フリーランスで「仕事がない」を避ける、仕事の探し方と注意点
フリーランスを行う上で、一番辛いのが仕事がない時です。フリーランスの特性上、仕事がなかったり途切れたりすることは誰にでも起こり得ます。会社員と異なり毎月の給与が固定されているわけではないので、仕事がなければ収入は当然ゼロに近づき焦りを感じてしまいます。
今回の記事では、仕事がないフリーランスの特徴や対処方法、価格や単価交渉の注意点、仕事に困らないための方法などを解説します。
目次
フリーランスが仕事がない状況に陥ってしまう原因
フリーランスが個人で仕事を受注するステップは、見込み案件を発掘して、交渉し、受注するという3つのフェーズに分かれます。そもそも見込み案件に触れる機会が少ないのであれば、営業活動やスキルに問題があるといえますし、案件の紹介や引き合いは頻繁にあるが受注に結び付かないということであれば、価格設定や提案力に課題がありそうです。
とはいえ、フリーランスとして独立した当初でツテも実績も少ないという場合に仕事が途切れてしまうことも多いでしょう。また、フリーエンジニアとして常駐で働く場合など契約する顧客数が少ない場合は、一つの契約が終了してしまうと次の案件を探す必要がでてきます。短期的に仕事を得るためには、エージェントを積極的に利用すべきでしょう。保有するスキルレベルに応じた案件の紹介が受けられます。また、長期的な視点でみると指名で依頼が入るようにするためのブランディングや営業活動も重要です。
仕事がないフリーランスの特徴
ここでは仕事がないフリーランスに共通する特徴を紹介します。ただ仕事がないと焦り嘆くだけでは何も成長できません。なぜ仕事がないのかということを客観的に考えていくことが大切です。
仕事を選り好み過ぎている
案件の紹介や直接の連絡などで引き合いや提案の打診があったとしても、受注して仕事を請けない限りは収入に結び付きません。業務の受託や納品が収入に直結するフリーランスにおいて、仕事を選り好みし過ぎるとマイナスになってしまう場合があります。
仕事を自由に選択できることはフリーランスのメリットですし、収入をあげるためにも取捨選択は重要です。しかしながら、実績や能力によっては選り好みせず仕事を受けることも大切です。もちろん割に合わない仕事まで引き受ける必要はありませんが、条件が悪いからと次々と仕事を断っていては仕事自体がなくなってしまいます。
仕事の単価や職場の環境など、それぞれ譲れない部分もあるとは思いますが、条件のハードルが高すぎではありませんか?一度、仕事を引き受ける際の条件を見直してみましょう。
営業活動をしていない
クライアントから連絡がきて仕事が次々決まっていくような場合は、営業活動に注目する必要はありません。一方で、ほとんどのフリーランスにおいて、仕事を獲得するためのあらゆる活動は収入確保の生命線です。案件の引き合いに対して提案を行ったり、作業工数を見積もるだけが営業ではありません。見込み顧客を発掘するためのウェブサイトの準備やブログ、SNSなどへの投稿、交流会への参加なども営業活動といえます。
営業活動では仕事の種になりそうな案件を発掘するだけでなく、顧客の課題を汲み取り、自身の有用性をアピールする必要があります。そのため、フリーランスで営業力にかけているのは、致命的とも言えます。最終的に案件を受注するためには自分で自分を売り込み、スキルや能力のアピールなどを行う必要があります。
フリーランスは、営業活動の上で仕事を得ることができるため、営業に真剣に取り組んでいない人は仕事が減る、もしくは無くなっていきますので注意しましょう。営業努力を怠っていないか自分を振り返ってみてください。
ただし、WebデザイナーやITエンジニア、ライターなど専門技能やスキルを売りにしていて営業が得意でないフリーランスもいるでしょう。そのような場合には、クラウドソーシングやエージェントなどフリーランス案件の紹介がうけられるプラットフォームを活用することで、営業部分を外部に委託することも可能です。
スキル不足
フリーランスとして独立するに足るスキル水準に達していない場合に、そもそも仕事が受けられない、見つけられないという場合もあります。フリーランスとして仕事を受ける際に、独立前の実績や経歴が重要です。クライアントの立場に立った場合に、実績のない素人に仕事を依頼することはかなり勇気がいるでしょう。例え仕事の依頼が来たとしても自分のスキルで対応できない仕事内容だった場合に、フリーランスの立場としてもその仕事を受けることに躊躇するでしょう。
クライアントからの依頼を断っていると仕事が入ってこなくなりますし、スキル不足だとエージェントも利用できません。さらに、実績がないため仕事を受けられないという悪循環に陥ってしまいます。そのため、未経験やスキル不足からフリーランスになる場合は、実績を積むために格安で仕事をこなすか、一定期間は正社員として実務経験を積んでから独立することをおすすめします。
ITエンジニアやWeb系のフリーランスの場合は、技術の移り変わりが激しいためフリーランスとして働きながらもスキルアップは意識すべき項目です。身につけたいスキルや技術を意識して仕事を獲得することや、業務外で最新動向をキャッチアップするなどの勉強に時間をあてる必要もあるでしょう。
