SQL案件の単価相場は?フリーランスSQL求人の仕事内容と探し方
SQL案件を探すフリーエンジニアや、転職・独立を検討中のSQLエンジニアも多いのではないでしょうか。この記事では、単価相場やフリーランス求人動向について解説し、案件の種類や仕事の探し方も紹介します。
目次
SQLのフリーランス求人案件
ビッグデータを活用するシステム開発案件が増加しており、SQLのスキルを持つフリーランスエンジニアを求める現場も多くなってきています。開発経験のあるソフトウェアエンジニアの多くは、サーバー、OS、ミドルウェアなどの知識を持ち、SQLやデータベースに関するスキルも保有しているため、そのような経験があれば、SQL案件の受託もスムーズに行えるでしょう。PythonやRなどの言語が使えると活躍の幅もさらに広がります。
実際のフリーランス求人:SQLの求人・案件一覧
業務委託でエンジニアを調達すると社内の育成コストが不要な点や、必要なときに必要な数だけ人員を調達できる点がメリットとなるため、SQLエンジニアへの求人需要も高いです。
データ分析・可視化業務の補佐としてや、データレイク・データウェアハウスなどインフラエンジニアの案件でSQLを利用する求人が募集されています。
データベースと SQLの知識が活かせる
データベースは非常に応用範囲が広い技術のため、各種システム開発に用いられる以外にも、さまざまな業務で活用されています。例えば、Webサイトのアクセス解析を行ったり、顧客情報を分析してマーケティングに役立てたりといったことが可能です。
部署によっては、SQLのクエリ文を記述できることが重宝されるケースもあります。クエリ結果を表計算ソフトに流し込んで営業活動に使ったり、売り上げデータを抽出・分析して経営戦略に役立てたりといったことは、実際によくある使い方です。
SQLの基礎知識
SQLは、データの操作や定義をおこなうデータベース言語です。データベースを操作するための言語や仕組みにはさまざまな種類がありますが、もっとも普及しているのがSQLです。
SQLでは、決められた構文に従って命令を記述することでデータベースに対してクエリを発行し、データを読み書きします。ANSIやISOによって国際的に標準化されているため、習得すればさまざまなDBMSに応用できる汎用性の高いスキルです。
ただし、実際のシステム開発ではプログラムの内部で用いられることが多いため、SQL案件ではプログラミング言語に関する経験も求められることが多くなっています。
SQL案件の単価相場
ここでは、SQL案件の単価相場について紹介します。SQL案件中心で働くフリーランスエンジニアの年収目安はどれくらいでしょうか。フリーランスと正社員の場合に分けてみていきましょう。
フリーランス案件の単価相場
フリーランスを対象としたSQL案件の単価には、求められるスキルやシステムの規模によってかなりのばらつきがあります。月の単価報酬について一概にはいえませんが、40から60万円程度が目安になります。そのため、年収としては480〜720万円が平均的です。
これはシステムエンジニア(SE)と比べても遜色がなく、プログラマーよりも高い水準です。ただし、データベースに関する資格の有無や、これまでの経験年数などによって単価報酬の相場がこれ以上やこれ以下になることもあります。高いスキルがある人ほど、高収入を期待できるでしょう。
正社員の平均年収
正社員で働くデータベースエンジニアの年収相場は、400~600万円程度です。また、Web系の開発エンジニアについても平均するとおおきな違いはみられません。政府統計データによると、正社員の場合の平均年収は約600万円となっています。賞与を考えなければ、月給に換算して約50万円です。
実際の年収はスキルや経験年数によるところが大きく、400〜1100万円とかなりの幅があります。また、500万円台の人がもっとも多くなっています。
SQL案件の特徴とSQLエンジニアの仕事内容
SQL案件とは、どのような仕事でしょうか。ここでは、SQLエンジニアの仕事内容について説明します。
SQLのみで参画できる案件は少ない
実際に募集されているフリーランスのSQL案件で求人内容をチェックしてみると、SQLの知識があるだけで受けられる仕事は多くありません。ほとんどの案件では、SQLに加えJavaやC#、PHPなどプログラミングのスキルも求められます。
また、Webシステムの開発やデータ分析に関する案件が増加傾向にあるという点も注目すべきポイントです。HTMLやCSSについての知識やサーバーサイドの開発技術があれば、Web開発の案件には参画しやすいでしょう。
数理統計や機械学習、Pythonなどビッグデータに関する知見もあればエンジニア・プログラマーとしても仕事の幅が広がります。
仕事探しにはデータベースの知識・スキルが必要
SQLでのデータ集計やプログラムがメインの仕事を探す際にも、DB(データベース)の構築スキルや設計に関する知識は持っておいたほうがよいでしょう。
SQL案件の発注者は、データウェアハウスやデータレイクといったデータ基盤の構築・運用業務を任せられる人材を求めていることも少なくありません。そのため、単にSQLによるクエリ(問い合わせ)文が書けるというだけでは、案件の募集条件に合わないことがあります。
