フリーランス

ネットワークエンジニアは副業できる?副業案件の取り方やスキル、メリットを解説

ネットワークエンジニアは副業できる?副業案件の取り方やスキル、メリットを解説

ネットワークエンジニアとして活躍中の方の中には副業をしてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、ネットワークエンジニアの副業の報酬相場や案件の種類、メリットなどについて解説しています。

ネットワークエンジニアの副業事情

これまで副業をしたことがないネットワークエンジニアは、どのような案件があるか関心を持っているかもしれません。また、すでに副業を始めている場合、業務内容や時間が収入に見合っているか知りたい方もいるはずです。ここでは、ネットワークエンジニアの副業事情の詳細を説明します。副業の案件数や業務内容に加え、単価の相場も取り上げます。案件探しや単価交渉の参考にしてください。

ネットワークエンジニアの副業案件動向

ネットワークエンジニアは企業などのネットワーク構築・運用・メンテナンス業務を担います。場所や時間を選ばずにできる性質の仕事ではないため、他のIT職種に比べて副業の案件数は少なめです。実際の案件数ですが、レバテックフリーランスでは、2023年12月現在、2,200件以上のネットワークエンジニア向け案件が掲載されています。ただし、レバテックフリーランスの案件は、フルタイムの仕事も多く含まれるため、副業で取り組める案件は絞られると考えられます。また、働く時間や日数を選べる案件を多く保有しているITプロパートナーズでは、同じく2023年12月に300件近くの案件が紹介されていました。ネットワークは社会になくてはならないインフラであり、副業案件のニーズは高まっています。

単価や年収相場

ネットワークエンジニアとして週2日から週3日の副業案件を受注した場合、月収ベースで30万円から45万円程度となることが一般的です。年収で考えると、360万円から540万円程です。ただし、単価は業務の性質や難易度、稼働日数、経験年数などを反映して上下します。高いスキルが求められる、あるいは稼働日数が多めの案件であれば、月額70万円から100万円程度になることもあります。

土日稼働・在宅やリモートOKの副業案件も多い

ネットワークエンジニアの副業案件は、土日祝日や夜間対応のものに加え、リモートでできる在宅案件もあります。すでにネットワークは社会インフラになっており、24時間365日対応が必須です。ネットワークエンジニアが本業で働くのは平日昼間がメインとなるため、その他の時間帯をサポートする人材が求められています。また、サーバー設置などネットワークを構築する仕事は、ビジネスアワーを避けて作業員を現場に派遣し、ネットワークエンジニアが遠隔で指示を出す仕事のスタイルも増えてきました。ネットワークの普及が、ネットワークエンジニアのリモート案件増加につながっていると言えるでしょう。

ネットワークエンジニアの副業案件の種類と業務内容

一口に副業案件と言っても、ネットワークエンジニアの業務の種類や内容は多岐にわたります。ここで、主な副業案件の種類を取り上げ、具体的な仕事内容を記載します。求められるスキルなども併記しますので、自分に合う副業の種類の見極めに役立ててください。

ネットワーク設計

ネットワーク設計は、新たなネットワーク構築に必須の工程です。仕事の内容は、まずクライアントにヒアリングして要望を理解し、要件定義をまとめて基本設計を行い、ネットワークの構成や使用機器・契約回線を選定するなどして詳細を決定します。設計の各段階では、初期投資や運用・保守にかかるコストや実際の作業工程などをクライアントとすり合わせる作業もあります。顧客のネットワークを包括的に見る必要があり、高いスキルが求められます。

ネットワーク構築・機器設置

すでに設計されたネットワークを実際に構築していく仕事になります。設計段階で決められた作業スケジュールに沿って機器の導入や設定を行います。ネットワークの敷設に加え、クライアントのデバイスがインターネットに接続できるかどうか確認する作業も伴います。なお、副業案件は拠点数が限られるものが多いようです。拠点が多く、かつ広域にわたるネットワーク構築はスピード感が求められるため、稼働日数が限られる副業案件として出てくることはまれです。

ネットワーク監視

ネットワーク機器に異常や故障の兆候が表れていないかどうかを監視する案件になります。ネットワーク監視は自動化されているケースが一般的で、異常検知などのアラート発生時の対応がネットワークエンジニアに求められます。ネットワーク機器のチェックには、監視対象の知識が必要です。また、原因を見極めて迅速にネットワークを復旧させるため、監視ツールやコマンドを使いこなす技術を持っていなければなりません。

