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フリーランスのデータエンジニアになるには?求められるスキルや案件の探し方を解説

フリーランスのデータエンジニアになるには?求められるスキルや案件の探し方を解説

企業や社会でビッグデータの活用が推進される中、データエンジニアの需要はますます高まってきています。

データエンジニアとして活躍中の方やこれからデータエンジニア職に就きたい方の中には、データエンジニアとしてフリーランスになりたいと考えている方もいるのではないでしょうか?

この記事ではフリーランスデータエンジニアの案件獲得の方法や必要な経験・スキル、フリーランスになる事のメリットなどを解説します。

データエンジニアの主な仕事内容

データエンジニアは、データの分析や活用に関わる職種です。主な仕事内容として次のものがあげられます。

  • データの加工や整理
  • データ分析基盤の設計・構築
  • AI向け教師データの作成

データの加工や整理

データエンジニアの主な仕事内容として、データの加工や整理があります。多くの経路からデータを集めますが、データによって形式はさまざまです。形式の異なるデータを整形・加工することで、データとして使える状態にします。不確実なデータの特定や、重複や未入力といった不備を修正する「データクレンジング」と呼ばれる作業も、これに該当します。

データ分析基盤の設計・構築

そもそもデータを活用するためには、データを整理する「基盤」が必要です。そこで、データ分析基盤を設計・構築します。具体的には、データの収集や保管、加工、分析をするためのシステムを設計したり、インフラの環境構築を行ったりします。

AI向け教師データの作成

AI開発や機械学習を進めるにあたっては、AI自体に学習させるための「教師データ」が必要不可欠です。教師データを作成し、AIに学ばせることでAIの性能が向上します。教師データを作成するには、アノテーション業務(関連情報の付与)といった専門知識が必要であり、データエンジニアにとって重要な仕事のひとつです。

データエンジニアがフリーランスになるメリット

社員としてのデータエンジニアからフリーランスになる際は次のようなメリットを得られます。

  • 年収アップが見込める
  • 好きな案件を選んで仕事ができる
  • 働く場所や時間に自由がききやすい
  • ビッグデータ市場の拡大で需要が高い

年収アップが見込める

フリーランスとして独立すると頑張り次第で年収を上げられます。会社員のように残業や休日出勤での給与アップでなく、案件が増えるごとに収入アップが可能です。努力次第で年収1,000万円以上も目指せるでしょう。

ただし、データエンジニアとしての仕事だけでなく提案営業や進捗管理なども自分で行われなければなりません。専門性だけでなくビジネス的なマインド、コミュニケーションスキルなども求められます。

好きな案件を選んで仕事ができる

仕事を選べるのもフリーランスのメリットです。お伝えしたように、データエンジニアには、データの加工や整理、基盤の整備、教師データの作成といった仕事があり、さらに細分化されます。

企業に雇用された会社員の場合、基本的には指示された業務をこなすため、仕事を選ぶことができません。その点フリーランスは好きな案件を選ぶことができます。

働く場所や時間に自由がききやすい

データエンジニアの仕事は基本的にパソコン上で完結します。フリーランスの場合、パソコン一台で場所や時間に関係なく働けるため、自由度が高いです。「毎日オフィスにいかなければならない」「終業の17時までに仕事を終わらせなければならない」といった縛りがないため、ストレスなく働けるでしょう。

ビッグデータ市場の拡大で需要が高い

最近ではビッグデータの市場が急拡大しており、それに伴ってデータエンジニアの需要も増えています。データエンジニアには専門性が求められ、企業としても重宝したい人材です。

エージェントやクラウドソーシングサービスを見ても、「データエンジニア」に関する案件は豊富に掲載されているため、知識やスキルのある人にとってはチャンスといえます。

データエンジニアがフリーランスになる際の注意点

フリーランスには多くのメリットがありますが、その反面、注意しなければならない点もあります。具体的な注意点は次のとおりです。

  • 事務作業を自分で行わなければならない
  • 収入が不安定になる
  • 自己管理力が必要になる

事務作業を自分で行わなければならない

これはフリーランス全般にいえることですが、データエンジニアとしての仕事だけでなく、事務作業も自分で行わなければなりません。たとえば見積書や請求書の発行、ファイリングや整理、データ入力などさまざまです。仕事を獲得するための営業や提案も自分で行う必要があります。

