RPAエンジニアに副業をオススメする理由、案件の獲得方法や注意点も解説
近年、RPAを活用した業務効率化は注目度が高まっております。 副業ワーカーやフリーランスにRPA開発を依頼している企業もあり、そのような背景から副業を考えているRPAエンジニアの方もいるのではないでしょうか。
本記事ではそんなRPAエンジニアに向けて副業をオススメする理由や取得していると役に立つ資格などを解説していきます。
目次
RPAエンジニアに副業をオススメする理由
DXが提唱されている現代において、業務効率化に役立つRPAツールは幅広い業種から高い需要を誇っています。しかし、RPAエンジニアの供給は需要に追いついていない状況です。そのため、正社員として企業で活躍するRPAエンジニアに限らず、RPAに関する知識を持った人材が必要とされています。したがって、RPAエンジニアは副業でも需要があり、稼げるエンジニアを目指す選択肢としてぴったりと言えます。
RPAエンジニアが副業をするメリット
それではRPAエンジニアが副業に取り組むメリットとしては、どんなことが挙げられるのでしょうか。メリットを把握して、副業に取り組むべきかどうか判断してみてください。
理想とするキャリアに近づく
RPAエンジニアは、副業に取り組むことで、自分の理想とするキャリアにより速いペースで近づけます。正社員として一般企業で働いていると、企業の業種や規模、取引先などの条件によってできる仕事がある程度決まってしまいます。そのため、自分が描くキャリアに必要なスキルを身につけるのに時間がかかってしまったり、そもそも身につかなかったりすることも多いです。それに対して副業なら、自分でやりたい仕事を選べます。自分が必要としているスキルをもとに仕事を選ぶので、企業に所属するよりもハイペースでスキルを身につけられるでしょう。
また、エンジニアに限らずどんな仕事においてもスキル以上に経験が評価される傾向にあります。副業に取り組めば、普段企業で働いているときにしている仕事だけでなく副業で取り組んでいる分の仕事も並行して行うことになるので、経験を積むペースも速くなるでしょう。したがって、副業に取り組むことは、自分が望むキャリアへの近道と言えます。
高収入を得やすい
正社員として企業から報酬を得るだけでなく副業にも取り組めば、働く時間が増えるので当然収入も増えます。やはりお金があるに越したことはありません。副業に取り組めば今以上にお金を稼げるようになることから、好きなものを買ったり、良いお店で食事をしたり、より充実した生活を送れるようになるでしょう。加えて先ほど解説した通り、副業ならやりたい仕事を自分で選べることから、スキルが身につくペースが速くなります。したがって、今より待遇の良い企業への転職もより早く実現できるでしょう。このようにRPAエンジニアが副業に取り組むことは、本業の年収を上げることにも繋がります。
自由なライフスタイル
フリーランス向けの案件の中でも特に週2〜3日勤務のような副業向けの案件は、本業の仕事に配慮してくれる案件が多いです。また、政府が副業を推奨したことによって、副業に取り組めるようにリモートワークやフレックスタイム制を取り入れたり、副業をする前提で週3〜4日勤務にしたりする企業も増えています。そのため、平日5日のうち週3日は本業の方の会社に出社して残りの2日は副業に取り組んだり、朝6時〜15時の間は本業に取り組んでその後の3時間は副業をするなどといった働き方もできます。1つの会社で働き続けることにストレスを感じる人もいるでしょう。そこで副業も取り入れて複数の会社で働くことで、仕事のストレスを軽減し、本業に縛られない自由度の高い生活を送れるようになります。
RPAの副業案件の種類
RPAエンジニアのキャリアパスは主にエンジニア系とコンサル系に分かれます。RPAに関わる業務という点は共通していますが、求められるスキルや仕事内容はまったく異なるので、自分が得意とすることや希望するキャリアに合わせて仕事を選ぶことが大切です。それではRPAの副業案件の種類を見ていきましょう。
エンジニア系のRPA副業案件
