Pythonエンジニア向けの資格7選を徹底解説!内容や学習法、メリットをチェック
Pythonは、 近年AI開発の分野との相性の良さから注目され、人気の高まっているプログラミング言語です。
AI関連の開発で使われる機械学習や、ビックデータ活用などの際に利用されるデータ分析用のライブラリが充実しているのが最大の特徴ですが、Webサービスやゲームの開発などにも適しており、有名なSNSや動画投稿サービスなどもPythonで開発されています。
現在Pythonの開発スキルを持った人材のニーズは急速に高まっているため、Pythonを用いた開発スキルがあれば、参画できるプロジェクトの幅は広がります。そのため、Pythonのスキルを身につけようとする人も増えており、Pythonに関する資格試験の受験者も、年々増加傾向にあります。Pythonの開発エンジニアとして活躍するために、Pythonに関する知識を客観的に証明できる資格を取得することは、大きな意義があると言えるでしょう。
この記事では、Python資格の取得を考えている方に向けて、資格の種類と内容、勉強方法、資格取得のメリットなどをご紹介します。
Pythonエンジニア向けのおすすめ資格7選
Pythonの代表的な資格としては、国内の一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している国内の資格と、ポーランドの非営利団体であるOpenEDG Python Instituteが実施している海外の資格があります。それぞれ、受験が可能な資格は以下の通りとなっています。(2022年11月時点)
【一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している資格】
- Python3エンジニア認定基礎試験
- Python3エンジニア認定データ分析試験
- Python3エンジニア認定実践試験
【OpenEDG Python Instituteが実施している資格】
- PCEP – Certified Entry-Level Python Programmer
- PCAP – Certified Associate in Python Programming
- PCPP1 – Certified Professional in Python Programming 1
- PCPP2 – Certified Professional in Python Programming 2
なお、OpenEDG Python Instituteが実施している4種類の資格は、国内で受験できる国際的なPythonの認定試験になりますが、試験は全て英語で実施されますので、英語力も必要となります。
それでは、各試験の内容やレベルについて解説していきます。
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonの基本的な文法を中心に問われる試験です。Pythonに触れるのが初めてという方だけでなく、プログラミングの初心者でも十分にチャレンジできる内容となっています。Pythonを扱うエンジニアを目指す際に、まずは取得しておきたい資格です。
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、データ分析の基礎や、Pythonを利用したデータ分析の方法を問う試験です。データ解析に用いられる代表的なライブラリに関する知識などが出題範囲となります。Pythonに触れたことのある方は、十分に理解できる内容となっていますが、初心者の方はPython3エンジニア認定基礎試験に合格してからのほうがチャレンジしやすいでしょう。
Pythonを利用してAIなどの機械学習システムを開発する際の応用力が問われる内容となっているため、AIやデータ分析に関わるエンジニアを目指す方は、取得しておくべき資格と言えます。
Python3エンジニア認定実践試験
Python3エンジニア認定実践試験は、Pythonを実践的に使っていく上で重要な仕様やライブラリの使い方を問う試験となります。2022年11月29日から開始された試験で、Python3エンジニア認定基礎試験、Python3エンジニア認定データ分析試験の上位試験に位置付けられています。内容としては、より実践的なPythonの使い方を身につけることで、プログラマーのコーディング力の底上げを図ることを狙いに作られています。
開発の考え方や、標準ライブラリ、サードパーティ製のライブラリの使い方など、実際の開発現場で使われるような知識やスキルを持ち、活用できる能力があるかが問われます。
PCEP
PCAPは、Pythonプログラマーのエントリーレベルの位置付けで、Pythonの基本的な文法や、プログラミングの基礎知識を問う試験です。
出題範囲はPython3エンジニア認定基礎試験とほぼ同じ基礎的な内容であるため、初心者でもチャレンジできる内容となっています。Python3エンジニア認定基礎試験に既に合格している方は、英語の設問を理解できる英語力さえあれば、十分に合格することが可能です。
PCAP
PCAPは、Pythonプログラマーのアソシエイトレベルの位置付けで、Pythonを使ってシステム開発の実務を遂行できるレベルの知識とスキルがあるかが問われます。
出題範囲は、Pythonの文法に加え、オブジェクト指向プログラミングのアプローチについての基本的な知識や、モジュールやパッケージの使い方など、より実践的な内容となっています。
PCPP1
PCPP1は、Pythonプログラマーのプロフェッショナルレベルの位置付けで、高度なPythonプログラミングや関連技術などのスキルが問われます。PCPPは2段階に分かれており、PCPP1は1段階目の試験となります。なお、PCPP2を受験するためには、PCPP1を取得している必要があります。
出題範囲は、オブジェクト指向プログラミングの開発スキル、GUIプログラミングやファイルの処理とプログラム環境との通信などの実践的な開発スキルを問う内容になっています。
PCPP2
PCPP2は、PCPP1の上級試験で、Pythonの開発経験が豊富なプロフェッショナルであることを認定する試験です。
出題範囲は、テストの原則と手法、デザインパターン、ネットワークプログラミング、クリーンなコード設計の原則などです。PCPP2を取得することで、Pythonプログラミングに関する高度な専門知識を有し、開発プロセスのライフサイクル全体において総合的に習熟していることを証明できます。
Python国内資格の受験概要と受験のステップ
ここでは、Pythonの国内資格であるPython3エンジニア認定試験の受験概要と、受験のステップについてご説明します。
