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BIエンジニアとは?業務内容や必要なスキル、年収やキャリアパス、将来性を解説

IT化やDX化の推進により、BIエンジニアの需要が高くなってきました。BIエンジニアとは、BIツールの開発や設計といったデータ分析に関わる技術を専門とするエンジニア職です。

本記事では、BIエンジニアの基礎知識から、業務内容、求められるスキル・知識、取得しておきたい資格、年収などを解説します。キャリアパスや将来性についても解説するので、ぜひ最後まで読み進めてください。

BI(ビジネスインテリジェンス)とは

BI(ビジネスインテリジェンス)は、企業に蓄積される膨大な業務データを、利用者が自らの必要に応じて収集・分析・加工し、業務や経営の意思決定に活用する手法のことです。

なお、そのためにあるソフトウェアや情報システムのことを「BIツール」や「BIシステム」と呼びます。BIを実現するためにはこうしたツールやシステムは不可欠だと言われています。BIツールは、オンプレミスのソフトウェア型と、クラウド型に分かれており、企業のニーズによっていずれかが選択されています。

BIエンジニアとは

BIエンジニアは、データ分析に関わる技術者であり、主にBIシステムの開発や設計を行うエンジニア職のことです。BIは業務や経営の意思決定に活用するためのものなので、エンジニアの中では比較的経営層に近い位置に属することになります。また、BIを取り入れたいと考えながらも技術的な問題で活用がうまくいっていないというケースもあるため、データベースの知識や各種BIツールへの理解が深いBIエンジニアのニーズは高くなっていると言われています。

そのため、BIエンジニアの年収は比較的高い傾向にあります。詳しい年収については、このあと解説します。

BIエンジニアが必要になった背景

BIエンジニアが必要になった背景には、データを収集・管理・分析し経営に活かすデータドリブン経営が浸透し始めてきたことが関係しています。

2000年頃にERPブームが到来し、データを一元管理して経営判断に役立てる動きが出てきました。そして、2000年以降にクラウドサービスが普及し始めて、クラウド上でデータ処理、分析する動きが加速しました。 さらに、近年ではビッグデータとAIを活用して高度なデータ分析できるようになり、BIエンジニアを必要とする企業が増えてきています。このような背景により、BIエンジニアの需要が増えている状況です。

BIエンジニアの業務内容

BIエンジニアの業務内容としては大きく4つあります。具体的にどういった業務に携わるのか、一つずつ解説していきます。

BIツールのシステム実装・画面開発

BIツールの画面開発やシステム実装は、BIエンジニアの主な業務内容となります。BIツールでは、GUIで分析画面を構築します。GUIとは Graphical User Interfaceの頭文字をとったものです。PCの画面上に表示されるウィンドウやアイコン、ボタン、プルダウンメニューなどを使い、マウスなどのポインティングデバイスで操作できるインターフェースのことで、プログラミングの知識がなくても操作できるのが特徴です。

このシステム実装・画面開発の作業は、ツールの使い方を詳しく知らない未経験者や初心者でもできる仕事なので、初心者でもBIエンジニアとしての経験を積むことができます。

DWHの構築

DWH(データウェアハウス)の構築もBIエンジニアの業務の一つです。DWHは、分析に特化したデータベースのことで、容量が多く処理にかかる負荷が一般的なデータベースより少ないため、分析や集計の作業を円滑に行うことができます。DWHの構築作業は、通常のシステム開発とは異なり、クライアントにとって使いやすいものを構築する必要があります。

ETLの開発

ETLとはExtract(抽出)、Transform(変換)、Load(格納)の頭文字をとったもので、データを抽出・変換して、DWHに書き出す一連のプロセスのことを言います。最近では、GUIソフトを利用してノーコードで構築することが一般的となっていますが、設計知識が必要になるので、ある程度の経験が必要になる業務です。