エンジニア系のRPA副業案件では、RPAの開発や運用、導入を担当します。具体的な業務内容は、クライアントにヒアリングを行ってどんな機能を必要としているのかを洗い出して要件定義書を作成し、それを元にシステムを開発します。そしてただ開発をするだけでなく、その後も機能を追加したり不具合に対応したりして、システムを使い続けられるようにするのもエンジニアの仕事です。
エンジニア系のRPA副業案件の例としては、経理RPAシステムの構築やメンテナンスなどのサポート業務、CSVなどのファイルのシナリオ作成・修正業務が挙げられます。週に10〜20時間勤務も充実しており、副業としては働きやすいでしょう。ただ、金融業界における業務自動化に利用されがちな傾向があり、重要な個人情報が含まれている業務の自動化案件が中心で、基本的には出社が必須と思った方が良いです。
コンサル系のRPA副業案件
RPAは急速に広まったものなので、企業内にRPAに関する知識を持った人材がいないことも多いです。そこでコンサル系のRPAエンジニアは、RPAで何ができるのか、企業内でRPAを用いて自動化できる仕事にはどんなものがあるのかなどを説明したり、RPAを導入するにあたって必要な社内の調整を任されたりします。
コンサル系の案件はRPA案件の中でも単価が高い傾向にあるのが魅力的でしょう。ただしコンサル系案件はRPAでの開発経験の他にPMなどマネジメントポジションにおける経験や、クライアントの業界に関する知識など幅広いうえに高いスキルが求められます。また、調査など時間がかかる業務が多く、正社員と同じ週5日出社8時間勤務案件が中心です。副業で取り組める案件が少なく、倍率が高くなりがちな点を理解し、高い実力・経験を身につけたうえで応募する必要があるでしょう。
RPAエンジニアの副業案件の単価相場
AI業界を中心にフリーランスエージェント業を取り扱っているBIGDATA NAVIでは、RPAエンジニアのフリーランス案件の単価はエンジニア系案件で30〜50万円、コンサル系案件で80万円〜120万円と公表しています。ただこの数字は週5日勤務の案件も含んだうえでの数字なので、副業案件は勤務日数・時間が少ない分これよりもやや低い程度と見積もっておくのが良いでしょう。
RPAエンジニアの副業に必要なスキルや経験
それでは、RPAエンジニアが副業案件に応募するためには、どんなスキルや経験が求められるのでしょうか。これから副業案件を獲得したいと思っている方は、ここで紹介するスキルや経験を確認し、自分に足りないスキルを洗い出してみてください。
エンジニアとしてのスキルや経験
RPA案件の中にはプログラミングの知識がなくてもできるものもありますが、応募できる案件が限られますし、倍率の高い副業案件ならさらにその状態で応募するのは厳しいでしょう。そのため、RPAエンジニアの副業案件に取り組むにはプログラミングの経験及びエンジニアとしてのシステム開発への知見が欠かせません。実際にエラーが出た場面ではエラーの原因を特定するのにそのシステムの開発に使用した言語の理解が必須となります。
ちなみにRPAの現場で用いるシステムは金融業界などの業務用システムが中心です。そのため、RPA開発によく使われるPythonの他にC系の言語やVB.NET・VBSなどの言語の知識が求められることが多い傾向にあります。
RPAツールに関するスキルや知識
RPAツール開発においては当然RPAツールに関する開発経験やスキル・知識も必須です。ただ、RPAツールによって必要な知識や利用されることが多い業界も変わってくるので、どのRPAツールの需要が高いのかを理解したうえでスキルを磨いていく必要があります。日本では国産RPAツールで金融業界や官公庁などからの人気が高いWinActorや、世界3大RPAソフトと言われているUiPath・Automation Anywhere・Blue Prismあたりのスキルを身につけておけば、仕事に困らないでしょう。
バックオフィスのスキルや知識
繰り返し作業に強いRPAツールは、データ入力など単純作業が中心のバックオフィス業務でよく採用されています。そのため、バックオフィス業務がどのような工程で進んでいるのか、どんなルールのもとに運用されているのかなどバックオフィス業務への理解が必要となります。バックオフィス業務はエンジニアの業務に直結しているものも多く、バックオフィスの業務経験はエンジニアとしてのキャリアアップにも役立つでしょう。したがって、短期でも良いので事務作業などバックオフィスの業務経験も身につけておくのがおすすめです。
