SNSマーケティングとは?背景・効果・実施手順・成功のポイント
スマートフォンが普及し、若者から高齢者まで全世代においてソーシャルメディア利用率が向上したことで、場所や時間を選ばずあらゆるタイミングで情報が共有される世の中になってきました。
ブランドの認知獲得や店舗への集客においてもSNSが利用されるようになり、口コミ情報や評判がユーザーの購買行動に与える影響も無視できないものとなっています。
この記事では、そんなSNSマーケティングの注目される背景や効果、代表的なメディア、実施の手順、活用例などを紹介します。失敗しないための注意点も見ていきましょう。
目次
SNSマーケティングとは
SNSマーケティングとは、TwitterやInstagram、Facebook、LINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用したマーケティング活動を意味する言葉です。シェアやリツイートといった形でユーザー間の情報共有が盛んに行われるなか消費者とのコミュニケーション手段や広告宣伝のチャネルとしての認知が高まってきました。
具体的な手法としては、ソーシャルメディア上に開設したSNS公式アカウントを運用して情報発信を行い、ユーザーと双方向のコミュニケーションを通じたファンの獲得、インフルエンサーを起用したキャンペーンの実施による認知向上、SNS広告に出稿してプロモーションを行い商品・サービスの購買を促すなどが挙げられます。
SNSに登録されている情報を販促活動に利用すると、性別や年齢、居住地域、収入、職業、学歴、家族構成などの属性をマーケティングに活かすことが容易で、コミュニティや興味関心などからターゲティングした広告配信、CRM/SFAと連携したOne-to-One Marketingなどの施策も行うことができます。
ソーシャルメディア上で話題となることを「バズる」と呼びますが、拡散効果の高いSNSでは、短期間に多くのフォロワーを獲得したり、口コミや評判から購買行動に影響を及ぼすことも可能です。そのように、使い方次第で大きな効果をもたらすデジタルマーケティング施策の一つとして注目されています。
一方で、ユーザー間で情報が拡散されやすい点にはデメリットもあります。良い口コミだけでなく、悪い口コミも広がりやすいほか、情報発信の方法や顧客対応を間違えると炎上や風評被害などのリスクも生じてしまいます。
SNSが注目される背景
SNSマーケティングは、企業からの情報発信やイメージ戦略などで効果が期待されています。まずは、なぜそれほど注目が集まっているのかを見ていきましょう。
SNSの利用率が向上した
総務省が発表した「令和2年 通信状況動向調査」によると、SNSを利用している個人の割合は73.8%でした。令和元年度の調査と比べると全体で4.8ポイント増加しており、特に19歳以下や60歳以上の年齢で利用率が大きく伸長しています。13歳から49歳の年代では利用率が8割を超えるなど、全年齢層においてSNSの利用が一般的なものとなっており、知人とのコミュニケーションや情報収集などに欠かせない地位を得ているといえるでしょう。
また、インターネット利用者の割合は13~59歳の各年齢層で9割を超えており、スマートフォンを保有する世帯も86.8%に達するなど幅広い年代でスマホの利用が進んでいます。10代~20代のSNS平均利用時間は、モバイル端末での通話やメールに使用する時間を大幅に上回り、全年代においても2015年度~2019年度まで利用時間が年々増加傾向にあります。
そのように、SNSマーケティングが注目されている理由には、スマホの普及によって全年代でインターネットの利用率が向上したこと、消費者が生活のなかで利用するコンテンツとしてSNSが占める割合が高くなってきたことが挙げられます。年齢や性別、趣味趣向によって利用するSNSには多少ばらつきがありますが、国内でのMAU数が8000万人を超えるLINE、4500万人のTwitter、3300万人のInstagramなど主要なSNSは、リーチできるユーザーが豊富なため一般消費者向け製品・サービスのマーケティングにおいて重要な位置を占めるようになっています。
広告宣伝の手法が変化した
幅広い世代にインターネットが利用されるようになったことで、企業のマーケティング活動や広告宣伝の手法にも変化が生じています。広告を掲載する媒体として、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などのマスメディアに加え、Webサイトやオンライン広告、SNS・ブログなどのデジタルメディアが広く利用されるようになりました。