分析データの作成

分析データの作成もBIエンジニアの業務です。データベースの統合や必要なデータの抽出、データの分析などに携わることになります。分析工程の中でSQLを利用したり、PythonやR言語といったプログラミング言語を用います。そのほかにも、機械学習ツールやRPAツールを利用して分析データを作成することもあります。

BIエンジニアとBIコンサルタントの違い

BIエンジニアと近しい職種として、BIコンサルタントがあります。どちらもBIツールを活用するという点は同じですが、主たる業務が異なってきます。

BIコンサルタントは、クライアントの課題や方針に適したBIの導入方法を提案し、課題を解決していく仕事です。具体的にはクライアントへのヒアリングを実施したのち、最適なBIツールの選定や提案を行い、運用方法の検討や戦略の策定など、BIの導入から運用にかかるプロジェクト全体の管理を行います。

一方でBIエンジニアは、BIシステムを開発・設計する技術者です。BIエンジニアの業務内容でも挙げたようにBIツールのシステム実装や画面開発といった、BIツール周辺の技術的な支援が主たる業務となってきます。小さい企業では、BIエンジニアとBIコンサルタントを同じ人が担当することもあります。

BIエンジニアが用いる主なツール

BIエンジニアはBIツールを駆使してデータ収集・管理・分析を行います。BIエンジニアが用いる主なツールは4つあります。

Tableau

Tableau
引用:『Tableau』

Tableauは、Gartner Magic Quadrantで 12 年連続リーダーに選ばれているBIツールです。

BIエンジニアではなくてもデータ分析、加工、レポート作成ができるため、世界中の企業に利用されています。マウス操作だけでデータ分析、加工、レポート作成することが可能です。 また、AI アシスタントのTableau Agentを利用すれば関数の知識がなくてもデータ分析が行えたり、レポートをビジュアライズできたりします。つまり、データ分析、加工に関する知見がなくてもデータドリブン経営ができます。 とても操作しやすいため、BIエンジニアも利用している代表的なツールです。

[ライセンス料金]

  • Viewer:4,200円/ユーザー/月
  • Explorer:8,400円/ユーザー/月
  • Creator: 13,800円 /ユーザー/月

※上記価格は税別です

Microsoft PowerBI

Microsoft PowerBI
引用:『Microsoft PowerBI』

Microsoft PowerBIは、Microsoftが提供しているBIツールです。

データ抽出・変換・結合する「Power BI Desktop」、レポート閲覧や共有する「Power BI Service」、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでデータ分析・レポート作成する「Power BI Mobile」から構成されています。Microsoft 365にMicrosoft PowerBIで分析した情報を取り込めば、より良い意思決定を行えるようになります。

Microsoft社が情報セキュリティを管理しているため、安心して利用することが可能です。監視機能でログイン情報や利用状況を確認することができます。そのため、セキュリティ担保したい場合に活用することをおすすめします。

[ライセンス料金]

  • 無料アカウント: 0円/ユーザー/月
  • Power BI Pro:1,499円/ユーザー/月
  • Power BI Premium Per User:2,998 /ユーザー/月

※上記価格は税別です

Looker Studio

Looker Studio
引用:『Google Cloud』

Looker StudioはGoogleが提供しているBIツールです。Googleアカウントを所有していれば、無料で利用することができます。

Looker Studioで作成したレポートは、データが自動更新されます。また、レポート閲覧者が表示期間を変更したり指定条件で絞り込みしたりできるため、レポートを作成し直す必要がありません。800種類以上のコネクタでGoogle系の媒体を始め、Facebook広告やYahoo広告など、さまざまなデータと接続できます。そのため、無料で利用できるBIツールをお探しの場合におすすめです。

[ライセンス料金]

  • Looker Studio: 0円/ユーザー/月
  • Looker Studio Pro:1,415円/ユーザー/月

※上記価格は税別です

Actionista!