課題解決力
特にコンサル系RPAエンジニアとして活躍したいなら、企業がDXにおいて抱えている課題を洗い出し、その課題の解決には何が必要かを考えて提案する課題解決力も必要です。RPAは繰り返し行うルーティーンワークの自動化においては大活躍しますが、その代わりにイレギュラーが発生するような業務に弱いという難点があります。そこでRPAエンジニアは本当にこの業務はRPAで自動化する必要があるのか、RPA以外のツールで自動化した方が良いのではないか、そもそも人の手で行った方が良いのではないかと適切な選択肢を提案しなければいけません。そのため、普段から今自分がやっている業務にはどんな課題があるのか、この課題を解決するにはどうすれば良いか考えて実行に移す癖を付けましょう。
保有しておくと良いRPA関連の資格
RPAに関連するスキルをアピールする手段として、RPA関連資格を取得するのも良いでしょう。それではRPAエンジニアが保有しておくと良いおすすめのRPAエンジニア関連資格を紹介します。
Automation Anywhere RPA認定試験
Automation Anywhere RPA認定試験はアメリカ製RPAツールであるAutomation Anywhereに関連する試験です。エッセンシャル・アドバンスド・マスターの3つのレベルが用意されており、エッセンシャルは大学生や教職員、アドバンスド・マスターは実務でRPAを使用する社会人向けの資格となっています。Automation Anywhere RPA認定試験は選択式問題の他にBot開発も出題内容に含まれており、こちらの資格を取得することで開発スキルのアピールに繋がるのが大きなメリットです。
WinActor®認定資格
RPAツールの中でも国内トップシェアを誇るのがWinActorです。主に日系企業を中心に7,000社以上の導入実績があります。WinActor®認定資格はWinActorの操作や運用・保守に関連する資格です。WinActorの知見やスキルをアピールするためには、ぜひ取得しておきたい資格と言えるでしょう。資格にはアソシエイトとエキスパートの2種類があり、アソシエイトは基本的なWinActorの操作方法やシナリオ作成方法、エキスパートはシナリオの作成・変更など実務的な知識が問われる内容となっています。RPAエンジニアとして活躍するなら、エキスパートを取得しておくのがおすすめです。
UiPath RPA資格
UiPath RPA資格は、RPAツールの1つであるUiPathのレベルを問う資格です。アソシエイト・デベロッパー上級・オートメーションビジネスアナリストプロフェッショナルの3種類が用意されています。アソシエイトは基礎知識を問う内容で入門レベルと言えるでしょう。デベロッパー上級以上では、受験をするにあたってRPAツールを用いた実務経験が必要となるなど、より専門的な知識が要求されます。高難易度なRPA資格であり、自分の実務スキルをアピールするのに適していると言えます。
その他のRPA認定資格
これまで3つのRPA認定資格を紹介しましたが、それ以外にもRPA資格が存在します。余裕があるならこれまで紹介したもの以外にも資格に挑戦してみるのが良いでしょう。まず紹介するのがBluePrismです。BluePrismのRPA資格はAssociate DeveloperやSolution Designerなど計7種類が用意されています。資格の種類が多い分、出題範囲も細かく分かれており、自分が身につけているRPAのスキルの中でも特に得意とするものをアピールするのにぴったりでしょう。
もう一つ紹介するのが、国産RPAのツールであるBizRobo!関連資格です。基礎検定と認定開発者検定の2種類があり、特に認定開発者検定はBizRobo!を用いた実技試験となります。BizRobo!自体、WinActorと比べるとシェアは低いですが、国産ツールということで利用している企業は多いので、勉強する時間があったり、BizRobo!を用いた開発経験があったりするなら、認定開発者検定を取得しておくのがおすすめです。
