Web広告運用案件の単価って?副業やフリーランスで稼げる?案件の探し方まで完全ガイド
インターネット広告の市場規模が拡大するなか、運用型広告のスペシャリストとして「広告運用者」の需要も高まっています。それに伴い、リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などの出稿や入札調整、運用改善を広告代理店などの企業ではなく、個人に委託する広告主も増えてきました。こうした流れからもWeb広告運用の副業やフリーランスとしての活動に興味がある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、Web広告運用における単価相場やメリットなどをご紹介していきます。フリーランスとして独立したいという人に向けても必要なポイントをご紹介していきますので、Web広告運用の副業やフリーランスとして独立を検討している人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
Web広告運用の種類
Web広告運用と言っても、実際にはさまざまな種類があります。ここでは代表的な3つの広告について詳しく見ていきましょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンでの検索結果の上部や横に表示されるテキスト広告のことです。検索エンジンに入力したキーワードに連動した広告が表示されるため、検索連動型広告とも呼ばれています。
案件の内容としては、広告を見て改善点を見つける、ツールを使った分析・レポーティング、広告運用全般を依頼される案件などクライアントによって様々です。広告プラットフォームとしては、Google広告とYahoo!広告の利用がほとんどです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される画像や動画、テキスト形式の広告のことです。Webサイトの内容に連動して表示される広告が変わるため、コンテンツ連動型広告とも呼ばれています。ディスプレイ広告では、DSPやアドネットワーク(さまざまなWebサイトやアプリを集めてネットワークを作り、それらに一括して広告を配信する仕組み)を採用しています。
代表的な広告プラットフォームは、Googleディスプレイネットワーク(GDN)とYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の2種類です。それぞれ広告の配信先、ターゲティングの方法が異なるため、扱う商品に合わせて使い分けるのがポイントです。
SNS広告
SNS広告は、TwitterやInstagram、Facebookなどのソーシャルメディア上に表示される広告のことです。最近ではYouTubeなどの動向にも注目が集まっています。SNS広告を運用する場合、各ソーシャルメディアの特徴を理解することが重要です。
例えば、Twitterには情報の拡散力が高い、炎上のリスクがあるなどの特徴があり、Instagramには女性ユーザーが多いなどの特徴があります。このような各SNSのユーザー属性を踏まえた上で、広告を配信する必要があるでしょう。
Web広告運用の仕事例
続いて、Web広告運用の仕事例として、Web広告運用の流れについて見ていきましょう。副業やフリーランスの立場であっても、基本的にはWeb広告運用担当者として、すべての作業を行える必要があります。作業の内容や流れを理解するためにも、しっかりとチェックしていってください。
訴求内容や予算を決める
広告運用の仕事で、まず行うのが訴求内容や広告予算、掲載媒体などプランニングの実施です。訴求内容とは、広告する商品・サービスをユーザーに購入してもらうためのアピールポイントのことです。
どのような顧客の利用を想定するのか、競合との差別化ポイント、サービスを利用する理由などを整理して、最終的に広告で訴求する内容として整理します。ターゲットとなるユーザーの属性によって効果的な広告媒体は変わってきます。そのため、想定するユーザーに到達できるメディアを選定するのです。
そして、月額の広告予算やコンバージョンなどの成果地点を予め決めておくことも重要です。仮に商品がたくさん売れた場合は、それに伴い増額を提案できますし、広告予算の規模によって必要な広告運用のタスクも変化するからです。
アカウントを構築して広告を出稿する
広告を出稿するメディアを決め、訴求内容やコンバージョン地点、予算についてクライアントと合意したら、各広告媒体の提供するプラットフォームの管理画面上から広告アカウントの作成と予算設定、広告入稿などの作業をおこないます。必要に応じてGoogle AnalyticsやGoogleタグマネージャーなどの設定も実施します。
Google広告やYahoo!広告などの検索連動型広告では、訴求内容をもとに、キーワードや広告文を作成します。出稿するキーワードには広告する商品・サービスと関連した言葉を選び、選んだキーワードと連動した内容の広告文を作成します。
また、広告のクリック率を高めるための文章(初回購入者割引中、送料無料キャンペーン中など)を広告文に入れるなどCTR向上のための工夫も必要です。
対象アカウントの分析・改善
