが必要

最先端分野であるAI分野の技術革新は日進月歩です。そのため、論文などを通して日々最新の情報にアップデートし続けることが必要です。常に新しいことにアンテナを張って興味を持ち続け、学び続ける意欲がAIエンジニアには求められます。

求められる能力の水準が高い

AIエンジニアは、まだ誰も実現していない最先端の開発分野で働く仕事です。他のITエンジニアと比べても、より最先端で一般化されていない難しい技術が必要になります。そのため、AIエンジニアに求められる技術力の水準は必然的に高くなります。

新しい職種のため、キャリア形成が不明確

AIエンジニアは新しい職種のため、キャリア形成が不明確です。モデルケースとなるような先輩が出てくるのもこれからです。そのため、どのようなキャリアを積んでいくことができるのかがまだ確立されていません。

AIエンジニアの勤務実態

次に、AIエンジニアがどのような日々を過ごしているのか、勤務実態について書いていきます。

AIエンジニアの1日・スケジュール

勤務先や案件によって違いがありますが、AIエンジニアは、基本的にはオフィスでデスクワークを行うことが多い職種です。1日の過ごし方の一例を紹介します。

8:30 出社 9:00 ミーティング 10:30 データ分析 12:30 休憩 13:00 データ分析 15:00 ミーティング 17:30 勉強会 18:00 レポート作成 19:00 タスク管理 19:30 退社

プロジェクトは大人数のチーム単位で進めることが多いため、仕事はチームメンバーとの連携しながら進めていくことになります。基本的にはプロジェクト単位の仕事になるため、プロジェクトのどの段階かによって一日のスケジュール感は変わってきますがほとんどは社内でのデクスワークとなるでしょう。

勤務時間・休日

AIエンジニアの勤務時間は、他の職種とそれほど違いはありません。9:00~18:00くらいが一般的です。企業によっては、フレックスタイム制やリモートワークに対応している場合もあります。休日は土曜日・日曜日が休みの完全週休2日制が一般的です。

プロジェクトの繁忙期などは残業も多くなり、休暇取得が難しい場合もありますが、その分閑散期にまとめて休暇を取得できるようになっている場合もあります。

AIエンジニアの給料・年収

ここで、AIエンジニアの年収について少し詳しくまとめておきます。

求人情報から読み解くAIエンジニアの年収事例

AIエンジニアの年収事例を求人情報から見てみましょう。

国内

求人情報から統計をとってみると、AIエンジニアへの提示年収は400万円~1300万円です。上下の幅が900万円もあり、結構大きいです。よりイメージが沸きやすいように、後ほど、具体的な社名を挙げておおよその給与を書いていきます。

海外

海外の事例でいうと、Facebook社は、データサイエンティストの平均年収が4500万円程度であると言われています。

AIエンジニアの年収相場

それでは、AIエンジニアの年収相場はどれくらいなのでしょうか。

外資企業のAIエンジニア

外資系企業のAIエンジニアの場合、年収相場は800万円から1500万円くらいになります。外資系企業では、海外と近しく、スキルに応じて年収が決まる傾向があるので、AIエンジニアの年収相場は少し高めになっています。

日系大手企業のAIエンジニア

たとえば、株式会社DeNAの場合、AIデータエンジニアの年収は340万円~1500万円程度です。その他にも、株式会社カカクコムの機械学習エンジニアの給与は550万円~1000万円、リクルートの機械学習エンジニアは580万円~1200万円程度の給与です。

国内大手企業であれば、AI人材の重要性に対して理解があるため、年収も高めとなっています。

スタートアップ・ベンチャー

ベンチャー企業の場合も見てみましょう。2016年創業のITベンチャーである株式会社エクサウィザーズの場合、年収は420万円~1,500万円です。ただ、スタートアップやベンチャーでは、予算が少なく、望んでいる給与に届かない可能性があります。

AIエンジニアの就職先・活躍の場

AIエンジニアの就職先・活躍の場

AIエンジニアとして就職したい場合、就職先はどのような選択肢があるでしょうか。

おもな勤務先

主な勤務先として挙げられるのが以下の6種類です。

大学、研究機関

まずは、大学などの研究機関です。東京大学を始め、現在は様々な大学にAI分野の研究室があり、大学でAI分野の研究を行うことは当たり前になっています。

外資系企業

外資系企業にAI開発技術者として就職するという選択肢もあります。日本アイ・ビー・エム株式会社など、多くのIT企業がAI関連の技術者を募集しています。

日系大手事業会社

トヨタ自動車株式会社などの自動車会社は、自動運転技術の開発を行っており、AIエンジニアの採用を積極的に行っています。この他、パナソニック株式会社やオムロン株式会社などの電気メーカーなどでもAIエンジニアの採用が行われています。

