データ分析に役立つ資格8選!データサイエンティストに必要なスキルも解説
データ分析を業務にするデータサイエンティストやデータアナリストになるために、必要な資格はあるのでしょうか。IT化やデジタル化が進んだビジネス社会では、膨大なデータが活用できるようになりデータに分析スキルにも注目が集まっています。 資格を持っていれば、データ分析業務を行いやすく、スムーズに作業できるようになります。
本記事では取得しておくデータ分析業務に役立つ資格を中心に、求められるスキルや知識、年収についても解説します。
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データサイエンティストやデータアナリストといったデータ分析のスキルを必要とする人にとって、そのスキルを証明してくれる資格は大きな意味を持ちます。資格を取得することで就職や業務に活用できるほか、自分のスキルや評価をより上げていくこともできるというメリットがあります。様々な団体が資格認定していますが、データ分析に特に役立つのは以下の8個の資格です。
基本情報技術者試験
「基本情報技術者試験(FE)」は、経済産業省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理の国家試験です。IT業界で情報処理技術者として従事している人や働きたい人を対象とした試験で、合格すると情報処理技術についての基礎的知識と技能を有していることを証明できます。試験の出題範囲が多岐に渡るのが特徴で、内容は「テクノロジ系(技術的内容)」「マネジメント系(管理的内容)」「ストラテジ系(業務的内容)」の3つの分野に分かれ、それぞれの基礎的内容を問われます。
データベーススペシャリスト試験
「データベーススペシャリスト試験(DB)」は、経済産業省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するデータベースについての国家試験です。IPAの試験の中でも求められる知識・実践レベルが最も高く、情報処理系の試験としては国内最難関レベルになります。システムエンジニアとして専門分野を持ち、その固有技術を活かした情報システムの業務に携わる人を対象とした試験で、合格すると、データベースの技術的な専門性を有することを証明できます。試験は、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系のほかに、データベースの分野から主に出題されます。
OSS-DB技術者認定試験
「OSS-DB技術者認定試験」は正式名称を「オープンソースデータベース技術者認定試験」といい、特定非営利法人LPI-Japanが実施するデータベースについての民間試験です。基礎的レベルのSilverと応用レベルのGoldの2つのレベルがあり、どちらも受験に実務経験は必要とされませんが、Goldの受験に関してはSilverの保有が条件になります。試験に合格するとオープンソースデータベース(特にPostgreSQL)に関する技術力と知識を有することを証明でき、資格は5年間有効です。試験は、Silverは一般知識、運用管理、開発/SQLの3分野から、Goldは運用管理、性能監視、パフォーマンスチューニング、障害対応の4分野から出題されます。
統計検定
「統計検定」は、一般財団法人統計質保証推進協会が実施し、一般社団法人日本統計学会が資格認定する統計の民間試験です。1級から4級まで5つのレベルで実施していて、内閣府を始め、文部科学省、総務省、経済産業省、厚生労働省が後援する信頼性の高い試験のひとつです。
受験条件はなく誰でもすべての級を受けることができ、合格するとそのレベルの統計学の知識や活用力を有していることを証明できます。試験範囲は級によって異なり、3級までは中学・高校数学の知識、2級は大学基礎統計学の知識、準1級は統計全般の知識についての出題ですが、1級のみ、統計数理と統計応用2つの分野について試験がそれぞれ行われ、2分野に合格した時点で1級合格となります。
G検定・E資格
「G検定(ジェネラリスト検定)」と「E資格(JDLA Deep Learning for ENGINEER)」は、どちらも一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するディープラーニングについての民間試験です。G検定に受験条件はなく、合格することでディープラーニングの基礎知識と活用スキルを証明できます。一方、E検定はJDLA認定プログラムを2年以内に終了している人のみ受験でき、合格することでディープラーニング理論の理解力、実装できるスキルを証明するものです。