ネットワーク保守運用

ネットワークエンジニアの副業で、ネットワーク保守運用は最もポピュラーな案件です。なお、ネットワーク保守運用を行う場合は、保守と運用の業務内容の違いを意識しつつ、関係性を理解して取り組むと良いでしょう。ネットワーク保守はネットワークの安全性・安定性向上のため更新やアップデート作業を行い、不安要素を取り除くことに努めます。一方、ネットワーク運用は、設定や監視、障害対応など、ネットワークをトータルでマネジメントする仕事です。ネットワークの保守運用にはイレギュラーな対応がつきもので、幅広い知識やスキルが欠かせません。

ネットワーク関連記事執筆・監修

ネットワークに関する記事を執筆したり、記事の監修を任される副業案件もあります。記事の内容は、ネットワークエンジニアを目指す初学者向けのものから、ネットワーク構築や機器導入を行う情報システム部職員に読まれるものまで、レベルも用途も千差万別です。ネットワークエンジニアの経験を活かして、それぞれのレベルの人に読みやすい記事を提供するのは、やりがいのある仕事と言えるでしょう。記事の執筆や監修は、納期を守れば自分のペースでできるため、副業に向いています。

ネットワークエンジニアが副業するメリット

ネットワークエンジニアが副業をするメリットはいろいろあります。ここでは、そのうちの3つに絞って説明します。

収入の増加

ネットワークエンジニアに限らず、副業を行うと収入アップにつながります。本業以外に収入を確保できると、金銭面だけでなく心の余裕も生まれるはずです。目的があってお金をためたい人、本業だけでは収入が足りない人は副業を考えると良いかもしれません。

人脈が広がる

副業は金銭的なメリットに加え、人脈を広げる助けにもなります。副業を行うことで社外の人と知り合い、ビジネスのチャンスが広がる可能性があります。IT業界は人手不足が深刻であるため、つてを頼って人材確保を進める企業も少なくありません。副業を通してこれまで知り合えなかった人とつながることで、条件の良い会社に転職できた方もいます。さらに、案件を安定して確保し、フリーランスに転身した人も多数いるようです。

経験やスキルが増える

副業を行うと、ネットワークエンジニアとしての経験やスキルを増やすこともできます。本業では、会社から与えられた仕事をこなすことが求められますが、副業では仕事の種類や内容を自分で選べます。これまで任せてもらえなかった仕事でも、本業で得た経験やスキルを活かしてチャレンジできるでしょう。副業で得た知識やスキルを本業に還元し、社内での評価も上がるかもしれません。

ネットワークエンジニアの副業に必要なスキル

本業であっても副業であっても、ネットワークエンジニアに求められる基本的なスキルは変わりません。ただし、副業で特に必要とされるスキルはあります。ここでは、5つに絞って紹介します。

ネットワークのスキル

ネットワークエンジニアの副業は、在宅やリモート環境で業務を行う案件が多くなっています。業務連絡や打ち合わせには、電話やメール、チャットツールやWeb会議システムなどを使用することが多いため、ICT機器のスキルは欠かせません。ICT機器を使いこなせることが必須条件となっている案件も少なくないため、副業を行う環境整備も検討しましょう。また、ICT機器のトラブル対応や自己解決能力も求められます。

クラウドのスキル

クラウド環境ではアクセス制限が容易にできるため、悪意のある不正アクセス防止に効果があります。情報漏洩などの危険を避ける目的で、ネットワークの設計や構築、保守運用をクラウド環境で行う事案は増えています。これから副業に取り組む方や収入アップを図りたい方は、AWSなどビジネスでよく使われるクラウドサービスやネットワーク仮想化の知識を身に付けておくと良いかもしれません。

システム基盤スキル

ビジネスで使用するシステムの土台となるシステム基盤には、ネットワークに加え、OSやサーバー、業務アプリやデータベースなどが含まれます。インフラ全体の知識やスキルを持つネットワークエンジニアのニーズは高まっています。モノのインターネットであるIoT開発の副業案件では、ネットワークだけでなく、つまりシステム基盤を熟知しているネットワークエンジニアが重宝されているようです。

セキュリティ関連スキル

ビジネスにおいてネットワークは不可欠ですが、外部との接点が存在する以上、攻撃されるリスクは皆無にはできません。そのため、セキュリティに配慮できるネットワークエンジニアが必要とされています。不正アクセスや情報漏洩を防ぐ知識やスキルに加え、機密性や安全性を担保しつつ可用性とのバランスを考えられるネットワークエンジニアは、副業の世界でも引く手あまたです。

