データエンジニアの副業事情とは?必要なスキルや経験から高単価案件の獲得方法まで詳しく解説
- データエンジニアとして副業を始めたいが稼げるのだろうか
- データエンジニアにおける副業の仕事内容や案件の獲得方法を知りたい
- データエンジニアの副業を始めるうえで身につけたいスキルにはどういったものがあるのか
データエンジニアの副業を検討しているものの、仕事内容や収入などイメージを掴みきれていない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、データエンジニアの副業について徹底解説。そもそもデータエンジニアの副業にはどういった業務があるのか、単価や平均年収はどうか、どのように案件を獲得するのかなど詳しく解説します。
目次
データエンジニアの副業の市場動向や年収相場
そもそも、データエンジニアの副業には需要があるのでしょうか。市場動向や年収相場について詳しく解説します。
DXの推進により需要が高い
DX推進の流れによって、データエンジニアの副業需要は高まっています。DXとは「デジタルトランスフォーメーション」を指し、データやAIなどデジタル技術を活用して業務プロセスを改善することです。インターネットやITテクノロジーの発展をはじめ、人口減少などによって従業員一人あたりの生産性向上を目指す企業が増加。生産性向上のための有効な策としてDXが推進され、それにともないデータエンジニアの副業需要が増えています。
データエンジニアの年収相場
データエンジニアの平均年収は660万円程度といわれており、全職種の平均と比べると高水準といえます。データエンジニアは、データの解析をはじめシステムの構築、運用までさまざまな業務を行います。加えてインフラやクラウドサービスへの知見も必要です。幅広い知識やスキルが求められる分、年収の高い職業といえます。
データエンジニアの単価相場
データエンジニアの単価相場は、760,000円程度です。案件内容によりますが、下限でも300,000円程度が相場といえます。ただし、これらはデータエンジニアリングに関する一定以上の知識やスキルがある場合の相場です。データについての知識がない、プログラミング経験がないといった未経験の場合は、そもそも案件を獲得できなかったり、獲得できても小規模で低単価の案件がほとんどといえます。
データエンジニアの主な業務内容
データエンジニアには多くの業務があります。なかでも代表的な業務は次のとおりです。
- データの収集や調整、管理
- データを収集、管理するための基盤の構築
- ETL(抽出・変換・ロード)プロセスの開発
- AIや機械学習を用いた教師データの作成
データを収集、調整する業務をはじめ基盤システムの構築、AIや機械学習を用いた教師データの作成までさまざまです。業務によって要する時間や労力も異なります。データエンジニア自身のスキルや対応範囲によっても単価は大きく変動します。
データエンジニアの副業案件の獲得方法
データエンジニアの副業案件を獲得する具体的な方法として次のものがあげられます。
- エージェントサービスの活用
- クラウドソーシングサービスの活用
- SNSを活用
エージェントサービスの活用
エージェントサービスとは、案件を探している副業人材やフリーランスに対して、本人のスキルや希望条件をもとに、キャリアアドバイザーが企業や仕事をマッチングしてくれるサービスです。IT系のエージェントに登録すれば、データエンジニアの開発に関する案件も豊富に掲載されています。たとえば、「週3日程度の稼働を考えている」「完全リモートを希望」など希望を伝えることで、それに沿ってキャリアアドバイザーが副業案件を探してくれます。
クラウドソーシングサービスの活用
クラウドソーシングサービスとは、フリーランスや副業人材が簡単に仕事を探せるプラットフォームです。「ランサーズ」や「クラウドワークス」といったサービスがあり、数ヶ月かかる大型のプロジェクトから数日程度で完了できる小型の案件まで掲載案件は多岐にわたります。プラットフォーム内で「データ分析」「データ解析」などと入力すれば、データエンジニア関連の案件も容易に見つかります。
NSを活用
データエンジニアの案件獲得の方法としてSNSの活用もおすすめです。親しみのあるSNSとしてはX(旧Twitter)が効果的。ビジネス系SNSでは、Wantedly(ウォンテッドリー)やLinkedIn(リンクトイン)がおすすめといえます。Wantedlyでは、プラットフォーム上で企業の採用担当者にアプローチが可能です。LinkedInでは、プラットフォーム上でデータエンジニアリングに関する情報を収集するといった活用が可能です。なかでもWantedlyは求職者と企業をマッチングができ、マッチング後は気軽に担当者とコミュニケーションを取れます。
