副業フリーランスでの稼ぎ方は?メリットや注意点、始め方を解説
「会社員で昇給が見込めないため副収入を得たい…」「本業と副業を掛け持ちする際の注意点を知りたい…」と副業フリーランスに興味をお持ちではありませんか? そのような方向けに、今回は副業フリーランスでの稼ぎ方をご紹介します。この記事では、副業フリーランスになるメリットや注意点、始め方までご紹介しているため、副業を始めるかどうかを判断する際にお役立てください。
目次
副業フリーランスとは
副業フリーランスとは会社に勤務しながら、本業の傍らでフリーランス(個人事業主)として活動している人を指します。副業の仕事は自分のスキルや経験を活かせるもの、興味・関心があるものなど自由に選択することができます。
・副業フリーランスの代表的な仕事IT系 | システムエンジニア データサイエンス ITコンサルタントなど |
クリエイティブ系 | Webサイトデザイン グラフィックデザイン 動画制作など |
ライティング系 | コンテンツ制作 文章校正 翻訳など |
コンサルティング系 | ビジネスコンサルタント キャリアコンサルタントなど |
その他 | ハンドメイド商品の販売 語学講師 家事代行など |
副業とフリーランスの違い
副業 | フリーランス | |
---|---|---|
働き方 | 本業の傍ら | 本業 |
自由度 | 低い | 高い |
収入面の安定性 | 高い | 低い |
副業とフリーランスは「働き方」「自由度」「安定性」が違います。
副業は、会社に務めながら本業の傍らに個人事業主として活動することをいいます。平日の夜や休日に活動しなければならないため、働き方の自由度は低いです。しかし、会社員の収入と副収入が得られるため収入面で安定しています。
一方で、フリーランスは個人事業主として独立して活動することをいいます。働く時間や場所、内容を選択できるため、働き方の自由度が高いです。しかし、フリーランスで仕事を獲得するのは想像以上に難しく、状況次第で毎月の収入が変動するため収入面で安定しません。そのため、フリーランスで生活するためには自己研鑽する必要があります。 このように、副業とフリーランスは3つの違いがあるため、理想のライフスタイルに合った働き方を選ぶようにしましょう。
副業フリーランスの働き方
副業フリーランスは、会社に務めながら個人事業主として活動します。そのため、平日の夜または土日に稼働することが多いです。人により働き方は異なりますが、ランサーズ株式会社の独自調査レポートでは、副業フリーランスの50%が稼働時間は10時間以下と回答しています。
Q.副業で月何時間程度働いていますか?- 2.3時間:37.3%
- 2.3時間以上10時間以下:20.3%
- 11時間以上20時間以下:16.9%
- 21時間以上50時間以下:16.9%
- 51時間以上100時間以下:6.8%
- 101時間以上:1.7%
引用:ランサーズ株式会社 「働き方調査2023~副業の実態・オンライン化による課題や対策~」
副業フリーランスが増えている背景
副業フリーランスで活動している人は増加傾向です。
総務省「令和4年度就業構造基本調査」では、2022年の副業フリーランス人数は305万人(5年前に比べ60万人増加している記載されています。
引用:総務省「令和4年就業構造基本調査」
この調査結果から副業フリーランスが増えていることがわかりますが、2つの背景が影響しています。
副業フリーランスを希望する会社員が増えた
1つ目が、副業フリーランスを希望する会社員が増えたことです。会社員が副業フリーランスを希望する理由は人それぞれ異なりますが、パーソルキャリア株式会社の調査レポート『2023年 副業・兼業の実態調査』には、副業・兼業を始めたきっかけが記載されています。
Q.副業・兼業をはじめたきっかけ- テレワークで始めやすくなったから 43.4%
- 法改正で副業が認められはじめたから 36.8%
- 老後のための資金が心配になったから 39.5%
- 本業の収入だけでは生活が厳しいから 25.0%
引用:Job総研(パーソルキャリア株式会社)『2023年 副業・兼業の実態調査』