広告運用の仕事は、広告を配信して終わりではありません。Web広告の場合、アカウント上に様々なデータ(広告の表示回数、クリック数、クリック率など)が蓄積されます。
これらのデータを分析し、クリック率やCVR(コンバージョンレート)が低い場合は広告文を見直したり、表示回数が少ない場合は、CPCを確認して入札単価を見直すなどの施策を行って、より費用対効果の高い広告に改善していきます。
FacebookやInstagram、LINEなどソーシャルメディアに掲載するディスプレイ広告では、静止画のバナーや動画広告のフォーマットが利用されます。そのため、広告管理画面上でのオーディエンスに関するターゲティングや入札単価の調整だけではなく、広告クリエイティブやLP(ランディングページ)などの調整が求められることもあります。
Web広告運用の単価相場・収入目安
「そもそもWeb広告運用の仕事はどれくらいの収入になるのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。そこで、ここではWeb広告運用の単価相場・収入目安について解説していきます。
広告運用案件の単価相場(フリーランス)
フリーランスがWeb広告運用に関する仕事を受けた場合の単価相場は、案件の内容や客先に常駐するスタイルか、リモートか講師などの単発案件かなどで変わりますが、エージェント経由の案件などの月額の報酬単価にならすと50〜70万円程度が相場です。
自分でクライアントを開拓して広告運用の代行を行う際は、より柔軟な料金設定が可能です。広告運用金額の15~20%を手数料としてもらったり、固定金額で10~20万円を運用フィーとして設定するなどできます。
広告運用案件の単価相場(副業)
広告運用の副業案件の相場ですが、こちらも案件の内容や対応できるスキルなどによっても変わってきます。高報酬の案件を狙うことも問題ありませんが、副業の場合は稼働時間が限られてくるため、週10時間~20時間程度の案件を選ぶと良いでしょう。
稼働時間が少なめの副業向け案件の場合、時給制が採用されていることが多く、時給2,500円~3,000円程度に設定されていることが多いようです。月額の報酬に換算すると、5万円~10万円程度が相場だと言えるでしょう。
広告運用担当者の平均年収(正社員)
正社員の広告運用担当者の平均年収は500万円代と言われています。ただし、広告運用担当者の平均年収は会社や役職で大きく変わります。就職したばかりだと年収は300~400万円程度ですが、大手広告代理店のリーダークラスやインターネット企業の部長クラスだと年収が1,000万円を超えるケースもあるようです。
Web広告運用の案件は稼げる?メリットとは?
続いて、Web広告運用案件のメリットについて見ていきましょう。
高収入が期待できる
Web広告運用の案件は、高報酬の部類に入ると言われています。運用の成果が数字としてわかりやすく出るため、良い結果を出せば単価アップの交渉もしやすくなります。また、スキマ時間で稼働できる点もWeb広告運用の特徴として挙げられます。余裕があるのであれば、複数の案件をかけもちすることも難しくはありません。その分収入がアップしますので、スキルさえあれば取り組みやすく、高収入を期待できるでしょう。
安定した収入になりやすい
Web広告運用の案件では契約期間を設けられることが多く、期間としては1~6か月が目安となります。他の案件ではプロジェクト単位の単発のものが多く、仕事が終われば都度新しい案件を探す必要があります。ですが、Web広告運用で6か月契約期間の案件を受注できれば、期間中の収入を確保できますので収入も安定します。成果が良ければ、クライアントからの継続受注もスムーズに得られるでしょう。このように、収入が安定しやすい点もWeb広告運用のメリットです。
リモート案件が多く副業もしやすい
Web広告運用の案件は、リモートOKの案件が非常に多くあり、完全リモートOKという案件も珍しくはありません。Web広告運用の仕事は、基本的にはパソコンとインターネット環境さえれば作業できます。打ち合わせに際しても、オンラインミーティングツールを利用さえすれば、出社する必要もないでしょう。このように、完全に自宅で作業ができるため、フリーランスはもちろんのこと、副業としても稼働しやすい点もWeb広告運用案件の大きなメリットの一つです。
独立への足がかりにも
Web広告の需要は右肩上がりに伸びてきており、今後も減ることはないと考えられています。こうした状況の中、広告運用の実績を積んでいけば、フリーランスとして独立することも決して夢ではありません。副業で稼働している場合はその収入を独立資金に充てることもできますし、案件をやりながら現実的に独立を検討してみても良いでしょう。このように、Web広告運用の案件に取り組むことは、独立への足がかりにもなるのです。
Web広告運用案件の探し方
続いて、Web広告運用案件の探し方について見ていきます。さまざまな方法がありますので、自分に合うものを選んで効率的に案件を見つけていきましょう。
エージェントを利用する
