キャリア

データサイエンティストは後悔する?やめとけって本当?理由や実態を徹底分析!

近年注目されている職業であるデータサイエンティストですが、「後悔する」「やめとけ」といった意見をインターネット上で目にすることがあります。データサイエンティストを目指す人の中には、こうした声が気になるという人も多いのではないのでしょうか。そこで今回はデータサイエンティストは後悔すると言われている理由や、データサイエンティストの実態について徹底分析していきたいと思います。

目次

そもそもこんな理由だとデータサイエンティストを後悔する

データサイエンティストを目指す理由は人それぞれですが、「そもそもこんな理由だと後悔する」というものもあります。例えば「最近流行っているから」という理由で、何となくデータサイエンティストを志望してしまうと後悔しやすいでしょう。データサイエンティストは非常に広範な知識が高いレベルで必要となる職種です。特に未経験からスタートする場合は、生半可な気持ちで勉強を始めてもすぐに挫折してしまう可能性が高いです。

他にも、データサイエンティストは一人で黙々とデータ分析の作業をする仕事だと想像している方も止めておいた方が良いでしょう。実際には、チームワークが必要とされる場面が非常に多いからです。人と接するのが苦手だからという理由でデータサイエンティストの職に就いてしまうと、ほぼ間違いなく後悔することになります。

また、データサイエンティストはクライアントの業務を深く理解している前提での分析や助言が求められます。中には経営者視点で意見を求められたり、マーケティングの知識が必要となるケースも少なくありません。データの分析だけに集中したい方もデータサイエンティストには向いていません。このように、データサイエンティストという職種への理解が浅いまま、イメージだけで転職や就職を希望すると、後悔してしまうことになります。

データサイエンティストは後悔すると言われている理由

ここではなぜデータサイエンティストは後悔する、止めておいた方が良いと言われるのかについて掘り下げて解説していきます。あらかじめ後悔しやすい理由を知っておくことは、これからデータサイエンティストを目指す上で役立ちますので、しっかりとチェックしてみてください。

勉強する内容が多く、未経験者にはハードルが高い

未経験の状態からデータサイエンティストになるためには膨大な勉強量が必要となります。データサイエンティストになるためには数学、統計学、論理学、プログラミングなど幅広い知識を、深く理解していなければなりません。それに加えて、実務では顧客の業務に関する分野の専門的な知識も求められます。全くの未経験からデータサイエンティストを志す場合には、少なくとも2~3年程度は勉強期間として見積もっておく必要があります。

数学や統計の知識が必要で、理系出身でないと厳しい

データサイエンティストには数学や統計の知識が必須です。例えば、データ分析には欠かせない機械学習を適切に活用するためには、線形代数や偏微分といった理系大学レベルの数学の知識が必須となります。機械学習モデルのアルゴリズムをある程度理解していなければ、エラーが発生した際の対応にも支障をきたすでしょう。また、数学的な知識が足りていないと、データサイエンティスト同士の意思疎通で問題が生じる可能性があります。それだけでなく、機械学習モデルのアルゴリズムは常に進歩や変化をし続けているため、専門的分野の勉強は終わることがありません。元々理系の出身者ならある程度は問題ないかもしれませんが、文系出身者が一から始めるのはかなりの努力が必要となります。

データの前処理など、地道な作業が多い

データサイエンティストの実務においては、生のデータをそのまま分析に掛けられるケースはまずありません。データを実際に使える形に変換するためにはデータの前処理を行わなければなりません。この段階ではデータ変換作業も定型化されておらず、自動化するのが難しいのが一般的です。案件や状況に応じて個別に対応しなければならないので、想像以上に手間と時間が掛かり、地道な作業を繰り返すことになるでしょう。こちらはむしろ機械学習や数学に精通しているタイプの人が後悔しやすいポイントです。

正解がないために試行錯誤が必要になる

データサイエンティストの仕事は、正解のない仕事だという理解も必要です。立てた仮説を基にデータ分析を行った結果、仮説が実証されなければ、再び仮説を立てるところからやり直すといったケースも少なくはありません。作業には納期が設定されているため、時間との勝負になることもあるでしょう。加えて、作業の結果について顧客に納得してもらう必要もあります。このように常に試行錯誤が求められる仕事であるハードさが、「後悔」という感情につながることがあります。

プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力も必要

黙々とデスクに向かってデータの分析を続けるイメージで、データサイエンティストを志す理系出身者は少なくありません。しかし実際にはデータサイエンティストは、高いプレゼンテーション能力とコミュニケーション能力が求められる仕事です。分析結果を依頼主に正しく理解してもらうためには、見せ方を含めてさまざまな工夫をする必要があります。プレゼンテーションへの苦手意識がある場合などは、精神的に大きな負担を感じてしまうかもしれません。

また、データサイエンティストはクライアントとのやり取りや社内の各部署の人間との交渉など、人と接する機会が非常に多いです。必要なデータを取得するだけでも説明や交渉をする必要が生じたり、部署間の利害の不一致から折衝や折衷案の提案を行う場面もあります。一人で黙々と仕事をしたいという理由で、データサイエンティストを志望している人には務まらないでしょう。

後悔しないために知っておきたい データサイエンティストの実態

ここからは、後悔しないために知っておきたいデータサイエンティストの実態について見ていきたいと思います。主にデータサイエンティストの年収と将来性の2点を掘り下げていますので、データサイエンティストを目指す上での判断材料としてみてください。

データサイエンティストの年収目安

データサイエンティストの年収目安は、正社員と仮定するとおおよそ700万~800万程度です。一般的にエンジニアの年収目安が550万円前後とされているので、かなりの高水準であると言えるでしょう。データサイエンティストはフリーランスでも活動しやすく、実力さえあれば正社員よりもさらに稼ぐことも可能となります。フリーランス向けのデータサイエンティスト案件の相場は単価で60万~90万円程度と言われています。これを週4~5日稼働で続けるとすると、年収720万〜1,080万円程度となる計算です。

データサイエンティストの将来性

近年のAIやBIの技術の進歩により、一部ではデータサイエンティストの将来性を心配する声もあります。現在、データサイエンティストの業務の大部分はデータの取得や準備、機械学習モデルの構築が占めています。これらの業務に関しては技術の発展により自動化されていくことが予測されています。事実すでにデータを分析、可視化するBIツールは存在し、クラウド技術も日々向上しています。そういった意味ではデータサイエンティストの仕事の一部が失われていくとも言えるかもしれません。

ただしこれらの作業はあくまでデータサイエンティストの業務の一部に過ぎません。AIやBIが苦手とする創造的な分野ではまだまだ活躍の機会は多いです。これからの時代はAIやBIを駆使して独創的な提案をしたり、データをより効果的にビジネスの場に落とし込む技術がデータサイエンティストに求められるようになるでしょう。

データサイエンティストになるメリット

ここまでデータサイエンティストについて、後悔する理由や実態について見ていきました。データサイエンティストにハードな面があるのも事実ですが、メリットも数多くあります。ここでは、そんなデータサイエンティストになるメリットについて紹介しています。

業界を問わず活躍できる

現代社会では、IT業界だけでなくあらゆる業界でデータ活用が必要だと言われています。そのためデータの取扱いに特化したデータサイエンティストは幅広い業界で重宝されます。特にデータサイエンティストは人材不足だと言われており、売り手市場とも言われています。就職先の選択肢が豊富で、自分の希望に沿った企業を選びやすいのはデータサイエンティストの大きなメリットです。

上流工程に携わるため、年収も高い傾向にある

データサイエンティストは経営者に近い視点からの意見や、マーケティングに関する分析も求められます。企業戦略や業務改善といったビジネスの上流工程に携わる専門性の高い業務であるため、プレッシャーも強いですが、やりがいや達成感も得られるでしょう。また、上流工程に携わることになるため、結果として平均年収も高い傾向になります。こうしたデータサイエンティストならではのやりがいや年収面は、大きな魅力だと言えるでしょう。

フリーランスとして独立しやすい

幅広い業界で重宝されるデータサイエンティストはフリーランスとして独立しやすい職業でもあります。特にデータサイエンティストはフリーランス向けに募集されている案件も多く、高単価となっているのでやる気と能力次第で正社員以上の収入が見込めます。

フリーランスにはフレキシブルに働けるというメリットもあります。キャリアアップのために仕事の内容や条件を絞ったり、労働時間をコントロールして自分や家族との時間を重視することも可能です。

