データサイエンティストはつらい?しんどい?苦労すること・大変さ・辞める理由

デジタル化が社会に浸透する中、AIを操りビッグデータを分析して経営や商品開発・販売戦略などに貢献するデータサイエンティストは、まさに時代の花形といえる職業です。しかしそんな華やかな仕事の影にも、実はつらいことが隠されています。
この記事では、そんなデータサイエンティストの知られざる「悩み」や「つらい」と感じる点を分かりやすく紹介します。良い点だけでなく、悪い点もふまえたうえで分析職のキャリアについて考えていきましょう。
目次
データサイエンティストのつらいこと
地道な作業が多い
データサイエンティストの仕事は時に経営判断にも影響を及ぼすため、会社の上層部と仕事をすることもあります。また、研究開発やAIなどの分野で華々しく活躍できる職業というイメージを持っている人も多いでしょう。たしかに、世の中でデータの活用が重視されるようになった点にまちがいはありません。
ただし、その業務の大部分はデータの分析やプログラミングといったデスクワークです。細かく積み重ねていく地道な作業がほとんどのため、ひとによってはつらいと感じるかもしれません。
様々な人と会ったり大勢の前で話したりということがないわけではありませんが、それは仕事の中のごく一部です。データサイエンティストは、華やかさを求めるよりはむしろ一つのことに打ち込む根気や探求心のある人にこそ向いている仕事といえます。
何でも屋さんになりがち
データサイエンティストという職種は生まれてまだそれほど年数が経っていないので、社内に十分な人数を揃えている会社ばかりではありません。少人数で仕事をまわす際は、どうしても複数のタスクを抱えることになりますし、役割がきちんと理解されづらい部分もあります。
漠然と「データを扱う人」というイメージを持っている人も多く、データに関することなら何を頼んでもよい「何でも屋さん」と思われがちです。
一口にデータを扱うといってもその職種は様々なのに、あれもこれもと押し付けられてしまい、本来ならエンジニアやマーケターなど別の専門職が行うべき仕事まで依頼されてしまうこともあります。結果として業務量が多くなって苦労する人もいるでしょう。
成果へのプレッシャー
全ての分析が必ずしも成果につながるわけではありません。また、データ活用の文化を社内に根付かせるということも非常に時間のかかる仕事で、何か月、あるいは何年もかかることがあります。しかも時間をかければかけただけ良い結果が出るとは限らず、試行錯誤の繰り返しで時間ばかりが過ぎていく、ということも珍しくはありません。
一方で、会社側はデータサイエンティストと言えばAIや機械学習のエキスパートで、まるで魔法のようにさらりと問題解決をしてくれるかのような印象を持っている場合もあります。
データの整備に時間をかけたりトライ&エラーを繰り返すことに満足せず、早く結果を出すようプレッシャーをかけてくることもあります。そのような状況を避けるには、期待値のコントロールに気をつかい、すぐに結果がでなくとも許容される職場を選ぶことが大切です。
AIの発達により将来性が不安である
AIの発達により、データサイエンティストもAIに取って代わられて消えるのではないかと懸念する声も上がっています。 確かに、AIはビッグデータからパターンを抽出して分類することが得意です。また、データを要約してレポートを作成することもできます。つまり、AIによってデータサイエンティスト業務の効率化が図れるようになってきました。
しかし、現場の人にヒアリングして課題を発見し、仮説を立てた上で解決策を立案するところは、AIにはできません。このような創造性が求められる仕事を人間が担当することになります。 AIがどこまで発達するか不明確の中で、データサイエンティストもAIに取って代わられて消えるのではないかと不安視する方が増えています。
必要な知識とスキルが多い
データサイエンティストはビッグデータの操作や処理を行うためのITスキル(SQL・Python・MATLABなど)や、データ分析を通じて相関関係を導く統計学などの専門スキルが求められます。また、ビジネスの課題を解決するために、どのようなアプローチをすべきか考えるための論理的思考も求められます。
さらに、経営者などに対してデータに基づいた合理的な意思決定をサポートする役割を担うため、コミュニケーションスキルやプレゼンスキルも必要です。このように、さまざまなスキルが必要となり大変できついと感じてしまうのです。
常に学び続けなくてはならない
