実務経験の少ない20代でフリーランスエンジニアになれる?稼げる理由、なる方法
実務経験の浅い20代のエンジニアでも、フリーランスとして独立は可能でしょうか。仕事次第で高収入が期待できる点や自由な働き方を魅力にフリーランスという働き方に注目が集まっています。
今回の記事では、 実務経験1年のフリーランス市場での見られ方や、フリーランスでデビューするのに20代がおすすめの理由、失敗しないポイントなど解説します。
目次
実務経験が浅い20代でもフリーランスエンジニアになれる?
時代の変化とともに人々の働き方も大きく変わってきた現代、フリーランスとして働くエンジニアも増えています。その一方で20代で独立したというケースは珍しく感じるかもしれません。そもそも20代でフリーランスエンジニアとして働いている人はどのくらいいるのでしょうか。そして、実務経験の少ない20代で独立し安定した生活を送ることは果たして可能なのでしょうか。
20代以下のフリーランスの割合はわずか1.1%
中小企業庁の調査によると20代以下でフリーランスとして働いている人の割合は全体のわずか1.1%しかいませんでした。この少なさの背景には若いうちにフリーランスとして働くことのリスクや、若いうちは会社に属し仕事や技術を学ぶべきだという考えを持つ人が多いからだといわれています。しかし、インターネットの普及などにより人々の働き方は大きく変化し、大きなリスクを背負うことなく仕事ができる場面が増えたため、フリーランスとして働くことを選ぶ若者は年々増えつつあるようです。
フリーランスエンジニアは30代以下でも高収入の割合が大きい
とある調査によれば、フリーランスで働く30代以下のエンジニアのうち約37%が年収500万円以上、そして約9%以上が年収1000万円以上を稼いでいるようです。これは同世代の平均年収と比較しても高い数値であり、フリーランスで働くことの大きなメリットといえるでしょう。30代のフリーランスエンジニアの収入は40代50代と比較しても遜色なく、フリーランスエンジニアは若くして高収入を得るには良い職業といえそうです。
実務経験1年はフリーランス市場でどう見られる?
しかし、いくら収入がよくなるとはいえ20代のうちにフリーランスとして生活しようと思うと、会社員として実務経験を積みながら働けるのはたった数年です。フリーランスとして働くにはネックとなりそうな20代エンジニアの実務経験の少なさはフリーランスの求人市場ではどのようにみられるのでしょうか。
それはもちろん仕事を依頼する企業によって異なりますが、年齢や経験よりもその人の技術を優先することが多いようです。また40〜50代のベテランエンジニアよりも、仕事への前向きさや若者特有のひたむきさ、体力などを理由に若いエンジニアに仕事を依頼する企業もあるため、若いということが1つのセールスポイントにもなるようです。
20代でもフリーランスエンジニアとして稼げる理由
20代で独立しフリーランスとして働く人の中でもITエンジニアは比較的稼ぎやすい職業です。実務経験が1年程度あれば、エージェント経由で仕事を獲得できます。その背景には、エンジニアの人手不足や自由な働き方が広がってきたなどの理由があるようです。
エンジニアが圧倒的に不足している
エンジニアを含むIT業界は拡大傾向にあり、常に人手不足だといわれています。そのため経験の浅いエンジニアでも比較的簡単に仕事が受けられ仕事がなくて無収入になる、仕事を受けるための競争が激しくてなかなか勝ちとれない、といった心配をする必要がありません。
体力があり成長も早いため、企業に重宝される
エンジニア業界には長らく「35歳定年説」という迷信がありました。もちろん実際に働くエンジニアの中には40代50代の人も沢山活躍しているため、この説は否定されつつありますが、常に新しい技術や情報が必要となる特殊な業界故に、若くて体力がある若者のほうがエンジニアとしては優れていると考える企業も少なくないのです。そのため、20代でフリーランスとして働く人への風当たりは他の業界と比べて強くはありません。
エージェントが積極的に仕事を紹介してくれる
フリーランスエンジニアとして働く人の多くはエージェントと呼ばれる仲介業者を通して仕事を受注します。このエージェントはフリーランスエンジニア個人の経験や技術を発揮できる仕事を積極的に紹介してくれるため、社会経験の少ない20代のエンジニアでも身の丈にあった仕事を受けることができます。他業界にはまだ少ないエージェントですが、フリーランスで働く人が多いエンジニア業界だからこそこういったものを活用して20代でも簡単に仕事を受けることができるのです。