企業からのメッセージをクリエイティブにのせて一方通行で、広く発信することができるテレビCMなどのマス広告に対して、デジタル広告は、広告の配信対象をターゲティングしたり、ユーザーのアクションに応じたインタラクティブな表現に特徴があります。そして、さらに即時性に優れたSNSを活用することで、より素早く情報を拡散したり、ユーザーとダイレクトにつながれるというメリットがあります。
SNSの利用率が高い10代~20代のユーザーは、Googleなどの検索エンジンよりも、SNSを使った情報収集を行う割合が増えているとも言われています。ハッシュタグを付けた投稿や検索が一般的になり、InstagramやYouTubeに投稿されたインフルエンサーの動画や画像を見て商品を選ぶといった新しい購買行動も生まれているのです。
データの価値が高い
広告宣伝や顧客とのコミュニケーションだけでなく、商品開発やサービス改善などの場面でも、SNS上のデータが活用されています。従来のマーケティングリサーチでは、アンケートやインタビュー、パネル調査などがおこなわれていましたが、それに加え、SNS上の投稿を利用することでよりユーザーの本音に迫ることも可能なのです。
ユーザーが匿名性のSNSに投稿する際には、正直な感想を気兼ねなく書くことも多いです。そういったユーザーの本音を企業が把握できれば、商品の開発や売り方などを最適なものへと変えていくことも可能です。また、SNS上のデータと製品の販売数を紐づけて解析することで、新たな気づきを得ることもあるでしょう。
口コミサイトやSNSは、UGC(User Generated Contents)とも呼ばれ、メディアや企業ではなく、ユーザー自身が情報発信の担い手となり、コンテンツを生成している点が特徴です。そのように、情報発信を行う個人が増加し、顧客の購買行動において口コミや評判の与える影響も無視できない状況となってきました。
期待できる効果
次に、SNSマーケティングを実施することで得られる効果について見ていきましょう。全国でセミナーや勉強会が開催され、成功例や失敗例などの取り組み事例が報告されていますが、状況に応じて様々な利用方法が想定されます。SNSを使った宣伝や集客を開始する前に、まずは何のために実施するのか目的や目標を整理しましょう。
情報の拡散
SNSの強みは、情報を拡散させる力が大きいことです。一度話題になると多くの人がフォロワーに共有してくれるため、イベントなどの集客や商品の認知度向上・販売促進に効果的といえます。また、インフルエンサーの情報発信は、一般的なWeb広告よりも、より絞られたユーザー層から注目を集めることが期待できます。
広告に反応しない層にリーチ
SNSマーケティングのなかでも、公式アカウントの運営やコンテンツの投稿をおこなうことで、広告に反応しないユーザーからの支持をあつめる効果が期待できます。また、普段バナー広告やリスティング広告はクリックしないという人でも友達や家族からの紹介は見てしまうこともあるのです。
顧客ロイヤリティの向上
SNSの運用に積極的な企業では、直接ユーザーからの質問に回答したり、SNSから得られたユーザーの生の声にきちんと対応していくなどの顧客対応を実施しています。そうした地道な努力は、その企業や店舗、商品に好意的なユーザーを増やし、顧客ロイヤリティの向上にもつながるでしょう。
代表的なSNS・ソーシャルメディア
SNSによってプラットフォームの特性やユーザー層は異なります。ここからは、ユーザー数が多くSNSマーケティングで良く活用されるソーシャルメディアを見ていきましょう。最近ではYouTubeやTikTokなどの動画配信プラットフォームも注目されています。
Twitter(ツイッター)は1回につき140文字までのテキストを投稿するSNSです。つぶやきを投稿できる気軽さもあって、国内では4500万人(2017年10月時点)のユーザーが利用しています。リツイート機能を使うと、おすすめの情報をフォロワーに伝えることが簡単にできるため、他のSNSと比べても情報の拡散力が期待できます。
Instagram(インスタグラム)は画像や動画を使って投稿を行うSNSです。インスタ映えという言葉が流行したように、画像の魅力でフォロワーの支持を集めるのがメインとなり、テキストが書かれていない投稿もあります。日本国内の利用者数は3300万人(2019年3月時点)。インフルエンサーはインスタグラマーと呼ばれ、フォロワーに対して大きな存在感を持っています。