フリーランスは、新しいクライアントを発掘するためにも、常にスキルアップを心がける必要があります。向上心のないフリーランスは、いずれスキル不足になり仕事がなくなる可能性があります。
仕事がないフリーランスにならないために
それでは、仕事がないフリーランスにならないためには、どのような対策を練れば良いのでしょうか?まず仕事がない時間にもできることが数多くあります。フリーランスにとって仕事がない時間は重要であり、その時間をどのように活用できるかが大きなポイントになります。
仕事が忙しい時には新しいスキルを身につけるための学習時間などを確保できないため、仕事がない時間はスキルアップや営業のための準備時間と考え無駄にしないようにしましょう。
経験・実績を積む
フリーランスにとって経験の多さや実績は大きな武器となります。これはお金で買えるものではないので、地道な努力が必要です。経験や実績を積むことによって、仕事の単価アップにもつなげることができます。専門的なスキルや知識は常に身につけたり、取り入れたりするように努力しましょう。経験を積むことで作業の効率があがり、時間のロスも少なくなっていきますし時間の管理なども上達していきます。そうすることで次の仕事への足がかりを作ることができるので、コツコツと経験と実績を積み上げていきましょう。
ポートフォリオを作る
営業を行う際に必要なツールが、自分の作品や仕事の実績などをまとめたポートフォリオです。特にデザイナーなど実際の納品物がある職種のフリーランスで重要になります。クライアントは依頼前にポートフォリオを確認して、そのフリーランスがどのようなスキルや能力を持っているか、どのような成果が期待できるかを把握します。また、エージェントに登録して案件の紹介を受ける際は、職務経歴書やスキルシートを充実させる必要があります。
ポートフォリオが充実していないと十分な営業効果を得ることは難しいため、しっかりとした作り込みが必要になります。作成に時間がかかるため、仕事がない時間を有効活用するのがオススメです。
ブログやSNSで得意領域に関する情報を発信する
フリーランスにとってホームページやブログ、SNSは自分の得意領域に関する情報を発信できる貴重なツールになります。内容を充実させることで、自身で営業活動をおこなわなくとも新規の問い合わせや引き合いを獲得できるようになります。その際に、プロフィールページをしっかりと作り込むことも大切な営業努力です。自分がどのような人材で、どのような実績を持っているかを知ってもらうことで、安心と信頼を得ることが期待できます。
クライアントもどのような人物かわからない人には仕事を任せる気にはなりません。これらのツールを十分に使いこなすことで、仕事を依頼できる人を探すクライアントの目にとまりやすくなります。
勉強会や交流会に参加して人脈を作る
フリーランスの仕事も、人と人の繋がりがカギとなります。仕事がない時にも、頼りになるのは人脈です。昔の知り合いや、知り合いからのツテなど、人脈が広ければ広いほど、様々な仕事のチャンスを広げていくことができます。また、自分の得意領域に関連する人との結びつきは勉強会や交流会に参加することで作り出すことができます。自身で勉強会を主催したり、講師として講演実績があればその分野の第一人者として仕事を獲得しやすくなるでしょう。直接仕事に繋がらなくても、セミナーなどで他のフリーランスの方の話を聞くだけでも良い刺激を受けることができるのでオススメです。
フリーランスで仕事がないときはどうしたら良い?仕事の探し方
仕事がない時、スキルアップのために時間を使うのも一つの方法ですが、そればかりでは収入を得ることができません。積極的に仕事を得るためには、どのような方法があるのでしょうか?主な方法としてはクラウドソーシング・フリーランス専門のエージェント・副業やアルバイト・知人を頼るなどがあります。
クラウドソーシングで仕事を見つける
クラウドソーシングは、注目を集めている仕事のマッチングサイトです。インターネット上で企業が不特定多数の人々に業務のアウトソーシングを行うシステムのことを指します。クラウドソーシングの特徴は、会社と会社で行っていた仕事の受発注を、会社と個人の間で行うという点です。ライティングやデザイン、翻訳など様々な形態の仕事があり、手軽に仕事を受注することができるのが魅力です。ただし、仕事の単価はやや低い傾向にあります。その中でも専門的なスキルが必要になる場合には単価の高い仕事もありますので、利用次第では高収入につなげることができます。
クラウドソーシングでは、在宅やリモートで活動できる案件の求人募集も多いためフリーランスのような個人事業主のほか、別の仕事を持ちながら副業で取り組む会社員も多く利用しています。
フリーランスエージェントに登録する
フリーランス専門のエージェントとは、フリーランスのための案件の紹介と契約の締結までをサポートしてくれるサービスです。ITエンジニアのフリーランス案件を中心に紹介するエージェントが多いですが、最近ではマーケティングや営業、人事、経理などのフリーランスに対応したエージェントもあります。
エージェント経由で仕事を獲得すると契約のための書類や請求書などの作成も代行して行ってくれるので便利です。商談のアドバイスや練習を行ってくれるエージェントもあります。クラウドソーシングとは違い、フリーランス専門のためフリーランスに特化した案件を紹介してくれるのが大きなメリットです。