データエンジニアの副業案件獲得におすすめのエージェントサービス
続いて、データエンジニアの副業案件を獲得するためのおすすめのエージェントサービスをご紹介します。
- ITプロパートナーズ
- レバテックフリーランス
- BIG DATA NAVI
ITプロパートナーズ
引用元:『ITプロパートナーズ』
ITプロパートナーズは、案件数3,000件以上を誇るエージェントサービスです。データエンジニア案件をはじめIT関連の多種多様な案件が公開されています。なかでも週2~3日稼働の案件が多く、リモートやフレックスタイムが可能な案件も豊富です。平日夜や土日の稼働がメインとなる副業のデータエンジニアにおすすめといえます。
同サービスは企業と副業人材のあいだに仲介会社を挟まないことで手数料が発生しないため、比較的高い報酬を受け取れます。スタートアップやベンチャーなど勢いのある企業の案件も多いため、データエンジニアとして腕試ししたい方にもおすすめです。
レバテックフリーランス
引用元:『レバテックフリーランス』
レバテックフリーランスは、データエンジニアを含む「ITエンジニア」向けの案件を多数掲載したエージェントサービスです。「案件数の多さ」「条件の幅広さ」「単価上昇率の高さ」を強みとしており、公開案件はもちろん公開されていない高単価案件までさまざまです。
実際に同エージェントを利用した人の約2人に1人が参画後も単価がアップしたというリサーチ結果もあります。リモートでの参画率が90%を越えており、平均年収も881万円と高いです。データエンジニアリングを含む161のスキルやプログラミング言語から案件を選べます。
市場分析ダッシュボードや稼働状況の確認ウィジェット、気になる案件のお気に入り登録など機能が充実しているなど、シンプルで使いやすいインターフェースが魅力です。
BIGDATA NAVI
引用元:『BIGDATA NAVI』
BIGDATA NAVIは、「AI」や「データ分析」といった分野に強いエージェントサービスです。データエンジニア案件も多数公開されており、職種からプログラミング言語、環境・ツールごとに案件を探せます。
SUNTORYやNTTデータ、HONDAなど大手企業も参画しており、機械学習からディープラーニング、AWS、自然言語処理など多くのカテゴリーから案件を抽出可能です。データエンジニアに関するカテゴリーも多数用意されているので、ご自身に合った案件も見つけやすいでしょう。
データエンジニアの副業に求められるスキルや知識
データエンジニアの副業にはどういったスキルが求められるのでしょうか。とくに身につけておきたいスキルは次の6つです。
- プログラミングのスキル
- データベースに関するスキル
- インフラやクラウドサービスに関する知識
- 分散処理に関する知識
- フレームワークに関するスキル
- データ分析の知識
プログラミングのスキル
データエンジニアとして稼ぐためには、プログラミングのスキルが必須です。とくに押さえておきたい言語は「Python」「Java」「Scala」の3つ。いずれもメジャーなプログラミング言語で、インターネットや本などの教材も豊富なので学びやすいといえます。データエンジニアは、日常的にデータの分析やクレンジングを行うため、高度かつ網羅的なプログラミングスキルが必要です。
データベースに関するスキル
データエンジニアは日常的に膨大なデータを扱うため、データベースに関するスキルも必要不可欠といえます。とくに押さえておきたいのは「RDB(リレーションナルデータベース)」の知識です。RDBとは、データを複数の表にし、複雑なデータを関連付けて管理するデータベースの管理手法を指します。ほかにもSnowflakeやBigQuery、Redshiftといったデータウェアハウス技術、SparkやHadoop、Kafkaといったビッグデータ技術なども必要です。
インフラやクラウドサービスに関する知識
データエンジニアの作業のほとんどはクラウド上で行われるため、クラウドサービスに関する知識が必要といえます。具体的には、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platformなどです。これらのプラットフォームを使って基盤を構築するための知識やスキルが求められます。また、サーバーをはじめとしたインフラ環境への理解も必要です。
分散処理に関する知識
データエンジニアは日々膨大なデータを扱うため、分散処理に関する知識も押さえておく必要があります。分散処理とは、複数のコンピューターやサーバーを連携させることで処理速度を高めたり、サーバーへの負荷を軽減させたりする方法です。分散処理は、「Spark」や「Hadoop」といったフレームワークを使って習得するのがおすすめです。