調査レポートからわかるように、老後のための資金、物価高騰の補填など副収入を得るために副業をする方が大半です。しかし、スキル磨きや人脈を広げるなどの目的で副業する方もいます。つまり、さまざまな理由で副業を始める人などが増えて副業フリーランスが増加しました。
副業OKの企業が増えている
2つ目が副業することを認めている企業が増えてきていることです。独立行政法人労働政策研究・研修機構が1,509社を対象に実施した副業・兼業に関するアンケート調査では以下のような結果が出ています。
自社の社員が社外で副業・兼業することを「認めている」企業は、約半数の53.1%。「認める予定」(17.5%)の企業も加えると、70.5%にのぼる。
引用:『独立行政法人労働政策研究・研修機構 副業・兼業に関するアンケート調査結果』
つまり、半数の企業で副業解禁されており、副業解禁する予定の企業もいる状況です。このように、さまざまな企業で副業が認められるようになったため、副業フリーランスが増えています。
フリーランスとして副業に取り組む5つのメリット
副業フリーランスに取り組むと5つのメリットが得られます。
収入を増やせる
副業フリーランスで活動すると、給与以外の副収入が得られて収入を増やせます。 会社で昇進・昇給することもありますが、1万円と少額であることが大半です。
つまり、会社の昇進・昇給で大幅な収入アップは見込みにくいです。一方で副業であれば、仕事した分だけ報酬につなげられます。例えば、システムエンジニアで週1回副業すれば10万円程度は稼げて、120万円の年収アップが見込めることもあります。このように、効率的に収入アップさせられることが副業のメリットです。
スキルや知識が増える
副業フリーランスで活動すれば、自分の興味・関心のある分野のスキルを磨くことができます。本業でもスキルアップすることは可能ですが、業務範囲が定められており、それ以外の経験ができないケースが多いです。
一方で、副業であれば極めたい分野を突き詰めることができます。例えば、テストエンジニアとして勤務している方が、システム開発案件に応募すればプログラミングを習得することが可能です。このように、自己成長を促せます。
時間の有効活用できる
副業の中には、データ入力やアンケート回答、内職などスキマ時間に取り組める案件もあります。
スキマ時間にできる仕事は、クラウドソーシングサイトや求人誌などに掲載されているケースが多いです。単価は安い傾向にありますが、気軽に取り組める仕事を選べば、本業に支障をもたらすことなく気軽に副収入を得られます。 そのため、終業時間や休日を持て余してダラダラ過ごしている方に副業はおすすめです。
独立・起業の足掛かりになる
副業は独立・起業するときに大きな助けとなります。
独立・起業する場合は「営業活動」「記帳業務」など全て行わなければなりませんが、副業を通して学んでおけば苦労せずに済むでしょう。 また独立・起業で失敗を恐れる人は多いですが、本業を持ちながら副業から始めることで、リスクを最小限に抑えられます。リスクを抑えつつ、取引先と良好な関係を築けば独立の基盤を整えられます。
所得税の節税対策ができる
業フリーランスであれば、仕事に必要なものを経費計上できるようになります。
例えば「パソコンやプリンタの購入費用」「事務用品」などを経費に計上することが可能です。仕事で利用したもの以外は経費計上できませんが、パソコンや事務用品を経費で購入できるなどの節税効果が見込めるようになります。経費計上できるものを下記にまとめたので参考にしてみてください。
経費計上できるもの
水道光熱費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、接待交際費、消耗品費、外注工賃、地代家賃、雑費など
本業に良い影響を与えられる
副業は本業に良い影響を与えてくれることがあります。パーソルキャリア株式会社が管理職200名を対象にメンバーの副業は本業に良い影響を与えているかを調査したところ、次のような結果が発表されました。
副業を行っているメンバーを抱える管理職に、「メンバーの副業が本業に与えている影響」を聞いたところ、66.5%が「良い影響を与えている」と回答。
