C++の需要って?特徴や年収相場、求められるスキルや将来性とは
「C++は古いって聞いたことがあるけど、需要はあるの?」
「C++エンジニアを目指す方法は?」
このような疑問がある方もいるのではないでしょうか?
これからエンジニアを目指す方にとって、プログラミング言語の需要や将来性、年収相場は気になるポイントの1つです。この記事では、C++の需要と将来性について解説します。言語の概要やメリット・デメリット、年収相場や他のおすすめプログラミング言語についても解説しているため、C++の習得を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
C++とは?
C++は、「C言語」から派生したプログラミング言語です。C言語の処理速度や汎用性を受け継ぎながら、さらに「オブジェクト指向」の概念が加わって拡張された言語のため、C言語と互換性があります。C言語から受け継いだ汎用性の高さと処理速度の速さが特徴の言語で、開発以来40年にわたり、以下のような幅広い分野で利用されてきました。
- 大規模な企業システム開発
- ロボットの制御
- AI開発
- IoT開発
- 組み込みシステム開発
- ゲーム開発
C++を習得するメリット、デメリット
ここでは、C++を習得するメリット・デメリットを紹介します。C++にはメリットもありますが、習得する際に注意すべきデメリットも存在します。これからC++エンジニアを目指す方は、メリット・デメリットを考慮したうえで言語を選択してみてください。
メリット
C++を習得するメリットとして、次の2点が挙げられます。
- 活躍の場が広い
- 他の言語を習得しやすい
C++は汎用性が高い言語のため、習得できれば幅広い分野で活躍できる可能性があります。組み込み系システムやロボットの制御技術を中心に、最近ではAIやIoTでも使われる場面があるため、習得できればそれなりの需要が見込まれるでしょう。
また、C++を習得することで、他のプログラミング言語の習得に役立つというメリットもあります。C++と、その元になったC言語は共に歴史が長く、近年人気のある様々なプログラミング言語に影響を与えています。C++を学ぶことで、コンピュータやプログラミング言語への理解が深まり、他の言語を習得する際にも学習が進めやすい、というメリットがあります。
デメリット
C++を習得するデメリットは、習得難易度が高いという点です。C++はC言語を元にしたプログラミング言語のため、元々習得難易度が高いC言語よりもさらに習得が難しくなっています。C++では複雑なコードを書く必要があり、覚えるべき事柄が多く、ただプログラムを実装するだけではなくコンピュータのメモリ管理までしなければなりません。C++の場合はオブジェクト指向の概念まで加わっているため、特にプログラミング経験のない方は理解に苦労するかもしれません。IT初心者が独学で習得するには、かなりの時間と努力が必要になるでしょう。
C++エンジニアの仕事内容・開発事例
ここでは、C++エンジニアの仕事内容や開発事例について解説します。C++は非常に汎用性が高い言語で、様々なシステム開発で利用されています。
組み込み系システムなどのシステム開発
C++は特に、組み込み系システムなどのシステム開発でよく利用されています。組み込み系システムとは、電化製品や大型機械などの動きを制御するためのシステムです。C++は処理速度が速く、プログラムの容量を小さくおさえることができるため、組み込み系システムをはじめとする、容量に制限があるシステムに向いているのです。
もちろん、C++は組み込み系システム以外にも、企業で使われる大規模なシステム開発にも利用されています。処理速度が速いため、負荷が大きくなりやすい大規模なシステムでも活躍できるのが、C++の強みです。
スマホアプリの開発
スマホアプリの開発といえばSwiftやJavaが主流ですが、C++を使ってスマホアプリの開発もできます。C++がスマホアプリ開発に使われている一因として、「C++Builder」という統合開発環境の存在が挙げられます。C++Builderは、AndroidアプリからiOSアプリ、Windows、MacOS用のネイティブアプリまで開発可能な統合開発環境で、OSを限定せずにアプリ開発が可能です。
スマホアプリの需要は今後も伸びることが想定されるため、OSを問わずに開発ができるC++は、今後もスマホアプリ業界で活躍が期待されます。
ゲーム開発
C++は、その処理速度を活かしてゲーム開発にも使われています。例えば最近では、ゲームエンジン「Unreal Engine」もC++を使って開発されています。特に近年のゲームは処理が重くなりがちなため、C++が使われる場面もよくあり、ゲームエンジニアを目指している方にもC++はおすすめです。
C++エンジニアの年収・単価相場
ここでは、C++エンジニアの年収と、フリーランス向け案件の単価相場について解説します。C++エンジニアは、他のプログラミング言語を扱うエンジニアと比較して、高年収が期待できるとされています。