フレームワークに関するスキル
大規模のデータを処理するためには、フレームワークに関するスキルを身につける必要があります。たとえば、ビッグデータの分散処理に活用できる「Hadoop」や、高速データ処理を実現できる「Spark」、ほか「Flink」「Beam」などです。フレームワークを扱えれば、スピーディーにデータの解析や管理ができるようになります。
データ分析の知識
お伝えしたデータベースやデータウェアハウスの知識、フレームワーク、分散処理など、これらは総じてデータ分析のスキル向上につながります。データを適切に収集し、加工、統合するためにも、各スキルを着実に積み上げることが大切です。
データエンジニアの高単価副業案件を獲得するコツ
次に、データエンジニアとして高単価の副業案件を獲得するコツをご紹介します。
- 最新技術や専門性の高い技術スキルの習得
- 業界を熟知したエキスパートになる
- 実績とポートフォリオを充実させてアピールする
最新技術や専門性の高い技術スキルの習得
誰でもできるスキルだけ保有していても、単価はなかなか上がらないでしょう。高単価案件を獲得するためには、データに関する最新技術や専門性の高いスキルの習得が不可欠です。
たとえば、機械学習のワークフローやデプロイを自動化させるスキルや、ブロックチェーン技術を用いたデータ管理スキルなどがあげられます。Neo4j、AmazonNeptuneなどを用いた「グラフデータ」の技術や、複数のソースからデータを収集・分析し、データを一連のプロセスとして提示する「データパイプライン」のスキルなどもあります。
業界を熟知したエキスパートになる
ひと口に「データエンジニアの副業」といっても、どのくらいの規模、どのような業種の企業から仕事を請けるのかで内容は大きく変わります。データエンジニアとしての汎用的なスキルも必要ですが、業界を熟知したエキスパートになっていると、高単価案件を獲得しやすいです。
たとえば、「金融機関のリスク分析に強いデータエンジニア」や「小売業のリアルタイム在庫管理システムに強いデータエンジニア」など。特定の業界かつ特定のスキルに強いデータエンジニアになることで、周りとの差別化を図れます。結果、高単価案件の獲得につながります。
実績とポートフォリオを充実させてアピールする
高単価案件を獲得するためには、実績やポートフォリオを活用した営業活動を行う必要があります。たとえば、過去に成功させたプロジェクトの成果を1ページにまとめて提示する、ブログやSNSでデータ分析について発信するといった方法があげられます。知識やスキルが豊富でも、それを企業に知ってもらわなければ案件の獲得につながりません。実績やポートフォリオによって自身の技術やスキルを証明することで、企業からの信頼を得やすくなり、高単価案件の獲得につながります。
データエンジニアが副業をする際に役立つ資格
続いて、データエンジニアが副業をする際に役立つ資格をご紹介します。「クラウド関連」ビッグデータ関連」「データベース関連」の3つの観点からおすすめの資格をお伝えします。
クラウド関連の資格
データエンジニアの副業に役立つ「クラウド関連」の資格は次のとおりです。
資格名 | 概要 |
---|---|
Google Cloud Professional Data Engineer | Google Cloudのデータ関連サービスの設計や運用、セキュリティなどに関するスキルを証明する資格。 |
Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate | Microsoft Azureに関する専門知識をゆうしていることを証明する資格 |
Snowflake Certified Data Engineer | データウェアハウス「Snowflake」んの知識やスキルを有していることを証明する資格 |
ビッグデータ関連の資格
データエンジニアの副業に役立つ「ビッグデータ関連」の資格は次のとおりです。
資格名 | 概要 |
---|---|
Cloudera Certified Professional (CCP) Data Engineer | クラウド上でのデータ分析を進めるために開発されたハイブリッドデータプラットフォーム「Cloudera」のスキルを証明する資格試験 |
Databricks Certified Associate Developer for Apache Spark | データの収集や蓄積、機械学習モデル開発などを行える統合プラットフォーム「Databricks」のスキルを証明する資格試験 |