G検定がジェネラリスト向けの試験であるのに対し、E資格はエンジニア向けの試験であるため、E資格の方が難易度がかなり高くなっていることも特徴です。試験は、G検定がディープラーニングの基礎知識から出題されるのに対し、E資格は応用数学や深層学習の高度な知識を問われます。
Python3 エンジニア認定データ分析試験
「Python3エンジニア認定データ分析試験」は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施するPython3とデータ分析についての民間試験です。受験条件はなく誰でも受けることができ、合格することでプログラミング言語Pythonに関する基礎知識とデータ分析についての実務スキルを有していることを証明できます。試験はPythonや数学の基礎に加え、NumPyやpandasといったライブラリによる実践分析問題が多く出題される傾向にあり、データ分析に特化した資格といえます。
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
「ORACLE MASTER」は日本オラクル株式会社が実施するデータベースについての民間試験です。Bronze、Silver、Gold、Platinumの4段階のレベルの試験があり、BronzeとGoldは受験条件なし、GoldとPlatinumはひとつ下位の資格保有が受験条件になります。合格することで、世界トップシェアのデータベースOracle Databaseの管理スキルを有していることを証明できますが、Silver以上に合格するとOracle Certification Program(OCP)による自動認定が行われ、世界基準の資格として扱われることも特徴です。試験はOracle Databaseの管理や運用、SQLの知識、システム設計などについてそのレベルに応じた問題が出題されます。
統計士・データ解析士
「統計士」「データ解析士」は、内閣府移行認可一般財団法人実務教育研究所が実施している通信教育を通して認定される統計の民間資格です。文部科学省の厳しい審査に通った講座なので安心して受講することができ、受講に条件はありません。
「統計士」は「現代統計実務講座」を受講し、報告課題と終末試験を基準点以上でクリアすることで資格が付与されます。試験は統計の基礎と、標本調査や実験計画といった統計的手法を中心に出題され、資格を得ると統計の基礎的知識とスキルを証明できます。
一方、統計士に比べより高度なスキルを証明するのがデータ解析士です。「データ解析士」は「多変量解析実務講座」修了後、実務教育研究所が実施する「データ解析士認定試験」に合格する必要があります。試験は多変量解析の基礎に加え、重回帰分析や質的変数を含む回帰分析など発展的解析から出題され、合格すると、統計やデータ解析の実践的スキルを証明できます。
データ分析に必要な4つのスキルや知識
データ分析には様々な要素が含まれているため、正しく理解し分析を成功させるにはいくつもの知識が前提条件として必要になります。ここでは、データ分析に特に欠かせないスキルや知識について解説します。
統計学に関する知識
統計学は、ばらつきのある群データについてその規則性・不規則性を見出し、ビッグデータの抽出した上でその性質を調べる学問です。データ分析はデータを収集・分析し、有用な情報や傾向を明らかにする作業ですが、その作業に必要なスキルは統計学の知識がベースになっています。特に応用数学を用いた統計の手法はデータ分析の基礎として重要です。統計学の知識が、信頼性のある結論を導きます。
プログラミングスキル
プログラミングは、PCに命令を書くことによって、AIの活用、データ取得、環境構築などいくつもの方法の組み合わせで効率的に処理しながらPCを動かしていく手法です。膨大なデータを効率的に処理していく作業であるデータ分析にとって、効率化を図るプログラミングスキルは必要不可欠なものです。中でもデータ分析に特に役立つのが「Python(パイソン)」のスキルです。とても扱いやすい言語であること、ライブラリが充実しているため分析プログラムを作りやすいこと、大きいデータでも扱いやすいことなど、データ分析に適した条件が揃っているためであり、実際に多くの企業で使われています。
ソフトウェアの知識
データ分析は膨大なデータ量を扱うため、通常、分析に特化したソフトウェアを使って作業を進めます。分析の中で特に複雑な作業である計算についても、ソフトウェアを用いることで正確に短時間で完了させることが可能です。特によく使われているIBM社の「SPSS」やMicrosoft社の「Excel」「Power BI」といったソフトウェアの知識は、効率的なデータ分析に大きく役立ちます。
