Javaプログラマーとは?なるには?仕事内容・年収・将来性
Javaは、プログラマーの仕事でよく利用される言語です。ITシステムやWebサービス、組み込み・制御機器、スマートフォンアプリなど様々なプロジェクトで日々開発が行われています。
この記事ではJavaプログラマーの仕事内容や年収、スキル、メリット・デメリットについて解説します。勉強方法や就職・転職などキャリアチェンジの方法についてもみていきましょう。
目次
Javaプログラマーとは
Javaプログラマーとは、世界的に普及しているプログラミング言語「Java」を用いて様々なアプリケーションやシステムの構築や運用に携わる仕事を指します。Javaプログラマーについての理解を深めるには、まずJavaというプログラミング言語について知る事が大切です。
Javaとは
Javaが世の中に登場したのは1995年の事で、サン・マイクロシステムズ社によって公開されました。サン・マイクロシステムズは2010年にOracle社に吸収合併されており、Javaの開発もOracle社に引き継がれています。Javaの特徴は大きく分けて以下の3点です。
オブジェクト指向の言語
Javaは「オブジェクト指向」のプログラミング言語として知られています。オブジェクト指向とは、プログラムの・独立性・再利用性・拡張性という3点を実現しているものです。
一般的にアプリケーションは複雑になればなるほど、内部でプログラム同士が干渉して不具合を起こしやすくなります。
オブジェクト指向はこうした問題を解決して、効率良く開発を行う事を目的とした考え方です。
OSを選ばず動作する
OSを選ばずに動作するという点も、Javaの大きな特徴です。プログラミング言語によっては、使用するOSに合わせて再度コンパイル(機械語への翻訳)する必要がある場合も少なくありません。
しかしJavaは「JVM(Java仮想マシン)」と呼ばれる独自のシステムを介して動作するため、OSに依存せず効率的に開発を行う事が出来るのです。
Javaでは自由度の高い動作環境を表す「Write Once, Run Anywhere」というキャッチフレーズも掲げられています。
歴史が長く安定している
Javaは1995年にリリースされて以降25年以上の歴史を誇り、様々な環境で安定して動作するという特徴があります。
プログラム言語というものは、最初から完璧な状態で公開されている訳ではありません。もちろん公開までに何度も動作確認はされていますが、予期せぬバグや不具合は付き物です。
Javaは25年以上の歴史の中で様々な不具合を解決し、今尚動作の安定性を向上させ続けています。
Javaプログラマーの仕事内容
Javaはプログラミング言語として幅広い業界で利用されており、Javaプログラマーの需要も多いです。Javaプログラマーの仕事内容としては、主に以下の4種類が挙げられます。
ITシステム開発
業務アプリケーションや基幹システムなどのIT開発は、Javaプログラマーの主要な業務のひとつです。新規の開発だけでなく、システムのリプレイスや保守・運用などメンテナンス業務を担当することもあり配属される現場や職場によりさまざまな役割をまかされます。
設計や要件定義はSEと呼ばれるシステムエンジニアが作成することも多いです。プログラマーはそれらの設計書や要求仕様をもとにコーディングをおこないます。
Javaには「安定した動作」と「効率の良い開発」という魅力があります。そのため、大手企業の基幹を成す業務システムの開発で採用される事も多いです。
製造・販売、営業・マーケティング、人事・労務、経理など、業務システムは企業活動とリンクして開発されます。それぞれの分野でシェアの高いパッケージシステムなどもあり、Javaプログラマーとして専門領域や開発知見があると仕事で有利でしょう。
Web開発
Javaはブラウザを通じて動作するWebアプリケーションの開発にも多用されています。IT社会においてWebアプリケーションは最早欠かす事の出来ない存在と言っても過言ではないでしょう。
Javaプログラマーの仕事はSNSやソーシャルゲームといった日常生活に身近なものから、証券取引システムやECサイトのシステムなどビジネスライクなものにも利用されているのです。
大規模なWebサービスやゲームなどの開発では、複雑な計算処理や大量データを扱うことも多くあり、システム間の連携や情報セキュリティも重要になっています。その点でJavaは、官公庁や大手企業などでの採用実績も高く、安定性が評価されています。
Androidアプリ開発
JavaはOSを選ばないという特徴がありますが、スマートフォン業界では取り分けAndroidアプリの開発に利用されるケースが多いです。アプリケーション開発の中でもユーザーが直接操作・目視する「フロントエンド」と、内部処理を行う「バックエンド」の2つが存在する事も覚えておきましょう。
家電製品
意外なところでは、家電製品の開発にもJavaプログラマーが携わっている事も多いです。温度調整や自動停止機能など、多機能な家電製品には様々なシステムが組み込まれています。こうした機能のプログラミングを行う事も、Javaプログラマーの仕事なのです。
Javaプログラマーは稼げる?