Facebook(フェイスブック)はテキストや動画、画像などさまざまな投稿ができ、他のSNSと比べると友人や知人とつながるのに適しています。日本国内の利用者数は2600万人(2019年7月時点)。匿名性が低いことから、ビジネスで利用されることが多いSNSです。
LINE
LINE(ライン)は日本発のアプリとして海外にも広まっているSNSです。日本国内の利用者数は8600万人(2020年10月時点)、他のSNSの利用者数よりも格段に多く、情報発信においては非常にすぐれたツールといえるでしょう。また、音楽やマンガ、ゲームなど幅広いサービスを手掛けており、それらのユーザーに対して情報発信できることも大きなメリットです。
YouTube
YouTube(ユーチューブ)は動画配信の世界的なプラットフォームとして地位を確立しています。日本国内の利用者数は6500万人(2020年12月時点)。ユーチューバーは子供たちの憧れの職業に挙げられるなど、インフルエンサーとして幅広い世代にアピールできるのが強みです。
TikTok
TikTok(ティックトック)は15秒~1分ほどの短い動画を投稿できるプラットフォームです。日本国内の利用者数は950万人(2018年12月時点)。とりわけ10代~20代に人気となっており、若者世代に向けた商品やサービスの発信には効果的といえるでしょう。
SNSマーケティングの手法
SNSマーケティングの基本は、製品・サービスと想定される利用者、SNSのユーザー層、それぞれの特性を理解して効果的な方法を選ぶことにあります。ここではその手法について確認していきましょう。
SNSアカウント運用
もっとも基本的な手法が、ソーシャルメディア上に公式アカウントを開設してSNS運用を実施することです。役立つ情報やユーザーが求めるコンテンツをSNS上に投稿しましょう。アカウントの運用に手間をかけられるなら、どれか1つのSNSに絞る必要はありません。
一方でユーザー層に偏りがある場合は、商品・サービスの利用者にあうSNSに限定して始めた方が、より適したユーザーに情報を届けることができます。
ただ、気をつけたいのは、企業からユーザーへの一方通行な情報発信ではユーザーとの関係構築に寄与しません。企業や商品のファンになってもらえるように、コミュニケーションを行っていく姿勢が重要になります。
SNS広告
ディスプレイ広告やリスティング広告など他のデジタル広告と比較したSNS広告の強みは、プラットフォーム上に蓄積されたデータを利用して、より精度高くターゲティング設定を細かく行うことができることです。どういった属性を持ったユーザーに情報を届けたいのかを明確にして、顧客になりそうなユーザーに絞ってリーチしましょう。
また、SNS広告は、テキストや画像、動画など、複数のクリエイティブを使用することが可能です。そのように、ユーザーに対してさまざまなアプローチができる点もSNS広告のメリットです。
SNSキャンペーン
SNSでフォロワーを集めるには、ユーザーに参加を促していくSNSキャンペーンという手法があります。例えば、インスタグラムでテーマを決めた写真を応募したり、ツイッターで商品についてのリツイートを促したりと、期間限定のお祭りといった具合に施策を行うのです。
キャンペーンの参加者にはもらって嬉しいアイテムやギフト券などの景品を抽選で送ります。キャンペーンは情報拡散の波及効果が高く、企業や商品の認知度向上に効果的です。
インフルエンサーマーケティング
ユーチューバーやインスタグラマーなどのインフルエンサーを起用して、商品やサービスを紹介してもらうという手法も一般的です。インフルエンサーはフォロワーを多く抱えており、彼らの発言には一定の訴求力が期待できます。
また、商品の広告宣伝を行っているというイメージがうすく、自然な形でユーザーの印象に残るようなコンテンツを制作することも可能です。そうすることで、広告にあまり反応しない層に対して、通常とは異なるアプローチを取ることができます。
ソーシャルリスニング
SNS上で展開されているユーザーの本音を拾い集め、ビッグデータとして活用することをソーシャルリスニングといいます。ソーシャルリスニング活用法の一例としては、どういった口コミが多いのかを把握することで、ユーザーのニーズを理解し、商品の改善に活かすといったものがあります。
インターネット上に掲載される生の声をほぼリアルタイムで集めて分析できるため、情報の把握とリアクションをスピーディに行うことができるのがメリットです。
SNSマーケティングを実施する手順
SNSマーケティングには、実施するための適切な手順があります。より高い効果を得るために、計画から実行までの流れを知り、それぞれの工程で求められることを確認していきましょう。
目的を決める