コミュニケーションスキル

ネットワークエンジニアは、クライアントやチームのメンバーと協同して仕事を行います。副業案件の場合は特に、リモートでお互いにやり取りする時間が限られるなど意思疎通が図りにくい環境で業務を遂行するケースが増えます。そのため、コミュニケーションスキルは欠かせません。即戦力として期待される副業案件では、本業以上に積極的にコミュニケーションを取り、プロジェクトの方向性や進め方、ネットワーク設計などを把握するよう心がけると、本来の実力を発揮できるはずです。

ネットワークエンジニアが副業案件を探す方法

副業を始めるネットワークエンジニアの悩みの一つは、案件探しでしょう。ここでは、効果的に副業案件を探す方法を解説します。

フリーランスエージェントで探す

副業やフリーランスに特化したエージェントを通して副業案件を探すのは効果的です。フリーランスエージェントでは、本業の休日や就業後の空き時間を利用できる案件を数多く保有しています。自分ではアクセスできない企業とつながりを持てることや、スキルや条件に合った案件を紹介してもらえる点がフリーランスエージェントで探すメリットです。

クラウドソーシングで探す

ネットワークエンジニアの副業案件は、クライアントと受注者のマッチングを行うクラウドソーシングサービスでも掲載されています。クラウドソーシングでは、業務内容とともに必要とされる経験やスキルも明示されているため、自身に合った案件を見つけやすいのがメリットです。ただし、ネットワークエンジニアの副業案件は多くないため、プログラマーやシステムエンジニアなどがよく利用している総合型クラウドソーシングに登録するだけでは仕事が見つからない可能性があります。ジャンルを絞ったエンジニア向け特化型クラウドソーシングも併用するようおすすめします。

人脈やSNSで探す

時代の最先端を行くIT業界ですが、人材確保に人脈を頼るケースは少なくありません。2022年のフリーランス白書によると、案件を人づてに確保した副業者・フリーランサーは受注経路全体の7割を超えています。また、人脈を活用して割のいい仕事や収入が得られたと答えた人は回答者全体の75パーセントにのぼりました。案件の仲介者を通してあらかじめ信頼関係を構築できていることが、受注率や収入の高さにつながっているようです。案件確保にSNSも活用されています。SNSの拡散力を最大限に活用し、スピーディーな人材確保を行う企業もあります。案件確保が思うようにできないと感じるネットワークエンジニアは、SNSを使った人脈づくりも検討しましょう。

副業をする際の注意点

副業はメリットが多い反面、注意点もあります。無用なトラブルを招かないためにも、下記に示す3つの点は特に注意しましょう。

勤め先の就業規則を確認する

働き方改革の推進に合わせ、多くの企業が副業を解禁しましたが、すべての会社が副業を認めているわけではありません。まずは、本業の就業規則を熟読し、副業ができるかどうか確認しましょう。副業が禁止されているのにも関わらず副業をしてしまうと人事評価が下がったり、最悪の場合は解雇されることもあります。副業が認められていたとしてもあらかじめ上司などに相談し、本業への影響を考慮しておくのが得策です。

本業とのバランス

仕事において優先順位は大切です。本業あっての副業です。本業に支障が出るような働き方は避けた方が良いでしょう。会社が副業を認めていても、よく思わない上司や同僚は一定数います。副業していることをだれかれ構わず公言しない方が、無用な反感を招かずに済むかもしれません。本業と副業のバランスもとりやすくなるでしょう。

確定申告・社会保険の手続き

副業の所得が年間で20万円以上になる方は確定申告が求められます。また、20万円以下であっても住民税の申告は必要です。副業案件が業務委託ではなく雇用される形態のものもあります。本業・副業ともに雇用される場合は、勤務時間によっては社会保険の手続きをしなければなりません。複数の会社で勤務していても社会保険の加入は一社のみとなるため、加入しない方の会社で「健康保険・厚生年金保険所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。

まとめ

ネットワークエンジニアは、案件自体は少ないものの副業を行うことは十分可能です。他のエンジニアと差別化が図れる経験やスキルがあれば、高収入を得ることもできるでしょう。まずは本業の就業規則を見て副業が可能かどうか確認し、本業に支障が出ない範囲で自分に合った案件を探すのがおすすめです。副業案件は人脈を活用したり、副業案件に特化したエージェントに相談すると見つけやすいでしょう。

関連記事Related Posts