フリーランス

フリーランスエンジニアに必要なスキル、スキル不足対策・スキルアップの方法

高収入かつ自由な働き方が可能な職業として「フリーランスエンジニア」が注目されています。プログラミングなどのITスキルに加え、コミュニケーション能力も必要とされる仕事ですが、具体的にはどのような知識や能力が必要とされるのでしょうか。

この記事では、フリーランスエンジニアに必要なスキルセット、役立つスキル、職種別のスキルを紹介します。また、スキル不足の注意点や勉強・スキルアップの方法についても解説します。

フリーランスエンジニアに必須のスキルセット

ITエンジニアがフリーランスとして活躍していくには、プログラミングや環境構築などIT・Web開発のスキルや経験が求められます。また、変化の速いIT分野で継続的に仕事を受注するには、時代の変化に応じてスキルや知識をアップデートしていく必要があるでしょう。具体的にどのようなスキルが必須なのか見ていきましょう。

ITスキル(技術力)

フリーランスエンジニアとして十分な報酬が得られる仕事をするには、ある程度のITスキルが必要です。サーバー・ネットワークなどのインフラやIT・Web・スマホアプリなどの開発、ITコンサル・PM、SE・PG、AI・データ分析などエンジニアの業務は様々ですが、いずれかの経験は必須です。

業務委託のフリーランス案件をエージェント経由で受注する際には、特に経験が重視されます。クライアントと直取引の場合もスキルレベルを証明するために実務経験や資格などを記載したスキルシートや経歴書の提示を求められるケースがあります。

実務経験は実績として保有スキルや開発環境・ツールなどの経験をアピールできる大きなポイントです。未経験の場合でも、資格やポートフォリオなど自分のスキルを客観的に提示できる資料として活用しましょう。

自己管理能力

個人事業主として企業に所属していない環境では、プライベートとビジネスの区切りを自分でつけなければなりません。タスク管理やスケジュールの組立なども全て自分で行う必要があるので、フリーランスエンジニアには自己管理能力も重要です。

自由度の高いフリーランスですが、仕事の受注から納品までを自らこなす必要があり、責任も全て自分にあることを忘れてはいけません。

フリーランスは、受託で行う開発や納品などエンジニア業務以外にも請求作業や入金の確認、税務処理などビジネスに関する付随業務や事務作業も多くなります。

コミュニケーション能力

フリーランスといっても、完全に1人で仕事をするわけではありません。場合によっては、チームでプロジェクトを進めるケースもあります。さらに、1人で完結する案件であっても、クライアントと密に連絡を取り合って状況を報告することも大切です。

クライアントから信頼してもらう、知り合いから仕事を紹介してもらうなど、ひととひととのコミュニケーションを大切にすることが収入につながることもあります。

また、年収をあげていくためには単価の交渉や効率的な案件の受注など営業スキルも必要です。このように、コミュニケーション能力はフリーランスエンジニアが円滑に仕事を進めるために必須の能力となっています。

学習能力

学習能力の高さも、フリーランスとしてエンジニアを続ける人には必要な要素です。報酬アップやコンスタントに案件を受注するには、費用に見合った価値があることや人材としての希少性をアピールしなければなりません。そのように、エンジニアとしての価値は技術力の高さや市場での需要と供給により決定されます。

そのため、市場で好評価を得るために、学習能力が欠かせないのです。ここでの学習能力というのは、目標設定の仕方や自分に合った学習法、最新情報の収集方法などが把握できることを指します。また、いかに学習に優れていてもすべての技術を追いかけることは現実的ではありません。

テクノロジーの流れを読んでキャッチアップするIT技術を絞ることが大切です。また、学習中の技術を仕事として受注することで、実務経験を積むことも忘れないようにしましょう。闇雲に学習を続けても理想的なスキルアップは望めないため、これらを理解したうえで効率的なスキルアップを目指しましょう。

フリーランスエンジニアに役立つスキル

この段落からは、フリーランスエンジニアに役立つスキルはどのようなものがあるのかを紹介します。

営業力、交渉力

フリーランスエンジニアが案件を取ってくるには、自分の能力をクライアントへアピールする必要があります。このとき役立つのが営業力です。リモートワークや在宅のプログラマー案件を受注するには自分で直接営業して仕事を獲得する方法が確実です。

クライアントの求める能力を適格にアピールし、具体的な課題解決の方法とセットで伝えられる営業力があれば、より多くの仕事を受注することもできます。また、エージェント経由での単価アップや同じクライアントから継続して仕事を受注する際にも交渉力は役立ちます。就業条件などを決める際もクライアントと交渉しなければなりません。

単に自分の都合をとおすだけでなく、クライアントにとってのメリットも提示するなど交渉方法を工夫することで、円滑に希望を反映することができます。自分の市場価値を適切な状態に保つためにも、クライアントと交渉する術を磨くことが大切です。