本業となるデータエンジニアの仕事がある中で事務作業を行うのは意外とハード。限られたリソースの中で事務作業の時間を確保しなければなりません。独立して間もない頃は、コア業務に追われている中で慣れない事務作業を行わなければならず、体力的にも精神的にも疲れてしまいがちです。

加えて、年に一度の確定申告も必須です。会社員であれば税金や社会保険料の手続き・計算は会社側が対応してくれますが、フリーランスの場合、自分で確定申告を行わなければなりません。

正しく税金を納めるためには収入や支出を細かく管理する必要があり、簿記の知識も必要です。最近は確定申告ソフトもあるのでゼロから簿記の資格を取らなくても確定申告はできますが、最低限のお金の知識は必要といえます。

収入が不安定になる

フリーランスになる際、多くの方が不安に思うのが「収入」でしょう。先述のように、フリーランスは自分で営業や提案をし、仕事を獲得しなければなりません。データエンジニアとしての実績があったとしても、営業スキルがない場合、理想の案件を獲得するのは難しいでしょう。仕事が獲得できなければ当然、収入も得られません。

フリーランスは自分の頑張り次第で稼げる仕事である一方、努力を怠れば稼ぐのが難しい仕事です。なかには年収1,000万円以上稼ぐ人もいれば、会社員時代よりも年収が下がってしまった人もいます。収入を安定させるためにも、データエンジニアとしての実績はもちろん、仕事を獲得するための営業力・提案力を身につけることが大切です。

自己管理力が必要になる

フリーランスには自己管理能力が必要不可欠です。会社員の場合は、上司やチームがいて、彼らからの指示や監視のもとでプロジェクトを進められます。

しかしフリーランスは一人でプロジェクトを進めなければならず、案件の進捗管理やクライアントとのやり取り、売掛や買掛といったキャッシュフローの管理、そのほか細かな事務作業すべてを自分で行わなければなりません。

これまで管理業務をしたことがない、かつ自分に甘い人は、フリーランスの働き方に慣れるのは大変でしょう。「納期が遅れた」「請求書を提出していない」といった問題も、すべて自己責任です。クライアントからの信頼を獲得し、フリーランスとして稼ぐためにも、自己管理能力は必要不可欠といえます。

データエンジニアに必要な経験やスキル

データエンジニアに必要な経験やスキルについて見ていきましょう。代表的な知識・スキルとして次の5つがあげられます。

  • データベースに関するスキル
  • プログラミングのスキル
  • フレームワークに関するスキル
  • 機械学習に関する知識
  • ネットワーク・サーバーの設計スキルや知識

データベースに関するスキル

データエンジニアは多種多様なデータを扱う仕事であり、その根底にあるのは「データベース」です。扱うデータはサーバーに格納し、必要に応じて抽出したり、分析したりします。データベースの知識があることでデータをスムーズに扱えるようになります。データベースを操作するにあたっては「SQL」と呼ばれるプログラミング言語も必要です。

プログラミングのスキル

データエンジニア自身がシステムを開発することも多く、その際はプログラミングの知識やスキルが必要です。代表例としては「Python」や「SQL」といった言語です。ほかにも、データの処理基盤を作ったり、分散処理のフレームワークに用いられたりする「Java」や「Scala」と呼ばれる言語スキルも求められます。

フレームワークに関するスキル

データエンジニアは膨大なデータを扱うため、それらのデータを複数のサーバーやCPUに散りばめる「分散処理」と呼ばれる処理が必要です。分散処理を行う際はフレームワークへの理解が必要不可欠。たとえば「Hadoop」と「Spark」といったフレームワークがあり、これらを扱えるスキルが求められます。

機械学習に関する知識

機械学習に関する知識やノウハウはデータエンジニアにとって必須ではありませんが、あると重宝されるでしょう。たとえばモデル作成やチューニングといった作業です。直接担当しなくても、知識があるだけで企業やクライアントから重宝され、場合によっては案件の単価が上がる可能性もあります。