SIer・IT

野村総研などのSIer会社でもAIエンジニアの採用を行っています。ちなみに、SIerとはシステム構築から導入のすべてを請け負う事業者のことです。システムインテグレータ(System Integrator)の略で和製英語です。「SI企業」や「SIベンダー」とも呼ばれます。

Web系メガベンチャー

DeNAやサイバーエージェントなどのWeb系メガベンチャーでも、AI技術を利用した開発を行っており、AIエンジニアを募集しています。

AIベンチャー

Shannon Labやリープマインドなど、日本にもAIベンチャー企業は多数存在します。こういったAIベンチャーに就職するというのも、AIエンジニアとして活躍するひとつの方法です。

AIエンジニアの採用募集をしている企業

AIエンジニアの採用をしている具体的な企業を何社か紹介していきます。

ビッグデータナビ
ビッグデータナビ
 
  • TOYOTA
  • 楽天
  • DENSO
  • Panasonic
  • NEC
  • DeNA
  • BOSCH

新卒、中途にかかわらず、多数の採用募集があります。こういったAI関連求人は、BIGDATA NAVIに多数掲載されています。AIエンジニアとしてキャリアを始めたいという方は、ぜひ一度、BIGDATA NAVIをご確認ください。

働き方の種類

AIエンジニアとして働く際、働き方の選択肢は3つあります。

正社員

ひとつめは正社員です。新卒・中途にかかわらず正社員での採用募集があります。

フリーランス

ふたつめはフリーランスです。独立した個人が案件ごとに企業と契約し、プロジェクトに参画します。

インターン・アルバイト

3つめは、アルバイトという形です。Panasonicなど大手企業のインターン募集もあります。

AIエンジニアになるには

それでは次に、AIエンジニアとして就職するための方法について書いていきます。

AIエンジニアの就職・求人状況

先ほども書いたように、2016年の段階でAIを含む先進IT分野の人材は約1.5万人不足、2020年には約4.8万人不足すると予測されています。現在AI求人は売り手市場です。好条件求人が多数出ています。

未経験からAIエンジニアになれる?

未経験からでもAIエンジニアになることはできます。ただし、専門性が高い技術力を求められる仕事のため、技術を学ぶ必要があります。技術を学ぶ場所としては、大学や研究機関、専門学校、スクールなどがあります。また、独学で技術を学んでAIエンジニアになる人もいます。

文系でもAIエンジニアになれる?

文系でもAIエンジニアになることは可能です。ただし、先にも書いたように、技術を学ぶ必要はあるので、最低限、理数系に対して抵抗がないことは必要です。

資格は必要?

AIエンジニアは、技術力さえあれば必ずしも資格を持っている必要はありません。 AIに関連する資格は、

  • 日本ディープラーニング協会G検定 ディープラーニングを事業に活用できるジェネラリストであるかを問う
  • 日本ディープラーニング協会E検定 ディープラーニングを実装するエンジニアであるかを問う
  • Python 3 エンジニア認定データ分析試験 プログラミング言語であるPythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う
  • 画像処理エンジニア検定エキスパート ソフトウェア、ハードウェア、システム開発の能力を問う

などがあります。ただし、資格は取ればいいというものではないので、本当に取得する必要があるかどうかしっかりと考えた上で、取得にむけた行動を行いましょう。

AIエンジニアへの適正・向き不向き

それでは、AIエンジニアに向いている人はどのような人でしょうか。

最低限理数系の素養が必要

まず、AIエンジニアには高い技術力が求められます。求められる技術力は理数系科目の素養が前提となっているため、理数系分野に苦手意識がある場合には、技術を学ぶ際にそれを乗り越えなければなりません。 理数系の知識として、