あらかじめ目的に応じてマーケティング手法を決めておかないと、途中で軌道修正するのが難しくなることもあります。SNSマーケティングを実施する前に、施策によって得たい成果や実現すべき明確なゴールを決めておきましょう。よくある目的としては次のようなものがあります。
認知向上
企業の公式アカウントで商品やサービスの情報を発信することで、認知度の向上が期待できます。SNSにおける情報拡散のポイントは、どれくらいのユーザーがその投稿をシェアしたいと思うかです。こまめな投稿を心がけ、ユーザーとの信頼関係を築いていくことが重要になります。インフルエンサーを起用することで認知度を向上させていく手法も考慮に入れておきましょう。
リードやコンバージョン獲得
直接的な売上貢献や営業対象の獲得というのも、SNSマーケティングを実行するときの大きな目標になります。リードとは見込み客を意味し、コンバージョンとは企業のホームページなどからユーザーが商品の注文や資料請求を行うことです。SNSで発信された情報が、ユーザーの行動につながるかどうかがポイントになります。
コミュニティ形成
属性や好みなどが似ているユーザーでコミュニティを作り、そのユーザーたちに商品やサービスの消費者になってもらうとともに、いいね!ボタンやリツイートなどを通して情報の共有・拡散にも一役買ってもらうという手法があります。コミュニティを形成できれば、情報発信はスムーズになり、認知度の向上も容易になるでしょう。ただし、そのためには企業や商品などがユーザーの心をとらえ、ファンになってもらう必要があります。
活用するSNSと手法を決める
SNSマーケティングの目的が決まったならば、次に活用するソーシャルメディアのプラットフォームと手法を決め計画や予算を作成しましょう。このようなプランニングのフェーズでは、自社のターゲットとなるユーザーが利用するSNSを選びコンテキストにマッチした施策を実施することが基本となります。
ターゲットの調査・設定
SNSで発信する情報を誰に届けたいのかを明確にした後は、そのターゲットが多いSNSを調査していきます。ターゲットの精度を上げるためには、一人の架空の人物を設定していくペルソナがおすすめです。年齢や職業、家族構成などはもちろん、学生時代の部活動や趣味、休日の過ごし方など、細かい設定も盛り込んでいきましょう。そうすることによって、社内でターゲットのイメージを共有でき、ユーザー視点で議論を行うことができるようになります。
適切なプラットフォームを選ぶ
目的とターゲットが決まったら、適切なプラットフォームを選びましょう。例えば、情報の拡散を第一の目的とするならば、拡散する力が強いTwitterが第一候補になります。また、インスタグラムは女性比が高く、インフルエンサーにはファッションリーダーとして支持されている人が多いため、そういった商品情報の発信には向いているでしょう。SNSの特性をしっかりと把握して、自社の商品やサービスと親和性の高いものを選ぶことが重要です。
KPIを設定する
KPIとは、目標に対しての到達度合いを示す数値です。これはどういった目的を立てたのかにより変化します。認知度の向上を目標にしたのであれば、自社アカウントのフォロワー数などがKPIとして適しています。KPIを設定する際には、フォロワー300人を2カ月かけて増やすといった具体的な数値を決めましょう。
企画を立て実行する
SNSマーケティングを行う目的や手法、KPIなどを決めたら、企画を立てて実行に移すのみです。設定したターゲットに届くためには、どういった企画が適しているのかをじっくりと考えましょう。
競合アカウントの調査
これからSNSマーケティングを始めようとする企業にとって、目的やKPI、具体的な企画などを決めるのは難しいです。その基準を知るために、競合する企業のアカウントを調べてみるのも1つの方法です。フォロワーや投稿頻度、いいね!の数などを比べて、KPI設定の参考にしましょう。競合企業の企画内容や成果も調べておくと参考にできます。
日々の投稿や運営の実施
自社の公式SNSアカウントを開設した後は、日々の投稿が重要になります。SNSの投稿が数日間なかったら、ユーザーは企業の本気度を感じられず、SNSを通じた信頼関係の構築などできなくなってしまいます。こつこつと投稿を行い、定期的に企画を実施するなど、ユーザーを飽きさせない努力をしましょう。
コンテンツを作成する
SNSの運営には、ユーザーがリツイートやいいね!をしたくなるコンテンツを作成して継続的に投稿していくことが重要です。面白い話題を提供することが難しければ、生活のヒントになるような情報を発信するよう心がけるとよいでしょう。テキストだけでなく、画像や動画なども組み合わせて、見込み客が興味を持つような価値のあるコンテンツを作っていきましょう。