エージェントに登録しておくことで自力では開拓できないクライアントからの仕事を受けることができたり、忙しくて営業と仕事を両立できない時に活用したりできてオススメです。
副業やアルバイトで生活資金を稼ぐ
生活費のためには、とにかく働かなくてはいけません。生活費が厳しいと心の余裕もなくなり、心身ともに良い状態を保つことが難しくなります。仕事がなく収入がない状態から抜け出し生活を安定させるためには、一時的に副業やアルバイトを行うことも一つの手段です。生活費を得るためと割り切ってアルバイトを行い、それ以外の時間で営業活動を行ったりスキルアップを行いましょう。
過去の取引先や知人に声をかける
仕事は思いがけないことから舞い込んでくることがあります。仕事がない時には過去の取引先や知人に声をかけてみてください。すぐに仕事の依頼が入ってくることは少ないかもしれませんが、声をかけた人から話が伝わり仕事につながる可能性はゼロではありません。また声をかけることで仕事につながるような情報を得ることができることもあります。仕事の依頼を受けるためには人脈を大切にし、常にアンテナを張っているようにするのがベストです。
仕事がないときに仕事を取る際の注意点
仕事がない時には収入がなくなり生活に打撃を受けてしまうので、精神的にも追い詰められてしまいます。そのため、割に合わない仕事を受けたり、日程的に無理がある仕事を受けてしまったりしがちです。特に仕事の単価を下げてしまうことがありますが、単価を下げると様々なデメリットも生じるので気をつけてください。
単価を下げることのメリットとデメリットを理解する
仕事を受ける際に、単価を下げなくてはならないケースも多々あります。ただし、単価を下げることにはメリットとデメリットが存在するので、それらを正しく理解しておく必要があります。単価を下げるメリットは、仕事の依頼が増える可能性があるという点です。クライアントからすれば単価が安い方が助かるので、単価を下げることで仕事が増えることがあります。デメリットとしては、単価を下げてしまうと仕事の相場が下がってしまう可能性があります。次も同じ単価で仕事を受けなければならなくなり、安い単価のまま仕事を受け続けることになりかねません。一度下げてしまった単価は上げることは困難なので、単価を下げる際にはよく考えることが重要です。
単価を下げてもいい仕事とそうでない仕事を見極める
単価を下げる際には、単価を下げてもいい仕事とそうでない仕事を見極めましょう。単価を下げても問題がないと考えられるパターンは、将来のスキルアップや実績作りにつながる案件、仕事がないときに請ける今回限りの案件や単発の仕事の場合などです。特に自身がこれから挑戦したい分野の仕事は実績になるので、引き受けてこなす方がプラスになることも多いでしょう。そのため実績になるような仕事の場合には、単価を下げることを検討する価値はあります。
予算交渉をしっかりと行う
クライアントから仕事を受ける立場だと考えると、フリーランスはクライアントよりも弱い立場であると認識している人が多くいます。そういった認識で予算交渉を行うと、クライアントが常に有利な交渉になってしまうので注意が必要です。クライアントがしっかりとした相場を把握していないことも多いため、そのような場合の交渉の場ではきちんと正規の報酬額を提示することが大切です。
仕事に困らないフリーランスになるために
フリーランスで仕事が次々に入ることが理想ですが、ただ忙しいだけではなく仕事の質も高めていくことを目指しましょう。自分のスキルや能力、営業力などを向上させていくことで、次のステップアップにつながり仕事に困らないフリーランスになることができます。
将来的な需要を意識してスキルアップに取り組む
今現在の仕事も大切ですが、同様に将来的な展望をもつことも大切です。現在問題なく仕事をしていたとしても、意識的にスキルアップに取り組まなければ、新しい時代の流れに乗り遅れてしまいます。仕事が忙しい時にはスキルアップのための時間を作り出すことは難しいですが、将来のためにも少しずつでも能力を高めていく努力をしましょう。
プロフィールやポートフォリオを充実させる
営業ツールであるプロフィールやポートフォリオを、どれだけ充実させることができるかで仕事が決まると言っても過言ではありません。プロフィールでは、自分がどのような人物か実績や経験はどのようなものを伝えることができます。ポートフォリオは作品集のようなものなので、自分の手がけたものを見てもらうことで、具体的な能力を判断してもらうことができます。しっかりと自分を売り込めるようなプロフィールやポートフォリオを作成しましょう。
人との繋がりを大切にする
人との繋がりを大切にできない人は、信頼を得ることができません。仕事の依頼も信頼関係の上で成り立つものです。積極的に人脈を広げていくことで多くの出会いを得ることができ、自分の見聞も深めていくことができます。人づてに有力な情報を耳にしたり、貴重なアドバイスをもらうこともできるため、交流会などでつながりを作ることは大切です。困った時に頼れる人がいると仕事を続けていく上でも安心です。
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