自由に働く文化が広まってきた
今やパソコン1つあれば仕事ができる時代、その働き方の変化によって人々の文化も大きく変わりました。オフィスがなくても仕事ができたり、出社せずとも在宅で仕事をするリモートワークの普及など、従来の働き方とは大きく姿を変えた形の仕事をする人も増えたため、20代で独立し働く若者への目線は決して冷たくはないでしょう。
独立のタイミングとして20代がおすすめな理由
今働いている会社を辞めて独立をしたい、でも20代では若すぎるのではと考えている人も少なくないのではないでしょうか。中にはもう少し経験を積んでからのほうが良いと思っている人もいるかもしれませんが、20代での独立は決して早すぎることではありません。むしろ20代で独立するメリットもたくさんあるのです。
収入が一気に上がるから
前述したとおり、フリーランスで働く30代以下のエンジニアの約37%は平均年収500万円以上と、同世代に比べて高めの傾向にあります。30代以下で年収500万円以上となると会社に属しているエンジニアにとっては、かなり魅力的に感じるのではないでしょうか。
転職よりも採用のハードルが低いから
今の会社に不満がある人は、フリーランスとして働く選択肢の他に、転職を考える事もあるでしょう。しかし、実務経験数年のエンジニアをそれなりの収入で雇ってくれる企業はなかなかありません。今の会社から他の会社に移ったところで、年収がたいして変わらないという状況になるのであれば、転職よりも独立しフリーランスとして働くほうが良い場合もあるのです。
30代、40代よりリスクが少ないから
経験不足や、技術力不足を理由に20代での独立を断念する人も多いようですが、もし30代40代での独立を考えているのであれば歳を重ねるにつれて上がるリスクについても考えておく必要があります。30代40代になると結婚をし家庭を築く人も少なくないでしょう。そんななかでエンジニアとして独立しフリーランスで働くとなると、万が一失敗をしたときのリスクがかなり高まってしまいます。
収入が安定せずに、家族を養えないなんてことにもなりかねないため、独立はかなり慎重にならなければなりません。一方20代のうちにはまだ背負うべき責任も少なく、結婚前であれば万が一の場合でも周りの人を巻き込む心配も少なくてすみます。
最悪失敗しても会社員に戻れるから
もし、フリーランスとして独立した後、年収が不安定であったり、フリーランスという働き方自体に自分が向いてないと感じるようであれば、転職活動をして会社員に戻るという選択肢もあります。独立した歳が上がればそれだけ再就職も困難になるため、この方法は20代だからこそできることかもしれません。
20代でフリーランスエンジニアになるには
いざ20代でフリーランスエンジニアになると決めた時、会社員である今のうちに経験しておくべきことは一体どんなことなのでしょうか。
会社員エンジニアとして技術力を身につける
フリーランスとして働くにあたって必須となるのが技術力です。エンジニアの実務経験から培った技術は独立後も必ず役に立つので、会社に属しているうちに沢山のことを学び身につけておくのが大切です。また一度独立してしまうと他のエンジニアとの交流する機会が極端に減ります。そのため、身の回りにいるエンジニア仲間との情報交換もしっかりとしておきましょう。
技術力以外の能力・スキルも磨く
フリーランスとして働くにはエンジニアとしての技術の他にコミュニケーション能力も求められます。独立後請け負った仕事を進めるのは自分自身です。クライアントとの打ち合わせや、時には費用などシビアな話し合いも自分でこなさなければならなくなるため、人と会話をしながら自分の主張を上手く伝えることや、相手の意図を汲み取ること、誰かに指示を出すことなど、ありとあらゆることを経験し、身につけておくと独立後に役立つでしょう。
良い人脈を大切にする
フリーランスとして独立した後に一から人脈づくりをしようと思うと、かなり苦労するでしょう。そのため、今の会社にいるうちから仕事を振ってくれそうな人、困ったときにアドバイスをくれる人、実際にフリーランスの経験がある人など、様々な人と関わりを持ちながら、独立の準備を進めましょう。
20代でフリーランスエンジニアになる方法