  • 微分積分学
  • 線形代数学
  • 確率論、統計学

などが特に求められます。

適正・このような人が向いている

AIエンジニアに向いている人の特徴を抽象的な面を挙げると、論理的に物事を考えられる人が向いていると言えます。これは、先ほど挙げたように理数系分野に苦手意識がない、という面とも繋がってきます。また、仕事上プログラミングを行うことがあるため、ソフトウェア開発などIT分野の知識・技術・経験があると役に立ちます。

ただ、最先端の分野であるAIの技術は日進月歩です。すでに持っている知識や経験、得意不得意も重要ですが、それ以上に求められるのは新しいことを学び、身につけていくことが好きな人であるということです。

このような人は向いていない

上記のような特徴に当てはまらない人が、どちらかというと向いていないということになります。特に重要なのは、新しいことを学んでいく意欲です。どんなに数学が得意でIT技術の知識・経験があったとしても、新しいことを学ぶ意欲がない場合は、AIエンジニアには向かないでしょう。

新しい知識の吸収力が高い20代などの場合、新しいことへの好奇心が強い性格の場合などは、プログラミング経験がなくても、理数系に苦手意識があっても、多少の向き不向きを気にせずにAIエンジニアを目指してみてもいいかもしれません。

AIエンジニアに必要なスキル

次に、AIエンジニアに必要なスキルをまとめていきます。ほとんどの求人はエンジニアとしてAI開発に携わるというようなものですから、求められるスキルのレベル感は、基本的には、即戦力レベルであると考えてください。

統計

AI開発に取り入れられているディープラーニングの手法は、AIに与えるインプットが重要です。どのようなインプットを与えるか、与えないかの判断をするには、統計についての知識が必要になります。 具体的には、

  • 標準偏差
  • 分散
  • 確率分布
  • 推定
  • 検定

などは理解しておく必要があります。

ビッグデータ解析

AIにどのようなデータを学習させるのが最適なのかを考えるためには、データ解析の手法を知っておく必要があります。 基本的なデータ解析の手法に、

  • 取り上げる情報を限定して情報の結びつきを調べる手法であるクロス集計
  • 結果から原因を推測する手法であるロジスティック回帰分析
  • 樹木状のモデルを使う手法である決定木分析

などがあります。

数学

AIエンジニアには数学の知識が欠かせません。 中でも、

  • 微分積分学
  • 線形代数学
  • 確率論、統計学

の分野について理解が無ければ業務を行うことは出来ないでしょう。また、線形代数、ベクトル、行列、確率などの知識も必要になります。

機械学習

AI開発を行っていく際、機械学習を避けては通れません。教師あり学習、教師なし学習など専門的なスキルを身に着けていく必要があります。機械学習を学ぶ方法はいくつかありますが、弊社が提供する「AIジョブキャンプ」であれば、現役のデータサイエンティストによる機械学習講座が無料にてオンライン受講できます。

AIジョブキャンプは社会人向けの「AI教育講座」と業務委託の案件紹介をする「エージェント」サービスがセットになった無料の研修プログラムです。登録や利用は完全無料ですので、気になる方はぜひご利用ください!

なお、AIで使われている機械学習のライブラリには、

  • scikit-learn
  • Pandas
  • genism

などがあります。 また、深層学習のフレームワークには、

  • TensorFlow
  • Chainer
  • Caffe
  • Pytorch
  • Keras

などがあります。 こういった機械学習のフレームワークを知り、使いこなすことによって、開発時間を短縮することもできます。

プログラミングスキル

AIエンジニアには、開発を行うためのプログラミングも求められます。最も利用されている言語はPythonですが、その時々で必要なコードを書く技術が求められます。AI開発で求められる代表的なプログラミング言語としては、

  • Python
  • C++
  • Lisp
  • Prolog
  • Julia
  • SQL

などがあります。

データベース運用

機械学習や深層学習は、AIに与えるデータが重要です。このデータを効率良く扱うためには、データベースを運用するためのMySQLやNoSQLなどの知識が必要になります。

具体的には、

  • select
  • insert
  • update
  • delete
  • where
  • like
  • limit
  • sum
  • avg
  • max
  • group by
  • having
  • order by
  • case
  • テーブル結合
  • ビュー
  • サブクエリ