IBM Certified Data Engineer – Big Data | データサイエンスの基本的な内容から高度なスキルまでを学べる資格試験 |
データベース関連の資格
データエンジニアの副業に役立つ「データベース関連」の資格は次のとおりです。
資格名 | 概要 |
---|---|
Oracle Certified Professional, MySQL Database Administrator | オープンソースのデータベース「MySQL」の知識やスキルを有していることを証明する資格試験 |
Microsoft Certified: Azure Database Administrator Associate | データベース管理者向けの中級資格 |
データエンジニアが副業をするメリット
データエンジニアが副業をするメリットとして次のものがあげられます。
- 収入アップが期待できる
- スキルの向上につながる
- 人脈の拡大につながる
- 最新技術に触れることが出来る
収入アップが期待できる
当然ながら、本業とは別に副業としてデータエンジニアの案件を進めれば、収入アップが期待できます。未経験からいきなり案件を獲得するのは難しいですが、一定の知識やスキルを身につけて営業をすれば、数十万円の案件を獲得可能です。これまで通り本業をしながら副業にもコミットできれば、大幅な収入アップが期待できるでしょう。
スキルの向上につながる
データエンジニアとして稼ぐためには、データ分析に関するさまざまな知見が必要です。「1本300,000円の案件を獲得する」「とにかく1本データエンジニア関連の案件を納品する」など目標に向かって努力すれば、おのずとスキルが向上します。スキルが身につけば対応可能な範囲が増え、さらなるモチベーションアップにつながるでしょう。
人脈の拡大につながる
副業としてデータエンジニア案件を進めることで、本業とは異なる人脈を構築できます。SNSを使ってデータ分析の情報発信をすれば、自分と似たエンジニアが集まってくるでしょう。案件を通して、プロジェクトメンバーとの交流が生まれることもあります。人脈が増えれば新たなアイデアが生まれやすくなり、人生がより豊かになるでしょう。
最新技術に触れることが出来る
データエンジニアの業界は「ビッグデータ」や「AI」などの領域に深く踏み込みます。これらの領域は最近のトレンドであり、時代の中心でもあります。毎週のように最新技術がアップデートされ、めまぐるしく業界が成長するため、自身も成長スピードも加速させられるでしょう。
データエンジニアが副業をするときの注意点
データエンジニアが副業をする際の注意点として次のものがあげられます。
- 就業規則を確認する
- 平日夜や土日の稼働は可能か確認する
- 必要に応じて確定申告を行う
就業規則を確認する
データエンジニアを含めて、本業とは別に仕事をする際は、現在就労している企業の「就業規則」を確認しましょう。「副業禁止」としている企業も少なくありません。副業が禁止されている企業で副業を始めると規則違反となり、ペナルティが課せられる場合もあります。企業と個人間のトラブルに発展しかねないため、まずは企業が副業OKなのかどうかチェックしましょう。
平日夜や土日の稼働は可能か確認する
副業としてデータエンジニア案件を進める場合、本業の都合上、平日夜または土日の稼働となることが多いかと思います。そのため副業を探す際には、平日夜や土日の作業になってもよいかクライアント側にも確認しましょう。
必要に応じて確定申告を行う
データエンジニア案件を含めて副業を行う際は、確定申告が必要となる場合があります。具体的には「年間所得が20万円以上」のケースです。副業案件の所得が年間20万円を上回った場合は、税務署へ確定申告を行い、自ら納税する必要があります。
まとめ
本記事では、データエンジニアの副業について、次のポイントを中心にお伝えしました。
- DX推進の流れによってデータエンジニアの副業需要は高まっている
- データエンジニアの平均年収は660万円程度で、ほかの業種と比べても高い傾向にある
- データエンジニアの主な仕事はデータの収集や調整、管理、AIや機械学習を用いたデータ作成などがあげられる
- 案件獲得の方法としてエージェントやクラウドソーシング、SNSの活用などがある
データエンジニアの副業需要は高く、今後も増えることが予想されます。しかしながら、本業と同程度あるいはそれ以上稼ぐためには一定以上の知識やスキルが必要です。プログラミングからデータベース、分散処理、フレームワークなどのスキルを身につけ、企業から求められる副業人材を目指しましょう。
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