データ分析を仕事にする14職種を一挙公開!必要なスキルやキャリアパス、将来性を解説
データ分析や解析に関わる職業にはどのような仕事があるのでしょうか。新卒で就職する以外に、中途採用や転職でのキャリアチェンジは可能なのでしょうか。この記事では、データ分析の仕事の分類や、データ分析に関わる具体的な14の職業を紹介します。データ分析を仕事にするために必要なスキルやキャリアパス、データ分析の将来性についても見ていきますので、将来的にデータ分析の仕事に就きたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
目次
データ分析の仕事は大きく3種類に分類される
データ分析の工程は、以下の5つのステップで進められていきます。
- 要件定義
- データの収集
- データの加工や処理
- データ分析
- データ分析に基づいた課題解決
データ分析に関わる仕事はいくつも存在しますが、大きく分けると3種類に分類されます。まずはこの3種類について、その役割や仕事内容を詳しく見ていきましょう。
分析者(AIエンジニア、データサイエンティストなど)
ビッグデータなど膨大な量のデータを分析するには、機械学習によって効率的に作業を進めることが一般的です。
AIエンジニアやデータサイエンティストなど、データ分析を行う分析者は、データ分析の対象から適切にロジックを処理し、機械学習などを用いてデータ分析を行います。分析者は要件定義にも関わることも多く、機械学習やAIに関するスキルはもちろん、数学や統計などを利用したデータ分析への幅広い知見が求められてきます。
技術者(データエンジニアなど)
データエンジニアなどの技術者は主にAIエンジニアと連携を取りながら、データの収集やデータの加工・処理を行います。データの加工では、破損したデータや無関係なデータを取り除くデータクレンジングなども行います。AIエンジニアやデータサイエンティストなどの分析者が要件定義やデータの分析を行う役割だとすれば、データエンジニアをはじめとする技術者は実際にデータを収集し、データ分析の対象となるデータ作りを担う存在だと言えるでしょう。
コンサルタント(データコンサルタントなど)
コンサルタントは、データ分析から得られた結果をもとに、企業に課題解決への提案などを行う役割です。データ分析への知識はもちろんですが、コンサルティングとしてビジネスへの幅広い理解やマーケティングへの知見なども必要になってきます。クライアントとなる企業の経営層とも関わることが多く、高いコミュニケーション能力も求められてきます。
データ分析を仕事にする職種14種
ここからは、データ分析を仕事にする14の職種について、それぞれ詳しくご紹介していきます。
研究者
研究者とは、様々な物事について調査・探求・考察を行う人のことをいいます。大学や行政などの研究機関、民間の研究施設、医療機関などに在籍して調査・分析をおこないます。過去に蓄積されてきた人間の知識を集めて新たな考え方や技術を生み出したり、疑問を解明するために実験や観察を行ってデータを集め、科学的な見地から真実を見極め論文をまとめ世間に発表していくのが仕事です。データ分析の分野では、画像や文章、数値などの処理方法や解析技術を研究します。ときには、企業の研究チームと連携して製品開発や顧客分析に参加することもあります。AIや機械学習、統計などの研究職から企業に就職するキャリアパスも見られるようになっており、研究室で培った知識を生かしデータサイエンティストとして活躍することもあります。
開発者
機械・機器、電化製品、車両、設備などの製造業一般、薬品、原料、鉱物、また農林水産、食料品などを生み出す過程や、宇宙、理科学、生産加工、処理などといった原理を探求する仕事においても分析は欠かせません。研究者に近い立ち位置で、工学や数学、物理学などにまつわる知識をもとに、設計・開発・製造の工程における分析をおこないます。
シンクタンク職員