データサイエンティストで後悔しないために!必要なスキルをチェック

データサイエンティストになってから後悔しないためにも、業務上必要となるスキルは事前に確認しておきましょう。ここでは実務で必要とされる能力やスキルを中心に解説しています。

数学や統計に関する知識・スキル

データ分析には数学や統計学は必須の知識です。データサイエンティストとしては高校レベルの数学知識は最低限習得しておきましょう。計算や数字が苦手だとその時点で大きく不利になることを覚悟しなければなりません。また、データ分析においては数値や分析結果から論理的に判断する思考が求められます。常識や経験にとらわれないロジカルな考え方を身に付けないと、データサイエンスを続けるのは難しいでしょう。

プログラミングスキル

データサイエンティストは、エンジニアとしての側面も持っており、実務においてもプログラミングスキルを求められることがあります。データ分析に関わるうえでAIやBIへの知識が必要となりますが、これらの理解を深めるためにはプログラミングスキルが欠かせません。さらに、業務では膨大な量のデータを扱うため、効率的な分析作業のためにプログラミングを用いることになります。データ分析に使用する機械学習モデルを構築するには、PythonやR言語といったプログラミング言語を使いこなす必要があります。

ビジネスに関する知識

分析したデータを用いて企業の課題の解決をするところまでが、データサイエンティストの業務です。顧客や他部署の人間からのヒアリングや、企画立案など広範なビジネススキルが求められる場面は多いです。データに関する専門的な知識だけでなく、傾聴力や交渉力、資料作成能力など、ビジネス全般に通用するスキルを身に付けるよう心掛けましょう。

プレゼンテーション能力

データを分析した結果をわかりやすく顧客にプレゼンする能力は必須です。どれだけ苦労してデータを分析しても、結果が依頼主に理解されなかったり、活用できると判断されなければ意味がありません。分析結果をクライアントに伝える際には成果の見せ方に工夫を凝らし、論理的に、かつ噛み砕いて説明するプレゼンテーション能力が必須となります。

コミュニケーション能力

依頼主とのやり取りや部署同士の折衝など、データサイエンティストには人との関わりが求められる場面が多いです。また、根本的にはデータ分析を通して顧客を満足させるのがデータサイエンティストの職務と言えるでしょう。クライアントが本当に求める結果を、双方向での意思疎通の中で察する能力も必須です。人を相手にする以上、コミュニケーション能力は不可欠のスキルでしょう。

データサイエンティストに向いている人

どんな仕事でも、その仕事に向いている人、向いてない人が存在するものです。興味のある職業であっても、その仕事が自分に向いているか具体的にイメージすることは仕事のミスマッチを防ぐためにも重要です。ここでは、データサイエンティストに向いている人にはどんな特徴があるのか、4つの特徴を紹介します。

数学を扱う作業が好きな人

データサイエンティストに向いている人の特徴としてまず挙げられるのが、数学を扱う作業が好きなことです。データサイエンティストはデータを収集・分析し、ビジネス課題を解決していきます。扱うデータのほとんどは数字であり、その数字がどういった意味を持つのか分析しなければなりません。数字に対する苦手意識がないことはもちろん、膨大なデータを効率的に扱うための数学的スキルが不可欠です。

データサイエンティストには、微分・積分、線形代数、確率統計、数理最適化といった数学的知識が求められ、業務内容は数学と深く関係しています。日常的に数学を扱う作業が好きな人は、データサイエンティストの適性があると言えるでしょう。

エンジニアとしての高いスキルや知識を持っている人

膨大なデータの分析には、処理を効率化するシステムが不可欠です。データサイエンティストはプログラミング言語の知識はもちろん、機械学習や深層学習などアルゴリズムの開発・実装といったスキルも身に付ける必要があるでしょう。また、データベースの設計や、データベースを操作するのに必要なプログラミング言語であるSQLの習得なども求められます。プログラミングスキルが高いと、データの収集や分析作業を効率的に行える仕組みを作り上げられるため、エンジニアとしての高いスキルや知識を持っている人は、データサイエンティストに向いているでしょう。

