ITエンジニア職種一覧・種類と仕事内容を解説
IT業界で働くエンジニアの職種には役割や分野に応じてさまざまな種類があります。システムエンジニア(SE)やプログラマー(PG)など開発に携わる技術者のほかに、セールスエンジニアやヘルプデスクといったサポートをメインとする職業もあります。
この記事では、ITエンジニアの主要な22の職種について役割や業務内容などを紹介します。未経験から挑戦する方法や転職・就職についてもみていきましょう。
目次
- 1 ITエンジニアとは
- 2 ITエンジニアの種類
- 3 ITエンジニアの職種一覧
- 3.1 ITコンサルタント
- 3.2 プロジェクトマネージャー
- 3.3 プロジェクトリーダー
- 3.4 システムエンジニア(SE)
- 3.5 プログラマー(PG)
- 3.6 テストエンジニア
- 3.7 データベースエンジニア
- 3.8 セキュリティエンジニア
- 3.9 インフラエンジニア
- 3.10 SRE(Site Reliability Engineer)
- 3.11 ネットワークエンジニア
- 3.12 サーバーエンジニア
- 3.13 フィールドエンジニア(サービスエンジニア/カスタマーエンジニア)
- 3.14 サポートエンジニア(ヘルプデスク)
- 3.15 セールスエンジニア(プリセールス)
- 3.16 社内SE
- 3.17 製品開発/研究開発
- 3.18 アプリケーションエンジニア(バックエンド/サーバーサイド)
- 3.19 フロントエンドエンジニア
- 3.20 マークアップエンジニア
- 3.21 制御・組み込みエンジニア
- 3.22 IoTエンジニア
- 4 ITエンジニアになるには
ITエンジニアとは
ITエンジニアは、コンピュータやデータ通信など「情報技術(Information Technology)」に関連する技術者の総称です。インターネットやスマートフォンが普及したことで、情報処理やシステムが身近になりITエンジニアやIT関連職種を求める企業も増加しています。
ITプロジェクトでの役割や専門分野に応じて、IT技術者の職種も細分化や専門化が進んでいます。「ネットワーク」「セキュリティ」「AI」などの技術分野やIT戦略の策定から企画、システム開発、運用・保守などITエンジニアが携わる業務は多岐にわたります。
理系出身者の多い他業界のエンジニアに比べ、IT業界ではシステムエンジニア(SE)を中心に文系出身の技術者も多く活躍しています。
ITエンジニアの種類
ITエンジニアの職種を解説する前に、簡単な種類による区分けを紹介します。IT職種の中でも「研究開発」「企画」「プロジェクト管理」「開発」「インフラ」「サポート」に分かれます。
研究開発
R&Dエンジニアやリサーチエンジニア、リサーチャーのポジションで募集される研究開発部門のITエンジニアです。研究機関や研究所などで開発に進む前の基礎研究や新技術の開発に取り組みます。テクノロジーの発展や商業化に最前線で取り組むことができ高いやりがいのある職業です。研究開発部門に配属されるエンジニアは理系の大学、大学院を卒業して就職することが一般的です。
企画
ITコンサルタント、アーキテクトなど企業のIT戦略の立案やシステムの見直し、新システムの導入提案など上流の企画や要件定義を中心に担当します。大手企業を中心にDX(デジタルトランスフォーメーション)への期待がたかまり、デジタル変革の投資意欲は好調です。セキュリティやBI、RPAなど専門領域ごとにコンサルティングを行う技術者も存在します。
プロジェクト管理
プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)、PMOといったITプロジェクトの管理をおこなうポジションです。メンバーのアサインやプロジェクトの進捗管理、予算管理などをおこない納期通りプロジェクトを完了することがミッションです。SEを経験したあとにPLを経てPMとなるキャリアプランが一般的です。
開発
アプリケーションやソフトウェア、ITシステムの開発にたずさわるエンジニアです。コーディングを担当するプログラマーやインフラ構築を担当するインフラエンジニア、Web系の開発をおこなうバックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニアなど様々なエンジニアにわかれています。
運用保守
運用保守や障害対応をするエンジニアは、ネットワークやサーバーが障害で止まらないように、運用や管理をする人のことです。定期的にメンテナンスを行い、障害が起きないための監視をしています。運用の仕事では、未然にトラブルを防ぐための管理が重要です。保守作業としては、トラブルが起きてしまった時の究明や復旧をしています。
サポート
サポートエンジニアやヘルプデスク、テストエンジニア、フィールドエンジニアなど販売した製品のサポートやメンテナンス、デバッグなどを担当するITエンジニアも存在します。技術的なスキルよりも対人のコミュニケーションや根気強さなどが要求される職業といえるでしょう。
ITエンジニアの職種一覧
ここからは、代表的なITエンジニアの職種と仕事内容を紹介します。
ITコンサルタント