「〇〇研究所」「〇〇総研(総合研究所の略)」などのシンクタンクで働く研究員もデータ分析に関わる仕事のひとつです。シンクタンクとは政治・経済や社会問題、あるいは科学技術など様々な分野の調査・研究を行う機関で、大きく分けて政府系と民間企業の2種類があります。政府系のシンクタンクは省庁からの依頼を受けて政策の提言などを行っており、民間のシンクタンクでは主に企業に対し課題の解決や企業戦略のアドバイスを行っています。コンサルタントと類似した印象を受けるかもしれませんが、コンサルタントが業績拡大を目標としているのに対し、シンクタンクはあくまで調査・研究が中心であるというのが相違点です。
化学分析員
化学分析員は、様々な物体を化学的に分析する仕事を行う人です。無機化合物や有機化合物を定性・定量・容量など様々な角度から分析し、製品の安全性や環境への影響を調査します。化学の専門知識が必要な仕事で、製薬会社や化粧品メーカー、食品メーカーや製造業に加え官公庁にも活躍の場があります。分析結果で異常が発見された場合、改善のために作業の基準をどのようにすればよいかといった提案を行うのも化学分析員の仕事です。化学分析技能士という国家資格があり、持っていると転職で有利になりますが、2級以上を受験するには実務経験が必要です。
AI技術者
車の自動運転やスマートフォンの音声認識など、様々な場面で活用されているAI(人工知能)ですが、そのための研究や開発を行うのがAI技術者(AIエンジニア)です。データサイエンティストや機械学習エンジニアなどの肩書で呼ばれることもあります。機械学習や深層学習(ディープラーニング)などアルゴリズムの研究、さらにはAIを利用した製品開発など仕事の幅は広範囲におよびます。顧客から仕事を請け負うITベンダーやSIerに在籍する技術者の割合が高いですが、事業会社に在籍するAI技術者も増えてきました。ITベンダーがあくまで顧客からの注文に応じて開発を行うのに対し、自社で保有するデータを活用する際は、製品開発やビジネス上の課題に対してAI技術をどう役立てるかを提案します。
IT技術者
データサイエンティスト・データアナリスト、マーケターなどデータを活用する担当者がストレスなく大規模なデータを活用するためにはしっかりとした基盤環境を構築し、ITインフラの運用・管理を行っていかなくてはなりません。それを担当するのがIT技術者(ITエンジニア)です。ビッグデータを活用するためのアーキテクチャを考案し、データベースやクラウド基盤などの技術選定、データパイプラインの設計などをおこなうため「データエンジニア」や「データアーキテクト」と呼ばれることもあります。取得した生データをそのまま利用することはできないため、目的に応じた加工が必要です。機械学習に利用するデータレイクを構築したり、データアナリストが分析を行うデータウェアハウスやBIツールの基盤を整えるなど、データエンジニアは周辺職種との関係が非常に密接な「縁の下の力持ち」的職種といえます。IT系やネット関連企業、金融、製造業、サービス業はもちろん、医薬品や運輸・物流など幅広い業界で需要があります。
コンサルタント
顧客企業の経営課題を解決するために、様々な提案をしていくのがコンサルタントの仕事です。データ分析コンサルタントは企業が持つデータをどのように分析したらビジネスに生かせるかを提案したり、あるいはデータセキュリティやデータガバナンスに関するコンサルティングなども行います。また、データ分析結果から新たなビジネスモデルを提言したり、情報の設計やマネジメントに関するコンサルティングも行うなど、データ分析スキルに加え高いビジネススキルも求められる職種です。数字に強く、大学で統計学や会計学を学んでいる人が多く採用される傾向にあります。
企画者
経営企画、事業企画、営業企画、人事・総務などに所属するビジネス職種でもデータ分析に関わることはあります。データドリブン経営を実践する組織が増えており、事業に関する数値をもとに業績を予測したり、仮説をもとに必要な情報を調査・分析して、意思決定に必要な判断材料を報告します。M&Aなどに関する企業価値の算出や企業の成長戦略を描くうえでも分析は欠かせません。コンサルティングファームや監査法人、投資銀行などから事業会社へ転職する際のポジションとしても一般的です。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトの予算管理や人員の選定などを行い、プロジェクトが円滑に進むよう統括していくのがプロジェクトマネージャーの一般的な役割です。データ分析プロジェクトの場合は、これに加えてデータ分析の専門家とビジネス側の橋渡しの役目も果たしていきます。ビジネスの課題解決のためにどのようなデータ分析が必要かを知り、分析結果を実際のビジネスに生かしていくために、双方の意思の疎通を円滑にする仕事もしなくてはなりません。そのためデータ分析の知識とビジネス視点の両方を持っている必要があり、データ分析チームのマネジメント経験者がこの職につくことが多くなっています。