Actionista!
引用:『Actionista!』

Actionista!はジャストシステム社が提供するBIツールです。純国産のBIツールのため、サポート体制が充実しています。例えば、BIツールに不具合が起こると復旧まで業務が滞ってしまいます。このような場合も、サポート窓口にお問い合わせすれば、迅速に復旧してもらえることがメリットです。分析の初心者でも直感的に理解できる画期的なツールでもあるため、社内に専門技術者がいない場合などに利用すると良いでしょう。

[ライセンス料金]
要お問い合わせ

BIエンジニアに求められるスキル・知識

続いて、BIエンジニアに求められるスキルや知識について、一つずつ見ていきます。

データベースの知識

BIでは、大量のデータを扱って分析を行います。そのため、BIエンジニアにはビッグデータの保存されているデータベースの知識や、基本的な操作スキルが必要になります。

データラングリングのスキル

データラングリングとは、データの分析を可能とするために、複雑なデータセットを整理して統合するプロセスのことです。企業には大量のデータが保存されていますが、そのデータが分析しやすい形で保存されていることはほとんどありません。そのため、データを分析する前にデータラングリングを行う必要があります。データ分析に携わると、このデータラングリングに費やす時間が大半となります。データの欠落やエラーなどに対処できるスキルや、データの整形に関する知識やスキルを身に着けておくことが、BIエンジニアは重要なポイントと言えます。

BIツールへの知識・スキル

BIエンジニアはBIツールの実装から、BIツールを用いたデータの加工・分析を行う必要があります。そのため、BIツールの操作方法を知っておく必要があります。また、BIツールは一つではありませんので、各種BIツールへの理解も備えておかなければなりません。また、BIツールでデータを視覚的に表すスキルなども求められます。

統計やデータ分析への知識

BIエンジニアは適切なデータ分析を行うために、統計やデータ分析に関する知識も必要になります。BIエンジニア全員が高度な統計分析ができる必要はありませんが、基礎知識は最低限身につけておきたいスキルです。

SQLのスキル

BIエンジニアはデータベースの知識が必要となってきますが、関連してSQLのスキルも保有しておくといいでしょう。SQLはStructured Query Languageの頭文字をとったもので、データベース言語の中で、最も普及している言語の一つです。データの前処理やデータ集計・抽出にSQLは役立つため、積極的に習得したいスキルと言えます。

BIエンジニアが取得しておきたい資格

BIエンジニアになるために必須の資格はありませんが、取得しておきたい資格もあります。実務に活用できる資格ですので、気になる方はチェックしてみてください。

統計検定®

「統計検定®」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。1級・準1級~4級までの五段階に分かれており、統計に関する基本的な知識を問うものとなっています。BIエンジニアに統計の知識は欠かせませんので、資格取得をすることで統計のスキルをアピールできるでしょう。

※「統計検定」は一般財団法人 統計質保証推進協会の登録商標です

オラクルマスター

オラクルマスターは、全世界で利用されている「Oracle Datebase(オラクルデータベース)」に関する技術力を証明できる資格です。のオラクルデータベースの運用や管理、トラブルシューティングなどの知識やスキル、経験などを含めて、より安全で安心できる運用が可能な人を多く生み出すために作られた資格となっています。BIツールの認定資格ではありませんが、データベースやSQLに関する知識習得には役立ちますので、スキルアップのために取得を目指すと良いでしょう。なお、オラクルマスターにはBronze(ブロンズ)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)、Platinum(プラチナ)の4つのランクがあります。

データベーススペシャリスト

データベーススペシャリスト試験は、経済産業省が認定する国家資格である「情報処理技術者試験」の試験区分のひとつです。 データベースに関するプロフェッショナルとして、最適なシステム基盤の企画や要件定義・開発・運用・保守ができる人材であることを証明することができる資格です。IT系資格としては非常に高難易度だと言われていますが、取得することで転職時に高評価を得やすいなど、自身の市場価値を高められるメリットがあります。