Javaプログラマーを目指すにあたって、年収が気になるという人も多いでしょう。収入は自分の生活に直結するポイントなので、予め相場を確認しておく事は大切です。ここで、Javaプログラマーの年収事情について少し掘り下げて見てみましょう。
Javaプログラマーの平均年収
求人サービスの「スタンバイ」が2017年に行った調査によれば、Javaプログラマーの平均年収は約552万円となっています。
一般職に比べて年収が高めと言われているエンジニア職の平均年収が約456万円となっているので、Javaプログラマーの平均年収は高い水準と言っても良いでしょう。
ただし、全てのJavaプログラマーがこのように高い年収となっている訳ではありません。実務経験や高度なスキルがない場合の初年度年収は320万~400万円程度と言われています。Javaプログラマーの年収は経験やスキルによって大きく変動するのです。
年収アップのために
Javaプログラマーは同じ職種でも比較的年収に開きがあります。年収をアップさせるためには「単にプログラミングが出来る」というだけではなく、「業界知識」を身につける事が大切です。
幅広い分野で利用されるプログラミング言語だからこそ、自分が身を置く業界に関する知識や経験は大きな武器になると言えるでしょう。また、その他にもJavaプログラマーとしての年収をアップさせる方法には次のような取り組みがあります。
上流工程の経験
プログラマーというと、企画や営業が持って来た仕様書・設計書に沿ってシステムを組むという仕事を連想する人も多いでしょう。確かにプログラミングはJavaプログラマーにとってメインであり重要な業務です。
しかし、そこからステップアップするには「上流工程の経験」が重要なポイントになります。プログラマーが組み上げるシステムは自社のものばかりではなく、クライアントから依頼されたものである事も多いです。
そんな時、顧客からの要望を汲み取って仕様を決める「案件定義」という業務の経験があるJavaプログラマーは重宝されます。顧客の要望に沿った仕事が出来る人材は、企業にとって評価が高いのです。
Web開発やアジャイルの経験
Javaはその汎用性と安定性の高さから基幹システムなどで多いウォーターフォール開発での求人が多く見られますが、年収アップのためにはWeb開発やアジャイルの経験を積んでおく事も重要です。
アジャイルとは開発手法の一種であり、早いスパンで実装とテストを繰り返して開発期間を短縮する方法の事を言います。Webアプリケーションに留まらず規模の大きいゲームやスマホアプリの開発案件などで実施されています。
開発スパンの短いアジャイル開発を経験する事で様々な案件に対応出来るという「付加価値」を身に付けられるのです。
独立してフリーランスに
ある程度スキル・知識・経験が備わってきたら、独立してフリーランスになるというのも年収アップに繋がる可能性があります。数あるプログラミング言語の中でもJavaは求人数が多く、大小様々な案件が公開されているのです。
企業に所属し続けて出世を目指すのも一つのキャリアプランですが、高いスキルを習得した自分の実力に見合った案件を自分で勝ち取るフリーランスという活動スタイルも良いでしょう。
フリーランスになると仕事の幅がグッと広がるので、自分の実力次第で年収アップは十分に可能です。
Javaプログラマーに必要なスキル
効率よくJavaプログラマーを目指すには、必要とされるスキルを正確に把握して学習を進める事が重要です。ここではJavaプログラマーに必要なスキルを確認しておきましょう。
Javaの基礎知識
Javaプログラマーになるためには、まずは何と言ってもJavaに関する基礎知識をしっかりと身に付ける事が重要です。就職・転職を焦るあまり、現場でのテクニックや応用知識を先に学習しても意味がありません。まずは土台となる基礎知識を身に付けて、プログラムが動く原理やコードの書き方をしっかり理解しましょう。
Java Servlet(サーブレット)
Javaプログラマーは「Java Servlet(サーブレット)」と呼ばれるプログラムを用いる事があります。Java Servletはサーバー上で動的にwebページを生成したり、データ処理を行ったりする際に使用される事が多いです。webアプリケーションから業務用システムの構築まで幅広い用途に対応出来ます。
Java Server Pages (JSP)
Java Servletと併せて覚えておきたいのが「Java Server Pages (JSP)」です。JSPもJava Servlet同様サーバー上で動作するプログラムとなっています。JSPは予めHTMLの中にJavaのコードを組み込んでおく事で、サーバー上で動的なwebページ生成を行うのが特徴です。