保険数理士(アクチュアリー)
保険数理士(アクチュアリー)は、文字通り保険関連の仕事が中心となっています。保険の掛け金や支払う保険金を決めるためには、死亡率や金利など様々な条件を加味する必要があります。このような将来予想されるリスクや不確定要素を分析し、評価するのがアクチュアリーの仕事です。生命保険や損害保険の商品開発にも関わるほか、従業員の動向を考えながら企業年金の掛け金を計算したり、あるいは企業のリスクマネジメントといった業務も行っています。確率論や統計論といった数学の知識が不可欠で、資格試験の難易度も高い専門職です。
クオンツ
クオンツは金融・証券業界の専門職です。こうした業界で利益を獲得するためには市場の現状分析と将来予測が欠かせませんが、これを経験や直感に頼るのではなく高度な数学的手法を用いて行うのがクオンツです。クオンツは過去の株価や企業業績の推移といった大量のデータを分析し、それを基にして今後の展開を予測します。数値化されたデータを基にしているので確実性が高いと思われがちですが、判断基準は人が書いたプログラムによるので必ずしも完全とはいえません。数学・物理学の知識に加えプログラミングのスキルも必要な専門性の高い職種です。
データアナリスト
データアナリストはデータの解析を行う職業ですが、対象としているのは主に統計的な分析が可能な対象です。ビジネスのほかに、スポーツや気象、政治、医療、教育など様々な分野で活躍しています。集計したデータの中からある一定の法則性や相関関係を見出し施策を提案したり、予測モデルを作成し将来的な需要まで見越して実際の業務に生かしていくなどがデータアナリストの仕事です。大きく分けるとコンサル型とエンジニア型があり、コンサル型はデータ分析の結果から課題解決の具体的な提案を行い、エンジニア型は分析結果をシステムの改善や構築に生かしていきます。データを扱う能力はもちろん、ビジネスの理解やプレゼン能力も必要な仕事です。
マーケター
マーケターの仕事はマーケティング、すなわち商品やサービスをより多く売るための仕組みを作ることです。そのためには、市場のニーズやターゲット層の嗜好を把握するといった市場分析が必要になります。施策の効果検証や顧客分析、ウェブ解析などにもデータ分析のスキルは必要です。インターネットが普及した現代ではWebマーケティングが主流となっており、アクセス解析やアンケート等様々なデータを分析してPVや売上の向上に役立てます。トレンドに敏感な感性はもちろんですが、データ解析結果から市場の動向や問題点をつかむ分析力も必要です。商品開発や販売促進にはなくてはならない存在で、幅広い業種で求められています。
リサーチャー
リサーチャーはマーケティングリサーチを専門に行う職種で、マーケティング職の中の一つです。リサーチ、すなわち調査を行うのが仕事ですが、単にアンケートを実施して集計するというのではなく、目的に合わせたアンケートを作成し、結果を分析してマーケティングに役立てるのがリサーチャーの役目です。また、分析結果を基にして開発した商品が実際に売れているかどうか、売れていない場合は何が問題なのかも分析します。同じマーケティング職ということでマーケターに近い側面もありますが、リサーチャーの方がよりデータ分析の比重が高い仕事といえるでしょう。
データ分析を仕事にするために必要なスキルや知識
ここからは、データ分析を仕事にしていくために必要なスキルや知識について見ていきます。
ロジカルシンキング
データ分析を仕事にしていくのであれば、データに基づいて論理的に思考する「ロジカルシンキング」が必要になります。特にAIエンジニアやデータコンサルタントとして活躍したいのであれば、データ分析におけるロジカルシンキングは必要不可欠なスキルだと言えるでしょう。