企業が抱える問題を解決するための専門家をITコンサルタントといいます。主な仕事内容はIT戦略を考えることで、具体的にはシステムの見直しや新しいシステムを導入するための提案です。また、システムの最適化や動作検証もしています。ITコンサルタントの仕事では、ヒアリングや分析・提案を行い、分析結果から問題点や課題を挙げることが大切です。問題を解決するための提案を企業へプレゼンテーションし、問題解決に向けたプロジェクトも決めていきます。そして、プロジェクトの統括や人材集め・全体の管理もしているのです。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体の管理を行い、予算やスケジュール・品質などの責任を負う役職です。主にシステムの構造に応じた予算やスケジュールの管理・メンバーの決定・チームの結成などをしています。顧客にヒアリングし、どのようなプロジェクトを行うかを決めてから、具体的なプロジェクトの策定や規模・予算などを決めていくのです。チームメンバーを決めた後は、具体的なスケジュールや納期の説明・対人管理など、全体の管理やサポートもします。さらに、プロジェクト後の評価やレビューも、プロジェクトマネージャーの仕事です。
プロジェクトリーダー
プロジェクトマネージャーから指示されたプロジェクトを遂行する時の現場責任者がプロジェクトリーダーです。現場で行う業務の責任を持ち、スケジュールやメンバーの能力などを管理します。現場管理をしているため、主な仕事はプロジェクトの基本設計や詳細設計です。また、現場内でのトラブルを解決したり、対人関係のフォローをしたりもします。他のチームと連携し、情報交換をするのもプロジェクトリーダーです。
システムエンジニア(SE)
クライアントと相談しながら、最適な仕様になるシステム開発をするのがシステムエンジニアです。主に、プログラミングやシステム設計を行います。プログラミング自体は、システムエンジニアが行うこともありますが、プログラマーに依頼する場合も多いです。システムエンジニアは、ヒアリングとシステム設計だけでなく、予算や人員の提案・進行管理・完成したシステムのテストもしています。
プログラマー(PG)
プログラマーは、プログラミング言語を用いて、ソフトウェアやシステムを作る人です。システムエンジニアから指示を受け、ジャンルや目的に応じたプログラミング言語で作っていきます。また、指示通りに設計していても、意図しない動作も出てくるでしょう。バグの発見や処理をして、不備のないシステム作りをするのもプログラマーの仕事です。
テストエンジニア
IT製品や電子機器・ソフトウェアなどが正しく動作するかの確認をする職種がテストエンジニアです。さまざまなテストを行い、データベースやプログラム設計でのミスと潜んでいるエラーなどを見つけます。実施するテストの計画を立てるのもテストエンジニアの仕事です。具体的には、テストの目的や方法・実施期間・人員配置などを計画し、テストが完了する基準も決めています。また、テスト実行後は、分析や結果の文書化をしているのです。
データベースエンジニア
データベースエンジニアとは、データベースの開発や設計・運用・管理をしている人です。開発や運用では、顧客がデータベースをどのように活用したいかの確認をして、ニーズに合ったデータベースを開発・設計していきます。データベースを運用し、データのバックアップやアクセス権の管理などをしているのもデータベースエンジニアです。また、データを適切に保管するために、サーバーの効率化や最適化などの管理もしています。
セキュリティエンジニア
情報セキュリティ業務に特化しているエンジニアがセキュリティエンジニアです。サイバー攻撃などから守るために、セキュリティに関するシステムの開発や設計・運用・管理をしています。セキュリティエンジニアは、顧客と相談し、必要なセキュリティシステムの企画と設計をすることが大切です。ネットワークやアプリケーション・ハードウェアなど、それぞれに合わせたセキュリティを提供します。また、実装のためには機器の設定やプログラミングのスキルも必要です。実装したシステムの脆弱性テストを行い、最終的に導入できるシステムを開発・運用します。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの両方を担う職種です。サーバーやネットワークの設計と構築・運用・保守などを行う、主なサービスの基盤を作っています。インフラエンジニアの仕事は設計と構築・運用で、サーバー構築や適切に送受信できるネットワーク作りなどです。
SRE(Site Reliability Engineer)
SREはGoogle社が提唱・実践しているシステム運用「サイトリライアビリティエンジニアリング」で活躍するエンジニアのことです。SREは「ITシステムの信頼性維持のために、チームでシステム運用すること」を基本としています。SREの仕事内容は、運用業務の土台作りやシステムの安定化・課題の解決です。そして、SREは運用と開発をつなぐ役割もしています。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとは、ネットワークの構築と保守・管理をしている人のことです。主にネットワークを専門にしていて、システム設計の要件定義などを考えています。そして、スケジュールに沿った設計を行っているのです。運用後は設定や構成の変更・運用サポートもしています。また、ネットワークに関するトラブル解決や機器の交換も、ネットワークエンジニアの仕事です。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアはサーバーの構築や設計・管理・保守を専門にしている人です。主にサーバーを動かしているアプリケーションを担当しています。サーバーにはWebサーバーやファイルサーバー・メールサーバーなどがあり、通信速度や電源容量などに応じた設計が必要です。顧客やプログラマーと相談し、サーバー構築に関する設計や管理をします。サーバーエンジニアはケーブルの配線やOSのインストール・アプリケーションのインストールもする場合が多いです。