汎用的なビジネススキルを持つ人

データを分析し、得た結果を提供する際に必要となるのが、ビジネススキルです。クライアントが抱える課題を把握し、市場のトレンドを掴み、解決に導くスキルがデータサイエンティストには求められます。そのためには、課題をヒアリングする能力や、分析結果を分かりやすく伝えるプレゼンテーション能力、コミュニケーションスキルといった汎用的なビジネススキルが不可欠です。

分析の結果得たデータがどれほど価値のあるものであっても、その価値を専門用語を交えた難解な言葉で説明したところで、クライアントに伝わらなければ意味がありません。専門外の人にも分かるような、簡潔で伝わりやすい表現で説明するのが得意という人は、データサイエンティストの適性があるでしょう。

地道な作業が苦にならない人

データサイエンティストの仕事は、データや数字の分析が中心です。膨大なデータから必要なものを収集し、分析方法を考え、計画を立てます。さらに、データ収集のためのシステムを構築したり分析ツールを導入したりすることで、データを分析に必要な形に整えます。分析結果が出たらクライアントへ提言を行う、というのがデータサイエンティストの主な仕事です。

こうしたデータの収集、分析には、必要なデータをピックアップしたり、不要なデータを除外したりといった、データの整理という細かい作業が伴います。地道にコツコツ積み重ねる作業のため、根気のいる作業が苦にならない人はデータサイエンティストに向いているでしょう。

データサイエンティストに向いていない人

ここまでは、データサイエンティストに向いている人の特徴について紹介しました。一方、データサイエンティストに向いていない人はどのような人なのでしょうか。ここでは、データサイエンティストに向いていない人はどんな特徴があるのか、4つの特徴を紹介します。

新しい知識やスキルを学ぶ意欲がない人

データサイエンティストとして働くには、必要なスキルを更新していくための学習意欲が重要です。とりわけ、プログラミングスキルや統計学、機械学習に関する知識は必須です。デジタル技術は日々進歩し続けており、分析手法も次々変化しています。常に新しい知識やスキルを吸収するためにアンテナを張り、学び続ける努力が求められます。また、クライアントの業界知識の習得や市場のトレンドに敏感であることも、データサイエンティストとして働く上で欠かせません。そのため、新しい知識やスキルを学ぶ意欲がない人は、データサイエンティストの適性が低いと言えるでしょう。

臨機応変に対応できない人

膨大なデータを扱い、多様な情報を適切に分析してビジネスに活用していくデータサイエンティストは、様々な分野で注目されています。データサイエンティストのニーズの高まりの一方、クライアントによってはビジネス上の課題が明確でなかったり、スムーズに分析できなかったりすることもあるでしょう。

データサイエンスは、新しい技術を用いてアプローチする新しい分野のため、よく理解していない人も少なくありません。クライアントが抱える課題を多角的な視点でヒアリングしたり、追加のデータをもらったり、クライアントの理解力に合わせて機転を利かせ、柔軟な対応をすることが大切です。臨機応変な対応が苦手な人にとっては、ストレスの大きい仕事になりかねないでしょう。

忍耐力がない人

データサイエンティストが担う業務は、長時間データ解析作業に取り組む、地道で細かい作業です。また、データの集計や分析には時間がかかり、結果が出るまで仮説を立て検証を繰り返し、異なる視点からのアプローチも行うなど、忍耐力が求められる仕事です。期待していたような結果が出ない場合でも、試行錯誤を繰り返し、根気強く地道に作業を行える忍耐強さがない人は、データサイエンティストとしては向いていないかもしれません。

感覚や経験を大事にして仕事をする人

データという客観的な評価が可能なツールを用いてビジネス課題を解決に導くのが、データサイエンティストの仕事です。データサイエンティストが提案するのは、データに裏打ちされた分析と論理的なアプローチです。一般的に、自身の感覚や過去の経験が仕事に影響することは少なくありません。データサイエンティストの仕事においても、自身の感覚や経験は、分析の仮説を立てるきっかけになるなど、良い方向に働く場合もあります。

しかし、データ分析よりも直感や経験に固執してしまうと、思い込みや勘違いが生じる恐れもあるでしょう。直感や感覚といった数値化できないものをベースにするのではなく、客観的で論理的な判断が、データサイエンティストには求められます。そのため、自分の感覚や経験を大事にして仕事をする人は、データサイエンティストの適性はないと言えるでしょう。

関連記事Related Posts