多くの管理職は副業が本業へ良い効果をもたらすと感じていることが伺えます。同じく管理職に、「本業への良い影響の具体例」を聞いたところ、「スキルが上がった(58.6%)」「生産性が上がった(49.6%)」「モチベーションが上がった(48.9%)」が上位に挙がりました。
引用:パーソルキャリア株式会社「「企業の副業人材の実態と副業実施者の本業への影響」について調査」
調査結果からわかる通り、副業を行えば本業に良い影響を与えられます。
副業フリーランスとして働く際の7つの注意点
副業フリーランスとして働けば本業にも良い影響を与えられますが、7つの注意点があります。
会社の就業規則を確認する
まずは、会社が副業を許可しているのか終業規則を確認しましょう。就業規則の最終章もしくは服務規律」「禁止事項」「遵守事項」に副業に関する記載があります。会社に応じて「完全許可」「届出があれば可能」「禁止」とわかれますが、どれに該当するかを確認しましょう。
副業禁止であるにも関わらず、副業を行った場合は就業規則違反を理由に懲戒処分を受けることもあります。このようなトラブルを避けるためにも、就業規則を守りながら副業しましょう。
契約内容を確認する
副業フリーランスで仕事を引き受ける場合は、必ず契約内容を確認するようにしましょう。なぜなら、フリーランスは契約トラブルに巻き込まれることが多いためです。
例えば、指定日に成果物を納品したにも関わらず、検収されずに報酬の支払いが遅延するなどのトラブルが起きます。また、発注側と受注側で認識の相違があり、業務範囲や納期に関するトラブルが起きることもあります。このようなトラブルを避けるためにも、契約内容は必ず確認して気になる点は質問するようにしましょう。
友人や知人から仕事を受注する場合は口約束してしまいがちですが、契約トラブルを避けるためにも契約書を作成することをおすすめします。
納品物の品質を担保する
顧客と信頼関係を結ぶためには、納品物の品質を担保することが大切です。なぜなら、納品物の品質が悪い場合、顧客からの評価が下がり、継続して発注してもらえなくなるためです。 安定的に仕事を受注するためにも、成果物を納品する前に必ずチェックを行い、品質に問題ないかを入念に確かめましょう。
自己管理を行い本業に支障が出ないようにする
副業フリーランスとして活躍するためには、高い自己管理能力が求められます。仕事のスケジュールや進捗状況、顧客とのメッセージのやり取りなどを全て管理しなければなりません。業務に費やす時間、優先順位決めなどを間違えてしまうと、本業へ支障が出てしまうこともあります。そのため、自己管理を行い本業に支障が出ないように注意しましょう。
機密情報の扱いに注意する
副業フリーランスはクライアントから機密情報を受け取ることがありますが、情報漏洩しないように気をつけましょう。機密情報とは、企業が保有する情報で外部に公開する予定となっていない情報をいいます。顧客情報や新製品の情報、営業情報など重大な情報が該当します。
機密情報を漏洩させた場合は信頼を失うだけでなく、損害賠償を請求されてしまいかねません。そのため、クライアントから共有された機密情報の扱いには注意しましょう。
怪しい詐欺情報やサイトに注意する
副業フリーランスが増えたことにより、副業詐欺の情報サイトも増えました。以下のような副業詐欺の手口には注意しましょう。
ノウハウを教えると集客して、高額な講習料や教材費を請求する
副業案件を紹介すると集客して、高額な会員登録料を請求する
費用を支払った後に連絡が途絶えてしまう
詐欺被害に遭遇した人は多くいるため、怪しい詐欺サイトには注意してください。
20万円以上の所得の場合は確定申告を行う
副業フリーランスの年間所得が20万円以上の場合は、確定申告を行わなければなりません。所得とは売上から経費を差し引いた手元の金額です。
年間20万円以上の所得であるにも関わらず、確定申告を行わなければ、本来納める税金に加えて「無申告加算税」「延滞税」が課せられる恐れがあります。無申告は必ずバレてしまうため、期限内に確定申告するようにしましょう。
副業フリーランスの始める準備
副業フリーランスとして活躍したい方は入念に準備をしておきましょう。ここでは、副業フリーランスの始める前に行いたい準備をご紹介します。