データサイエンス分野は進化し続けています。 例えば、過去のデータを使用して将来を予測するAIアルゴリズムには「Prophet」「ベイズ構造時系列モデル」「Temporal Fusion Transformer」などが登場しました。
データ分析ツールもTableauやSAS、ONEなど、さまざまなサービスが登場しています。データサイエンティストはこれらを活用してビッグデータを分析し、経営に有益な情報を提供できるようにならなければなりません。 そのため、常に学び続ける必要があり、好奇心旺盛で勉強熱心な方でないと、きついと感じてしまいます。
データサイエンティストの悩み
データサイエンティストは、日々の仕事の中でどういったことに悩んでいるのでしょうか。ここでは、いくつかの例を紹介します。
仕事の内容を理解してもらえない
よくある悩みのひとつは、なかなか周囲のひとに仕事の内容を理解してもらえないということです。データを扱う仕事にはデータサイエンティストやデータアナリスト、データアーキテクトなど様々なものがありますが、それぞれの違いについてきちんとした理解が進んでいるとは言い難い現状があります。先ほど述べたように「何でも屋さん」扱いされてしまう、過剰な期待をかけられてしまうという問題は、こうした状況から起きているといえるでしょう。
新しい最先端の職種ということでITの高度な専門職というイメージばかりが先行し、実際には日々地道な作業に明け暮れる姿を見てがっかりする人もいるようです。勝手なイメージで期待されたり失望されたりしないよう、理解を求めたいところです。
周囲に頼れる人が少なく孤立しがち
データサイエンティストは一つの企業で大量に採用される職種ではありません。新しい職種でもあるので社内に頼れる先輩が一人もいない、という事態も起こり得ます。特に新人の場合は適切なサポートを受けられないことで心細い思いをすることもあるかもしれません。
また、データ分析チーム自体が社内で孤立していることもあります。データ分析は商品開発等の実務に活かされてこそ意味のあることですが、事業部門との連携がなければそれは成立しません。企業側としてはデータサイエンティストのポテンシャルを活かしきるためにも孤立しない環境づくりをすべきところですが、なかなか追いついていないのが悩ましいところです。
理想と現実のギャップ
データサイエンティストが新しい職種であるということは、データサイエンティスト自身の社会人としての経験も浅いケースが多い、ということです。新卒入社や研究職からの転職組も多く、そうした人たちはデータ分析の専門家として企業で働くことに大きな理想を持っています。
しかし実際の職場に入ってみると、限られた時間・限られた予算の中で仕事をすることに不満を感じ、また思っていたほど華やかな仕事ではなかったと失望するケースもあるようです。理想と現実のギャップを埋めていくことは、データサイエンティストの一つの課題といえるかもしれません。
データサイエンティストを辞める理由
業界では引く手あまたのデータサイエンティストですが、残念ながら仕事を辞めてしまう人がいることも事実です。それにはどんな理由があるのか見ていきましょう。
上司の理解がない
データサイエンスというのは非常に専門性が高く、また特殊性もある業務なので一般の人が理解するのは難しい部分もあります。データサイエンティストを部下に抱える管理職の中にも、理解があるとは言い難い人が多くいます。
自身がデータサイエンスに関わった経験がなく、具体的にどのような業務を行っているのか知らないため、その働きを過小評価することも少なくないのです。評価を得られないため仕事にやりがいを感じられず、退職に至るデータサイエンティストもいます。
キャリアのロールモデルがない
組織で働くとなれば上司や周囲との関わり方やキャリアパスはとても重要になってきます。年収や人生設計にも関わってきます。しかし社内にデータサイエンティストの先輩がいない場合、そのお手本、すなわちロールモデルが不在ということになります。
将来的にどういった役割を担うべきか、関連部署との調整の仕方やマネジメントについてどのように学べばよいのか教えてくれる人がいないのです。データサイエンティストは新しい職種なので、こうした状況に置かれているケースも多く、一人で悩んだ末に退職を選んでしまうことも少なくないようです。
スキルアップしたい
IT関連職のすべてにいえることですが、データサイエンスの分野でも技術革新が行われています。新たな技術や手法が登場すればすぐさまそれを習得し、業務に取り入れていかなくてはなりません。まさに日々勉強といえますが、それには時間が必要です。