例えば、2020年に「tech street」によって発表された、「2020年プログラミング言語別年収ランキング」では、C++は高い順位に位置しています。
C++は20代部門では「390万円」で第13位ですが、30代部門では「521万円」で第6位、40代部門では「633万円」で第2位、50代部門では「635万円」で第1位となっています。ITエンジニア全体の平均年収が約500万円程度であることを考慮すると、C++エンジニアは、特にキャリアを積んでから高年収が期待できるエンジニアと言えるでしょう。
また、フリーランス向けのC++案件の単価相場は月額「70万円」とされています。これを単純に計算すれば、年収としては840万円程度になるため、正社員と比較しても高収入になる可能性は高いと言えるでしょう。また、他のプログラミング言語であるJavaやPHPの単価相場が月額70万円程度であることを考えれば、C++の場合であっても著しく報酬が下がるといったわけではなさそうです。
C++エンジニアに求められるスキル
C++エンジニアには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。C++についての基礎的な知識はもちろん必要ですが、C++エンジニアとして活躍し、高年収を得るには、他にも身につけておきたいスキルがあります。
1つ目はC言語のスキルです。C++は元々C言語を元に作られており、両者には互換性があります。両方を使いこなせるようになれば、C++エンジニアとしての活躍の幅はさらに広がるでしょう。一から習得したい場合は、先にC言語を学んでから、オブジェクト指向などの追加要素を含むC++の習得に着手することをおすすめします。
2つ目は、開発対象についてのスキルです。C++は様々な分野で開発に利用されているため、開発するものに応じて特殊なスキルが必要になります。例えば、組込みシステムであればTRONやLinuxなどのOSを扱う技術が求められ、IoT分野であればネットワークに関する技術が求められます。
いずれにしても、C++エンジニアとして活躍するためには、C++だけでなく、プラスアルファのスキルが必要になります。まずはC++の習得が第一ですが、自分が志望する領域に合わせて勉強してみましょう。
C++の需要・将来性
ここでは、C++の需要と将来性について解説します。これからエンジニアを目指す方にとっては、歴史あるC++を今から習得することに意味があるのか、気になる方も多いでしょう。
結論から言えば、C++には今後も一定の需要が見込めます。
近年、JavaやPythonなどが普及しつつあるため、C++などの古い言語はもう価値がなくなっていくのではないかという懸念もあります。しかし実際のところC++は、現在も組込みシステムやIoT分野で盛んに利用されています。また、既存の大規模システムにC++が使われているというのもC++の需要が見込まれる一因です。既存システムの改修や保守には、どうしてもC++が必要になるためです。
しかし一方、JavaやPython、PHP、Rubyなどの言語に比べると、どうしても求人の数は少なくなってしまいます。習得難易度の高いC++をわざわざ学ぶよりも、初心者でも学習しやすく案件が多い言語の習得から始めたいという方も増えてきています。これからエンジニアを目指す方は、C++に強いこだわりがあるのでない限り、他言語の習得から検討してみるのもおすすめです。
C++以外の需要・将来性があるプログラミング言語
C++には魅力もありますが、IT初心者の方が一から習得するには難易度が高いという注意点もあります。これからC++の習得を目指す方は、まず他の言語の習得からはじめてみるのもおすすめです。ここでは、C++以外に需要・将来性があるプログラミング言語について解説します。
Python
1つ目は「Python」です。初心者でも学習しやすく、はじめてプログラミングに触れる方にもおすすめの言語です。近年急激に需要を伸ばしている言語で、学習教材が豊富にあることもポイントです。AIや統計処理、Webアプリなど様々な分野で使用されており、今後も高い需要が見込まれます。
Java
Javaは汎用性の高さに定評のあるプログラミング言語です。スマホアプリから大規模システムまで、様々な分野で利用されている言語です。Pythonに比べると習得難易度は上がりますが、こちらも歴史が長く、学習教材が豊富にあります。求人も多いため、習得できれば幅広い分野での活躍が期待できます。
JavaScript
JavaScriptは、Webのフロントサイドで主に使われる言語です。PythonやJavaがWebアプリの裏側の処理を担当するのに対し、JavaScriptはWebページに動きをつけるために盛んに利用されています。便利なフレームワークが多数提供されており、初心者でも学習コストが比較的低い言語です。
AIを仕事にするためのキャリアノウハウ、機械学習・AIに関するTopics、フリーランス向けお役立ち情報を投稿します。