Perlエンジニアは稼げる?必要な経験やスキル、将来性を解説
スクリプト言語のPerlはコードの記述やプログラミングの実行を容易に行えるため、開発や運用・保守を行いやすいです。エンジニアの中には「Perlを学べばどれぐらい稼げるのか?」「Perlは将来性があるプログラミング言語なのか?」と気になっている方もいるでしょう。
そこで、今回はPerlエンジニアについて解説します。この記事では、Perlエンジニアの年収や将来性などにも触れているため、キャリアパスを描く際にお役立てください。
目次
Perlとは
Perlとは1987年に登場して長い歴史を持つスクリプト言語です。Perlの呼び方は「パール」です。
スクリプト言語のため、コードの記述やプログラミングの実行が簡単に行えます。コンパイルが不要のため、動作確認を行いながら開発が可能です。
また、Windows、macOS、Linuxなどマルチプラットフォームで動かせます。
C言語やsed、awkなどの他のプログラミング言語の優れた機能を取り入れています。
Perlの特徴
Perlの特徴は、インタプリタ型でソースコード1行ずつバイナリコードに翻訳して、プログラムを実行できることです。コンパイルが不要のためコード記述後に動作確認を行えます。
また、文字列と数値を自動変換する機能が携わっており、型を意識しないでコードを記述できます。そのため、スムーズな開発、運用保守がしやすいプログラミング言語として人気です。
また、Perlは後方互換性の高く、アップデートされても古いバージョンを利用できます。つまり、アップデート時にコードを書き換える必要性がありません。このような特徴があるため、現在でもPerlを活用する開発現場があります。
Perlでできること
PerlはWebサイトやWebアプリケーションの開発に利用されています。モジュール管理システムCPANでモジュールを取得して利用すれば、以下のようなものを効率的に開発できます。
[Perlの開発事例]- 顧客管理システム
- 販売管理システム
- 動画配信サービス
- 基盤システム
- IoTシステム
Perlエンジニアの仕事内容
Perlエンジニアの仕事内容は「システム開発」「保守」「運用」です。
システム開発
システム開発とは、システムの要件定義から引き渡しまでをいいます。
[システム開発の流れ]- 要件定義
- 外部設計
- 内部設計
- プログラミング
- テスト
- システムの引き渡し
システムエンジニアが上流工程の要件定義や設計図作成を担当し、プログラマーが設計図通りにコードを書いてシステムを構築していくのが一般的です。
保守開発
保守開発とは、既存システムの機能追加など、より良いシステムにすることをいいます。顧客の要望を聞いて必要な機能を追加します。
既に稼働している最中のシステムを改修するため、既存コードを読み、依存関係や特殊処理を見て、コードを書き換える必要があります。「システムを停止できない」「既存システムの仕様を配慮する」など制約がある中で対応する高度なスキルが必要です。
システム運用
システム運用とは、システムが正常に動作し続けるために必要な管理や保守を行うことをいいます。
つまり、システムが正常に稼働しているかログやリソースを監視して、今後、問題が出ないかを考えながら運用していきます。
システム運用中にトラブルが発生した際には、原因を究明し対策を講じなければいけません。またシステム運用方法の改善の提案なども仕事です。
Perlエンジニアの平均年収
年齢や勤務先、業務内容により異なりますが、Perlエンジニアの平均年収は400~600万円です。
年齢別の平均年収でみると、20代が約380万円、30代が約500万円、40代が約600万円、50代が約700万円です。
フリーランスのPerlエンジニアは、会社員の年収の1.5倍稼げると言われています。フリーランスの案件単価は50~80万円/月のため平均年収600~900万円ほど稼げるでしょう。
Perlエンジニアに必要な知識やスキル
Perlエンジニアとして活躍したい場合に必要な知識やスキルは以下の通りです。
Perlのプログラミングスキルと知識
Perlエンジニアとして活躍するためには、当然ですがPerlに関する知識やスキルが必要です。Perlを活用して、顧客管理システムや動画配信サービスなど成果物が作れる技術力を持っていれば、容易に就職・転職ができるでしょう。
また、Perlの開発現場では、モジュール管理システムCPANに公開されているモジュールを組み合わせて、新規でコードを減らすことが求められます。そのため、モジュールに関する知識やスキルも習得しましょう。
既存のコードを読み解くスキル
Perlエンジニアは、既存システムの依存関係や特殊な処理などを理解して保守開発を行います。
保守開発は新規での開発と異なり、仕様などの制約を受けます。
既存システムが停止しないように保守開発を進めなければいけないため、既存のコードを読み解いて理解しなければいけません。そのため、既存のコードを読み解くスキルが必要となります。
情報システムに関する知識
Perlは必要な情報を表示したり、データベースから情報を読み込んで反映させたりすることを得意とするプログラミング言語です。そのため、本人確認システムや顧客管理システム、ATMなどの開発現場で利用されます。
さまざまな処理を行う情報システムの仕組みを理解しておくことで、開発現場で頼りにされます。そのため、情報システムに関する知識も身に付けておきましょう。
Perlエンジニアが持っていると評価が高まる知識やスキル
Perlエンジニアとして高く評価されたい場合におすすめの知識やスキルは以下の通りです。社内評価を上げたい方や、フリーランスとして高単価を獲得したい方は参考にしてみてください。
Perl以外の言語の知識
