常駐型フリーランスエンジニアの働き方とは?メリットや正社員との違いを解説
常駐型のフリーランスエンジニアにはどのような働き方があるのかと疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。 本記事ではそのような方に向けて具体的な働き方やメリット・デメリット、常駐型フリーランスエンジニアになる方法などを紹介していきます。
目次
フリーランスエンジニアの常駐型とは
エンジニアは、企業に勤めるサラリーマンの他に、企業には所属しないフリーランスとしての働き方が可能です。フリーランスエンジニアには主に3つの働き方があり、クライアントである客先の企業に契約した一定期間常駐する「常駐型」、個人もしくは複数人のフリーランスエンジニアがチームとなり、自分たちでアプリやゲームなどを開発する「サービス開発型」、個人でクライアントと契約を結び自宅で働く「在宅型」が挙げられます。常駐型エンジニアはフリーランスエンジニアの中でも一般的で、契約先の企業に出社して正社員と同じように働くのが特徴です。
常駐フリーランスエンジニアの働き方とは
常駐フリーランスエンジニアとして働く上で気になるのは、どのような働き方なのかではないでしょうか。正社員と同じように、決められた時間に出社し勤務するスタイルが常駐型フリーランスエンジニアの特徴ですが、具体的にどのような働き方をしているのか、紹介していきましょう。
客先に行き働く
クライアントの会社やクライアントが指定する現場に出向いて働くことを「客先常駐」と言い、常駐型フリーランスエンジニアは客先に出社して働きます。決められた時間に出勤するスタイルは、正社員と変わらないと言えるでしょう。
仕事内容は契約により決まる
仕事内容に関しては、クライアントとの契約で決められます。契約した内容以外の業務は基本的に行う必要はありません。この点が、正社員と常駐フリーランスエンジニアとの違いでしょう。電話対応や別の部署の手伝いなどをすることなく、自分の仕事だけに集中して働けます。
稼働時間は契約により決まる
常駐フリーランスエンジニアの稼働時間は「10時~19時まで」のように契約で決まっています。報酬は基本的に作業時間に対して支払われます。フルタイムの案件では「月140~180時間」といった契約内容の場合もあるでしょう。時短勤務やフレックスタイム、週2~3日勤務など、就業先によっては様々な就業スタイルから選べます。
SESと常駐フリーランスエンジニア
SESとは「システム・エンジニアリング・サービス」の略で、クライアントに対しエンジニアの技術力や労働力を提供する委託契約の一種です。SESの場合、エンジニアはSES企業に所属した上で客先常駐として業務を行います。一方、常駐フリーランスエンジニアは基本的にどこにも所属せず、フリーであることがSESとの違いです。SES企業がフリーランスエンジニアと契約し、クライアント先に派遣するケースもあるものの、SESと常駐フリーランスエンジニアは異なるものです。
客先常駐型ではないフリーランスエンジニアもいる
クライアントの就業形態によっては、必ずしも客先常駐型でない場合もあります。リモートワークが可能であったり、出社は週1、2回のみで後は在宅といったスタイルの案件があったりもします。持っているスキルによっては就業スタイルも交渉しやすくなるため、リモートワークや出社日数などに希望があれば、あらかじめ伝えてみると良いでしょう。
常駐型フリーランスエンジニアとサラリーマンの違い
常駐型フリーランスエンジニアは正社員と同じ場所で、同じような就業スタイルで働きます。一見すると両者に違いがないように見えますが、働き方や収入、待遇など異なる点は多数あります。まず、常駐型フリーランスエンジニアはクライアントと業務委託契約を結んで働くのに対し、サラリーマンは企業と雇用契約を結んで働きます。サラリーマンは社内規定に従わなければならず、企業が求める業務の他に雑務などを行う必要がある一方、常駐型フリーランスエンジニアは決められた業務以外に携わることは基本的にありません。
収入に関しては、同じ仕事内容でも常駐型フリーランスエンジニアの方が単価が高いのが特徴です。反面、サラリーマンなら受け取れる福利厚生や賞与などを常駐型フリーランスエンジニアは受け取れないなど、それぞれ長所、短所があることが分かるでしょう。
常駐型フリーランスとして働くメリット
常駐型フリーランスエンジニアとサラリーマンとの違いを紹介しましたが、より具体的にサラリーマンにはない常駐型フリーランスエンジニアならではのメリットを8個紹介します。
やりたい仕事が選べる
常駐型フリーランスエンジニアの場合、契約前に仕事内容を確認することができます。そのため、会社の都合で仕事を与えられるサラリーマンと異なり、やりたい仕事を選んで契約が結べます。自分のスキルアップに応じた仕事や得意分野の仕事、高額報酬の仕事などやりたい仕事を選ぶことで、モチベーションもアップするでしょう。
報酬が高め