副業を始める目的を明確にする
副業を始める目的を明確にしておくと、高いモチベーションを維持できるようになります。そのため、「本業の給与と副収入で収入アップしたい」「独立・起業の足掛かりにしたい」など副業を始める目的を明確にしておきましょう。
目的を明確にしたら、具体的な目標に落とすことをおすすめします。例えば「100万円収入アップを目指す」「起業の準備のために顧客を30組ほど獲得する」などです。具体的な目標に落とし込むことで、計画的に行動できるようになります。
副業に必要な準備をする
必須ではありませんが、副業に必要な準備として事業計画書を作成してみることをおすすめします。事業計画書とは「事業内容」「目標売上」「必要経費」「市場調査」をまとめた事業の計画書です。事業計画書を作成すれば、スケジュールや資金計画など曖昧になりがちな部分を可視化できて計画的に取り組めるようになります。
また、副業を始める際は開業届の提出が必要です。「個人事業の開業・廃業等届出書」「青色申告承認申請書」に必要な情報を記載して、所轄の税務署へ提出してください。税務署に開業届を提出することで副業が始められます。
副業で受ける仕事内容を決める
副業で受ける仕事内容を決めておきましょう。 本業で培ったスキルや経験を活かせる仕事を選べば、比較的簡単に案件を獲得できます。一方で、習得したいスキルが学べる仕事を選べば、自己成長を促せられるでしょう。
また、興味・関心のある仕事を選ぶことで、高いモチベーションを維持することができることができます。このように、どのような仕事をするかで得られるものが変わるため、副業で受ける仕事内容を決めておくことをおすすめします。
副業エージェントなどで案件を獲得する
副業フリーランスの案件を獲得する方法は4通りあります。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自分に合う方法を選びましょう。
副業エージェント
副業エージェントを利用すれば、スキルなどを棚卸しした上で希望に合う案件を紹介してもらえます。契約条件などの擦り合わせなどを代行してもらえるため、単価交渉が苦手な方におすすめです。
しかし、希望と異なる案件が紹介されることもあります。また基本的にはスポット案件はなく、時間給の案件が多いです。そのため、スキマ時間を有効活用したい人にはおすすめできません。
クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサイトは、仕事を頼みたい人と仕事を引き受けたい人をマッチするサイトです。クラウドソーシングサイトには大量の案件が紹介されています。アンケート回答やデータ入力などスキマ時間にできる仕事も紹介されているため、本業が忙しくてまとまった時間が取れない方におすすめです。
しかし、クラウドソーシングサイトには報酬が低い案件が掲載されています。あまりに安すぎる報酬の仕事を引き受けて疲弊するフリーランスもいるため注意が必要です。
SNS
副業フリーランスがSNS上でスキル、実績を公開すれば情報拡散されて、興味・関心を持ってくれた方から仕事を受注することができます。運が良ければ、影響力のある人から仕事を獲得できることもあります。
しかし、SNSは情報拡散されやすいです。品質が高い成果物を納品すれば、良い評判が広まりますが、逆に品質が悪い成果物を納品すれば悪い評判が広まります。そのため、SNSで仕事を受注する場合は誠実な対応を心がけましょう。
知人・友人からの紹介
知人・友人に副業フリーランスを始めたことを伝えれば、仕事を発注してくれることもあるでしょう。信頼関係ができているため、要望などヒアリングしやすいです。
しかし、親しい相手が故に報酬面などの話がしづらくなります。普通は別途追加料金だけど無償で対応するなど、優しさ対応が多くなりがちです。仕事でトラブルが発生した場合は、友情にヒビが入ることもあります。そのため、知人や友人から仕事を紹介してもらう場合は仕事を引き受けるか慎重に判断するようにしましょう。
副業フリーランスとしての案件獲得におすすめのサイト
副業フリーランスで案件を獲得するために、お仕事紹介サイトを利用しましょう。ここでは、副業フリーランスでも案件が獲得できるおすすめのサイトを5つご紹介します。