WebサービスやWebアプリケーションの開発言語はさまざまなものがあります。どのようなシステムを開発するかにより、最適なプログラミング言語が変わります。そのため、Perl以外の言語の知識を磨いておきましょう。
Webアプリケーションに使用される主な言語プログラミング言語 | 主な特徴 |
---|---|
Java | OSに関わらず実行できる セキュリティ性が高い 動きのあるコンテンツ開発に適している |
JavaScript | Webページに動きをつける際に使用される言語 動画やSNSサービスなど幅広く使用される |
Ruby | コードの書きやすさと読みやすさに優れる |
Python | 統計処理やデータ分析を得意とする言語 AI開発に向いている |
Go言語 | シンプルで高速処理を得意としている モバイルアプリやクラウドアプリに向いている |
上流工程の経験
システム開発の中でも、上流工程と呼ばれる要件定義や基本設計ができるエンジニアは高く評価されます。
なぜなら、上流工程を行うためには、下流工程のプログラミングやテスト、運用などの知識が必要となるためです。つまり、幅広い知識と専門性が問われます。
上流工程の経験を積んでおけば、システム開発の全体像が把握できるようになります。プログラマーとして働く場合でも、システム全体を理解しているエンジニアだと信頼してもらえるでしょう。
Webアプリケーションフレームワークを扱うスキル
Webアプリケーション開発現場では、パーツ化されたフレームワークを使用して効率的に開発していきます。
フレームワークを使用すれば、追加するだけでアプリケーションの機能を追加できることが魅力です。
Perlのフレームワークには以下のようなものがあります。これらのフレームワークの使い方を覚えておくようにしましょう。
Perlのフレームワーク- Mojolicios
- Dancer
- Catalyst
- Amon2
- TripletaiL
- Ark
- Jiffy
- Gantry
クラウドサーバー設定と運用スキル
Webアプリケーションを動かすためのクラウドサーバーに関する知見が必要です。クラウド
サーバーにはAWSやAzure、IBM Cloudがあり、それぞれで特徴があります。クラウドサーバーは万能型ではないため、各サービスの特徴を理解して最適なものを選ぶことが大切です。
また、クラウドサーバーの設定や運用まで行えれば、幅広い仕事をまとめて依頼されるようになります。
Perl未経験者がスキルを身につけるのに有効な学習方法
未経験でPerlエンジニアになりたい場合は、以下の方法で学習できます。
学習サイトを利用する
Perlは初心者から中級者向けのプログラミング言語です。プログラミング初心者でも学びやすく、インターネット上には、さまざまな学習サイトがあります。
Perlの概要やコードの書き方を勉強できる学習サイトもあれば、プログラミング初心者がPerlを習得したコツを知れる学習サイトもあります。さまざまな学習サイトがあるため、目的に合ったサイトでPerlを学習しましょう。
[おすすめの学習サイト]- Let’sプログラミング Perl入門
- とほほのperl入門
- Paiza Perl入門講座
書籍で学習
Perlの書籍でも学ぶことができます。書籍の魅力はプログラミングレベル(初級・中級・上級)があることです。
自分のプログラミングスキルのレベルに合う書籍を読めば、欲しいスキルが習得できます。これから、Perlを学習する方向けにレベル別おすすめの書籍をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
[おすすめの書籍]- 入門編:新版Perl言語プログラミングレッスン入門編
- 中級編:プログラミングPerl〈VOLUME1〉
- 上級編:もっと自在にサーバを使い倒す 業務に役立つPerl (Software Design plus)
スクールで学習
プログラミングスクールでPerlを学習する方法もあります。プログラミングスクールは30万円ほどするため、おかねがかかります。
しかし、プログラミングスクールであれば、講師陣に不明点について聞くことが可能です。また、スクールで友人を見つけられるでしょう。そのため、マイペースに学習することが苦手な方におすすめです。
さらに、スクールを卒業した際に、就職先や転職先を斡旋してくれるプログラミングスクールもあります。そのため、Perlを習得した後に就職や転職を検討している方にもおすすめです。
[おすすめのスクール]- 侍エンジニア塾 転職コース
- DMM WEBCAMP PRO
- TechAcademy エンジニア転職保証コース
Perlエンジニアの今後の需要と将来性
Perlエンジニアは需要がなくなってきていると噂があります。Perlエンジニアの需要が非常に伸びることは考えにくいですが、安定していると言えます。
Pythonなど使いやすいプログラミング言語が登場してきているため、Perlを使用する機会が減ってきています。しかし、Perlはシステム運用やシステム保守のしやすさが魅力です。
そのため、システム運用やシステム保守の案件は安定的にあるでしょう。そのため、今からPerlを学習すればエンジニアとして活躍することができます。
まとめ
Perlとは1987年に登場して長い歴史を持つスクリプト言語です。スクリプト言語のため、コードの記述やプログラミングの実行が簡単に行えます。コンパイルが不要のため、動作確認を行いながら開発が可能です。また、マルチプラットフォームに対応しています。
Perlを活用した新規開発の現場は減ってきていますが、運用や保守の仕事は増えています。このような特徴があるため、安定して需要があるプログラミング言語です。この記事を見て、Perlに興味を持った方は、これを機会に学習してみてください。
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