セルフブランディング力

セルフブランディングというのは、自分で自分の価値を高めていくことです。自分の得意なことや強み、魅力などを表現できなければ、フリーランスエンジニアという市場の中で自分はどの程度の価値があるのかわかりません。

WebサイトやSNSなどでの情報発信や技術書籍の出版などで実績があれば、指名での仕事も入りやすくなりますし、技術顧問やCTOといったより上流の仕事にも就きやすくなります。自分自身を1つのブランドとして売り出せる力を持っているというのは、仕事の幅を広げ、継続して案件を受注することにもつながります。

これまでの経験や仕事への工夫、最新の技術動向、ほかのエンジニアと比べたときの強みなどを改めて考え、自分の売り出し方を検討していきましょう。

確定申告・社会保険の知識

企業へ勤めている場合、社会保険の手続きや納税などは所属会社が行ってくれます。しかし、フリーランスの場合は全て自分で行わなければなりません。確定申告や健康保険、国民保険など必要な手続きは多く、どれも期日は決まっています。

直前になって慌てないよう、事前に必要な手続きを理解しておくことが大切です。また、確定申告や社会保険制度は変更されることもあるので、常に最新の情報を仕入れておく必要もあります。

フリーランスエンジニア案件の種類と必要スキル

実際にクライアントから仕事を受ける際は案件の種類や、それぞれに必要なスキルなども把握しておく必要があります。ここからは、フリーランスエンジニアが受注できる案件の種類や求められるスキルについて紹介します。

システム開発

システム開発とは、基幹システムや受発注管理などの業務アプリケーション、家電製品などで使われる各種システムなどを開発する案件です。システムエンジニアやプログラマーとしてクライアント先で常駐するタイプの案件も多く、客先のチームに所属しながら仕事をこなします。JavaやC言語、C++などの開発言語を使用するケースが多いです。上流工程を手掛けるITコンサルタントやITアーキテクトに加え、PMやPMOといったマネジメント側で活躍するフリーランスも存在します。

Web・アプリ開発

WebサービスやWebサイト、ゲームなどを開発・作成するのがWeb系エンジニアの仕事となっています。規模の大きいコンテンツ開発にはチームで取り組むこともありますが、個人で完結する案件では在宅やリモートワークでの作業も可能です。案件を受注する際は実務経験や資格のほかに、自分で作成したポートフォリオの提出が必要な場合もあります。サーバーサイド(バックエンド)の開発案件ではPHP、Perl、Rubyなどの言語を使用することが多く、フロントエンドの案件では、HTMLやCSS、JavaScriptなどのスキルが求められます。

運用・監視

運用・監視とは、例えばクライアントが取り扱っている製品(システムやソフト、ツールなど)に対する問い合わせに対応するヘルプデスクなどの仕事です。最低限のITスキルや導入されている製品の仕様を把握する必要があります。さらに、実際にユーザーの対応をしなければならないのでコミュニケーションスキルも求められる案件です。ロースキル系の仕事としては、テスターやデバッガーなどのフリーランス案件もあります。

インフラ系

インフラ系エンジニアとは、ITインフラ(ネットワーク、ハードウェア、OSなど)の設計構築や運用などを行う職種です。案件の種類は多いですが、技術書などを読みこなせる英語力を身につけると、受注できる案件の幅をさらに広げられます。また、サーバーやネットワーク、セキュリティ、クラウドなど案件の専門性によって求められる知識やスキルもさまざまです。案件によっては、顧客の要望を聞くヒアリングスキルや、チームを動かすマネジメントスキルなども求められます。

フリーランスエンジニアはスキル不足に注意

この段落では、フリーランスエンジニアがスキル不足によって陥る状況について解説します。

スキル不足だとそもそも仕事を獲得できない

エンジニアとして一人で仕事を完結できるレベルのスキルがないとフリーランスの仕事を受けることはできないでしょう。その場合、フリーランスエンジニアを名乗ることはできても、続けていくことは難しいといえます。

クライアントが仕事を発注するときは、複数のフリーランスエンジニアからポートフォリオや実績などを見せてもらい発注先を決定することが多いです。エンジニア不足の状況が続いているとはいえ、クライアントも案件に見合ったスキルを持っているエンジニアかどうかを判断しているため、スキル不足では仕事を獲得できない恐れがあるのです。

仮にフリーランスエンジニアとして仕事にありつけたとしても、スキルが足りていないと納品をおこなうことができない、納期に間に合わないなどがトラブルとなり逆に賠償などを請求されてしまうこともありえるのです。

スキルが低いと仕事を受注できても単価が安い

実績がなかったりスキル不足でも、クラウドソーシングなどで簡単な案件から受注していくことは可能です。ただし、その場合もスキルが低いエンジニアの仕事は単価も安く抑えられている傾向にある点は注意しましょう。フリーランスエンジニアへ発注される案件にも目安となる単価や相場は存在します。

