テストエンジニアの副業は稼げる?必要なスキルや案件の獲得方法を解説
デジタル化の加速やリモートワークの普及により、インターネット上でサービスが利用できるソフトウェア(SaaS)の需要が拡大しています。需要の増加にともない新しいSaaSが次々に開発されており、現状ではソフトウェア開発に関する求人数も豊富です。
本記事ではソフトウェア開発に関する仕事のなかから、ソフトウェアの動作テストを行うテストエンジニアの仕事内容を紹介します。特に、最近増加しているエンジニアの副業に焦点を当て、テストエンジニアの副業について案件相場や求められるスキルを深堀りして解説します。テストエンジニアやエンジニアの副業に興味のある方はぜひ参考にしてください。
目次
テストエンジニアとは
テストエンジニアの仕事内容は、ソフトウェアの製品やサービスが不具合を起こさずに仕様書どおり適正に動作するか検証を行うことです。ソフトウェアの製品やサービスが発売される前に検証を行うことで、製品やサービスの品質を保証します。
テストエンジニアはテスト計画の制作、テストの実行、結果の検証と分析といった製品の品質検査に関する一連のプロセスを担います。
単調な作業が多いと思われがちですが、テスト計画の作成や進捗管理などテストの実行作業以外の業務も多く、ソフトウェアの製品知識をはじめとする様々な知識やスキルが求められます。
また、発売後にソフトウェア製品やサービスに不具合があった場合は、顧客満足度の低下や企業のブランドイメージを損なうため、テストエンジニアは重要な役割と言えるでしょう。
いっぽうで、案件によっては既に作成されたテスト項目に沿ってテストの実行のみを担当する案件もあります。テストの実行のみの案件は、経験の浅いエンジニアや副業エンジニアにも取り組みやすいでしょう。テストエンジニアとして実績を積みたい方や副業案件を探している方は、上記のような案件がおすすめです。
テストエンジニア副業案件の単価相場
副業でテストエンジニアを検討している場合、案件相場がどれくらいなのかを知りたい人も多いでしょう。テストエンジニアの案件は、月額単価40万~80万円が相場です。
副業向けの案件単価は、時給制や月額報酬制など報酬形態が様々です。時給制の場合は時給3,000円ほどが相場で、月額報酬の場合も時給換算すると3,000円ほどが相場と言えます。月収に換算すると、例えば時給3,000円で月に50時間稼働した場合は15万円です。ただし、業務内容や担当する業務範囲によって案件単価が異なってくるため注意が必要です。
テストエンジニアとして副業を行うのに必要な経験やスキル
エンジニアの副業案件は、職種問わずスキルが必要です。テストエンジニアの副業案件の場合は下記のスキルが求められます。
- ソフトウェア開発の経験やスキル
- テスト工程の経験やスキル
- コミュニケーション能力
一つずつ詳しく解説します。
ソフトウェア開発の経験やスキル
テストエンジニアはソフトウェアの開発に関わる仕事です。よって、ソフトウェア開発の経験やスキルが求められます。特にテスト計画の作成やテストの設計段階では、仕様書をもとにテストの対象や実施するテストの項目を決定するため、要件定義などを理解しておかなければいけません。
具体的なスキルとして、開発に使用されている言語のプログラミングスキルが挙げられます。テストエンジニアはプログラムを実装する訳ではありませんが、プログラムの構造を知っておくとエラー原因の特定が容易になります。また、プログラミングスキルがあると修正の具体的な提案も可能になるため、プロジェクトチーム内でも重宝されるでしょう。
テスト工程の経験やスキル
テストエンジニアの副業案件は、当然ながらテスト工程の経験やスキルが必須です。具体的にはソフトウェアのテスト技法やテスト自動化ツールのスキルや経験が挙げられます。
例えばソフトウェアのテスト技法では、ブラックボックステスト技法やホワイトボックステスト技法などがあります。テスト計画を作成する際には、プログラムの内部構造を考慮するのかどうかなどの検証すべきテスト項目によって最適なテスト技法を選定しなければいけません。
また、テストの自動化ツールにはSelenium、Appium、Ranorexが挙げられます。テストを実施するたびにテストコードを書いていると効率的ではありません。よってテストの自動化ツールが使えるとテストを実行する際の効率化が可能です。
コミュニケーション能力
ソフトウェアの開発業務は複数人からなるプロジェクトチーム単位で行われます。よってテストエンジニアの業務を遂行するためには、コミュニケーション能力が必要です。具体的には、テスト計画を作成する際に開発担当者に仕様を確認する場合や、テストを実行した後にプロジェクトマネージャーに結果を報告する場合などが想定されます。
前項目でも紹介しましたがテストの自動化ツールの登場もあり、テストエンジニアはテストの実行以外にも関係各所と連携も重視されるようになりました。スムーズに業務を行うためにも、適切な報告の実施などのコミュニケーション能力が重要です。
H2:テストエンジニアの副業案件の選びのポイント
副業でテストエンジニアとして稼働する場合は、フリーランスで稼働する場合と比べて案件の選び方が異なってきます。大原則として本業の妨げにならないことがポイントです。では、具体的なポイントを順番に紹介します。