ネットワーク・サーバーの設計スキルや知識

ネットワークやサーバーはデータ活用における基盤です。本来はインフラエンジニアの対応範囲ですが、状況によってはデータエンジニアに任されることも。ネットワークやサーバーの構築・設計に関する知識やノウハウをもっておけば、企業やクライアントに何かあったときのピンチヒッターとしても活躍できるでしょう。

フリーランスデータエンジニアにおすすめの資格

続いて、フリーランスデータエンジニアにおすすめの資格を4つご紹介します。

  • Professional Data Engineer(Google Cloud認定資格)
  • AWS認定データアナリティクス-専門知識
  • データベーススペシャリスト試験
  • 統計検定

Professional Data Engineer(Google Cloud認定資格)

Professional Data Engineerは、Google社によるクラウドサービス「Google Cloud」が運営・認定する、データエンジニア向けの資格です。データ処理システムの設計をはじめ機械学習モデルの構築、ソリューションの品質保証などデータエンジニアリング業務を行ううえで必要なスキル全般が問われます。出題形式は50〜60問の選択式で、試験時間は2時間です。テスト会場による試験とオンラインによる遠隔試験の2つが用意されています。

参考 : Professional Data Engineer 認定資格 | Google Cloud

AWS認定データアナリティクス-専門知識

AWS認定データアナリティクス-専門知識は、Amazon社が運営するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」のデータ分析に関する知識が問われる資格です。データの収集をはじめストレージとデータ管理、処理、分析と可視化、セキュリティなどAWSを扱ううえでの必要スキルが幅広く問われます。

参考 : AWS認定データアナリティクス-専門知識

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、IPA 独立行政法人 情報処理推進機構が運営する、データベースの理解や技術定着度を測る試験です。データベースを企画、要件定義、開発、運用、保守するために必要か知識やスキルが網羅的に問われます。データエンジニアはもちろん、データ分析基盤を構築・運営するデータベース管理者からインフラエンジニアまで、データ分析を必要とする多くの職種の方が受講しています。

参考 : : IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 データベーススペシャリスト試験

統計検定

統計検定とは、一般社団法人日本統計学会が認定する全国統一試験です。統計に関する基礎知識や応用スキルが問われ、1級、準1級、2級、3級、4級のレベルに分かれています。もっとも難易度の低い4級ではデータや表、グラフを用いた簡単な統計知識が問われます。1級では大学の専門課程レベルの統計知識・スキルが問われ、統計結果を正しく解釈し、コミュニケートできる能力が求められます。データエンジニアにとっても、保有していて損のない資格といえるでしょう。

参考 : 統計検定 Japan Statistical Society Certificate

フリーランス案件の探し方

フリーランスのメリットやデメリット、おすすめの資格をご紹介しました。では実際にフリーランスになった際、どのように案件を獲得すれば良いのでしょうか。フリーランス案件の探し方を3つご紹介します。

フリーランスエージェントの活用

フリーランスエージェントとは、フリーランスに対して案件紹介や営業活動の支援、クライアントとの契約締結支援などをワンストップで行うサービスです。いわば仕事を獲得したいフリーランスと、仕事を請けてくれる人材を探す企業の仲介役です。

エージェントに登録することで担当者が付き、希望の要件に沿って担当者がプロジェクトや案件を紹介してくれます。企業と契約が結ばれるまでを伴走してくれるうえ、エージェントによっては案件が途中で切れた場合の報酬保証が付帯している場合も。もちろん報酬保証にも諸条件はありますが、「仕事がなくなって収入が途切れるかもしれない」といった不安も払拭できるでしょう。フリーランスエージェントは、「データエンジニアとしての実績はあるけど、営業活動に自信がない」といった方におすすめのサービスです。

クラウドソーシングの活用

クラウドソーシングとは、企業やフリーランスがインターネット上で業務を依頼したり、請け負ったりできるプラットフォームです。大手でいえば「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったサービスがあげられます。エンジニア向けの案件はもちろんライティング、デザイン、資料作成、動画編集などさまざまな案件が公開されています。

フリーランスは、プロジェクトの期間や金額など条件を絞って案件を検索し、プラットフォーム上で応募できます。企業は集まった応募から仕事を依頼したい人材を選定し、取引が始まります。

