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DXコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル、将来性を解説

DXコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル、将来性を解説

コロナ禍以降、デジタル技術によってビジネスを変革させるデジタルトランスフォーメーション(DX化)の需要が急速に高まっています。日本は海外に比べてDX化が遅れているのが現状です。そのため経済産業省が企業のDX化を推進するために「デジタルガバナンス・コード」を制定するなど、DX化推進が日本経済全体の課題となっています。

企業のDX化には専門スキルを持った人材が欠かせません。本記事では企業のDX化推進のキーパーソンとなるDXコンサルタントについて解説します。

DXコンサルタントとは

DXコンサルタントとは、企業がDX化に取り組む際に支援を行う職業です。主な仕事内容としては、業務のIT化、デジタル技術を利用したビジネスモデルの変革や企業の組織改革が挙げられます。DXコンサルタントは一般的に企業から外注という形で依頼されるケースが多く、デジタル技術を活用してクライアント企業の経営に携わることが特徴です。

DX推進とは

DXコンサルタントの需要が高まったのはコロナ禍に加えて、経済産業省によるDX化推進の動きがあったためです。なお、経済産業省が発表したDX化の定義は下記のとおりです。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

出典:経済産業省 デジタルガバナンス・コード2.0

DX化推進とは、上記定義のように企業がデジタル技術を活用してビジネスモデルや組織の在り方を変革していく取り組みを表しています。

DXコンサルタントの業務

では、DX化推進のキーパーソンとなるDXコンサルタントの業務を具体的に解説していきます。DXコンサルタントの主な業務は次の4つです。

  • 課題抽出とDX化戦略の決定
  • 新規ビジネスの立案と計画
  • デジタル人材の育成
  • 社内体制の変革

ひとつずつ順番に見ていきましょう。

課題抽出とDX戦略の決定

DXコンサルタントが企業からコンサルを依頼された場合、最初に行うことが企業の課題抽出とどのようにDX化を行うか戦略の決定です。クライアント企業のビジネスモデルや組織体制、現行のシステムをヒアリングし、何が課題となっているのかを洗い出します。そして、抽出された課題に対してどのようにデジタル技術を活用し、課題解決に導くかの戦略を決定してクライアント企業に提案します。

新規ビジネスの立案と計画

DX化によるビジネスモデルの改革で、新規ビジネスの立案と計画が求められるケースもあります。クライアント企業がDXによって何を求めているのかヒアリングし、具体的なビジネスプランを提案します。たとえば新規顧客獲得に向けたオンラインイベントの開催や、サービスのリピート率向上のためのサブスクの導入などが挙げられます。また企画の立案に加えて、予算や期間などの詳細事項も計画し実行していきます。

デジタル人材の育成

DXコンサルタントは、クライアント企業のデジタル人材の育成を依頼されるケースもあります。DX化の仕組みを作ったとしても、社内にDXに関するノウハウが蓄積されなければ十分に活用ができません。そのため、導入したデジタル技術を運用できる人材育成が必要です。具体的には、運用ガイドラインの作成や業務フローの構築などが挙げられます。

社内体制の変革

DX化により企業の社内体制が変革した場合は、組織の再編などクライアント企業の経営に携わる可能性もあります。デジタル技術を運用する新部署の設立や人材の採用や、DX化で業務が効率化した場合は部署の再編や関連部署への調整などが求められます。

経営コンサルとの違い

DXコンサルタントと似た職種で経営コンサルタントがあります。経営コンサルタントはクライアント企業の経営課題の抽出と課題解決へ向けた戦略の提案が主な業務です。

DXコンサルタントは課題解決の戦略にデジタル技術を活用する点が、経営コンサルタントとの違いです。DXコンサルタントには経営コンサルタントとしての知見に加えて、デジタル技術の知識が必要です。

ITコンサルとの違い

ITコンサルタントはDXコンサルタントと混同されがちです。ITコンサルタントはクライアント企業のIT化による業務改善といった職務であるいっぽう、DXコンサルタントはIT化だけではなくデジタル技術を活用してクライアント企業の経営課題を解決します。経営により深く携わる点が、ITコンサルタントとの違いと言えます。

DXコンサルタントに必要なスキルや知識

DXは日本経済全体の課題と言われているように、近年DXコンサルタントの需要は高まっています。では、DXコンサルタントになるためにはどのようなスキルや知識が必要なのか詳しく解説していきます。

ITやDXに関する知識

DXコンサルタントはデジタル技術で企業課題を解決する仕事です。よってDXの知識はもちろん、クラウドの知識などIT(情報技術)の知識が不可欠です。ITやDXの知識を活用しクライアント企業の要望に提案することもあれば、プログラムの実装など実務的な業務を行う可能性もあります。

ビジネス設計のスキル

DX化が単なるITツールの導入で終わってしまわないよう、デジタル技術を活用したビジネスプランの企画立案や運用方法の設計がDXコンサルタントには期待されています。そのためには、適切な課題抽出能力とクライアント企業の業務全体を俯瞰的に見るビジネス設計のスキルが必要です。DXコンサルタントはビジネスのフレームワークを設計する経営コンサルタントとしての知見も求められます。