土日や平日早朝・夜に稼働できる案件を選ぶ
まず本業の妨げにならない時間に稼働できるかどうかがポイントです。本業の稼働時間が平日の朝から夕方までの場合は、土日や平日の早朝または夜に稼働が可能な案件を選びましょう。平日の日中に稼働することが必須だったり、クライアントとの連絡を頻繁に取らなければいけなかったりする案件は避けた方が無難です。
週1日からなど最低稼働日数が少なくてもOKな案件を選ぶ
本業の妨げにならないために、稼働日数が少なくてもよい案件を選びましょう。例えば週4日以上の稼働が必要な案件は本業とのバランスが難しくなる可能性があります。本業が忙しくなった場合でも無理なく副業に取り組めるような、週の最低稼働日数が少なめの案件であると本業とのバランスがとりやすいでしょう。
在宅・リモートワーク案件を選ぶ
テストエンジニアの案件はクライアントの会社に常駐する場合とフルリモートの場合があります。常駐型の案件は稼働時間の融通が利きにくく通勤時間も加わるため、時間的に本業とのバランスが難しいと言えます。副業エンジニアとして稼働したい場合は、フルリモートの案件がおすすめです。
しかし、フルリモートの案件は常駐型の案件に比べて案件数が少なく、応募者が多い傾向にあります。フルリモートの案件を獲得するためには求人サイトを複数登録して求人情報を広く集めるとともに、サイトをこまめにチェックして情報を見落とさないようにしましょう。
高単価案件を選ぶ
副業エンジニアとして稼働する場合は稼働時間が限られているため、効率よく稼げるかどうかも重要です。案件の単価があまりにも低い場合は稼働時間も限られているため、副業をしているにもかかわらず望むような収入アップが見込めないという状況に陥ります。
また、低単価の案件である程度の収入を得ようとすると、稼働時間が長くなり本業をひっ迫する恐れもあります。案件獲得の際は業務内容と報酬形態や報酬額を確認し、妥当かどうか吟味して選びましょう。
テストエンジニアの副業をするメリット
テストエンジニアが副業することは収入アップをはじめとする様々なメリットがあります。このメリットはテストエンジニアだけでなく、IT系エンジニア全般にも言えることです。では、エンジニアが副業をするメリットを紹介します。
収入アップが見込める
一番わかりやすいメリットは副業をすることで収入アップが見込めることです。例えば時給3,000円の案件を週に10時間稼働すると、1か月を4週間と仮定して月収で12万円の収入になります。本業以外で収入を得られることは生活の余裕につながるでしょう。また収入源を分散させることで、本業の収入が予期せず減少したり無くなったりした場合のリスク分散も可能です。
経験やスキルアップにつながる
副業をすることで収入以外に得られるものは経験です。本業は会社員として会社のネームバリューありきで仕事をすることがほとんどですが、副業では個人のスキルで仕事を獲得する必要があります。案件を獲得するためにスキルを磨く必要があり、副業の案件を経験することでスキルが磨かれていくこともあります。いずれにせよ副業を経験することでスキルアップにつながりやすくなります。
また、副業には技術的なスキル以外もスキルアップできます。副業の場合はクライアントとの交渉、案件の進捗管理などをすべて自分の力で行わなければいけません。よって交渉スキルやマネジメントなどのスキルも磨かれます。ゆくゆくはフリーランスとして独立を考えている場合は、これらのスキルは必須です。フリーランスエンジニアになる準備として考えても、副業の経験で得るものは大きいと言えます。
人脈の拡大
副業のメリットとして、本業で関わることのない業種や職種の人と関われることが挙げられます。副業を通して人脈が広がることで新しい仕事を紹介してもらえたり、転職や独立するきっかけになったりする可能性もあります。また業界の最新情報に触れることで、自分自身のスキルアップにもつながるでしょう。
テストエンジニアの副業を始める時に注意すべきポイント
テストエンジニアの案件をはじめメリットが大きいIT系エンジニアの副業ですが、副業を始める時には注意すべきこともあります。本項目ではエンジニアの副業を始める時に注意すべきポイントを紹介します。副業を始める前にはポイントをしっかりと確認しておきましょう。
勤務先の就業規則を確認する
会社員の場合は勤務先の就業規則を確認し、副業が可能かどうか確認しておきましょう。勤務先の企業によっては副業が禁止されている場合もあります。就業規則に違反した場合は、就業規則にもとづく懲戒処分が科される可能性も出てきます。また副業が許可されている場合でも、競合他社での就業が禁止などの条件が課されている場合もあるため、詳細まで把握しておくことが重要です。
住民税の申告が必要になる
副業の年間所得が20万円以上の場合は確定申告が必要です。そして副業の年間所得が20万円以下の場合は税務署に所得税の確定申告を行わなくてもよいという「副業の20万円ルール」があります。
ただし副業の所得が20万円以下の場合でも、市町村に対して住民税の申告は必要です。所得税に対しては所得が20万円以下の場合には確定申告が不要という特別措置がありますが、住民税に対してはそのような特別措置がないため申告の必要があります。