実績のあるエンジニアの場合、仕事のクオリティの高さや納品までの期間を短縮できるなど、エンジニアとしての仕事内容に付加価値を付けられます。また、交渉次第で提示された単価よりも高い額を設定することも可能です。

しかし、実績がなければ交渉しても単価アップに期待できないほか、通常設定されている金額よりも単価を下げてでしか受注できないケースもあります。

フリーランスエンジニアのスキルアップ方法

ここからは、フリーランスエンジニアはどのようにしてスキルアップできるのか、その方法について解説します。

難易度の高い仕事に挑戦する

エンジニアとしてより高い技術レベルの要求される仕事に挑戦することで、難しい技術を実践で使ったり、これまでになかった考え方で仕事をしたり、新たな領域のスキルを身につけることへつながります。また、技術的な視点ではなく、マネジメントやビジネスなどの視点で、仕事の難易度をあげていく方法もあります。

PM(プロジェクトマネージャー)として上流工程での実績を積むことができれば、より高い単価の案件受注にも期待できます。スキルアップできそうな案件があるかどうかも、日頃から求人情報や案件詳細をチェックしておきましょう。

新しい技術を学ぶ

積極的に新しい技術を学ぶことは、エンジニアとしてのスキルアップに重要です。具体的にどのような方法があるのか、この段落で紹介します。

書籍から正しい情報を得る

プログラミングの参考書や技術系情報誌、資格取得を目指した専門書などは信用性・信頼性の高い情報源となっています。確かな情報からスキルを学び、習得していくことは高いクオリティで仕事をこなしていくためにも重要です。また、技術系雑誌は幅広いIT技術の情報が掲載されています。興味のある技術をそこから見つけて、専門的に勉強を始めるという方法もあります。

学習・動画サイトを利用する

IT技術を学ぶための学習・動画サイトは増加しており、学べるジャンルも増えています。初心者から上級者まで幅広いレベルにも対応しているため、スキルアップを目指すフリーランスエンジニアでも利用しやすいです。中には、リーズナブルに利用できるところもあるため、予算に合ったところを利用してみましょう。

スクールに通う

効率的にスキルアップする方法として、スクールに通って専門家から直接学ぶというものがあります。実際に教室へ足を運ぶスクールやオンラインで完結できるところもあるので、ライフスタイルに合わせて学習可能です。実践的に学べるスクールもあるので、実際に受注した案件にも応用できます。

イベント・セミナーに参加する

国内の各地でIT技術に関するイベントやセミナーが開催されています。新しい技術や考え方に触れる機会になるほか、ほかの参加者との交流も深められます。イベント・セミナーは自分以外のフリーランスエンジニアと意見交換しながら、人脈を広げられるチャンスです。

勉強会・セミナーの探し方

イベントサイトやフリーランスエージェントでは、勉強会・セミナーの情報が掲載されています。ここでは、イベントや勉強会の情報が掲載されているサイトを2つ紹介します。

connpass

connpassはエンジニアと勉強会をつなぐプラットフォームとして活用されており、エンジニアは豊富なカテゴリ(プログラミング言語や地域など)の中から興味のある勉強会を選べます。また、自らイベントを開催して情報を公開することもできるので、同じジャンルで活躍するフリーランスエンジニアを集めて交流することも可能です。

TECH PLAY

TECH PLAYはスキルアップを目的とした勉強会やイベントのほか、キャリアアップに必要な情報などが公開されています。さらに、イベントを自分で主催した際に利用できるスペースの貸出なども行っているため、気軽に自分発信の勉強会・イベントを開催できます。

研修の探し方

フリーランスエンジニア向けの研修はイベント・エージェントサイトのほか、ITに関する最新情報を発信するニュースサイトなどで情報が掲載されることもあります。また、クラウドソーシングサービスでは、研修付きの案件なども公開されているため、スキルアップを目的に受注可能です。

情報収集

情報収集はフリーランスエンジニアにとって、スキルアップや新たな領域の仕事を受注するためにも重要なポイントです。この段落からは、ITに関する豊富な情報を収集できるサイトやサービスを紹介します。

Developers.IO

Developers.IOはブログ形式でIT技術に関する情報が提供されているメディアサイトです。掲載されている情報は実際に執筆者が使った技術や体験したことなので信頼性が高くなっています。さらに、技術やノウハウはわかりやすいように画像や手順が掲載されているので、初めて利用する人でも情報を吸収しやすいことが特徴です。

teratail

teratailはプログラミング技術を専門的に扱うQ&Aサイトで、エンジニアの抱える技術的な疑問や問題をサポートしてくれます。エンジニア同士がお互いの疑問や問題を解決していく形式になっており、お互いにフィードバックしあえる環境となっています。

Qiita

Qiitaはエンジニアの持つ情報を共有しあえるサービスで、自分の気づいたことや新しい情報を発信できます。ほかのエンジニアが公開している情報も自由に閲覧できるので、最新技術やマイナーなものまで、幅広い情報を得られるサービスです。

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