RPAエンジニアが副業案件を獲得するための方法
それでは、RPAエンジニアが副業案件を獲得するには、どのような行動を起こせば良いのでしょうか。以下で副業案件を獲得する方法を見ていきましょう。
副業エージェントを利用
RPAに限らず副業案件を探すなら副業に特化したエージェントを利用するのがおすすめです。基本的に週2〜3日勤務で働ける案件しか取り扱っておらず、効率よくRPAの副業案件を探せるでしょう。ただ副業エージェント自体数が少ないですし、副業案件も限られているので、副業エージェントだけでなく、通常のフリーランス向けエージェントも同時に利用するのがおすすめです。
クラウドソーシングサイトを利用
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングは、効率よく副業案件を探すのにとても便利です。リモートワークや複数の案件を同時に担当するフリーランス向けの週2〜3日勤務、休日のみOKなどの案件が充実しています。クライアントも正社員エンジニアへの理解がある企業が多数存在しており、副業案件を見つけやすいでしょう。ただし、クラウドソーシングの場合、自力で自分をクライアントに売り込む必要がありますし、副業案件は応募者数も多いのが難点。したがって、最初はエージェントを利用し、ある程度慣れてきたらクラウドソーシングを利用するのがおすすめです。
友人・知人の紹介
万が一、近くにRPA開発に携わっていたり、DXに困っていたりする友人・知人がいるなら、その人から仕事を紹介してもらうのも一つの手です。ただし、身内から仕事を引き受ける場合、しっかり契約書を交わしておかないと報酬や納品物のクオリティでトラブルになることがあります。この場合仕事を依頼してくれた友人・知人だけでなくそれ以外の友人・知人との人間関係に影響が出るリスクもあるので、身内から仕事を引き受ける場合は身内だと曖昧になってしまいがちな取り決めごともしっかり話し合ったうえで引き受けてください。
RPAエンジニアが副業をする際の注意点
RPAエンジニアが副業案件に取り組む場合、気をつけなければならない点があります。トラブルを避けるためにも、副業の際の注意点を確認しましょう。
就業規則に違反する可能性
まず、副業に関連する就業規則は必ず確認しましょう。政府が働き方改革を推奨したことから、副業を許可する企業は増えています。しかし、RPAを多く導入する金融業界や保険業界、官公庁などは個人情報保護の観点から副業を禁止していることが多いです。公務員に関しても同様であり、必ず就業規則を見て、副業をしても問題ないか確認したうえで取り組みましょう。
副業に伴う事務作業
副業に取り組むにあたってはただ仕事をするだけでなく、その仕事をするうえで発生する、書類の準備などの事務作業も自分で行う必要があります。企業で働いている場合は総務部や経理部が担当してくれている業務を自分でやらなければいけないので、副業によっては業務に伴う事務作業の時間も確保しなければいけません。
確定申告が必要になる
副業で得た報酬にも税金が課されます。企業で働いていれば企業の担当者が所得税などの処理を行ってくれますが、副業の場合は自分で毎年2月中旬〜3月中旬頃に確定申告をして支払わなければいけません。確定申告では1年間副業で取り組んだ分の報酬や経費などが証明できる書類を準備してまとめる必要があります。確定申告直前になって焦って準備に取り掛かると確定申告期間に間に合わない可能性が高いので、毎月記帳する癖をつけるなどして、計画的に年度末の確定申告に向けた準備を進めましょう。
まとめ
RPAエンジニアは現代のDXにおいて注目度の高い職業です。そのため、RPAツールを開発できるスキルや経験があれば、本業の他に副業にも取り組むことでより需要の高いRPAエンジニアを目指せるでしょう。ただ、副業は自分のプライベートの時間を削って仕事に取り組むことになる働き方でもあります。したがって、本業やプライベートの時間とのバランスを考えたうえで、RPAエンジニアの副業案件を探してみてください。
AIを仕事にするためのキャリアノウハウ、機械学習・AIに関するTopics、フリーランス向けお役立ち情報を投稿します。