提案スキル

DXコンサルタントの主な業務は、クライアント企業の課題抽出と提案です。そのため、クライアント企業の経営課題に合った適切な提案ができる提案力が必要です。適切な提案のためには、前項で紹介したデジタル技術に関する専門知識とビジネス設計のスキルが重要になってきます。

マネジメントやコミュニケーションスキル

DXコンサルタントは、DX化に関するプロジェクトの立案から実行までを担当します。よってプロジェクトマネージャとしてプロジェクトの進捗管理やクライアント企業のプロジェクトに関わる人材の管理まで担うこともあり、マネジメントスキルが必要です。

また、クライアント企業に提案を行う際やプロジェクトのマネジメントを行う際にはコミュニケーションスキルが求められます。DX化にはクライアント企業のさまざまな部署と協力したり、調整したりすることもあるでしょう。円滑にDX化を推進するためには、コミュニケーションスキルも必要になってきます。

DXコンサルタントが持っておくと良い資格

DXコンサルタントになるために必要な資格は特にありません。しかし、取得しておくと転職活動や案件獲得に有利な資格は存在します。では、DXコンサルタントが持っておくと良い資格を紹介します。

ITストラテジスト試験(ST)

ITストラテジスト試験は、ITコンサルタントを目指す人やCIO(最高情報責任者)、CTO(最高技術責任者)を対象とした高度情報処理技術者試験のひとつです。試験を実施している独立行政法人 情報処理推進機構によると、下記のような対象者像を想定しており、DXコンサルタントの実務に有効であると言えます。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構 ITストラテジスト試験対象者像

DX検定™

DX検定は、IT先端技術とビジネストレンドに関するレベル認定ができる検定です。デジタル技術によるビジネスへの利活を進める人財のために創設されました。IT技術だけでなく、ビジネストレンドに関する知識も問われることから、DXコンサルタントを目指す人におすすめです。

└H3:プロジェクトマネージャ試験(PM)

プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトの成功請負人としてシステム開発などのプロジェクトを管理する人を対象とした高度情報処理技術者試験のひとつです。

ITストラテジスト試験同様、独立行政法人 情報処理推進機構が実施しています。独立行政法人 情報処理推進機構によると、プロジェクトを取り巻く環境変化やステークホルダの多様な要求に柔軟に対応しながら、プロジェクトを確実に成功に導くマネージャを目指す人に最適とされています。

AWS認定試験

AWS認定試験とは、クラウドコンピューティングサービスであるAWS上で、アプリケーション開発などを行う知識や技術を認定する試験です。資格を取得すると、AWSを扱うスキルの証明になり、クラウドに関する一定の知識があることをアピールできます。

DXコンサルタントのキャリアパス

DXコンサルタントは担当した案件の実績数と成果によりキャリアを積んでいく職種です。DXコンサルタントとしてのキャリアパスにはどのような選択肢があるか紹介します。

コンサルタント職としてキャリアアップ

ひとつめは、コンサルタント職としてキャリアアップしていく選択肢です。DXコンサルタントは今後も高い需要が見込まれます。実績を積んでより大きな案件に挑戦したり、待遇のよいコンサル会社に転職したり、キャリアアップの方法は様々です。

DXエンジニアに転職

ふたつめの選択肢は、DXコンサルタントとして培ったデジタル技術の知識を活かして、DXエンジニアに転職することです。DXエンジニアとは、システム開発や設計などDX全般の業務を行うエンジニアで、技術的な分野での実務やマネジメントが得意なDXコンサルタントにはおすすめの転職先と言えます。

フリーランスとして独立

DXコンサルタントはフリーランスとして独立することにも適しており、独立という選択肢もあります。DXコンサルタントの仕事は案件ごとの募集が多く、スキルと実績があればフリーランスでも案件獲得が可能です。フリーランスの場合はスキル次第で高額報酬も期待できるため、年収アップも見込めます。

DXコンサルタントの平均年収

コンサルタント職は一般的に高収入と言われています。複数の転職サイトの求人を見てみると、DXコンサルタントの平均年収は500万円~800万円が一般的でした。求人によっては1,000万円を超える年収を提示しているケースもあり、DXコンサルタントも他のコンサルタント職と同様に高収入であると言えます。

また、フリーランスの場合も高単価な案件が多く、月収で50万円以上の案件がほとんどでした。フリーランスの場合はさらに高年収が期待できるでしょう。

DXコンサルタントの将来性

DXコンサルタントは、需要が高く将来性のある職種と言えます。理由としては、高度な知識と技術が求められるため高いスキルを持った人材が不足していることが挙げられます。特に、企業がDX化を推進する場合は、DX化に対応できる人材が社内におらず、外注に頼るケースが多く見られます。

経済産業省の調査では、AIやビッグデータを導入する企業が増加傾向である結果が出ています。今後ますますDX化推進の動きが高まっていくにつれて、DXコンサルタントの需要増加が見込まれます。

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