テーブル設計や、DBMS(データベース管理システム)の構築、インフラ保守に関するスキルも必要になると考えたほうがよいでしょう。
SQL案件の例・仕事内容
SQLは応用範囲が非常に広い技術のため、具体的な仕事内容は案件によって大きく異なります。どのようなポジションで案件に参画するのかにもよりますが、基本的にはSQLの知識・スキルのほかに、ITエンジニアとしての能力も求められる案件が多いと考えてよいでしょう。
SQL案件の例
- データクレンジング・データ整形
- DWHに格納されている各種ログデータの統合
- 顧客マスタ、商品マスタに関わる業務支援
- ビッグデータ基盤システムの構築、開発、保守
- データレイク構築(データ分析チーム作業支援)
- 生命保険企業のデータ分析・可視化
- TV視聴データの分析・可視化
要件定義や各種設計から、Web技術を用いたアプリケーション開発まで、さまざまな仕事があります。データを重視した経営を行う企業では、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの活用を前提にした可視化やデータ整備をおこなうSQL案件も多くみられます。例えば、Webサービスを提供する企業が、意思決定のためにBIツールを用いてデータマートを構築したいというようなものです。
SQL求人の種類と必要なスキル要件
それでは、そのようなSQL案件に参画するために必要なスキルはどのようになるのでしょうか。実際のSQL案件で必須とされることの多い要件や、もっていると歓迎されることの多いスキルについて紹介します。
データ抽出・整形
SQLを使うフリーランス求人で多い案件に、SQLでのデータ抽出や集計処理をおこない、分析のサポートをおこなう前処理やデータクレンジングを中心とした仕事があります。
データサイエンティストへの入門業務として、エンジニア・プログラマー経験のあるフリーランスから人気の高い案件です。必須の応募要件として、SQLの実務経験とデータベースの知識が求められます。
単価相場は高くありませんが、システム開発のスキルをいかしながら、データ分析や統計処理について学ぶことでデータエンジニアリングを目指すこともできるでしょう。
ビッグデータ・AI案件
ビッグデータを利用した解析案件では、SQLエンジニアが多く募集されることがあります。最近では、クラウド環境を利用するシステム開発もふえているため、クラウド製品の知識や環境構築の経験を歓迎する現場も増えています。
データ基盤のシステム開発では、Hadoopが採用されることが多いため、Hadoopを用いた開発経験や分散処理のスキルがあることを必須要件とするSQL案件もあります。
また、Amazon RedshiftやBigQueryなども、データウェアハウス(DWH)としてBIツールによるデータ分析との相性がよいことなどから採用実績を伸ばしているサービスです。案件によっては、Amazon Redshiftの利用経験が必須となっている場合もあります。
データ基盤・データベース構築案件
データベースの設計に関する経験を必須要件としている案件も多数あります。データベースそのものの概念を理解したうえで、設計までを含めて幅広い業務を担当した経験があれば歓迎されることが多いでしょう。
特に、論理設計ができるスキルがあれば、参加できる案件の幅が広がります。また、データベース設計にもとづいて実際のテーブルやインデックスを構築した経験があることも、歓迎要件になることがあります。
具体的な構築作業から得られたノウハウが、ほかの案件にも活用できると考えられるためです。
データ分析・可視化案件
BIツールに関する知識や経験があれば、データの分析や可視化を目的とする案件にも参加しやすくなります。BIツールは種類が多く、製品ごとに特徴も異なるため、どのツールについて知っていれば有利かは一概にはいえません。
しかし、ある程度の経験があれば応用がきくため、どれか1つのツールについて経験があるだけでも歓迎されることがあります。このような案件は企業の意思決定に関わることが多いため、ビジネスやマーケティングまで含めた幅広い知識が求められることも少なくありません。その分、高単価の案件が期待できるでしょう。
案件の受注単価を上げるために必要なこと
SQL案件の単価は仕事内容によって異なりますが、スキルによっても変わってきます。ここでは、受注単価を上げるために身につけておくとよいスキルについて紹介します。いずれにしても、SQLの知識やスキルを保有していることは前提と考えましょう。
AWS、GCPなどクラウド技術の経験を積む
AWSは、2008年にAmazonが提供を開始したクラウドサービスです。東京リージョンが開設された2012年ごろから国内のシステム開発に採用されるケースが増えており、多くの企業からの注目を集めています。
データウェアハウスを実現するAmazon Redshiftも、AWSが提供するサービスのひとつに数えられます。SQL案件の受注単価を上げるには、仮想化やクラウド技術に関する経験があると有利でしょう。