ITプロパートナーズ
引用元:『ITプロパートナーズ』
ITプロパートナーズは、週2日からの案件が紹介されているお仕事紹介サイトです。
個人事業主として活躍する人を応援しており、週2以上で継続依頼の案件を中心に紹介しています。仲介会社を挟まず、クライアントと直接契約できるため高単価な案件が多いです。週2日、3日の稼働でも生活に十分な報酬を手に入れることができます。
独立した際に、どれぐらいの報酬が見込めるのかお問い合わせすることも可能です。本業しながら週2日、3日働くのは難しいですが、将来独立を検討している方にはおすすめです。
Lancers Agent
引用元:『Lancers Agent』
Lancers Agentは、専任エージェントの丁寧なフォローアップが魅力のお仕事紹介サービスです。「エンジニア」「デザイナー」「ディレクター」「マーケター」「コンサルタント」など幅広い案件を取り扱っています。
案件紹介から稼働まで、サポートを受けられるため、初めてフリーランスとして活動する際の不安が払拭できます。 専任エージェントに「専門性を活かしつつ興味のあるプロダクトに関わりたい」「本業の傍らでフリーランスとして活動したい」と伝えれば理想の働き方を実現できるでしょう。
クラウドワークス
引用元:『クラウドワークス』
クラウドワークスは、業務委託の取引額No.1を誇るお仕事紹介サイトです。
クラウドワークスのサイト上に仕事が掲載されており、応募すれば案件を獲得できます。クラウドワークスには、約45万件の仕事があるため、理想の働き方ができる案件に出会ええるでしょう。案件も「システム開発」「AI(人工知能)・機械学習」「ホームページ制作」「ECサイト構築」「動画」「事務」など幅広く取り扱われています。そのため、気軽に案件探しをしたい方におすすめです。
レバテックフリーランス
引用元:『レバテックフリーランス』
レバテックフリーランスは、システム開発に特化したお仕事探しサービスです。10,000社以上と取引があり、多くのシステム開発の案件を取り扱っています。リモートワーク・在宅で働ける案件、副業で働ける案件の紹介も可能です。そのため、エンジニアとして理想の働き方が実現できます。
また、レバテックフリーランスに職務経歴や希望条件を入力するだけで、企業からスカウトが受け取れます。スカウト時にはレバテックの専任担当者が仲介してくれるため安心です。手厚いサポートが受けられるため、エンジニアとして副業を始めたい方におすすめです。
BIGDATA NAVI
引用元:『BIGDATA NAVI』
BIGDATA NAVIは、AI人材に特化したフリーランスエージェントです。「データサイエンティスト」「AIエンジニア」などの求人を豊富に取り扱っています。
BIGDATA NAVIは完全無料の独立・副業サポート制度「フルサポ」を用意しており、Python講座を開催したり、副業案件を紹介したりしています。IT・Web領域の実務経験が半年以上ある方であれば登録できて、登録料や月額料金などは一切かかりません。そのため、エンジニアの副業を始める足掛かりが欲しい方におすすめです。
副業でフリーランスを始める際に必要となる手続きや事務作業
副業フリーランスになるためには、必要な事務手続きがあります。そのため、どのような手続きが必要であるかを確認しておきましょう。
開業届の提出
税務署へ事業開始等申告書を提出すれば開業できます。 副業フリーランスの場合は開業するか否かを自由に決められます。しかし、所得20万円以上の場合は開業届を提出しましょう。
開業届を提出すれば仕事で必要な支払いを経費計上できたり、青色申告なら青色申告特別控除が受けられたりします。その一方で、会社員と個人事業主を両立していることになるため、会社を退職した際の失業手当が受け取れなくなります。 そのため、メリットとデメリットを天秤にかけて開業届を提出するか判断してください。
青色申告承認申請書の提出
開業届を提出する場合は、税務署に青色申告承認申請書も併せて提出しましょう。青色申告承認申請書を税務署に提出することで、確定申告を白色申告ではなく青色申告で行えるようになります。