分析を行い次回の施策に生かす
SNSマーケティングには、定期的なフィードバックも必要です。KPIが達成できたかを確認して、もし達成できなかったならば計画の軌道修正も含めた改善策を議論しなければなりません。個人であってもSNSを上手に使って集客や認知度向上を果たしているインフルエンサーは多いです。彼らが用いている手法を学び、自社のマーケティングをもう一度考え直してみましょう。
SNSマーケティングで成功するために
SNSマーケティングを成功に導くためには、どういったことに気をつけなければならないのでしょうか。ここでは成功するためのポイントについて解説していきます。
役立つ情報を発信する
SNSで公式アカウントを開設した後は、こまめに投稿を行うことが必要となります。最初はフォロワーがゼロからのスタートとなり、しばらくは反応も少なく手ごたえを感じにくいでしょう。また、ユーザーが望んでいない情報をむやみに発信しても、良い反応を期待することはできません。広告やキャンペーンなどで増えたユーザーの離脱は速く、定着に時間がかかる側面もありますが、有益な情報を提供していれば徐々に認知は広がっていくものです。ユーザーの反応を注視しながら、役立つ情報を定期的に投稿していきましょう。
1対1のコミュニケーションを意識する
テレビ、新聞、ラジオなどのマス広告に慣れていると、どうしても多数を意識した言葉を選んでしまいがちです。しかし、それでは投稿者とユーザーの距離感が離れてしまい、信頼関係の構築が思うように進まないかもしれません。SNSマーケティングでは、個々のユーザーの悩みや課題、感情に目を向けることも重要です。日々のコメントに返信などをおこなう企業のSNS担当者は1対1のコミュニケーションを意識して言葉を選び、運用を行うようにしましょう。
ITやSNSリテラシーの向上
SNSは予期せぬ炎上などが十分に起こりうる環境であるため、企業の担当者にはITやSNSの利用に関する高いリテラシーが必要です。SNS上での発言やコメントについて、どこまでが大丈夫で、どこからがNGなのか、社内での運用ポリシーや投稿ルールの作成、社員間での意見交換などをおこない知識向上に努める必要があります。また、ユーザーの反応をつぶさに見つめながら、実際の現場でかじ取りをしていけるような担当者が求められます。
SNSマーケティングを行う際に
SNSマーケティングを行う際、自社アカウントの運用や企画の立案などで精一杯な状況になっていませんか。ここではそんなときに見落としてしまいがちな事柄を解説していきます。
自社ブランドとの親和性を考慮する
自社の商品やサービスの情報を発信するため、どのプラットフォームを選ぶのかというときに、自社ブランドとの親和性を考慮するのは重要です。複数のSNSアカウントを同時に開設したとしても、目的とKPIを定期的に確認し、投稿内容をSNSに応じて変えるなどの工夫も必要になるでしょう。
具体的にいえば、注目アイテムは拡散力のあるTwitterに投稿し、利用者の多いLINEではクーポンの配布を行うなどの工夫です。こうした施策も、あらかじめ自社ブランドとの親和性を想定しておくことで、スムーズに行うことができます。
専任の運用担当者やチームを整える
SNSマーケティングにおいて担当者が果たす役割は大きく分けて2つです。1つは、自社アカウント状況を把握しながら、投稿を行ってフォロワーとコミュニケーションを取っていくこと。もう1つは、テキストや画像、動画のコンテンツを制作することです。どちらも片手間にするのは難しい仕事になります。
広告代理店やデジタルエージェンシーなどの外部業者に委託せず、自社で内製化に取り組むのであれば、きちんと専任の運用担当者を任命してマーケティングチームの体制を整えるのが望ましいでしょう。
炎上リスクの理解と対策
炎上リスクや風評被害について理解し、そのような事態が発生してしまった際の対策を準備しておきましょう。ネガティブな評判や口コミを完全に防ぐことは難しいです。突発的な事件や事故に対応する意味でもマニュアルを整備し、社内での報告経路を作成しておくと、炎上が発生した際にも慌てず適切な対応をおこなうことができます。
SNSは投稿者が意図しないところで炎上してしまうことがあります。炎上したからといって、すぐに担当者の責任問題にするのは避けた方が良いでしょう。そのリスクと原因をしっかりと理解して、同じミスを起こさないだけの対策を立てることが重要です。
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