クラウドソーシングには多くの案件が掲載されていますが、営業や提案については、フリーランスが自ら行わなければならなりません。クラウドソーシングで案件を多く獲得するためには、データエンジニアとしての実績はもちろん営業力や提案力も高めていく必要があります。

友人・知人からの紹介

友人や知人から紹介してもらうのも有効な方法です。フリーランスエージェントやクラウドソーシングとは違って、直接の友人や知り合いであれば最初から信頼関係が構築されています。質の高いものを納品できれば、知り合いから別の知り合いに紹介され、新たな仕事につながる可能性もあります。

おすすめのフリーランスエージェント

続いて、データエンジニアとしての独立を目指す方にオススメのフリーランスエージェントをご紹介します。

レバテックフリーランス

レバテックフリーランスは、ITエンジニアに特化したフリーランスエージェントです。ITエンジニア専門であることに加えて、20年以上の運営歴から蓄積したノウハウをもつ同社。「案件数が豊富」「単価の上昇率が高い」「条件が幅広い」の3大メリットがあり、公開案件から非公開案件まで充実しています。

他にも市場分析ダッシュボード、稼働状況確認ウィジェット、気になる案件のお気に入り登録など、ユーザーにとって使いやすい機能が豊富です。フリーランスのデータエンジニアとして独立したい方にもおすすめです。

参考 : レバテックフリーランス

ITプロパートナーズ

ITプロパートナーズは、3,000件以上のフリーランス案件を扱うエージェントです。週2~3日稼働の案件が多く掲載されており、データエンジニアの案件も豊富。リモートやフレックスタイムなど多様な働き方を実現する企業の求人案件も多数掲載されています。

企業と個人とのあいだに仲介会社を挟まないことから高単価を実現。スタートアップやベンチャー案件も多く、データエンジニアとして腕試ししたい方にもオススメできます。勢いのある企業から仕事を獲得することで、短期間でエンジニアとしてのスキルを高められるでしょう。

参考 : ITプロパートナーズ

Midworks

Midworksは、10,000件以上のIT・Web系の案件を掲載する、エンジニア向けのフリーランスエージェントです。公開案件のみならず非公開案件も掲載。依頼者のスキルや実績にマッチしたプロジェクト・案件を紹介してくれます。業界に精通したコンサルタントが案件参画をサポートし、最短1日で参画決定することも。万が一案件が切れてしまった場合の報酬保証サポートも付帯しています。

月間50万円〜100万円以上の案件が豊富に掲載されており、データエンジニア向けのものも豊富です。公式サイトも見やすく、「Python」や「JavaScript」などプログラミング言語ごとに案件を検索できます。

参考 : Midworks

BIGDATA NAVI

BIGDATA NAVIは、AIやデータ分析のフリーランス向けのエージェントです。3,700件以上の案件が揃っており、職種もデータエンジニアからデータサイエンティスト、BIエンジニア、分析基盤エンジニアまで多岐にわたります。AI業界に精通したプロのスタッフが依頼者に合った企業を紹介してくれるため、ミスマッチも防げます。また、フリーランスのデータエンジニアとして独立したい方にオススメです。

参考 : BIGDATA NAVI

データエンジニアの将来性

結論、データエンジニアは将来性のある職種といえます。なぜなら、近年AIやディープラーニング、ビッグデータの技術進歩がめまぐるしく進んでいるからです。テクノロジーの進歩によってデータ基盤が効率化されているため、データエンジニアの需要が増えています。

実際に、「2030年には約55万人のIT人材が不足する」といったデータ(経済産業省)もあり、データデータエンジニアをはじめとするIT人材の不足がいっそう加速することが予想できます。また、テキスト以外にも画像や音声、動画など扱うデータの種類も増えているため、データエンジニアにも専門性が求められる時代になっていくでしょう。

希少価値の高い人材になるためにも、データ分析のトレンドや傾向を見極め、企業やクラウアントから重宝される知識やスキルを身につけておくことが大切です。

参考:IT人材需給に関する調査(概要) | 経済産業省 情報技術利用促進課

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