青色申告にすれば、最大65万円の特別控除を受けられたり、赤字を3年間にわたって繰り越せたりするなどの優遇措置が受けられます。
会計帳簿の作成
副業フリーランスは会計帳簿を作成する必要があります。会計帳簿とは売り上げや経費を会計帳簿に記録して、事業の状況を把握するために作成するものです。また、会計帳簿は正確な確定申告にも欠かすことができません。そのため、日々の取引内容は会計帳簿に記録しておきましょう。
近頃は簿記の知識がなくても、会計帳簿を作成できる会計システムが登場しています。会計帳簿の作成の負担を減らせるため、会計システムを利用してみることをおすすめします。
請求書や領収書の保存
請求書や領収書は、会計帳簿を作成する上で重要な証拠書類となるものです。副業フリーランス(個人事業主)で青色申告の場合は、確定申告の提出日から7年間書類を保存しておかなければなりません。白色申告の場合は、確定申告の提出日から5年間書類を保存しておく必要があります。
証拠書類を処分、紛失してしまうと罰則を受けてしまいます。そのため、証憑を電子的なデータとして保存しておきましょう。
働いている会社への申告
会社への申告は、副業をする際に必ず行うべき手続きです。会社の就業規則で副業をする際に事前に届け出る必要があると書かれている場合は申告をしましょう。
会社に応じて異なりますが、総務部に副業したい旨を伝えれば申告書がもらえて提出先を教えてもらえます。 会社に無断で副業を行うと、懲戒処分を受ける可能性もあるため注意してください。
副業フリーランスで稼ぐためのポイント
副業フリーランスで稼ぎたい場合はポイントを押さえておきましょう。副業フリーランスで稼ぐためのポイントは6つあります。
自身の強みが活かせる案件を選ぶ
副業フリーランスで稼ぐためには、自身の強みが活かせる案件を選ぶことが大切です。自身の強みを把握するためにも、これまでの仕事で培ったスキルや経験を整理してみましょう。また、どのような場面で人から感謝されるかなどを思い出すことで自身の強みが理解できます。
これまでの実績をアピールする
副業フリーランスで活躍するために、過去の作品をまとめてポートフォリオを作成しましょう。ポートフォリオ作成ツールを使うと、オシャレなものが簡単に作成できます。
ポートフォリオには成果物だけでなく「制作料金」「制作期間」など可能な範囲で示すことで、クライアントが依頼しやすくなります。また、取引先に協力してもらえる場合は、信頼性が上げるためにお客様の声を載せると良いです。
SNSでの発信・セルフブランディングを強化する
SNSを活用して、自分のスキルや実績を発信しセルフブランディングを行うと新規顧客が獲得できます。例えば、専門分野に関する情報を発信することで、専門家としての地位を確立することができるでしょう。自分の考えや知識を発信するだけでも、どのような人かを理解してもらえます。
セルフブランディングを成功させるために、どんな反応があるかをチェックして、SNS運用方法を見直すようにしましょう。
常に新しい技術やスキルを習得する
フリーランスで長く活躍したい場合は、新しい技術やスキルを学びましょう。なぜなら、ビジネス環境は変化しており、新たなスキルを習得しなければ衰退する恐れがあるためです。特に副業フリーランスの人口は増えているため、1つの案件に多くの応募があります。
そのような中でも、仕事を獲得するために、書籍を購入したりセミナーに参加したりするなど、スキルアップのための投資を惜しまないようにしましょう。
単価交渉を行う
多くのフリーランスは単価交渉を苦手としています。しかし、適切な単価交渉を行えば、収入アップにつなげられます。
単価交渉のベストなタイミングは、目に見える成果が上がったタイミングです。自分のスキルや経験を客観的に評価し、それに応じた単価を提示しましょう。なぜその単価を提示するのか、理由を明確にして説明することで単価アップができます。
交渉が苦手な場合は副業エージェントを使う
単価交渉やクライアントとのやり取りが苦手な場合は、副業エージェントを利用することも検討しましょう。
