Rustで副業はできる?必要なスキルや案件の単価を解説
Rustはプログラミング言語のひとつで、CやC++の後継と言われている言語です。比較的新しい言語ですが、インフラ開発やWebアプリケーション開発などの分野で利用されることが増えてきており、注目を集めています。
Rustのスキルで副業ができるのか、気になっている人は多いのではないでしょうか。 この記事では、Rustで副業を行う際に必要となるスキルや、Rustの副業案件の単価について詳しく解説していきます。
目次
Rustとは?
Rustとは、Mozillaの開発者であるグレイドン・ホアレ氏によって作られたオープンソースのプログラミング言語です。2015年にバージョン1.0が正式にリリースされ、2019年からはWindows OSの開発に利用されるなど、高い評価を得ています。
この記事ではRustの特徴や用途について紹介していきます。
Rustの特徴
Rustの特徴として、安全性が高い、処理速度が早い、並列処理が可能であるという3つのポイントが挙げられます。
それを実現しているのが、Rustの「所有権」という独自のメモリ管理システムです。
従来のシステムにおけるセキュリティの脆弱性は、多くの場合、メモリ利用のバグに起因していました。Rustのメモリ管理システムでは、セキュリティバグを起こしにくい独自の設計がされており、高い安全性が確保されます。
また、所有権によって処理コストを抑えてメモリを効率よく使えるため、処理速度が早く、並行処理を安全に行うことができます。
Rustの用途
Rustは、OSやクラウドプラットフォームの開発、Webアプリケーション開発、インフラ開発などの分野に用いられています。
Rustが開発言語として使われているサービスの一例としては、代表的なクラウドサービスであるAWS、メッセージアプリのDiscord、WebブラウザのFirefoxなどがあります。
Rustの副業案件の種類や単価相場
Rustの副業案件の単価相場はどのようになっているのでしょうか。Rustのスキルが求められる案件の種類別に紹介していきます。
Webアプリケーション開発
Webアプリケーション開発は、Rustの副業案件の代表的な種類のひとつです。RustはWeb用のフレームワークが多数用意されており、高速なWebアプリケーションを構築することが可能です。 RustによるWebアプリケーション開発案件の相場は、65万円〜100万円/月ほどになります。
システム・プラットフォーム開発
Rustはコンピュータの理解できる機械語に近い言語であることから、組み込みシステムやOS開発、クラウドプラットフォームの開発にも使われます。
システム・プラットフォームの開発内容は幅広いため、案件によって差がありますが、副業案件の相場としては50万円〜100万円/月ほどと考えておくとよいでしょう。
APIサーバー・インフラ開発
Rustは安全性の求められるAPIサーバーの開発や、高速性が求められるインフラの開発などにも適したプログラミング言語です。
Rustのスキルが求められるAPIサーバ・インフラ開発の副業案件は、60万円〜100万円/月ほどが相場となります。
Rustの副業案件の探し方
Rustの副業案件は、案件のマッチングサービスやエージェントサービス、または技術者向けのコミュニティなどの人脈を利用して探すことが可能です。
RustはJavaやPythonなどと比べると、まだ求人が少ない状況であるため、フリーランス向けや副業向けの案件を扱っているエージェントを使うのがおすすめです。
エージェントを利用すると、非公開案件も含めて、スキルや希望にマッチした副業向けの案件を紹介してもらえるため、効率よく案件を探すことができます。
副業の案件例
実際にどのようなRustの副業案件があるのか、気になる人もいるでしょう。ここからは、副業の案件例をいくつかご紹介していきます。
案件例|新規プロジェクトにおいて機能開発
内容 | |
---|---|
職種 | エンジニア |
単価目安 | ~¥850,000/ 月 |
業務内容 | ユーザー体験を加速させる新規プロジェクトにおいて機能開発 |
必須スキル |
・プロダクト開発・運用経験 2年以上 ・Golang、TypeScript、Rust、いずれかのプログラミング言語での開発経験 |
案件例|モバイルアプリのバックエンド開発
内容 | |
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職種 | エンジニア |
単価目安 | ~¥850,000/ 月 |
業務内容 | モバイルアプリのバックエンド開発 |
必須スキル |
・Node.jsなどを通じたバックエンドでのTypeScriptの開発経験と理解 ・コードレビューをともなう複数人でのチーム開発経験 業務でのTypeScript, Go, Rust, Kotlin, Pythonなどでのバックエンドの開発や運用経験 ・コードレビューをともなう複数人でのチーム開発経験 ・クライアントアプリ(モバイルアプリ・Web)の開発または協業経験 ・自社プロダクトの開発などでのProductManagerやデザイナーとの協業経験 ・機能開発に直接紐付かない自発的なリファクタリングの推進、実装経験 ・外部サービスのAPIを利用した経験 ・GithubActionやCircleCIなどのCD・CIの利用経験 |
案件例|広告プラットフォームのデータ環境開発
内容 | |
---|---|
職種 | データサイエンティスト |
単価目安 | ~¥900,000/ 月 |
業務内容 | 高度なデータ活用を可能とする環境構築 |
必須スキル |
・コア部分のアルゴリズムを、既存メンバーとデータエンジニアと協力し、アイデアを出し合って開発を進めていただける方 ・Rust, C++, Haskell, Scala 等の言語を用いた開発経験 ・大規模トラフィックのサービス開発経験 ・広告配信システムの開発経験 ・データの圧縮アルゴリズムへの知見 ・DBMSに関する深い理解 ・データサイエンス周りの知見 等 |
Rustの副業案件を行うメリット