データを整理するスキル
クライアントはデータ分析の専門家ではないことがほとんどです。データ分析から得られた結果をクライアントにわかりやすく伝えるためには、データを整理しまとめる力が必要になってきます。資料の作り方に工夫をこらすこともそうですが、専門用語をかみ砕いて説明するといったことも必要になるでしょう。データ分析への深い理解があることは前提として、データを整理して伝える力もビジネスにおいては重要なのです。
AIやビッグデータ解析へのスキル
AIやビッグデータ解析に関するスキルは、データ分析に携わるのであれば欠かせないものです。データ分析においてAIや機械学習を用いることは珍しくはありません。データ分析を行う、データ処理を進めるためには、AIや機械学習へのスキルがあることも前提になってきます。データ分析を仕事にしたいと考えるのであれば、必ず学習を進めるようにしましょう。
データ分析の仕事に就くためのキャリアパス
データ分析の職種やスキルを見ていきましたが、実際にデータ分析の仕事に就くためには、どのようなキャリアパスを取ればいいのでしょうか。ここでは4つのキャリアパスについて見ていきます。
大学や大学院で学んで就職する
大学や大学院でデータサイエンスなどを学んで就職する方法があります。データサイエンス教育は徐々に広まりを見せており、現在国内でも、一部の大学でデータサイエンスを専門に扱う学部学科などが設けられています。こうした大学へ進学することでデータ分析に携わる職種へ就職するチャンスには恵まれやすくなるかもしれません。また、データ分析に必要な統計解析なども大学で学んでおけば、実務でも役に立ちます。
専門学校で学んで就職する
IT系の専門学校から就職する方法もあります。データ分析に特化している専門学校はありませんが、データ分析に関わりそうなIT技術を専門学校で習得することで、データ分析に関連した職種への就職も不可能ではありません。
プログラミングスクールで学んで就職する
プログラミングスクールでスキルを習得し、就職する方法もあります。AIや機械学習の講座などを受ければ、AIエンジニアやデータエンジニアとしてデータ分析に携わることもできるでしょう。プログラミングスクールはオンライン受講可能なケースが多く、社会人の人もトライしやすくなっています。転職を考えているのであれば、プログラミングスクールを活用すると良いでしょう。
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独学で学んで転職する
書籍やインターネットを活用し、独学でデータ分析を学んで就職する方法もあります。スキルの証明として、AIや機械学習に関する資格を取得するなどすれば、就職への後押しにもなるでしょう。しかしながら、データ分析について独学のみで習得するのは非常にハードルが高い作業です。誰かからの指導を受けられるようにしておくことをおすすめします。
データ分析の仕事を副業にはできる?
本業で働きながら、副業でデータ分析の仕事にチャレンジしたいという人もいるのではないでしょうか。結論から言えば、データ分析に必要なスキルを有していればデータ分析の副業は可能です。データ分析の分野はまだまだ人手不足であり、副業であってもデータ分析ができる人材の需要は非常に高い状況が続いています。
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データ分析の仕事に将来性はある?
最後に、データ分析の仕事に将来性はあるのでしょうか。
データ分析に関する職種はさまざまありますが、基本的には将来性のある仕事だと考えてよいでしょう。なぜならばビッグデータの活用やAIの進歩などから、データ分析を必要とする企業は数多くあるからです。しかし、こうした需要に対して、データ分析を専門に行える人材はまだまだ少ないのも現状です。こうした状況を考えれば、データ分析のスキルを身に着けることで、あらゆる企業で求められる存在にもなりうるでしょう。
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