住民税の申告は、確定申告を行った場合は申告した内容が税務署から市町村の役所に通知され、自分で別途役所に申告する必要はありません。しかし確定申告を行わなかった場合は、自分で申告の手続きを実施します。
本業とのバランスを考える
案件の選び方の項目でも解説しましたが、副業をする場合は本業の妨げにならないことが大原則です。案件を受注する際は稼働する時間帯、場所、稼働時間数などを考慮して無理のないスケジュールで稼働できるかよく考えて受注しましょう。また就業規則に競合他社での副業が禁止されていることもあるため、業務内容の面でも本業とのバランスを考慮することが重要です。
テストエンジニアの副業するための準備
実際にテストエンジニアの案件を獲得する前には準備が必要です。準備には自分のスキルの確認と案件を獲得するためのサイトに登録することが挙げられます。
自身の実務経験やスキルの棚卸し
テストエンジニアの案件を受注する前に、自身の実務経験やスキルを棚卸して把握しておきましょう。案件に応募する際には自身の実績やスキルをわかりやすくまとめてアピールする必要があります。また求人サイトやエージェントサービスを活用する際にも、実績やスキルのまとめが必要になるため必ず実施しておきましょう。
副業案件を探すための複数のサイトに登録しておく
副業案件を獲得するためにエージェントサービス、クラウドソーシングサイト、求人サイトに登録しておきましょう。広く情報を集めるためにも、複数のサイトに登録しておくことをおすすめします。サイトによって扱っている求人が異なる場合があり、フルリモートのような競争率の高い案件を獲得するためには広く情報収集することが重要です。
また次の項目で詳しく解説しますが、エージェントサービス、クラウドソーシングサイト、求人サイトはそれぞれ性質が異なります。案件の難易度や勤務形態もサービスによって異なってくるため、異なる性質のサービスを複数登録しておくこともおすすめです。
テストエンジニアの副業案件の獲得方法
テストエンジニアの副業案件を獲得するためには様々な方法があり、下記4つの方法が一般的です。
- 副業・フリーランスエージェントを活用
- クラウドソーシングを活用
- 求人サイトを活用
- 友人・知人からの紹介
それぞれ特徴が異なるため、順番に特徴を解説します。
副業・フリーランスエージェントを活用
副業エージェントやフリーランスエージェントを活用する方法は、高単価な案件を効率よく獲得できる点が特徴です。エージェントサービスでは非公開求人を紹介してもらえ、効率的に案件を探すことができます。また、エンド直結や大企業の案件といった高単価案件も見つかる可能性が高いでしょう。
エージェントサービスは複数存在し、週あたりの稼働日数が少ない副業向けの案件を多く取り扱っているサービスもあります。扱っている求人内容もエージェントサービスによって異なってくるため、情報収集のためにも複数のエージェントサービスに登録することをおすすめします。
クラウドソーシングを活用
クラウドソーシングサイトは単発案件や初心者向けの比較的難易度が低めの案件が多いことが特徴です。案件数はエージェントサービスより少ない傾向にあります。クラウドソーシングサイトの案件はエンジニア経験の浅い方や実績を積みたい方におすすめです。
エージェントサービス同様、クラウドソーシングサイトも様々なサイトがあります。掲載されている案件もサイトによって異なってくるため、クラウドソーシングサイトについても複数サイトに登録しておくとよいでしょう。
求人サイトを活用
副業案件を探す場合でも、求人サイトが活用できます。求人サイトでは雇用形態や働き方を選んで求人検索が可能です。副業のテストエンジニアの求人を探す場合は、業務委託やパート・アルバイトの雇用形態のなかから探すとよいでしょう。フルリモートなど働き方の条件をつけて検索することも可能です。
友人・知人からの紹介
テストエンジニアやソフトウェア開発に携わっている友人・知人がいる場合は、テストエンジニアの副業案件を紹介してもらえないか依頼してみることもおすすめです。友人・知人からの紹介の場合は契約や報酬の交渉などを全部自分で行う必要があります。よって事務処理能力やコミュニケーション能力にある程度自信がある方向けと言えるでしょう。
テストエンジニアの副業探しにおすすめエージェントサービス
前項目ではエージェントサービスの特徴について解説しました。この項目では、テストエンジニアの副業探しにおすすめのエージェントサービスを4つ紹介します。自分に合ったエージェントサービス選びの参考にしてください。
レバテックフリーランス
レバテックフリーランスは20年続く老舗のエージェントサービスです。テストエンジニアをはじめITエンジニアやWeb関連の職種の求人数が豊富です。週3日以下の副業向けの案件数が豊富で、短期案件も取り扱っています。
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ITプロパートナーズ
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