などは使いこなせるようになっている必要があります。

AIエンジニアへの道のり

それでは、AIエンジニアになるためには具体的にどのようなステップがあるでしょうか。

新卒で就職する

まずは新卒でAI分野の企業に就職する方法があります。どのような経歴であれば新卒からAI関連企業に就職できるのかを、以下で見ていきましょう。

就職に有利な大学

まずは、大学でAI関連の研究室で研究を行うという方法があります。

現在AI開発に力を入れている大学は多数あります。その中でも、東京大学はAIの科学技術研究費獲得金額1位です。私立では、早稲田大学が最も多くの科学技術研究費を得ています。こういった潤沢な研究費を持つ大学で技術を学ぶことが、就職活動を有利に進めるためのひとつの方法になるのではないでしょうか。

有名な研究室

上記大学の有名な研究室としては、

  • 認知アーキテクチャを専門とする東京大学國吉康夫研究室
  • ロボティクス分野の早稲田大学尾形哲也研究室

があります。他の大学でもAIに特化した研究室は、多数存在しているので、大学生の方は学内で聞いてみるのもいいでしょう。

専門学校

AI技術は専門学校でも学ぶことができます。専門学校では、AIに関する資格を取得することが可能です。資格を取得することで勉強してきたことを目に見える形としてアピールでき、就職の際に有利になります。また、専門学校では「狭く深く」AIの専門技術について学ぶことができます。 この点が、学問的な理論、幅広い教養を身につけることができる大学と異なる点です。

技術を身に着けて転職する

新卒ではなく、転職でAI分野の企業に入る道もあります。AI関連企業への転職を目指す際の技術の身に着け方について書いていきます。

大学や院で学ぶ

新卒のところでも書きましたが、大学や大学院で技術を学んで転職するという方法があります。日本では一度社会人になった後に大学に戻って勉強するという人は多くありませんが、アメリカなどではごく一般的なことです。日中仕事をして、夜は大学や院に通う、または通信教育で学んでいくという方法もあるため柔軟に考えていきましょう。

AIのスクールで学ぶ

これも新卒のところでも書きましたが、現在はAI関連の専門学校も多数開校されています。そういったところで学び、資格を取得して転職するというのもひとつの方法です。

独学で勉強する

大学やスクールには通わず、書籍などを使って独学で技術を身に着ける方法もあります。 この場合は、先ほど書いた

  • 統計
  • ビッグデータ解析
  • 数学
  • 機械学習
  • プログラミングスキル
  • データベース運用

などのAIエンジニアになるためのスキルを自ら学習して身につけなければなりません。

未経験可の求人で転職する

未経験可の求人で転職する方法もあります。AI業界未経験であっても、エンジニアの場合と、エンジニア以外の場合で流れが多少異なります。それぞれどういった流れで求人応募をするのかみていきましょう。

エンジニアの場合

たとえば、PHPやPerl、Ruby、Java、C#など開発エンジニアとしての実務経験がある場合には、未経験の応募が可能なポテンシャル採用の求人に応募して、内定がでれば転職に成功することができます。

エンジニア以外の場合

実務でのプログラミング未経験者の場合は、最初にまずエンジニアを目指すとよいでしょう。エンジニアとしての実務経験を数年積み、その後AI分野に進んでいくというパターンがあります。エンジニア未経験からAIエンジニアになるには、まずはエンジニアに転職するというワンステップを踏み、その後AIエンジニアになるというツーステップが必要になります。

ただし、キャリアチェンジが成功する可能性はそんなに高くないという認識は持っておくとよいでしょう。未経験の場合、エンジニアになるための学習にプラスして、AI分野に進んでいくための学習も必要です。そのため、道のりは非常に困難を極めます。どうしてもAIエンジニアになりたいという気持ちがあり、継続的にスキルアップを続けることでなれる可能性はあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。AIエンジニアの仕事内容や給与、またAIエンジニアになるために何をしておけばいいかお話ししました。今回の記事で、AIエンジニアとはどのような職種か、AIエンジニアになるためにはどのようなステップが必要か、少しでもご理解いただけたかと思います。

AIエンジニアはやりがいのある給与水準の高い今後より注目される職業です。しかしながら、求められるスキル要件や知識レベルが高く、万人におすすめできる職業ではありません。理論や数学を仕事にしたい気持ちが強い方は、チャレンジする価値がある職種でしょう。

この記事の内容を参考に、是非一度AI分野へのキャリアチェンジを検討してみてください。AI分野にチャレンジするときには、「BIGDATA NAVI」を活用して、自分にあった求人情報を探してみてくださいね。

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