各種サーバーの構築やシステム開発作業をAWSに限らず、GCP、Microsoft Azureなどプラットフォーム上で行う経験を積んでおけば、高単価での受注に役立ちます。
DB製品に関する知識を深める
データベースの知識には、どのような案件にも活かせる汎用の部分と、製品ごとに異なる固有の部分とがあります。基本的なSQL構文などの汎用知識については、書籍などを通してある程度習得することが可能です。
一方、パフォーマンスチューニングなどの作業を行うには、製品固有の知識が必要になってきます。このような固有の知識を身につけるためには、実際の製品に触れながら学習する経験が欠かせません。
実務を通してOracleやAmazon Redshiftなどの特徴の違いについて理解を深め、ノウハウを蓄積していくことを心がけるとよいでしょう。
設計など上流工程の経験
スピードが求められる現在のビジネス環境において、データにもとづいた経営判断は重要です。そのため、上流工程の段階からデータベースについて考えたり、データの収集や分析に力を発揮したりできる人材を求める企業が増えています。
受注単価アップを考えるなら、仕事を通して上流工程に積極的に触れておくことが役立ちます。SQLを書いたりデータベースの構築・保守を行ったりするだけでなく、どのようなデータベースにすべきかについて関係各所とコミュニケーションをとりながら考えるなど、要件定義やデータモデリングを重視した経験を増やしていくようにするとよいでしょう。
SQLの知識以外に持っておくと有利な資格
フリーランスのSQLエンジニアがスキルを証明したり、できるだけ条件のよい案件を獲得したりするためには、SQLの知識を身につける以外にも持っておくと便利な資格があります。ここでは、そのための代表的な資格を3つ紹介します。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、IPAが運営する「情報処理技術者試験」の中でもっとも高難度な「レベル4」に分類される国家試験のひとつです。データベースに関する一般的な知識だけでなく、情報分析やプロジェクト管理などの知識も問われます。
この資格を取得することで、情報システムの企画・要件定義から開発や運用・保守までの業務において中心的な役割を果たしたり、技術的なサポートを行ったりできるデータベースの専門家であることを証明できます。
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験は、LPI-Japanが主催するIT技術者認定資格です。取得すればオープンソースデータベース(OSS-DB)に関する知識を持ち、最適なデータベースシステムの提案や構築・運用ができる技術者であることの証明になります。
基準となるDBMSはPostgreSQLで、試験のレベルはSilverとGoldの2つです。Silverでは小規模なデータベースシステムの開発・運用管理といった基礎知識が出題されるに対し、Goldでは大規模なデータベースシステムの改善・運用管理やコンサルティング技術など、応用的な知識が問われます。
オラクルマスター
オラクルマスター(ORACLE MASTER) は、日本国内でよく利用されるORACLE製品「Oracle Database」シリーズの管理・運用スキルを客観的に証明できる人気の資格です。Bronze、Silver、Gold、Platinumの順に4つの難易度が定められており、Bronzeから順番に取得していく必要があります。
資格取得のための学習では、ORACLE製品に限らずSQLや一般的なリレーショナルデータベースの基礎知識についても一通り習得することができます。
SQLのフリーランスになるには
企業が求めるのは、教育にコストをかけなくても即戦力となってくれる人材です。高単価のSQL案件を獲得するには、SQLやデータベースの知識とスキルを身につけることが先決です。実際の業務を通して、SQLの基礎やDBMSの種類ごとに固有のノウハウを身につけておきましょう。フリーランスとして歓迎される人材になるには、少なくとも数年は会社に所属して業務経験を積む必要があります
。PHPやJavaなどのプログラミング言語もあわせて学んでいくのがおすすめです。また、資格取得のための勉強は、知識の習得だけでなくスキルの証明にもなるのでチャレンジしてみるとよいでしょう。
基本的には、サーバーサイドの案件が多いと考えてよいでしょう。データベースの構築のほか、システムのバージョンアップにともなうデータの修正や、ECサイトの購買ログからレポート作成を行うような仕事もあります。
Webシステムの場合はフロントエンドまで任されることもあるため、PHPやJavaScriptなどのスキルがあれば活かすことが可能です。より大規模になると、Javaを用いたシステムの設計・開発やパフォーマンスチューニング、ビッグデータの分析や可視化を行う案件もあります。
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