常駐型フリーランスエンジニアの報酬は、一般的にサラリーマンに比べて高めに設定されています。使用言語や案件の難易度によってはより高額な報酬も得られるでしょう。場合によっては、年収1,000万円に達することも少なくありません。フリーランスエンジニアとして高報酬を得られる働き方と言えるでしょう。
収入が安定する
常駐型フリーランスエンジニアでは、契約期間が3ヵ月~数年など、中長期案件が多いのが特徴です。そのため、途中で契約解除されない限り、契約期間内の収入は約束されています。一度契約を結ぶと一定期間は安定した収入が得られ、収入面での不安を小さくできるのは常駐型フリーランスエンジニアの魅力と言えるでしょう。
生活リズムが整いやすい
常駐型フリーランスエンジニアは、サラリーマンと同じように毎日決まった時間に出社し働くため、必然的に規則正しい生活が送れます。仕事とプライベートのメリハリもつきやすくなるでしょう。在宅型のフリーランスでは、自分のペースで仕事ができるものの、生活リズムが乱れやすいのがネックです。常駐型フリーランスエンジニアなら生活リズムが整いやすく、健康的な生活が送れるでしょう。
チームで働ける
個人ではなく「チームで働ける」ことも常駐型フリーランスエンジニアのメリットです。業務を通して一緒に働くメンバーから刺激を受け、スキルアップやキャリアアップにも繋がるでしょう。
開発環境が整っている
常駐型フリーランスエンジニアは客先に出向いて働くため、開発に必要な備品をはじめとした環境が整っています。パソコンや周辺機器を自分で購入する必要もなく、すぐに働ける環境が魅力です。
経験を積める
幅広い現場で様々な経験が積めるのも、常駐型フリーランスエンジニアのメリットです。企業によって、仕事の流れはそれぞれ異なります。自分が経験してみたい案件や磨きたいスキルに応じて仕事を選ぶことにより、様々な現場で貴重な経験が積めます。複数の現場を経験することによって、スキルアップやキャリアアップにも繋がるでしょう。
正社員に比べ自由度が高い
一見して正社員と変わりないように見える常駐型フリーランスエンジニアですが、契約した時間内の業務のみ求められ、それ以外に関しては比較的自由があると言えます。時間外労働や掃除、接待といった業務は契約内容に含まれていなければ行う必要はありません。また、副業も可能です。契約内容次第で、正社員より自由度が高い働き方ができるでしょう。
常駐型フリーランスとして働くデメリット
常駐型フリーランスエンジニアとして働く上で知っておきたいデメリットは、主に6つ挙げられます。1つずつ紹介していきましょう。
就業時間・場所が決められている
常駐型フリーランスエンジニアは、決められた時間に契約した企業に出社し、正社員と同じように働くのが特徴です。そのため、就業時間や場所が決められています。フリーランスとは言えども自分の好きな時間や場所で仕事を進められないため、注意が必要です。フリーランスとして時間や場所に左右されず自由度の高い働き方を希望しているのであれば、常駐型ではない働き方が良いでしょう。
個人の裁量に限りがある
常駐型フリーランスエンジニアは、契約で決められた期間内に求められた業務を行うことが仕事です。クライアントの要求に沿って業務を行うことが重要なため、個人の自由な裁量でできる範囲がそれほど広くありません。チームで進めるプロジェクトも多く、自分のやり方で、自分なりのスケジュールで進めるといった裁量には限りがあります。フリーランスとして自分のペースややり方で仕事をしたい場合は、常駐型でないタイプを選んだ方が良いでしょう。
プロジェクトに最後まで関われない
常駐型フリーランスエンジニアは、契約で縛られているため、契約期間が満了すれば進行中のプロジェクトであっても最後まで見届けることなく離れなければなりません。ただし、交渉次第では契約期間の延長が可能となる場合もあるでしょう。
交通費・外食費がかかる
サラリーマンであれば、通勤にかかる交通費は支給され、昼食費に関しても社員食堂など割引制度が受けられるケースは少なくありません。一方で、常駐型フリーランスエンジニアはそうした福利厚生を利用できず、交通費や外食費などの実費が発生します。ただし、仕事に関する交通費や外食費は経費として計上できるため、忘れずに記録し、確定申告を行いましょう。
服装指定の場合もある
常駐型フリーランスエンジニアの場合、常駐する企業のルールに則った服装や身だしなみをする必要があります。スーツ着用や髪色や髪型、ヒゲ、メイクなどに関して規則が定められている企業もあるため、あらかじめ確認し、契約期間中は企業の規則に従いましょう。
会社に保護されない
常駐型フリーランスエンジニアは、正社員と同じような勤務内容とは言え、会社に所属しているわけではありません。あくまで期間限定の契約を結んでいるだけのため、会社に守ってもらえる存在ではないのが、デメリットと言えるでしょう。景気や会社の業績によっては契約を切られてしまう可能性もあります。万が一に備え、契約前に契約解除の際の補償などを確認しておくと安心です。
常駐型フリーランスになる方法