まず検討したいのはフリーランスや副業者向けに案件情報を提供するフリーランスエージェントへの登録です。エージェントのWebサイトから登録してカウンセリングを受けると、個々のスキルや経験にマッチした案件の紹介を受けられます。クライアントと契約を締結して、実際の案件に参画となった際は、報酬から手数料が引かれますが、サービス自体は無料で利用できます。
フリーランスエージェントにはプログラマーやデザイナーなどIT技術者向けの案件を扱うサービスが多いので、利用する際は広告運用の案件を扱っているか確認してみましょう。
クラウドソーシングで探す
ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトを使って広告運用の案件を探す方法もあります。クラウドソーシングは、インターネット上で企業や個人が不特定多数の人を対象に業務を委託する外注サービスです。
エージェントを利用する際は面談や経歴書の提出などが必要ですが、クラウドソーシングはオンライン上の管理画面から手続きすると比較的に簡単に登録できます。
在宅ワークでできるデータ入力など簡単な案件も多いので全般的に単価は低い傾向にありますが、会社員の副業やこれまでの経験や実績に不安がある人でも始めやすいです。未経験の人や仕事に慣れたい人は活用してみるとよいでしょう。
自分で営業する
エージェントやクラウドソーシングなどのサービスを利用せず、自分で営業して仕事を獲得するという方法もあります。新規の顧客開拓で利用できる営業方法としては、テレアポ、問い合わせフォーム、FAXDM、郵送レターなど色々あります。
広告運用フリーランスの案件獲得方法としては、自身のSNSやWebサイトに実績を公開してクライアントからの問い合わせを待つ方法が主流です。また、リスティング広告を使って集客するという方法もあります。
Web広告運用で独立する前に
ここからは、Web広告運用者としてフリーランスで独立したいと考えている人向けに、独立する前に押さえておきたい点をいくつかご紹介します。
正社員で働いてから独立するのが基本
まず、いきなり独立するのではなく、事業会社や広告代理店などの会社に就職して広告担当者として働いてから独立するのが基本です。独学で知識やスキルを身につけることも可能ですが、正社員として働きながら学ぶ方が効率的です。また、実務経験を積んだ方が独立後に仕事を探す際にも役立ちます。
フリーランスの広告運用者に必要なスキル
フリーランスの広告運用者に必要なスキルとしては、広告運用スキルや情報収集・解析スキル、コミュニケーション力などが挙げられます。Googleアナリティクス個人認定資格やGoogle広告認定資格などスキルの証明に役立つ資格もありますので、実務経験に不安がある方は資格の取得も検討しましょう。
未経験から目指すなら広告代理店への就職がおすすめ
全くの未経験からフリーランスの広告運用を目指すなら、まずは広告代理店が募集する未経験歓迎の求人を探して、広告運用オペレータなどの正社員として就職することがおすすめです。広告代理店は広告主から予算を預かって広告の運用を行う会社で、さまざまな業種・業界のクライアントを保有しています。
そんな広告代理店に2~3年ほど勤めれば広告運用に関する知識・スキルが一通り身につきます。ただし、広告代理店にはテレビCMや新聞広告まで扱う総合広告代理店とWeb広告中心のインターネット広告代理店があります。
入社の難易度や将来的に独立することを考えるなら、インターネット広告代理店やベンチャー・スタートアップの広告担当者の求人がおすすめです。
広告運用フリーランスの将来動向と今後の展望
最後に、フリーで働くWeb広告運用の仕事について、今後の動向と将来性を解説します。
インターネット広告市場は拡大している
まず、インターネット広告市場は拡大の一途を辿っています。広告代理店の電通が2019年に発表したデータによると、2019年度のインターネット広告費は2兆円でテレビ広告費を上回りました。また、矢野経済研究所の調査ではインターネット広告市場は拡大が続き、2023年には約2.8兆円になると予想しています。
運用代行だけでなくコンサルの需要も高い
運用代行だけでなく、コンサルの需要が高い点も特徴の一つです。Webコンサルタントの仕事は、企業の目標達成のために最適かつ実現可能なWeb戦略を提案することです。リスティング広告やSNS広告は、そんな目標達成のための選択肢の1つということになります。Webマーケティングに力を入れたいけど選択肢が多くて何を始めたら良いか分からないという経営者も多いことから、コンサルの需要は高くなっています。
スキルや経験次第で稼げる金額は青天井
将来的に報酬単価が下がるのではないか、と心配する人もいるかもしれません。基本的にフリーランスの仕事は広告運用に限らず、スキルや経験次第で報酬がアップする場合が多いです。フリーランスとしての仕事のほか、Webマーケティングのオンライン講座で講師として働いたり、学習プログラムを販売するなど副業収入を得ることも可能です。
また、難しい案件に挑戦して経験を積んだりすれば報酬単価は上がる可能性があります。その反面、スキルが必要ない簡単な案件ばかり受けていると、将来的に自分自身を苦しめることになるかもしれませんので注意しましょう。
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