いざフリーランスエンジニアとして働く覚悟を決めたときするべきことは一体どんなことなのでしょう。ここではエンジニア経験者とエンジニア未経験者の2つに分けてご紹介します。
エンジニア経験者の場合
エンジニアとして数年の実務経験を経て独立を考えている人が取るべき行動は、自分にあったエージェントを探すことです。フリーランスとして働く人にとってはエージェントは欠かせないもの、仕事をする上ではかなり重要な役割といえます。多くのエージェント業者は無料登録で仕事を紹介してくれます。会員登録や面談を済ませるとエージェントが運営するサイトから仕事の内容や報酬なども確認できるため、一度報酬の相場などをチェックしておくと独立後の生活をシミュレーションする目安にすることができます。
エンジニア未経験者の場合
エンジニアの経験がないという人は、まずプログラミングの基礎を学ぶことから始めましょう。エンジニアは技術職であるため、ある程度の知識や経験がなければなかなか仕事を進めることができません。そのため、できれば専門学校などでプログラミングを学んだ後、就職をしエンジニアとしての実務経験を数年積んだ上での独立が現実的です。
フリーランスエンジニアで失敗しないために
独立することにはメリットもたくさんありますが、同時にリスクも伴います。フリーランスエンジニアとして人生を失敗しないために、独立前から覚悟しておくべきことや、確認すべきことを紹介します。
会社員ではなく商売人の意識をもつ
会社員として働いているうちはその会社に属する一エンジニアという立場ですが、独立後には一エンジニアから個人事業主、あるいは個人企業法人となり、社会的立場や責任がかなり大きくなることを覚悟しなければなりません。仕事を請け負うペースや仕事相手とのやり取りなどもすべて自身でこなさなければならず、エンジニアというよりも技術を売って生計を立てている商売人であるという意識を持つことが非常に大切です。
メインにする技術や領域を考える
フリーランスエンジニアとして働く際に意外にも重要となってくるのが、どの技術や言語をメインに仕事をするかということです。エージェントを通して受けられる仕事をプログラミング言語別に分けると、非常に大きな差があることがわかります。例えば多くの企業はJavaやPHPを求めており仕事の件数も上位にありますが、これらはメジャーなプログラミング言語であるため使えるエンジニアも多く単価が低めに設定されています。
一方でSwiftやPythonは比較的新しい言語なため使えるエンジニアが少なく単価も高いのですが、その分仕事の件数がかなり少なくなっています。メジャーなところを狙い数をこなして収入を上げるのか、単価が高い案件を狙って着実に収入を得るのか、自身の働き方を見定めておくとよいでしょう。
案件需要や単価相場をチェックする
独立してから一番困ることが、仕事を得られないということです。仕事がなければ報酬がもらえず生活も成り立たなくなるため、自分の受けられる案件はあるのか、相場はどのくらいなのかをエージェントなどを通してしっかりと確認しておく必要があります。
年間の収支をシミュレーションする
独立後に非常に苦労するのが税金や仕事にかかる費用などを計上する作業です。特にフリーランスになって初めて訪れる確定申告のシーズンには様々な手続きに追われ、慌てふためく人も少なくありません。後々自分が困らないためにも会社をやめる前に独立後の収支をシミュレートし、エージェントを通して請け負える仕事でどのくらいの収入を得られるのか、そこからどのくらい税金を支払うのか、生活費はどのくらいかかるのか、万が一に備えどのくらい貯金をするべきなのかなど、ある程度余裕を持って準備しておくと良いでしょう。
エージェントと上手く付き合う
独立後の生活の要となるのが、エージェントの存在です。仕事を請け負う上で非常に大切なパートナーともなる存在のエージェント、フリーランスとして仕事をしていく上でエージェントとの関係はかなり重要となります。会員登録後の面談などを通してエージェント側とよりよい信頼関係を築くことができれば、良い案件ともめぐりあいやすくなり、独立後の生活も安定してくるでしょう。フリーランスエンジニアとして長く働いていくためには、良いエージェントと出会い上手く付き合っていくことが非常に大切です。
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