Rustの副業案件を行うことには複数のメリットがあります。主なメリットについて説明します。
本業以外での収入が増える
Rustの副業案件を行うことで、収入を増やすことができるというメリットがあります。
収入を増やしたいと思っていても、本業の収入を急に上げるのは難しいものです。副業をすることで、本業の収入に副業の収入を上乗せできるため、年収アップを目指すことができます。
スキルの向上につながる
会社員として働いていると、自分の伸ばしたいスキルに関する仕事に就けないことも多々あります。
Rustの副業であれば、案件を自分で選んで獲得していくことができるため、身につけたいスキルに則した案件に携わることが可能です。
人脈が広がる
Rustの副業を行うことで、人脈を広げることが可能です。副業を通して、新たなクライアントやエンジニア仲間との人脈を形成することができます。
案件で成果を出せば、副業で築いた人脈を通して、新たな案件を獲得できるチャンスも生まれるでしょう。
Rustの副業に必要なスキルや知識
Rustの副業を行うにあたって、以下に挙げるようなスキルや知識が求められます。不足しているスキルがあれば、副業を始める前に身につけておきましょう。
基本的なプログラミングのスキル
Rustで副業を行っていくためには、基本的なプログラミングスキルが必要とされます。
変数や関数、データ構造などのプログラミングに必須の概念から、オブジェクト指向や関数型といった記述形式に関する知識も学習しておくとよいでしょう。
Rustのフレームワークやライブラリ知識
Rustには、さまざまな分野の実装に適したライブラリが準備されています。中でも、Web開発向けのフレームワークや、スレッド管理・プロセス管理などの汎用的に利用できるライブラリは多くの開発で利用されます。
Rustで効率的な開発を行うために、Rustの代表的なフレームワークやライブラリの知識を身につけておきましょう。
ソフトウェアなどの関連スキル
Rustの副業では、プログラミングだけでなく、ソフトウェアのテストや、ソースコードのバージョン管理などの関連スキルも求められます。
また、ソフトウェア開発はチームで行うことが多いため、コミュニケーション能力や課題解決能力も欠かせないスキルとなります。
Rustの副業で高単価案件を獲得するためのスキル
Rustの副業案件を高単価で獲得していくためには、Rust以外のスキルも身につけておくとよいでしょう。単価アップが見込めるスキルを紹介していきます。
クラウドなど関連分野のスキル
Rustはインフラ開発や、サーバーサイドのバックエンド処理の開発に利用されるケースが多々あります。そのため、サーバ、ネットワークなどの関連分野のスキルを身につけておくことが大切です。
また、近年ではRustに限らずクラウド環境を利用した開発案件が増えています。高単価案件の獲得を目指すためには、クラウドに関する知識も必須であるといえるでしょう。
マネジメントのスキル
マネジメントのスキルがあれば、高単価が期待できるマネージャーポジションの案件などを獲得することができます。
システム開発において、プロジェクト管理を行うことができる人材は多くの企業で求められています。そのため、マネジメントスキルを身につけることで収入アップを目指すことができます。
コンサルティングのスキル
Rustの副業で高収入を得るためには、コンサルティングのスキルも身につけておくとよいでしょう。
クライアントのニーズを正確に把握し、最適なシステムの提案を行っていく上流工程を担えるスキルがあれば、報酬のベースアップが見込めます。
Rustの副業を始める際の注意点
Rustの副業を始める際には、いくつか気をつけておくべきポイントがあります。注意点を以下に紹介します。
本業とのバランスを考える
副業は、あくまで本業あってのものです。Rustの副業を行うことで、本業に支障が出たり、体調を崩したりすると本末転倒ですので、自身の業務量と心身の健康をしっかり管理しながら副業を行なっていくようにしましょう。
会社の就業規則を確認する
会社によっては、就業規則で副業禁止となっていることもあります。
副業が禁止されている会社で副業が発覚すると、ペナルティが課されてしまうリスクもあるため、事前に会社の就業規則をよく確認したうえで副業を開始するようにしましょう。
確定申告が必要か確認する
副業の年間収入が20万円を超える場合には、確定申告が必要となります。
申告漏れがないように、自身の収入や経費などの管理を日々行い、必要に応じて確定申告を行うようにしましょう。
Rustの将来性や需要
現在、Rustは注目されている言語ではあるものの、JavaやPythonなどの他言語と比較すると、案件自体は多いとはいえません。しかし、Rustのセキュリティの高さや処理速度の速さは注目を集めており、GoogleやMicrosoftなどの大手企業もRustを採用しはじめています。
今後Rustはアップデートによりさらに利便性が向上し、シェアを伸ばしていくことが予想されます。Rustの普及に伴って、Rustのスキルを持つ人材の需要は高まっていくことが見込まれるため、Rustは非常に将来性のある言語であるといえます。
未経験からRustの副業はできる?
Rustに限らず、プログラミングによる開発を行う副業案件は、基本的には実務経験のある人材を求めています。そのため、Rustの知識を身につけただけでは、副業案件の獲得は難しいといえます。
ただし、JavaやC++といった他の言語を使った実務経験があれば、Rustの開発が未経験であっても採用される可能性があります。
プログラミングによる開発が未経験の状態から副業案件を獲得していきたい、という場合には、難易度の低いRustのプログラミング案件を探して経験を積むのが近道です。
まとめ
Rustはプログラミング言語としての歴史は浅いですが、注目度は年々上がってきており、シェアを伸ばしていくことが予想される言語です。
今後、Rustの利用が広まるにつれてRust人材の需要も高まっていくため、副業としての将来性が十分に見込める言語であるといえます。
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