データベースに関する知識
情報化社会でエンジニア職に勤めるのであれば、データベースに関する知識は不可欠と言っても過言ではありません。Javaプログラマーが組むプログラムは、データベースで管理されている情報を活用するものも多いのです。
具体的にはJavaを利用してデータベースにアクセスするための「JDBC」や、データの処理操作に必要な「SQL」などの知識を身に付けておきましょう。
フレームワークに関する知識
ソフトウェア開発をスムーズに進行させるため、予め用意されている機能や骨組みの事を「フレームワーク」と呼びます。全てのプログラムを1から組み上げるには膨大な時間と労力を要するため、実際の現場ではフレームワークを駆使して効率的に開発を進めるのが一般的です。
業務用システムの開発においては「Struts1」と呼ばれるフレームワークが主流となっていましたが、今後はJavaの標準仕様である「Java EE」が台頭すると予想されています。
その他にも「Spring」「Play Framework」「JSF」などのフレームワークに関する知識も学習しておいて損はないでしょう。
Javaプログラマーになるには
必要とされるスキル・知識が一通り分かったところで、今度はJavaプログラマーになるための具体的な方法・ステップを確認しておきましょう。
Javaを習得する
Javaプログラマーになるには、まずJavaを習得しない事には話が始まりません。とは、Javaの学習を進めるにもいくつかの方法があるので、自分に合った学び方を選ぶ事が大切です。
学習サイトで学ぶ
Javaは公開されてからの歴史が長く世界的に知られているプログラミング言語なので、国内外で多くの有志が学習サイトを公開しています。最初のうちはこうした学習サイトを利用して自分で勉強してみるのもおすすめです。ここで、最初の取っ掛かりとしておすすめのJava学習サイトを3つご紹介します。
Progate
「Progate」はゲーム感覚でプログラミングの基礎を学習出来るアプロケーションです。シンプルで分かりやすいデザインと難易度に応じたレベル分けで、プログラム初学者から多くの支持を集めています。
ドットインストール
「ドットインストール」では主に「JavaScript」「HTML」「CSS」といったプログラミング言語の基礎を学ぶ事が出来ます。JavaScriptはJavaとは別物のプログラミング言語となっていますが、Javaの学習を始める前にJavaScriptを触っておくと理解の助けとなってくれるでしょう。実際にプログラミング体験が出来る「「JavaScriptから始めるお手軽プログラミング」」というコンテンツがおすすめです。
Udacity
英語サイトの「Udacity」はプログラミング初心者から上級者まで、幅広いユーザーを対象にした学習コンテンツが揃っています。最新技術の導入にも積極的で、AIやディープラーニングに関する学習を進める事も可能です。ある程度知識が身に付いてからも覗いていおきたいサイトと言えるでしょう。
プログラミングスクールに通う
プログラミング未経験の場合は何から手を付けて良いか分からず、不安に感じる人も多いでしょう。そんな場合はプログラミングスクールに通うというのがおすすめです。
集団授業やマンツーマン、オンライン講義など自分に合った受講スタイルを選びましょう。
本・書籍で独学する
古典的ではありますが、独学の方法としては本・書籍で学習するというのもおすすめです。
手元に参考書がある事ですぐに見たいページを開けます。ページを見ながらコードを書いて学習する出来るので効率的です。
自由に参考書を選ぶ事が出来るのもポイントですが、自分にマッチする参考書を見つけるには多少根気が必要になる場合もあります。
Javaプログラマーの求人に応募する
スキルや知識が身に付いたら、Javaプログラマーの求人を探して応募しましょう。応募方法には大きく分けて次の3つのパターンがあります。
転職サイトで応募する
求人の探し方としてベターなのは、転職サイトで気になる求人を探す事です。自分のペースでゆっくり仕事探しが出来るので、ある程度時間にゆとりがあり希望条件も定まっているのであれば転職サイトをいくつか覗いてみましょう。
転職エージェントに登録する
初めての就職・転職で不安が多い場合には、転職エージェントへの登録がおすすめです。
転職サイトは掲載されている求人の中から自分で応募先を決めますが、転職エージェントでは希望条件を登録しておく事でそれにマッチする求人をいくつか紹介してもらえます。