ここまでの紹介で、常駐型フリーランスエンジニアとして働くことに興味を持った人もいるでしょう。ここからは、常駐型フリーランスエンジニアになる方法を紹介します。
フリーランスエージェントを活用して探す
常駐型フリーランスエンジニア向けの案件を豊富に扱っているのが、フリーランスエージェントです。スキルや経験、希望する条件に応じてぴったりの案件を紹介してもらえます。ただし、マージンとして報酬の10%前後がエージェントに支払われるため、報酬が減ってしまう点に注意が必要です。
人脈を広げて案件を獲得する
過去の取引先や知人など、人脈がある場合はエージェントを利用せず、これまでの人脈を活用して直接契約を目指すのも良いでしょう。エージェント経由ではないため、報酬は全て入ります。人脈による紹介であれば、ある程度自分の技術力や仕事ぶりを知ってもらった上で契約できることが多く、ミスマッチが起こりにくいのが魅力でしょう。人脈がないという場合でも、勉強会に参加したりオンラインサロンで繋がりを作ったりするなど、地道に人脈を広げていくことが大切です。
自ら営業し直接契約
常駐型フリーランスエンジニアになるには、自ら営業活動をして直接契約するのも1つの方法です。メールや電話、さらには飛び込みで営業するなど営業方法は様々です。
SNS経由で案件獲得
SNSは無料で始められるものも多く、営業活動に活用している人も少なくありません。SNSで情報発信することで、様々な人と繋がれ、仕事にも繋がりやすくなるでしょう。仕事に対する姿勢や意欲がSNSの文章や画像から伝わり、人柄を評価されて案件を獲得するケースも珍しくありません。SNSを上手く活用して仕事に繋げましょう。
常駐型フリーランスで高収入を得るには
常駐型フリーランスエンジニアとして働く上で気になるのが、収入でしょう。一般的なエンジニアのサラリーマンと比べると高収入であることが多い常駐型フリーランスエンジニアですが、高収入を得るにはどうすれば良いのか、ポイントを紹介します。
ニーズのあるスキルを身に着ける
今勢いのある、ニーズの高い分野は必然的に案件も多く、人材の奪い合いになっているため報酬も高めであることが多いでしょう。高収入を目指すなら、AIやIoTといった高いニーズが見込める分野の知識やスキルを身に着けることが重要です。また、使用する言語によっても得られる収入は変動するため、ニーズの高い言語の習得も欠かせないでしょう。
案件に長期参画する
1つの案件に長く携わることにより、単価が上がることもあります。長く関わることで実績が積め、これまでの仕事ぶりから評価もしてもらいやすくなります。契約満了後も継続を打診されたら、単価アップを交渉してみるのも良いでしょう。
取引先企業の社員との信頼関係を築く
常駐型フリーランスエンジニアとして現場で働く際、取引先企業の社員と良好な関係を築くことにより、良い印象を持ってもらえます。一緒に働きやすい人、と思われることで、今後も継続して依頼してもらえる可能性が高まります。場合によっては単価アップも望めるでしょう。
常駐型フリーランスの注意点
どの仕事でも、働く上で注意しなければならないことがいくつかあるものです。ここからは、常駐型フリーランスエンジニアとして働く上で押さえておきたい注意点を4つ紹介します。
地方だと好案件が獲得しにくい
常駐型フリーランスエンジニアは、客先に出向いて業務を行う就業スタイルのため、多数の企業が集まる都市部に案件が集中しています。さらに、条件が良い案件となると、ほとんどが東京に集まっています。地方だと仕事自体も少なく、高報酬も望めません。常駐型フリーランスエンジニアとして働くのであれば、首都圏に通える範囲に住むのが良いでしょう。
自分でキャリアプランを考える
企業と雇用契約を結ぶサラリーマンであれば、キャリアプランは企業が示してくれることも多く、身近に上司や先輩がいるため将来像が描きやすいでしょう。一方、常駐型フリーランスエンジニアの場合は、自らキャリアプランを考える必要があります。イメージしやすい1年後、2年後といった短期的な目標だけでなく、10年後、20年後といった未来を具体的に思い描くことが重要です。
情報漏洩を防ぐ
常駐型フリーランスエンジニアとして働く際に気をつけたいこととして、情報漏洩が挙げられます。常駐型フリーランスエンジニアは、クライアント企業で業務に就くため、企業内部の人しか知り得ない情報を知ることもあるでしょう。そうした情報を外部に漏らすと、場合によっては損害賠償を請求される可能性もあります。知り得た情報の取り扱いには細心の注意を払い、安易に口外したり外部に持ち出したりすることのないようにしましょう。
常駐先の会社のルールを守る
常駐型フリーランスエンジニアは、常駐先の会社の就業規則を守る必要があります。外から見ればその企業に勤める正社員と変わらないため、企業の一員としての行動が求められます。契約を結ぶ際に就業ルールに関してクライアントと話し合っておくと安心でしょう。
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