試験会場・試験日程・支払方法
試験会場は、全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンターとなっています。
試験は通年行われており、申し込みも随時受け付けているため、いつでも都合の良いタイミングで受験することができます。
支払い方法はクレジットカード、銀行振込などがありますが、受験するテストセンターによって異なりますので、テストセンターのサイト上で事前に確認しておくのが良いでしょう。
受験のステップ
試験の申し込みから受験、結果の受け取りまでのステップをご紹介します。
Odyssey IDの取得
はじめに、申し込みサイトからOdyssey IDを取得します。
申し込みサイトURL(外部サイトへ移動します)
https://cbt.odyssey-com.co.jp/cbt/registration/index.action
試験会場を指定する
次に、オデッセイコミュニケーションズCBTテストセンターから、希望する試験会場を指定します。試験会場によって試験を実施している曜日などが異なるため、事前に試験会場の情報をチェックしておきましょう。
試験会場のサイトURL(外部サイトへ移動します)
https://apply.odyssey-com.co.jp/center/search100.php?examtype=56
受験当日
試験当日は、以下の3点を忘れずに持参しましょう。
- Odyssey IDとパスワード
- 受験票
- 写真付き身分証明書
特に身分証明書は、忘れると受験できないため注意してください。
結果レポートの受け取り
試験の合否は、試験終了直後に確認することができます。試験終了後「試験結果レポート」が渡されますので、受け取って保管しておきましょう。
Python資格の学習法
Python国内資格の学習方法は、Python3エンジニア認定試験を実施している、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会のサイトで、指定書籍やオフィシャル認定スクールが紹介されているため、これらを活用するのが効率的です。また、オンライン学習サイトを利用する方法もあります。
書籍やオンライン学習サイト、認定スクールについて、以下にご説明します。
指定書籍を活用する
それぞれの資格には、主教材が指定されています。試験はおもに主教材の内容に沿って出題されるため、指定書籍を使って学習することが基本となります。それぞれの資格の指定書籍は次の通りとなります。
Pythonチュートリアル 第4版
Python3エンジニア認定基礎試験の指定書籍です。Pythonの制作者であるGuido氏による書籍で、Pythonの言語の仕様について、基本的な概念と機能を学習することができます。標準ライブラリを中心とした基本的な文法が紹介されており、Python初心者がPythonを使いこなすために必要な知識を身につけられる内容となっています。
Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書
Python3エンジニア認定データ分析試験の指定書籍です。Pythonを使ったデータ分析を行う際に必要な基礎知識や方法を学ぶことができます。データ分析で用いられるライブラリの使い方が体系的にまとめられており、Pythonを使ったデータ分析エンジニアになるためのスキルを身につけることができます。
Python実践レシピ
Python3エンジニア認定実践試験の指定書籍です。Pythonで開発を行う時に役立つ機能やライブラリが網羅されており、実践的な内容となっています。 Pythonの環境構築、コーディング規約や言語仕様の解説から、オブジェクト指向の実装をサポートするクラス、標準ライブラリとサードパーティライブラリの活用方法の紹介など、実践で役立つ機能が幅広く網羅されています。
オンライン学習を活用する
Pythonのオンライン学習サイトは多数存在しており、初心者から学べるサイトも複数あります。無料のサイトと有料のサイトがあり、それぞれ提供されるサービスも異なりますので、利用を考える際は比較検討してみると良いでしょう。
認定スクールを利用する
認定スクールは、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会のサイトに記載されています。
認定スクール一覧URL(外部サイトへ移動します)
https://www.pythonic-exam.com/school
認定スクールで開催されているコースの詳細は、各スクールのHPを確認するのが良いでしょう。一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会のサイトに、認定スクールの紹介が掲載されているため、こちらを一読することで各スクールの特色を掴むことができます。
認定スクール紹介URL(外部サイトへ移動します)
Python資格を取得するメリット
Pythonの資格を取得することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下にご説明します。
Pythonについて効率的に学習できる
Python資格の試験内容は、Pythonに関する知識が体系的に網羅されています。したがって、Python資格の取得を目指し、指定教材や学習サイト、スクールなどを利用して学習することは、Pythonの効率的な学習につながります。知識を得るだけでなく、実際にPythonに触れながら学習することで、さらに効率的にスキルを習得することができるでしょう。
スキルをアピールでき、年収アップにつながる
資格を取得することで、自らのスキルレベルを客観的に証明することができ、企業からの評価を得ることができます。
近年、PythonエンジニアはAIやビックデータ活用のニーズの高まりから、ITエンジニアの中でも高い年収が得られる傾向にあります。そのため、高度なスキルやデータ分析など専門的なスキルを持っていることを証明できると、年収アップにもつながる可能性があります。
転職に有利になる
Pythonの資格を取得しておくことは、転職活動の際にもメリットがあります。スキルシートや面接のみでは、Pythonの具体的なスキルを正確に伝えることは難しいですが、資格を保持していることで、一定のスキルがあるとみなされます。また、同じようなスキルを持った人材が複数いるような場合は、資格保持者を優先して採用する企業は多いでしょう。
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