担当者から企業についての情報を聞く事も可能な場合があり、就職後のミスマッチを避けるのにも有効です。
企業の求人に直接応募する
自分が働きたい企業が決まっているのであれば、その企業の求人に直接応募するというのも一つの手段です。
企業によっては説明会の参加者のみに応募書類を渡すというケースもあります。気になっている企業のホームページなどはこまめにチェックするようにしましょう。
Javaプログラマーのメリット
本気で目指すからには、その職業に就く事でどんなメリットがあるかは気になるところです。Javaプログラマーになる事で期待出来るメリットには、以下のようなポイントが挙げられます。
あらゆる分野の開発に対応できる
Javaは汎用性の高いプログラミング言語であり、様々な業界で高いシェアを誇っています。Javaプログラマーになる事で働き口の幅がグッと広がるので、経験を積んで将来的には有名企業への転職や独立開業といったキャリアプランも可能です。Javaプログラマーという職種は、自分の可能性を広げてくれる仕事と言えるでしょう。
大規模なシステム開発に携われる
Javaは企業の基幹システムを構築する際にもよく用いられるプログラミング言語です。そのため、大規模なシステム開発に携わりたい人にとってJavaプログラマーという職業はうってつけと言えます。エンジニア職は慢性的な人手不足が続いており、実力さえあれば経験が浅くても大企業のシステム開発に携われる可能性は十分にあるのです。
より高度な言語を扱えるようになれる
Javaを習得する事で、より高度なプログラミング言語を学習する際の助けになるというケースは珍しくありません。
例えばシェアの高いプログラミング言語として有名な「C言語」は比較的難易度が高い言語としてい知られています。しかしJavaとの共通点や類似点もあるため、Javaを理解しておく事でC言語の学習がスムーズになる事が多いです。
他にもJavaに影響を受けた言語も少なくないので、Javaプログラマーになる事で他の言語への道が開けるとも言えます。
Javaプログラマーのデメリット
職業としてJavaプログラマーを目指すのであれば、現実問題としてデメリットを把握しておく事も大切です。「こんなはずでは・・・」といった事にならないように、Javaプログラマーになる際に起こり得るデメリットも認識しておきましょう。
作業が膨大になりがち
Javaはシンプルなプログラミング言語に比べ、文法や構造が簡単という訳ではありません。そのため、実際の開発ではコード記述やバグ修正の作業量が膨大になりがちです。
Javaプログラマーになるにはこうした作業に耐え抜く体力・忍耐力・集中力も必要になるでしょう。
初心者には習得の難易度が高い
世界的にシェアの高いJavaですが、初心者が1から学習を進めるには多少難易度が高めです。効率的で読みやすいコードの書き方を身に付けるには、相応の労力と時間が必要になるでしょう。
独学で学習を進めるにしてもプログラミングが出来る友人や知人、セミナーや学習コミュニティーなどを利用して効率的に学ぶ事が重要です。
汎用性はそこまで高くない
様々な業界で利用される汎用性の高さがJavaの魅力の一つですが、それをあまり過信するのも考え物です。Javaは同じような動作をするシステムでも、企業によってプログラムの組み方が異なるといったケースが少なくありません。
場合によっては案件ごとにプログラミングの考え方や組み方を変える必要も出てきます。
Javaプログラマーの将来性
努力してJavaプログラマーになれたとして、すぐに仕事がなくなってしまっては困るでしょう。最後に、Javaプログラマーの将来性についてご紹介します。
Javaは需要が安定している
Javaは長年の歴史とその安定性から、様々な業界からの需要が増え続けています。ゲームのようなアプリケーション開発から大規模システム開発まで、自分のやりたい分野も見つけやすい業界と言えるでしょう。
Java言語単体ではダメ?
Java言語を熟知していればJavaプログラマーとして働く事は出来ますが、将来的には他のプログラミング言語も使える人材が重宝される事が予想されます。Javaが習得出来たら、RubyやPHPといった言語の学習にも手を伸ばしてみましょう。
Javaプログラマーの今後
Javaプログラマーは安定した需要があるため、働き口に困るという事はないと言えます。しかし、キャリアアップを図る際には多言語の扱いに長けた人材が有利になるので十分に留意しておきましょう。
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