エージェントは、あなたのスキルや希望に合った案件を紹介してくれるだけでなく、契約に関する交渉を代行してくれる場合もあり大変便利です。そのため、自分で営業活動するだけでなく、エージェントの登録もしておきましょう。
【初心者向け】副業フリーランスにおすすめの職種
副業初心者におすすめの職種は8つあります。ここでは、初心者におすすめの理由と仕事内容、報酬を簡単にご紹介します。
ITエンジニアやプログラマー
現役エンジニアの方にはITエンジニアやプログラマーの副業がおすすめです。なぜなら、仕事が獲得しやすいためです。ITエンジニア不足により、エンジニア案件は数多くあります。会社員で習得したスキルを活かせば好条件で受注することも可能です。平均時給は4,000~5,000円のため週1日働けば、年収100万円以上アップも可能です。
デザイナー
Webデザインや広告バナー制作を得意としている方は、デザイナーの副業がおすすめです。Webデザインは1ページ3万円、バナー広告は1枚5千円、ロゴ制作は2万円などの案件があります。デザイナーの副業案件はスポット契約が多いため、スキマ時間に仕事しやすいです。
WEBマーケター
WEBマーケターの実務経験があれば、WEBマーケターの副業案件を獲得できます。インターネット広告市場は右肩に伸び続けているため、Webマーケティングスキルを持つ人材を求める企業が増えています。
WEBマーケターの副業案件は「SEOマーケティング」「SNSマーケティング」インターネット広告運用代行」Google Analytics分析」などがあるため、得意分野を活かして副収入を得ることが可能です。時給も2,500~5,000円程度と高いためおすすめです。
ライター
ライターの仕事は経験問わずに、文章力があれば誰でも始めることができます。ライターの仕事には「文章作成」「校正」「記事構成作成」があります。
自分では文章作成が得意と感じていても、文章力があるか判断は難しいです。しかし、ライティングのコツなどを教えてくれるスクールに通えば文章力を磨けます。文章力を磨き、Twitter、note、ブログで文章を書けば読んでくれた人から仕事の依頼がくる場合があります。ライターは1文字1円など低単価の仕事が多いですが、好きなことを仕事にしたい方は満足できるでしょう。
イラストレーター
イラストレーターの副業案件は経験者・未経験者でも始められます。イラストレーター未経験者でも、趣味で描いたイラストをSNS上にアップして評価されれば仕事に繋がることもあります。そのため、イラストを描くのが趣味でデザイナーの仕事に憧れている方は作品を公開しましょう。
デザインの案件相場は1ページ1万円~5万円です。単発契約になりがちなため、決して稼げる仕事とは言えません。しかし、イラストを描くことが好きな人であれば楽しく仕事ができます。
動画クリエイター
YouTubeやTikTokなどの動画配信サービスの普及により、動画クリエイターの副業案件が増えています。そのため、動画編集ソフトを使用できる方であれば仕事が獲得しやすいです。動画編集は1本1万円以内と低価格ですが、動画制作まで行えれば1本10万円~50万円と高単価で受注することも可能です。
講師
自分の得意な専門分野がある場合は、講師として活躍することができます。講師として注目を浴びることができれば、2時間程度の講義で5~10万円ほどの講演料がもらえます。実績の少ないうちは、依頼がなく収入も不安定ですが、自分の知識や経験を仕事に活かしたいとお考えの方は満足できるでしょう。
翻訳家
語学が得意な方は翻訳家の副業がおすすめです。例えば、観光ガイドの通訳者として働けば、日当2~3万円ほどもらえます。同時通訳ができれば、日当5~8万円と好待遇を得ることも可能です。また、スポット案件も多いため、理想のライフスタイルを実現できます。
まとめ
副業フリーランスとは会社に勤務しながら、本業の傍らでフリーランス(個人事業主)として活動している人を指します。副業フリーランスになれば、時間を有効活用して、収入アップやスキルアップができます。副業フリーランスの人口は増えているため、ご興味を持った方は、これを機会に副業を始めてみてください。
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