ところがデータサイエンティストは膨大な作業を抱えて時間に追われていることが多く、なかなかスキルアップの時間が取れません。そのことにジレンマを感じて辞めていく人も多いようです。ただし需要の高い職種なので、勉強をしたのちに再び現場に復帰できる可能性もあるでしょう。
データサイエンティストの「つらい」を解消するポイント
データサイエンティストのつらさは、キャリアを明確に描いたり周囲の人とコミュニケーション取ったりすることで解消できます。ここでは、データサイエンティストの「つらい」を解消するポイントを3つご紹介します。
周囲の人と積極的にコミュニケーションをとる
データサイエンティストは、社内に数人程度しかいない場合がほとんどです。スタートアップ企業では1人しかいないケースも珍しくありません。そのため、同じ目線で物事を考えられる仲間がおらず、孤独を感じてしまいがちです。
このようなつらさを解消するためにも、上司やメンバーと積極的にコミュニケーションを取り、データサイエンティストの役割や仕事内容を理解してもらったり、信頼関係を構築したりしておきましょう。周囲と良好な関係を築いておけば、悩みを抱えた際に相談に乗ってもらえ、助けてもらえるようになります。
自分の理想とするキャリアの明確化
データサイエンティストは幅広い知識とスキルが求められ、最新の技術を習得しなければなりません。それなりの努力が必要となり大変できついと感じてしまうかもしれませんが、理想とするキャリアを明確にしておくことで挫折せずに済みます。
事業戦略の策定を支援するデータビジネスストラテジストになりたいのか、ビジネス課題を解決するシニアデータサイエンティストになりたいのか、理想のキャリアを描いてみましょう。 また、データサイエンティストとして実力を付ければフリーランスとして活躍することもできます。
他の職種への転職を検討する
データサイエンティストが大変できついと感じた場合、他の職種への転職を検討するのも良いでしょう。 例えば、AIや統計学を駆使して高度な分析を行うことが大変だと感じた場合は、データの収集や整理、分析を行い、ビジネスインサイト発見を目指すデータアナリストやマーケターなど、職種を転換することができます。
ただし、今の職場が合わないだけかもしれません。その場合は、他の会社に転職してみるのも良いでしょう。そのため、業務自体がきついのか、環境がきついのかを見極めた上で転職活動を行うことをおすすめします。
やめとけと言われてもデータサイエンティストを目指すべき理由
「データサイエンティストはきついからやめとけ」と言われても、それでも目指すべき理由が3つあります。
他の職種と比べ市場価値が高い
日本企業ではビッグデータを活用する動きが活発化しており、それに伴いデータサイエンティストの市場価値が高まっています。データサイエンティストを学べる教育機関も少なく、人材が不足している状態です。
政府もデータサイエンス教育に力を入れようとしており、一橋大学や滋賀大学ではデータサイエンス学部が開設されました。 データサイエンティストとして経験を積み、AI技術を習得するなどしてエキスパート人材になれば、中長期で活躍できるようになります。
企業経営の意思決定に関わることが出来る
データサイエンティストは、ビッグデータを解析して経営の意思決定をサポートする役割を担います。データドリブン経営への注目が高まっており、データサイエンティストは重要なポジションとなっています。
例えば、競合他社や市場変動の原因を究明し、時代に合った新商品を開発すればヒット商品を生み出すことができるでしょう。このように、企業の課題解決や発展に貢献できる仕事であるため、非常にやりがいを感じることができます。
業界を問わず必要とされ転職に有利
あらゆる企業でデータ活用が活発化しているため、データサイエンティストとして経験を積んでおけば、転職がしやすくなり仕事に困らずに済みます。 米国ではデータサイエンティストの平均年収は約1,500万円と年収が高い職種として地位を確立しています。そのため、外資系企業に転職すれば高年収を目指すことができるでしょう。
また、フリーランスの求人案件も多く、「週2・3日勤務」や「テレワーク勤務」など、自分のライフスタイルに合わせた働き方が選びやすくなります。

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