フィールドエンジニア(サービスエンジニア/カスタマーエンジニア)
顧客へ出向き、ハードウェアの設置や設定・保守などをしているのがフィールドエンジニアです。サービスエンジニアやカスタマーエンジニアとも呼ばれています。また、故障やトラブルがあった時にも出向き、点検や修理作業をしているのもフィールドエンジニアです。カスタマーエンジニアと呼ばれる場合、安定的に稼働するための保守や点検・修理を専門に行っています。
サポートエンジニア(ヘルプデスク)
サポートエンジニアはヘルプデスクとも呼ばれ、顧客と直接やり取りをします。利用者から質問や相談・今後の課題などを聞き、それを解決するためにサポート業務をしているのです。顧客とのやり取りは、電話やメール・FAXなどで行います。企業によっては遠隔操作やチャット相談を実施していて、その対応者として活躍する場合も多いです。
セールスエンジニア(プリセールス)
自社製品を売り込む場合、営業担当が行っていますが、技術面でサポートをしているのがセールスエンジニアです。専門的な動作や用語を説明する時は、サポートとしてセールスエンジニアが同行します。そして、説明や提案・アドバイスなどをしているのです。セールスエンジニアはシステム開発を実際に行うことはなく、顧客へのデモンストレーションなどをしています。
社内SE
社内SEは自社内の運用をスムーズに行うためのシステム開発や運用をしている人です。システムエンジニアとしての仕事をしていますが、社内のシステムに特化しています。また、企業内のITに関する開発・管理をしていて、社内システムが安定して稼働する整備もしているのです。さらに、従業員へのIT教育、社内で使うパソコンの管理や修理を行っています。
製品開発/研究開発
製品開発や研究開発は、IT製品の開発に携わっている人のことです。ソフトウェアやハードウェアなど、さまざまな製品の開発をしています。主な仕事は開発者として、提案や企画を出すことです。研究や情報収集をして、製品開発に向けた分析もしています。
アプリケーションエンジニア(バックエンド/サーバーサイド)
主にアプリケーションの開発や設計・運用・保守をしている人です。開発するのはソフトウェアやシステムによって異なり、「業務系アプリケーション」「スマホのアプリケーション」「Web系アプリケーション」などがあります。仕事内容は、それぞれの目的や仕様に合わせた設計と動作テスト・本番公開・問題の解決です。そして、運用後のエラー確認やトラブル開発・修正・復元もしています。
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フロントエンドエンジニアは、Webデザイナーのデザインを参考に、HTMLやPHP・CSSなどの設計と実装・コンテンツマネジメントの構築・カスタマイズをしている人です。サイトやサービスの実装を担当していて、ユーザーが画面で見る部分を構築していきます。
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マークアップエンジニアとは、Webサイトを制作する時に関わっている人です。SEOやアクセシビリティなどを考慮し、ユーザーが快適に使用できるサイトを作っていきます。主な仕事は、タイトルや見出し・小見出しなどの構成・レイアウト・装飾です。マークアップ言語などを使い、見やすくて使いやすいサイトを作ります。
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IoTに特化したシステムやソフトウェア・製品の開発・設計・運用をしているのがIoTエンジニアです。インターネットを活用した遠隔操作や情報管理などを担当しています。開発や設計をする時には、ネットワークやアプリケーション・制御・組み込みなど、さまざまなものを使うため、多くの知識と技術が必要です。また、データ分析やセキュリティ対策なども行っています。
ITエンジニアになるには
ここまでITエンジニアの種類と職種について紹介しました。ITエンジニアといっても様々な職種があり、求められるスキルセットや業務経験もそれぞれことなります。
職種によっては理系の大学を出ていないとなれなかったり求人の募集要件を満たさないこともありますが、サポートやインフラエンジニアなどの職種は未経験からでも挑戦しやすい傾向にあります。
未経験からITエンジニアに転職する際は、ポテンシャル枠の求人に応募していくことになります。すぐに内定がでるとよいですが、書類で落ちてしまう場合や面接を通過しない場合は対策が必要です。
独学でプログラミングを学習してポートフォリオを作成したり、プログラミングスクールに通って入社に必要なスキルを身につけて就職するなど工夫をするとよいでしょう。
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