G検定

G検定は、ディープラーニングを事業活用する能力や知識を有しているかを検定する試験です。人工知能・機械学習・ディープラーニングの基礎知識から最新動向、法律・倫理など幅広い知識が出題範囲となっているので、体系的な知識を身につけたい人におすすめの資格です。BIエンジニアとして機械学習の知識が必要となってくるケースもあるので、そうした際はG検定が役に立つでしょう。

BIエンジニアの年収

BIエンジニアの年収は、役職がない場合は300万円〜400万円ほどです。役職がつけば、500万円以上も狙うことができますし、先ほど解説した資格を取得すれば、更なる年収向上も期待できます。BIエンジニアはエンジニアの中でも経営層に近い領域でデータを扱い、コンサルティングの業務も担うことが多いため、年収にもそれが反映されやすいと言われています。

BIエンジニアの中には、年収1000万円を超えている人も存在しているので、スキルや経験を身につければ、報酬も右肩上がりになると言えるでしょう。

BIエンジニアのキャリアパス

BIエンジニアは、経営層向けの意思決定支援を主な業務としているので、BIコンサルタントや経営コンサルタントになるキャリアパスが一般的です。他にも、有料BIツールの専門家となり、プリセーラーとなるキャリアパスもあります。

また、スペシャリストの道としてデータサイエンティストや機械学習エンジニアを志す人もいます。一つの分野に特化した専門分野があり、その知識を業務に活かせるというメリットがあるので、スペシャリストを目指すのも良い選択肢と言えるでしょう。後述しますが、BIエンジニアには十分将来性があると言えるので、需要がなくなってしまうというリスクも少ないです。

他のエンジニア職と比較しても、ジェネラリストやスペシャリストなど、さまざまな選択肢があるので、それだけ多くのキャリアパスがあると言えます。

BIエンジニアに向いている人の特徴

BIエンジニアに向いている人には3つの特徴があります。

データ分析の経験や興味のある人

データ分析の経験や興味のある人はBIエンジニアに向いています。

BIエンジニアはデータを収集・整理・分析して意思決定を支援するのが仕事です。データから「なぜ売上が落ちているのか」「どの市場が成長しているのか」などを分析し答えを見つける役割を担います。 原因の追求のプロセスは大変ですが、データ分析に興味がある人は楽しむことができます。そのため、データに隠された真実やパターンを探ることに楽しさを感じる人などがBIエンジニアに向いています。

企業経営に興味関心がある人

企業経営に興味関心がある人はBIエンジニアに向いています。

BIエンジニアはデータを収集・分析し、それに基づいて意思決定が行えるように支援する役割を担います。企業経営に興味関心あれば、データを収集・分析する際に「このデータは、どのような意思決定に役立つのか」が理解しやすくなるでしょう。

また、経営陣のニーズを的確に理解し、提案しやすくなります。そのため、経営コンサルタントになりたい方や経営層や幹部を目指したい方が向いています。

コミュニケーションスキルが高い人

コミュニケーションスキルが高い人はBIエンジニアに向いています。

BIエンジニアは、経営層やマーケティング、営業責任者と密接に関わりながら、意思決定に役立つ情報を提供する仕事です。そのため、経営層やマーケティング、営業責任者がどのような情報を求めているかヒアリングする能力や、分析結果をわかりやすく伝えるプレゼンテーション能力が求められます。

関係者を巻き込む能力が求められるため、コミュニケーションスキルが高い人が向いています。

BIエンジニアの将来性

BIエンジニアの将来性ですが、今後もBIの需要が拡大していくことが予想されるため、十分な将来性があると言えるでしょう。

とはいえ、BIツールを操作できるレベルのBIエンジニアだと、他の一般職とアウトプットの質がほとんど変わりません。需要のあるBIエンジニアとして活躍するためには、SQLなどのデータベースの知識や、経営層的な視線などが必要です。日々学習してスキルアップすれば、技術力のあるBIエンジニアとして活躍することができます。

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