マーケティングスキル
データ分析は、ビジネスの場面でも活用されています。データ分析には、分析結果をもとにしたサービスの提供や将来予測、戦略策定など、データを活かして利益につなげる役割が大きくあります。単にデータを分析するだけではなく、顧客や傾向へのアプローチ手段にするという意味で、マーケティングの知識やスキルはデータ分析にとても有用です。
データ分析をおこなう職種であるデータサイエンティストを解説
データ分析をする職種のひとつとして「データサイエンティスト」があります。データサイエンティストとはデータの収集や分析をするだけでなく、その知識やスキルを活用して企業の課題解決に取り組みビジネスにおける価値を創り出す仕事です。ここでは、データサイエンティストの具体的な仕事内容や年収について解説します。
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストの仕事内容は、主に4つになります。
戦略の立案
多角的に課題を抽出し、目標を明確化した上で仮説と戦略を立案します。
環境構築
業務システムやSNSからのデータ収集バッチ作成、Hadoop、MySQLを使ったデータベース構築などデータ分析のための環境構築を行います。
データ分析
ビッグデータを収集し、データのクレンジングや加工といった処理をした上で、分析作業を行います。
検証と提言
最初にデータの仮説検証を行います。仮説が立証されれば、データを整理しKPI(重要指標)に設定した上で解決策としてレポートを作成し提出します。
データサイエンティストの年収
日本国内のデータサイエンティストの平均年収は約700万円です。月給換算で月58万円、初任給は25万円ほどで平均的に高水準になっていますが、業務内容や専門的スキル、実務経験の有無などによって大きく変動します。また、業務内容にデータ分析が含まれる場合、給与額は平均してプラス3%ほどになっていて、地域では近畿圏が最も平均年収が高くなっています。
参考:Indeed 求人ボックス 給料ナビデータサイエンティストの仕事の年収・時給・給料
データ分析の資格を取得するための学習方法
実際にデータ分析の資格を取得するにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、「独学」と「オンライン講座」という2つの学習スタイルについて、より効率的に習得するためのポイントも含めて解説します。
書籍やWebサイトを活用した独学
データ分析の資格は、参考書や学習サイトを活用して独学でも取得することができます。資格ごとに多くのテキストが市販されていますが、資格によっては実施団体が認定する公式問題集や参考書があるので、それぞれを確認の上自分に合ったものを選択しましょう。
また、ホームページ上でeラーニングを提供している団体もあります。常に最新の情報で学習でき、習熟度チェックなども可能なので、問題集などと組み合わせて使うととても有用です。独学は自分のペースで進めることができますが、だらだらとしたり、投げ出してしまうといった心配もあります。まず受験日を決めて、それに合わせた学習計画をしっかりと立てて臨むことが大切です。
オンライン講座を活用した学習
データ分析の資格取得を目指す人を対象に、様々なスクールからオンライン講座が提供されています。オンライン講座は、ビデオ通話を使ってリアルタイムに講師とやり取りをしながら学習を進めるタイプと、eラーニングをひとりで進めながらわからない部分を講師にビデオ通話等で質問できるタイプとに分かれます。
どちらも専門家に指導を受けながら進められるので、苦手をその場で克服しながら深い理解につなげることができますが、講義や講師とのやりとりは前もって予約しなければいけないという面があります。同じオンラインの講座でも特徴は大きく異なるので、自分の生活リズムに合ったもの、続けられるものを選択しましょう。
まとめ
ここまで、データ分析の資格について解説してきました。データ分析とは膨大なデータを収集し、分類や加工、順位付けをした上で解析をする作業を指します。データ分析をビジネスに活用し、問題解決や価値の創造をしていくデータサイエンティストは、DXの推進により需要が高まり続けていることは特筆すべき点です。また、データサイエンティストは様々な資格を取得していくことで、より人材価値を高めることができます。データ分析やその資格に興味がある方は、ぜひ自分に合ったスタイルで学習を進めてください。
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